事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

SNSバズなしで月20万PVを越えたので実施してきた7つのSEO対策などをシェアします

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弊ブログ「事実を整える」の4月のPV数が20万を越えました。

実はSNSバズの分も含めれば1ヶ月20万PVは達成していたんですが、そういうのって一過性のもので、あんまり意味ないのでスルーしてました。

このブログは基本的に社会政治系の話題の記事が多いという特徴です。1月までは1日300PV程度で、記事を投稿すれば1000PVくらいに増えて、という感じでしたが、内部SEOなどをちょっと頑張って、記事の中身も頑張ってから伸びた印象です。ブログ開設1年1ヶ月、106記事での結果です。

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この記事では振り返りとして、実施してきたSEO対策を7つ紹介していきます。

ブログ初心者やこれから始めようとしている方が見ることを想定していきます。

このブログがはてなブログで運営されていることから、書いてある内容は基本的にはてなブログで起こることを前提としています。

基本的に以下の書籍を参考にしています。

 

月20万PVには相互リンクなどの外部SEO対策はなし

最初に言っておきますが、ブログの被リンクは99.99%自然増です。

多くのブロガーさんも被リンクの人為的増加の手法は今後、効果が薄くなっていくため非推奨と言ってますし、グーグル自体も相互リンクですら非推奨であることを明言しています。(自然な被リンクであれば人為的であってもペナルティにならず、SEO効果はありますが、それありきではいけませんということです)。

なので基本的にこれから書く内容は内部SEOです。外部SEOに分類されるものも含まれているかもしれませんが、厳密な違いはわからないのでその辺ははっきりと書きません。 

被リンクの効果については以下でまとめています。

ここ数カ月でやってきたことについて全部項目を作ると30以上はあるので、効果が大きいのかな?と思った7つのSEO対策だけ書きます。

1:ブログテーマをZENO-TEALに変更

ブログテーマって書く内容の分野のことじゃなくて、ブログの全体のデザインのことですからね。

ZENO-TEALとSEOの関係

「えっ?ブログのデザインとSEOってどういう関係があるの?」

と思う方もいると思います。私もそうでした。

しかし、ブログテーマは「サイトの表示スピード(読み込み)」に影響を与えます。

表示スピードが速いサイトは閲覧者にとって利便性が高いと評価されます。

利便性が高いと評価されると検索結果の掲載順位が上がります。

私はそれまではてなブログのデフォルトで用意されていたテーマを使っていたのですが、ZENOーTEALを採用してから表示スピードが速くなりました。

スマホのAMPページにも対応しているのでいいですね。

ブログは見た目が9割?

それから、見た目的にも何となく「それなりのサイトだな」と思ってもらえるような作りだと思います。最初に表示された画面で敬遠されるという可能性は低くなったのではないでしょうか。

ZENO-TEAL以外にも、はてなブログ用のデザインは多数開発されているので、他のブロガーさんの意見やデザインの自分の好みと相談しながら設定していけばいいです。

2:画像の最適化

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画像を掲載する場合も気を使います。特にはてなブログでは注意が必要です。

サイトの表示スピードに影響する

画像の貼り付け方によっては、サイトの表示スピードに直結します。

これは既に書いたように、SEOにも直接影響します。

サイトの表示スピードはPage Speed Insightsなどを使って調べられます。

ここでチェックすれば、何が悪いのかを教えてくれます。

多くの場合は画像の最適化が提案されるということがわかるはずです。

はてなブログでできることは限られていますが、画像の修正は効果大です。

PNGではなくJPEGにして貼り付けること!

