事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

ポプテピピック7話ヘルシェイク矢野、元ネタ考察、隠しネタ考察

アンチとネットスラング

 

今回は「パンク」というヒントから「アンチ」が裏テーマになっていました。

また、もう一つのテーマとして「ネット上のスラング」が存在しています。
これによりマナティが増えたのも必然だと分かります。

ポプテピピック製作陣は、毎回一貫した隠しテーマに沿って構成しているという信念の基に作られるこの記事。今回も全てのネタを拾うのではなく、隠しテーマを深堀りし、関連性を浮き彫りにしていきます。

 

アンチと信者というネットスラング

ポプテピピック7話冒頭や主題歌後の「アンチ」ネタはポプテピピックの原作にも登場している。これはパソコン通信時代から存在していると言われるアンチと信者の争いという括りのインターネットスラングに対する風刺である。

デフォルメして言うと、人物や作品などを肯定的に論評するのが信者、否定的に扱うのがアンチと言われる。2ちゃんねるなどの掲示版ではある話題に関してアンチが書き込みをして「荒らし」と呼ばれる非建設的で不毛な主張をするため、利用者は殺伐とした雰囲気にしばしば悩まされていた。対策として「アンチ専用スレ」を建てて棲み分けを図るなどの工夫が練られた。

アンチと信者をネタにしたのはポプテピピック第4話のPop Team Togetherでもみられ、「アンチ信者すぐ討論」というフレーズがある。

アンチエイリアス

 

アンチエイリアス - Wikipedia

アンチエイリアスとは、端的に言うと「デジタル画像のギザギザを見た目上誤魔化すための工夫」のことである。具体的には以下の画像を見てもらえばわかるが、曲線部分に周辺の色に近い色を加えることで見た目上の滑らかさを表現している。

アンチエイリアス

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おそ松くんはちゃめちゃ劇場:発売・開発元、セガ・エンタープライゼス

上記画像を拡大して見比べると、ポプテピピックの側は曲線にギザギザがなく、滑らかな見え方になっていることが分かる。これに対して、元ネタのおそ松くんのゲーム画面では、ギザギザが目立つ。ドットが荒いのかアンチエイリアス処理が不十分なのかわからないが、このように曲線が多くて比較に適切な場面はそうそう無い。したがって、ポプテピ制作陣はこれに気付かせるために意図的にこの場面を選んだ事が明らかである。

ちなみに、第7話の大川ぶくぶ先生の肩書は「光の戦士」だが、これはFF14プレイヤーを指すスラングという説が圧倒的である。しかし、このブログではアンチエイリアス処理を施す者指したものでもあるという事になる。

光はRGBでできている|キヤノンサイエンスラボ・キッズ

魚拓:http://archive.is/51R8S

光の三原色色の三原色



アンチエイリアス処理はパソコン等の機器で近接する色の彩度などを調節して行われるので、原則的には光の色の法則に従うことになる。したがって、「光の戦士」とはこの処理に悪戦苦闘するかつてのドット絵師、ゲーム制作陣をあらわすものではないだろうか?(ぶくぶ先生が過去にこのような仕事をしていたかは知りません)

 

ABS:アンチロックブレーキシステム

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ABS(Antilock Brake System)アンチロックブレーキシステムとは、ブレーキを踏んでタイヤが無回転になると滑って止まらなくなるため、それを自動で回避するためのテクノロジーである。

ポプ子の乗っている車はその形状からメルセデス・ベンツのSクラスと思われるが、ベンツとABSとは縁が深い。4輪自動車の市販車でABS搭載が一般的になっていったのはメルセデス・ベンツのSクラスの登場が先駆けである。

アンチロック・ブレーキ・システム - Wikipedia

日産HP:http://www.nissan.co.jp/COMPASS/ISF/5TH/growth.html

魚拓:http://archive.is/qp71F

メルセデスベンツ・Sクラス

(なお、教習車にはナンバープレートとは別に「練習中」などの文字が書かれているプレートが付いているが、おそらく車のリア最下部にあるものがそうであると思われる。これはドット表現されており、アンチエイリアスのヒントにもなっていると思われる。)

「サブカルクソ女」という表現もポプテピピック原作に度々登場するが、「サブカル女子」という把握の仕方がネット上で存在する事の風刺でもある。また、7話では車の場面が2回あるが、これは同時にパンクを暗示しているものと言える。

なお、AC部の二人は高速紙芝居で自動車に関する作品で受賞している。


アンチテーゼ

アンチテーゼでは処刑する

非の打ちどころのないかわいさ」の後にこの処刑前のシーン。明らかに対局にある正反対の場面である。第7話で最も意味不明なシーンだが、アンチテーゼをあらわしたシーンであると考えれば納得がいく。

なお、この言葉はアニメ「エヴァンゲリオン」の主題歌「残酷な天使のテーゼ」等の存在により、サブカルチャーに浸っている者にとっては常識であると思われる。

 

クソゲーというネットスラングの概念

クソゲーハイクソー

もはや市民権を得ているのでは?と思わせる「クソゲー」という語だが、ネット上で「理不尽/意味不明な内容の駄作」という意味が公約数的である用語が由来である。

著名人であるみうらじゅんが言い始めたことで広がった単語である。元々業界では「バカゲーム」などと呼んでいたが、「金払っているんだから馬鹿じゃすまねーだろ」ということで「クソゲー(糞ゲー)」と名付けたと彼は語っている。だいたいこの単語が誕生したのは1980年代後半である。ちなみにみうらじゅんが初めてクソゲーと呼んだゲームはファミコンの『いっき』とされる。理由は「一揆は一人でやるもんじゃねえ!」とのこと。しかし、『いっき』は当時としてはわりと人気があったゲームでみうらじゅん以外にはクソゲーと呼ばれていない(みうらじゅん自身も『いっき』は好きなゲームと言っている。ゲームがクソではなくて一人で一揆をするのがクソらしい)

