事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します

世界銀行の女性起業家資金イニシアチブ:イバンカ基金というフェイクニュース


this.kiji.is

 

2017年11月3日、共同通信によるフェイクニュースが行われました。

これにより、おぞましい言論汚染が広がっています。

今回はこの件についての正しい認識と情報ソース、有害な議論について整理していきます。

 

認識しなければならないのは

 

血税でも全く問題はない

 

ということです。

 

 

報道と真相:個人基金ではなく世界銀行のファシリティ

 安倍晋三首相は3日午前、海外の女性指導者らを東京に招いて女性政策を議論する国際シンポジウム(女性版ダボス会議)の関連行事に出席した。あいさつでは、トランプ米大統領の長女イバンカ大統領補佐官が設立に関わった、女性起業家を支援する基金への5千万ドル(約57億円)拠出を表明した。

 来日中のイバンカ氏も関連行事に出席して講演。5日のトランプ氏の来日を控え、友好ムードを演出した形だ。

 首相は「日本は世界で女性活躍の旗を高く掲げ、強い指導力を発揮していく決意だ」と強調。女性起業家への期待を示した上で「イバンカ氏が主導した基金を強く支持する」と述べた。

 

上記の記事を見ると、まるで

 

 

安倍総理がイバンカ氏来日によって、イバンカ氏個人の基金に血税を5000万ドルも投入することを決定した

 

 

このような印象を持つ人が少なからず出てくると思います。

実際、そのような印象操作をする発信をしている輩がいます。

 

 

 

  1. 私的な基金に
  2. 血税を投入すること

 

これらの要素によって、問題であるという指摘です。

しかし、これは明確に間違いです。

 

  1. 報道されている基金とは、世界銀行のファシリティである女性起業家資金イニシアティブ(We-Fi)
  2. イバンカ氏は設立には尽力したが、運営や資金調達には無関係
  3. 2017年7月のG20サミットにおいて設立と各国の拠出が決定済み
  4. 上記を日本外務省も7月8日にHPで公表済み*1

女性起業家資金イニシアティブの立ち上げ | 外務省

 

 

安倍総理の発言は、WAW!の席上でのこと

 

安倍総理は、国際女性会議WAW!(WAW!2017)という開会挨拶で、既に決定されていた事項について改めて言及したに過ぎません。

 

www.kantei.go.jp

国際女性会議WAW!(WAW!2017)の開催(3日目:特別イベント及びクロージング)(結果) | 外務省

本日このWAW!に参加してくださった, イヴァンカ・トランプさんも,同意して頂けると思います。
自らもビジネスを立ち上げた実業家として,また,トランプ大統領が信頼する補佐官として,イヴァンカさんは,本年のG20ハンブルグ・サミットで,「女性起業家資金イニシアティブ」の立ち上げを主導されました
日本は,このイニシアティブを強く支持します。そして,最大拠出国の一つとして,5千万ドルの支援を行うことを決定しました。
世界中に「女性活躍」のネットワークを広げていく。世界中の女性たちが立ち上がれば,貧困をはじめ,世界の様々な課題は,きっと解決できるはずです。日本は,世界において,これからも「女性活躍」の旗を高く掲げ,強いリーダーシップを発揮していく決意です。

 

安倍晋三内閣総理大臣が開会挨拶(PDF):www.mofa.go.jp/mofaj/files/000304908.pdf

 

このように、G20ハンブルグ・サミットでの決定事項であったということは、安倍総理の演説において明言されています。

 

したがって、安倍総理は「拠出を表明」したという表現は控えめに言って甚だ不適切ですし、共同通信がイバンカ氏基金と、カッコ書きにすらせずに表題をかけていることは、明確にフェイクニュースです。
(カッコ書きならまだ比喩的表現という「逃げ」も許される余地はありますが、これはダメですね)

 

 

えっ!?紛らわしい?

 

 

記者が勘違いするのも仕方がない?