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ここで参照される画像は、ブログカード形式のサムネイル画像も含みます。

はてなブログはPNGファイルだとなぜかサイトの表示にとってよろしくないようです。そのため、画像がPNG形式の場合にはJPEGに変換する必要があります。

変換作業はオンラインで可能です。例えば私はPNG to JPGを使っています。

画像のファイルサイズを圧縮すること

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画像のデータが多いと、サイト表示に時間がかかってしまいます。

なので、ユーザーの利便性を害しない程度(視にくいと思われない程度)に圧縮するといいでしょう。例えば私はOptimizillaを使っています。

上記3つの画像は全て同じ記事に対するものでしたが、PNG画像をJPEGにして圧縮すると、最適化スコアが改善されているのがわかります。

3:Search ConsoleのFetch as Googleを使用

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Google Search Consoleグーグル・サーチ・コンソール)とは、 グーグルの検索結果におけるWEBサイトのパフォーマンスを監視・管理できる無料サービスです。

Fetch as Googleとは

Fetch as Google(フェッチ・アズ・グーグル、でいいのかな?)というのはサーチコンソールの機能の一つです。これはインデックスを促進させる機能です。

はい。インデックスを促進します。何のこっちゃ?

グーグルは検索クローラ―がWEBページを発見してはじめてグーグルの検索結果ページに表示されるのですが、このクローラ―君が全世界のWEBページを見てまわるのは一定の周期かかるので、すぐには見つけてくれません。このままでは検索順位の上位に表示されません。

しかし、Fetch as Googleでは

「クローラ―君、私のWEBページはここだから見に来てくれたまえ」

というようにリクエストすることができるのです。

その結果、記事を書いて直ぐに検索結果に表示してもらうことが可能になります。

時事テーマを扱う場合に使うといいかも

Fetch as Googleを使うのと使わないのとでは全く違いますね。方法は記事のURLをコピペして貼り付けてボタン操作するだけです。何らの知識も不要です。

ただ、利用制限がありますから、既に一定のアクセスを得たブログを大幅に修正した、時事テーマを扱っているので早くインデックス化したい、という場合に使うといいでしょう。

4:h2タグの設置

はてなブログでh2タグが無い問題

はてなブログ以外のブログサービスを利用している人には多分関係ないです。

そもそもh2タグって何よ?

まず、「hタグ」というのはHTMLの記述です。h1はブログ自体のタイトルや記事タイトルを指します。h2~h6まであるのかな?これは記事内の見出しを意味します。

h2、h3、h4…の順番で、見出しのサイズが小さくなっていきます。

上記の「4:h2タグの設置」はh2、「そもそもh2タグって何よ?」はh3(大見出し)の見出しです。

はてなブログでh2タグが存在しない問題

はてなブログはなぜかh2を設定するためのボタンがデフォルトで存在せず、「大見出し」がh3要素になっているという問題があります。

これが何かSEOに影響するのか正直よくわかりません。

ただ、他のブロガーさんによると、h1⇒h2⇒h3と順番にタグを設定していった方がクローラ―君に不利に扱われる可能性は低くできるので、h2を設定した方が安心だよね、という意見がちらほらあったので導入しました。見た目的にもいいですし。

はてなブログにh2タグを設置する方法はいくつかありますが、私はWEBブラウザはGoogle Chromeを利用しているので、Chrome Add-on for Hatenaの機能を使用しています。

5:タイトルはSEOを意識して決める

記事のタイトルはSEOに大きく影響します。

タイトルを一文字変えるだけで検索順位が変動するという経験を何度もしました。

なので、タイトル名の決定には慎重にならなければなりません。

ただし、自分の頭で考えてもそんなにいいことはありません。

なぜなら、多く検索される言葉でない限り、なかなか訪問されないからです。
(多く検索されることを最大の価値として書いてますが必ずしも重視すべきというわけではありません。)

そこで、ツールを使って検索されそうな用語を調べる方法があるのでシェアします。

Google AdWordsのkeyword Planner

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こちらは元来、広告を打つサービスなのですが、Keyword Plannerキーワードプランナー)という機能を使って月間の検索数の概要がわかります。有料サービスを一定額使っていると詳細な検索数がわかりますが、概要でも最初は十分でしょう。

自分が書く記事のテーマに出現する単語のうち、検索数の多いワードを意図的に使用することができます。

共起語検索調査ツール

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共起語とは、主要キーワードが使われたWEBサイト内部において、同じページで同時に使われやすい言葉を意味します。