ポプテピピックでもいわゆるクソゲーのオマージュが数多くある。第5話で「こんなあにめにまじになってどうするの」というセリフがあったが、これは「たけしの挑戦状」という1986年発売のゲームのクリア後に表示される言葉が元ネタであった。
なお、既述の「おそ松くん」のゲームもクソゲーと名高い。 

たけしの挑戦状と1日違いで発売された「シャーロックホームズ伯爵令嬢誘拐事件」もヒントなしの理不尽さでクソゲーとしての知名度は高いが、難易度はたけしの挑戦状が上回るとされている。どれくらいのものかわかりやすい動画の神回があったのでどうぞ。

現代のクソゲーがどのようなものであるかは「クソゲーオブザイヤー(KOTY)」で検索してどうぞ。中でも最も秀逸な紹介動画はこちら。

マナティーが増えた理由:焼きました

マナティ100グラム

マナティ焼き増した
これまでネットやPC周りに近い表現について触れてきたのもこの説明のため。

焼く」には「DVDなどの媒体にデータをコピーする」という意味があり、これはもはや日常世界でも市民権を得ている言葉と言える。英語でもこの用法で"burn"と表現する。元々は写真のオリジナルフィルムから写真を作る場合に「焼き増す」という言葉が用いられていたことからデジタルの世界での応用形が派生した。

多分、元が100グラムの物をポプ子とピピ美で利用するために2つ分、つまり200グラム増加したものと思われる。

マナティーは絶滅危惧種に指定されていたが、近時、指定が解除された。そのため、「減る」はずのものが「増える」という直球の意味もある上、アンチテーゼの意味合いも含まれる。マナティーネタ自体はポプテピピック原作にも登場している。

http://archive.is/1rPdG

ブルーレイディスク版


BD版とは、「ブルーレイディスク版」の事である。ブルーレイディスクはCD状の外部メディアであり、形状は薄い。「ぺったんこ」はこのあたりを意識していると思われる。

写真を焼き増した


焼き増した」を想起させるような表現が各所に散りばめられていたことがわかる。
ポプ子が投げられるシーンは3回描写されていた。

なお、当たり前だが二人が調理した場所は厨房であり、これもネットスラングがある。

釣り、自演

釣りと自作自演


インターネット上における、愉快犯的な行為。

R-18を思わせるサムネイルの動画を開いて見たら、全く無関係且つ無価値な内容の動画であった、というような場合に使われる用語である。

なお、ポプ子がやっていることは自作自演だが、「自演」という元の意味とは変わらないもののネット上において匿名性を悪用した行為について特に叙述するためにスラング化した用法も存在する。

 

パンクとアンチ:そのためのヘルシェイク矢野

ポプテピピック7話のタイトルとメイン構成は「ヘルシェイク矢野」だが、ヘルシェイク矢野の活動カテゴリはパンクロックバンドと思われる。

パンクロック、サブカルチャーとしてのパンク文化というのは「反体制」「反権威」「何者かに対する抗い」などを行動指針とする。要するに基本的に「アンチ」なのがパンクであると言っても大体間違いではない。

仲間が到着しない、ギターの弦が切れても演奏をやりきる、という逆境に抗う姿は最高にパンクである(ギターのスペアを用意しとけよ)

パンク (サブカルチャー) - Wikipedia

メタトンとサイバーパンク

メタトンとサイバーパンク

ポプテピピック第7話はパンク要素が所々に存在する。


【アンダーテール】メタトンEX(Mettaton EX)ボス戦(+視聴率12000&殺す場合) 【Undertale】

メタトン(Mettaton)とは、Toby Fox(トビ―フォックス)氏が開発したインディーズゲームの"Undertale"のキャラクター。アンダーテールは日本でもネット界隈では熱狂的な人気が出た作品であり、ポプテピピックでも度々ネタとして登場している。所々に日本のゲームに対するオマージュがあり、特にToby氏はMOTHER2の影響を強く受けたと語っている。日本語版は正式には存在していないが、動画は非公式の日本語版パッチを充てている。※かつては存在してなかった公式日本語版は、現在はリリースされるようになりました。

メタトンという存在、対戦中に流れる音楽は「サイバーパンク」を思わせるものである。

サイバーパンク - Wikipedia

同ゲームやトビ―フォックス氏に興味がある方は以下のページに行くとダウンロード等ができる。

日本のファンサイトはこちら

 

 布袋とパンク:ベビベビベイベベイベベイべべイベベイベ

ベビベイベイベ布袋寅泰


この場面の音楽は布袋寅泰(ほていともやす)のスリルのオマージュである。なお、ポプ子が赤ちゃんになっちゃったのはアンチエイジング(直球)である。

布袋寅泰と彼が楽曲の大半を作っていたバンド、BOØWY(ボウイ)の音楽がパンクに属するのか否かについては変遷と見解の違いがあるらしいが、この場面ではパンクを示唆しようとしていることは明白である。

 

あとがき

 

さて、どうでしたでしょうか?一見何も意味のないシーン、既に分かりやすい元ネタがあるシーンでも何重にもネタが画されているというのがポプテピピックのですね!

 

え?

 

「アンチエイリアスとか、ABSとか、分かるわけないじゃん!」

「こんなのクソアニメでしょ」

「AC部要素がほとんど無いクソブログ」

「ヘルシェイク矢野のこと考えてなかったでしょ」

 

 

さてはアンチだなおめー
(CV:こおろぎさとみ)

 

元ネタ、隠しネタの答え合わせはできるのでしょうか?
DVD,BD版が楽しみです。