 

 

 

現場記者は発言をそのまま伝えてるはずなので、勘違いしたとすればそれは報道局のチェック体制の担当者でしょう。実は、勘違いするはずがないというのが明白なのです。

 

それは、安倍総理の後に河野外務大臣も演説をしているからです。

 

そこで,日本政府は,こうした女性たちを支援するため,本年7月のG20ハンブルグ・サミットに際して立ち上げられた「女性起業家資金イニシアティブ(We-Fi:ウィーファイ)」を支援しています
このイニシアティブは,開発途上国において,女性起業家や,女性が運営する中小企業が直面する障害を克服するための支援を目的として世界銀行に設置された基金です。先程講演をしてくださったイバンカ・トランプ大統領補佐官はこのイニシアティブの立ち上げに尽力されました。基金が円滑に運営され,世界全体で「女性が輝く社会」が実現するためにも,日本として最大限の協力をしていく考えです。

河野太郎外務大臣基調演説日本語(PDF)

 

 

当該基金の正式名称と、明確に世界銀行に設置された基金と言っています。

 

これをイバンカ氏個人の基金と見まがうかのような表現をすることは、過失ではなく意図的ですし、G20各国と彼女の双方を貶めることになります。

 

印象操作を超えたフェイクニュースです。

 

青山繁晴氏も、11月6日のDHC虎ノ門ニュースで明確に「共同通信のフェイクニュース」と指摘しています。

 

おそろしいのは、共同通信の記事を鵜呑みにした他の全国紙、地方紙、ネットニュース媒体もチェックをせずに同様の発信をしているということです。共同通信は未だ訂正しておらず、間違いですらないという態度を貫いています。

 

血税であっても何ら問題はない

 

さて、ツイッターをはじめとするネットでは、「拠出の原資が血税か否か」という議論が行われています。

 

 

なお、外務省の平成30年新規要求事業では一般会計(血税が含まれる)から14億円が拠出される予定であることが指摘されていますが
www.mofa.go.jp/mofaj/files/000287241.pdf

 

 

「実質的には」「今回の件で」

 

という限定つきでの説明になっています。つまり、彼女の発言を聞き取った者が、「外貨準備ということは=100%税金ではない」と言うのは非常に危険であり、それは石川さん自身もそんなことは言ってないということになります。

 

石川さんの指摘それ自体は正当であり、全く悪く言うつもりはありません。

 

しかし、この点を強調しすぎると

 

「血税ではない」 から 「問題ではない」

 

という論理展開をしていることになってしまいます。

 

これを問題にしだしたら、ODAも一般会計から拠出されているので、あらゆるODAを非難しなければならなくなります

 

血税かどうか、ではなく、「その基金への拠出は必要かどうか」「効果的かどうか」という実体的な議論をするのであればまだ理解できますが、そうした議論は全く見る事がありません。

(そういう議論になったとしても、不必要とは私は考えません。)

 

 

このように、「拠出の原資は血税か?」という争点を形成することは

 

「まわりまわって結局は血税を元にしてるのでは?」

 

という泥沼の論争になっていきます。

 

これは全く建設的な議論ではありませんし、この件を無理やり問題視しようとする輩に反論の機会を与えることになるという点でも誤った行動方針であり、有害な議論です。
(例えばあのリテラも意図的にこの議論に引きずり込もうとしています)

 

 

 

 

より本質的なのは

 

 

血税であっても何ら問題がない

 

 

ということです。

 

ただこの件、血税かどうかが争点化することは健全であるとは言えません。たとえ血税からの拠出であっても、「直ちに」問題になるものではないでしょう。国家の活動とは複雑で、その活動が血税によるものかどうかを区別することにどれだけの意味があるのか、正直疑問です。 

このままではODAなども「血税が含まれているから」という理由で非難されかねません。その意味で、今回の基金の原資が血税であるかどうかという議論それ自体、有害だと思います

鉄槌 てっつい|青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road 投稿者【Nathan】

(私の投稿ですが、青山さんのHPという「庭」が最初の表現場所なので「引用」です。)

 

その他の暴論にたいして

 

 

 

 

 

 

 

ありとあらゆる方法・手段で、日本政府の行動が貶められています。

 

このようなフェイクニュースは許してはなりませんし、このフェイクニュースに乗っかる者の土俵に乗った議論展開をしてはいけません。

 

フェイクニュースと闘うためには、私たちもまた成長していかなければならないということを、改めて骨身に染みました。それを痛感したからこそ、この記事を書いた次第です。

 

まとめ

 

  1. イバンカ基金というのはデマと確定
  2. 事実は、世界銀行に設置された「女性起業家資金イニシアティブ(We-Fi:ウィーファイ)」への拠出
  3. 拠出の原資が税金でも問題ない、血税か否かという議論は、それ自体有害

 

以上