例えば「SEO」が使われたWEBサイト内部では、「検索」「サイト」「コンテンツ」などの用語が多く使われるということがわかります。

これらの言葉を自然に散りばめることで、Googleの検索エンジンが認識しやすくなると同時に、そのワードで検索する人がいるのではないか?と予想することができるのです。これはタイトル名の検討にも使うことができます。

共起語検索ツールとして、私はサクラサクLABOを使用しています。

グーグル検索窓のレコメンドも参考になる

グーグルの検索窓にワードを入れると、検索候補が出ると言うことは周知の事実だと思います。これを見ることで多く検索されているワードがわかるため、タイトル名の決定に参考になります。

ただし、このレコメンドはその時の話題に大きく左右されるので、将来的に検索されなくなる可能性も残ります。ロングテールでの流入を期待するなら、そのワードが果たして今後も継続的に検索されるワードなのか?という点についてしっかりと考えるべきでしょう。

6:hタグにタイトルのワードや検索語を含める

タイトルで使ったワードを記事の見出しでも使うこと。

検索されそうなワードを記事の見出しで使うこと。

これだけで検索エンジンの認識がよくなるという印象があります。

以下のページは劇中で意味不明な用語が複数あったためそれを解説したのですが、hタグに使用した結果か、その用語での検索流入が多くなっています。 

7:SNSシェアでバズを起こすための設定

これは本来のSEOの意味からは離れますが、SNSで拡散されることの間接的な効果として閲覧数の増加と被リンクの獲得があり、SEOの一部に含めて論じてもいいのではないでしょうか。

SNSシェアボタンの設置によって、サイトに訪れた人だけでなく、その人から更に多くの人にブログの存在が周知されていきます。このSNSによる拡散の効果はバカになりません。

私も過去数回Twitterで著名人に記事がシェアされてバズが起きていますが、1時間に1万アクセスが生じたこともあります。これには驚きました。

バズが起きた記事例はこちら↓。あらためて見ると、これしかはてブが付いてないんですね。多い記事は「1152users」とかになっていて、どれくらいアクセスがあるんだろう?と思います。

SNSシェアボタンの設置

シェアしてもらうには記事のURLをコピペしてもらう方法もありますが、わざわざそのようなことをする人は稀です。現在はSNSシェアボタンから記事をシェアする人が多いので、まずはシェアボタンの設置をするべきということになります。

ボタンのデザインは各ブログサービスのデフォルトで用意されている場合もあれば、このブログのようにカスタマイズして設定することもできます。

カスタマイズのためのコード作成にはHTMLやCSSの知識が必要ですが、知識がなくても大丈夫です。ネットでググれば多くの人がコードを公開しており、設置方法も丁寧に記述してくれているので、そうした方の記事からコピペして設定するという方法を採ることをおススメします。

「SNSシェアボタン はてなブログ」で検索すればいいでしょう。

ツイートを「はてブ」と連動させる

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SNSシェアボタンの一つに「はてなブックマーク」があります。

この数が増えるとはてなブックマークのサイトトップに記事が表示され、そこからの流入も期待できるということになります。

通常は「はてブ」のシェアボタンをクリックして追加しないとはてなブックマークの数として認識されませんが、ツイッターによるシェアもはてなブックマークの数に加えることができるという連動設定ができます。

はてなブログではなく、はてなブックマークの設定画面から設定可能です。

この設定をしてから、はてな経由の流入が増えました。 

今後の方針

SEO対策を突き詰めようとすれば、まだまだやってないことはたくさんあります。

それについては今後実施し、効果が出れば紹介したいと思います。

また、直接のSEO対策以外のアクセス増加のための取組もあります。

ブログランキングサイトへのクリックバナーは途中から止めてしまいましたが、再開した方がいいのだろうか悩み中です。SNSシェアボタンももうちょっと種類を増やしてもいいと思っています。

次は30万PVを超えたら記事化しようと思います。

以上

 

財務省福田事務次官のセクハラ認定:退職金減額へ:人事院規則と懲戒処分の指針

27日2時配信の記事

財務省は26日、週刊誌でセクハラ疑惑が報じられ財務事務次官を辞任した福田淳一氏について、事実上の処分に踏み切る方針を固めた。調査を通じて懲戒処分相当のセクハラ行為が確認されたとして、退職金を減額する。

セクハラに該当するとされたということですが、民間企業と省庁とでセクハラの定義が異なるため関係する法令を見ていきます。男女雇用機会均等法上のセクハラの理解についてはこちらで紹介しています。

国家公務員の懲戒処分の規定とセクハラの定義

国家公務員法82条1項には以下のようにあります。

第八十二条 職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
一 この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令(国家公務員倫理法第五条第三項の規定に基づく訓令及び同条第四項の規定に基づく規則を含む。)に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

人事院規則12-0で懲戒処分について定めがあります。

(停職)
第二条 停職の期間は、一日以上一年以下とする。
(減給)
第三条 減給は、一年以下の期間、俸給の月額の五分の一以下に相当する額を、給与から減ずるものとする。
(戒告)
第四条 戒告は、職員が法第八十二条第一項各号のいずれかに該当する場合において、その責任を確認し、及びその将来を戒めるものとする。

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=327RJNJ12000000

人事院規則の懲戒処分の指針

人事院事務総長発の懲戒処分の指針については以下

セクハラの定義、人事院規則懲戒処分の指針

第1 基本事項

  本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものである。

 

第2 標準例
 1 一般服務関係
(13) セクシュアル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動)
   ア 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした職員は、免職又は停職とする。
   イ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。この場合においてわいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したときは、当該職員は免職又は停職とする。
   ウ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員は、減給又は戒告とする。

 

上記の懲戒処分の指針を見るとわかるように、イとウはセクハラの行為者が相手の意に反するという認識の元で行われる必要があるということです。これは男女雇用機会均等法上の定義とは異なります。

福田元事務次官は懲戒処分として退職金減額か

懲戒処分の種類として免職、停職、減給、戒告があるということがわかります。

今回は退職金減額措置を取ると言うことなので、懲戒処分の指針としては(ウ)に相当すると考えられたのでしょうか。

麻生財務大事が近く会見をするということですが、どのような事実が認定されたのかがきになります。

※追記1:福田事務次官の懲戒事由について

27日11時31分配信の記事

【財務次官セクハラ疑惑】福田淳一前財務次官の処分、減給20%6カ月分退職金減額へ、セクハラ問題で麻生太郎財務相 - 産経ニュース

麻生氏は「(福田氏とセクハラ被害を受けた女性の)2人が面会した事実は福田(前)次官も認めている」としながらも、セクハラ認定の有無に関しては「答える段階にない」と述べるにとどめた。

表現が後退していますね。

セクハラ以外の懲戒事由に該当しているということでしょうか?

追記2:財務省記者会見:セクハラ認定

財務省が福田事務次官の「セクハラ認定」をしました。27日18時配信記事です。

既に論じていたように、人事院規則上のセクハラに該当すると認定したということです。福田氏は処分は受け入れるとしていますが、セクハラの事実は引き続き否定しています。

ただ、この件はなぜセクハラに該当すると認定したのか?また、その認定は妥当なのか?という問題があると言えるので、この点について以下、整理していきます。

財務省はなぜセクハラの認定をしたのか?

財務省の福田事務次官セクハラ認定の判断枠組み

以下の伊藤氏の説明で全て語られていると思います。

伊藤氏「テレ朝から発表のあった以外の音源などを確認できれば、事実関係は確認できると思っていたが、福田氏が弁護士に行為を否定している段階で、これ以上は事実認定できない。福田氏は否定していてるのに、私共のほうは『中身を教えてくれ』と言っている状況で、テレ朝が社員保護の観点から協力に慎重になることは構造的に理解できる。これ以上の真相解明は難しい。被害の女性社員の方には精神的にも、いろんな意味でマイナスに作用するので、これ以上の対応は財務省としてとれないと思ったので、調査を打ち切って、今の段階で処分決めた」

外務省は、公開されているつぎはぎの音声データ以外に元データを聞くことはできなかったということ。それはテレビ朝日が元データを外務省側に聞かせることを拒んだためである、ということです。

  • 外形的に「セクハラではないか?」と思わせるような発言があることは事実。
  • 福田の声であることは事実。
  • 女性社員が被害を受けたと申出をしている事実。

これらの事情からは、「セクハラの側に天秤が傾いていた」と表現できます。

これに対して福田からも事情を聞いたが、天秤の傾きを戻すほどの反証がなされたとは言えないと判断したということです。

財務省のセクハラ認定は妥当なのか?

会見でも矢野官房長が言っているように、本来の事実認定の作業は、このような程度の確度で行われるべきものではありません。ただ、これ以上調査を進めると第三者機関を設置するなどして相当長期にわたることとなり、被害女性にも負担になるから、やむを得ず現時点で存在する全資料を基に「セクハラ認定」という判断をしたということです。

これはいわば、セクハラの事実があったのか?という判断の外側の事情を考慮して、真実としてそうであったという断定をしているのではなく、財務省の対応としては人事院規則上の「セクハラ認定」という判断をしたということです。

また、この判断によって、財務省としては「セクハラと言われかねない発言は控えるように」という内部に対する指針を示したことにもなります。この点は正当であると感じます。追記:「相手の意に反することを認識の上で」という文言との整合性について。これは心の内の話であり、読心術を使うわけにはいきませんから、客観的な状況から推認するしかありません。ここで、客観的な状況の一つに、用いられた文言そのものがあります。「おっぱい触っていい?」などという文言が会食の場で使われているということは、それ自体が一般的に相手の意に反する言辞であるといえます。たとえその言辞が言葉遊びとして使用されたとしても、一応は相手からの意に反すると扱ってよい。相手方の意に反していないということは発言者の側が主張立証すべきだが、今回はそのような事情の伺えるような弁明もなかった。したがって、上記文言を使用した時点で「相手の意に反することを認識」していたと認定できる、というような解釈が可能です。財務省側は、このような解釈をしたと思われますし、このような解釈はあり得るものであり、正当だと感じます。

 

追記3:今後の訴訟・裁判等の可能性

財務省による人事院規則上のセクハラ認定はこれで決着しました。

しかし、これで終わりではありません。3つの展開の可能性について整理します。

福田氏による新潮社への名誉棄損訴訟

名誉毀損という不法行為による損害賠償ですね。

セクハラがあったか?ではなく、記事が事実だったか?という話に尽きます。

これは既に福田氏が訴訟を表明しており、財務省によるセクハラ認定後もその意思は変わっていないようです。今回の認定が訴訟で不利に働くとは思えないので、このまま戦うのでしょう。

ただ、新潮社の誌面では「女性記者」と「民間企業の女性」の2つについて言及しており、後者については福田氏によれば企業の上司も事実を否定しているようなので、それが事実なら新潮社はその部分については負けるのではないでしょうか。

問題は「女性記者」の誌面の部分。

新潮社としては、1:被害女性を証言台に立たせる、2:編集していない録音テープを証拠提出するという2つの手段が考えられますが、1は取材源の秘匿の面からもやらないでしょう。2は在り得ますが、そうするとテレビ朝日にも影響するので証拠提出するのか疑問です。

「被害女性」から福田氏への不法行為訴訟

これもセクハラだから、ではなく、不法行為で損害を受けたとして女性社員から福田氏へ慰謝料請求等の民事訴訟を提起するという方向。

まぁ、無いでしょうね。現時点で開示されている情報からは無理筋ですから。因果関係の立証、できませんよ。できないからタレこむしかなかったんデショウ()

もちろんこれ以上の情報があるのであれば別ですが。

こうして整理すると、セクシュアルハラスメント対策というのは、不法行為にならない部分をも捕捉し得る体制づくりの面もあるんだなぁと気づきました。

厚生労働省からのテレビ朝日に対する是正勧告等

男女雇用機会均等法違反に該当する場合には厚生労働省からの是正勧告があり得ることは上記記事で既に指摘していましたが、逆に言えばそれ以上のことはないということです。

しかしこれも、テレビ朝日が公表している事実からすると均等法違反に該当するといえるかというと難しいと言えます。というか、テレビ朝日は全事実を公開してませんからね。

テレビ朝日はオーナーである朝日新聞の傘下にあるハフィントンポストやAbemaTVを共同運営しているサイバーエージェント社ですら記者会見場に入れないように規制をかけた。記者から会社の責任に繋がる事実について質問を受けることを避けるためにそうしたとしか思えません。

だって、この騒動に加えてTOKIOの件もある最中に、女性に無理やりキスをしたために不法行為訴訟で高裁で敗けた菅野完が、4月28日の朝まで生テレビに出演しているんですからね。神経を疑います。

まとめ:真実解明は裁判に委ねられることに

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テレビ朝日が真実解明を妨げる行為をしたのは女性の二次被害を防ぐためということでしょうが、誰が今回被害を申し出ているのか?ということは既に多くの者が当たりをつけているのであり、ほとんど意味がないことだと思います。

新潮社が公開したつぎはぎの音声データのみによっては真実はわからないというのは明らかです。裁判では新潮社が真実性の証明、或いは真実性の誤信を証明する事になりますから、少なくともつぎはぎではない音声データに基づいて裁判上の事実認定が行われることになると思われ、それを期待したいとおもいます。

以上

野党6党による国会審議の空転は単なる審議拒否・日程闘争ではない懲罰か刑罰を

野党6党審議拒否ボイコット

引用元:産経ニュースhttps://www.sankei.com/politics/photos/180420/plt1804200018-p3.html

野党6党が国会審議の空転をさせましたが、これは単なる日程闘争ではありません。

日程闘争とは、国会の期日をいつにするか?を決めるに際して行われるものであって、今回は既に決まった期日、しかも野党自らが提出した法案審議のために設けられた日程を野党が自分からボイコットしたという事案です。

このような場合に適用可能な罰則はないのかどうか検討しました。

野党6党への懲罰動議

懲罰動議については国会法121条に規定されています。

懲罰の内容は国会法122条に4種類あります。

  1. 公開議場における戒告
  2. 公開議場における陳謝
  3. 一定期間の登院停止
  4. 除名

懲罰事由(懲罰事犯)については、憲法58条2項は「院内の秩序を乱した」とのみ定めています。一部の具体的行為については国会法、議院規則により懲罰事犯として付託するものもあります。

具体例として国会法124条に規定されている事由で出席しない者の場合、議長の制止又は取消の命に従わない者(衆議院規則238条)、議長の制止若しくは発言取消の命又は委員長の制止若しくは発言取消の命に従わない者(参議院規則235条)、国会法第63条により公表しないものを他に漏した者(参議院規則236条)などがあります。

上記の具体的行為以外の場合は、何が懲罰事犯なのかは規定がないため、個別に判断されることになります。むしろこっちが通常。

よって、今回も懲罰事犯としてあつかうことは可能と思われます。

ただし、戒告、陳謝、登院停止、除名という4つのメニューしかありません。

今回のボイコットのような事案の場合、戒告や陳謝で済ませていいとは思えませんし、登院してこない者に対して登院停止という懲罰はなんだかおかしいです。

よって、除名が残るのですが、では、除名とはどのような場合になされるものなのでしょうか?過去の事例を振り返ります。

審議ボイコットに対する除名の懲罰

除名処分にすべきと懲罰委員会で決定されたのは過去に3人。本会議で除名が決定されたのは衆参院各1名ずつしか存在しません。

過去の除名事案

懲罰事犯 - Wikipedia

親米博愛勤労党:小川友三

参議院 懲罰委員会 5号 昭和25年04月07日

(昭和二十五年度一般会計予算三件の審議に際し)、小川君が予算委員会においても、又本会議の討論に際しましても、議題となつておつた予算関係の問題について、反対の通告をして、予算委員会においてはすでにその意思表示をなし、且つ又本会議においては、討論に際して反対の通告をしておつたに拘わらず、議長から賛否の意見を問われても、その意思を明らかにしなかつたし、休憩後の本会議において、再び賛否の意思を表明するようにと議長から忠告したのによつて、初めて反対の意思表示をした。そこまではよいのでありまするが、その反対の意思表示をしたに拘わらず、いよいよ投票になつて見れば、白票を投じたという事実

ちょっとわかりにくいのですが、会議の基本原則を無視して議題に対する意思を不明確にして混乱を招いた、というまとめ方ができるでしょう。

短時間のうちに意見をコロッと変えたことから、何者かによる買収などの工作が疑われていました。しかも、懲罰委員会で「煙草吸いたいから休憩させてくれ」と言う始末(休憩が認められた)。議事録を見ると「ブッ飛び具合」がわかると思います。

懲罰委員会の同日の本会議で除名が賛成多数となりました。

共産党:川上貫一

衆議院 懲罰委員会 9号 昭和26年03月26日において、同年3月9日に行われた懲罰委員会において決定された「公開議場における陳謝」という懲罰について、その後の議場で陳謝文を読まなかったことが懲罰事犯となりました。

同年3月29日の本会議で除名処分が決定されましたが、前の懲罰委員会で陳謝すべきとされた事犯はどのような内容だったのか?

衆議院 本会議 27号 昭和26年03月29日の議事録の画像はこちら。

川上貫一除名事案

画像を見ていただくとお分かりだと思いますが、伏字がたくさんあります。

当時国務大臣だった吉田茂が「ただいまの議論は要するに共産主義の宣伝演説」と言うように、反社会的な文言が多数、しかも40分の予定が50分もなされて時間オーバーしていたということです。

なんとも時代を感じる内容ですが、このこと自体が除名処分の事由になったのではなく、あくまでも懲罰委員会で決められた懲罰である陳謝を実施しなかったということが除名処分の事由となっています。

今回の審議拒否の事案ではどうか

さて、自分たちが要求した法案審議を意図的にボイコットするという今回の行為についてはどうでしょうか?小川友三の事案と比較すると、意見をはっきりしないということと、審議の意思を明確にしないということとであまり違いはないような気がします。

ただ、全員を除名にするには人数が多すぎますし、懲罰委員会の審議にかける時間もかなり無駄になるということになります。それに、審議放棄が「院内の秩序を乱した」にあたるのかどうか、やや難点があります。

しかし、事案の重大性という点で言えば、除名処分がなされても当然の事案だと思います。

資格争訟について

国会法111条で資格争訟が規定されていますが、これは今回の件では当てはまりません。

  1. 被選挙権を保持していること(公職選挙法10条・11条)
  2. 兼職の規定に反していないこと(憲法第48条、国会法第39条・第108条・第109条)

これらに該当していないかどうかを審議するのが資格争訟の裁判ですから、本件では考える必要はないということになります。

偽計業務妨害罪という刑罰の適用可能性

以下で野党のボイコットは刑法233条の偽計業務妨害に該当し得ることを書きました。

偽計業務妨害を考えるにおいては、国会議員の免責特権と国会の自律権、議長の議院警察権を考慮する必要があります。

国会議員の免責特権と国会の自律権

国会議員の免責特権(憲法51条は)「議院で行った演説、討論、又は評決」が対象です。今回のボイコットはこれに含まれるでしょうか?慎重を期するために先例を見ていきましょう。

  1. 東京地方裁判所昭和31年(刑わ)第3221号 公務執行妨害、傷害等 昭和41年1月21日
  2. 東京地方裁判所昭和31年(刑わ)第3143号 公務執行妨害被告事件 昭和37年1月22日

上記は国会議事堂内での乱闘事件を扱ったものです。国会議事堂内で起きる事案は全部東京都内ですから、東京地裁でしか判断されないはずであり、東京地裁の裁判例が先例として大きく機能していると言えるでしょう。上記2つの裁判例からは、以下の枠組みが導かれます。

  1. 免責特権は演説、討論、評決に附随する行為にも適用される
  2. ただし、それは院内の言論行為に附随するものに限られる
  3. 議員の院内における広義の政治活動と見られる行為の場合は、議員の職務と全く無関係な個人的犯罪と異なるから、形式的に構成要件に該当しても超法規的違法性阻却事由の検討をする

1,2について、本件では院内の言論付随行為ではないと考えられます。

次に、今回のボイコットが「院内における政治活動」と言えるかはかなり怪しいですが、3番目の点について。

昭和41年判決では、事務次長のネクタイを引っ張って頸部圧迫をした等の国会議員の行為が公務執行妨害罪の構成要件に該当するが、超法規的違法性阻却事由によって無罪とされています。

とんでもないことしてますね。

この結論になったのは、与党側の議事進行も違法ではなかったもののやや妥当性を欠くと思われるものであったこと(本来の開会よりも早めて強行採決しようとしたため、野党議員が入場できず締め出された)がかなり影響しています。

よって、今回の事例では自民党、公明党、維新の会は適切に審議を進める予定であったのですから、野党のボイコットが院内における政治活動とされても、超法規的違法性阻却事由があるとされることはないと思われます。

国会の自律権

上記裁判例を見ると、議院内の規律は一般の規律とは異なるという前提があるようです。それは憲法58条の国会の自律権によります。ただし、上記に示した裁判例を見ると、一般警察権が必ずしも排除されるということはないようなので、本件の事案において検察が起訴することは理論上可能です。

東京地裁昭和31年(刑わ)第3143号 昭和37年1月22日

議員の院内活動について議院の告発を起訴条件とするときは職務行為に無関係な犯罪行為(前示(C)の(b)のようなもの)についても検察庁はこれを起訴し得ないこととなり、場合によつては多数派の考え方次第で普通の犯罪が隠蔽されるおそれを生ずる。

よって、議院で議決をとってまでする告発が無いと起訴できないということはないようです。

しかし、やはり国会の自律権との抵触の疑義があるため、検察は独自捜査を自ら始めるということはないでしょう。したがって、多数の国会議員からの告発があればこの点をクリアできるのであって、一国民としては国会議員への働きかけが有効なのではないかと思います。

また、もしかしたら議長の議院警察権(国会法114条)との抵触の問題も発生するかもしれません。そうすると議長権限での告発が必要になりますから、国会議員から議長への告発の申入れが必要であるということになると思われます。

まとめ:日程闘争、国会審議の空転は許されない

以上みてきたように、野党による審議日程ボイコットは除名の懲罰にも偽計業務妨害罪にも該当し得るものです。懲罰動議と刑罰は相互排他的ではないはずですから、同時並行で追及することも可能なはずです。

維新の会の足立康史議員が懲罰動議を受けるのであれば、国会審議をボイコットした者は全員それ以上の処分を受けるべきです。

以上

 

TOKIOの山口達也メンバー書類送検でRの法則終了、ジャニーズ謝罪:非親告罪化で検察は起訴するか?

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TOKIOの山口達也メンバーが女子高校生に強制わいせつとして書類送検された件。

山口メンバーが出演していたNHKのRの法則という番組が終了しました。

ジャニーズ事務所も謝罪しましたが、この件は考えるといろいろ疑問に思う点があることに気づきますのでそれについて整理していきます。

書類送検は軽い処分ではない

勘違いされていることですが、「書類送検」は軽い処分を意味しません。

書類送検とは、捜査の主体が警察から検察に変わったことを表すマスコミ用語です。

警察や検察が被疑者の身柄を拘束せずに事件の捜査が行われる場合に使用されます。

したがって書類送検となっても起訴されて刑事裁判になる可能性はあるという事です。

ただ、一般的にこのような表現がなされるような場合には起訴猶予などの軽い処分になる場合が多いような気がします。

TOKIOの山口達也メンバーは起訴されるのか?

では、本件の場合に山口氏は起訴される可能性はあるのでしょうか?

強制わいせつ罪や強制性行等罪は、刑法の改正によって非親告罪化(被害者の告訴がなくても検察が起訴できる)していますから、この点がどうなるのか気になります。自宅に招いた女子高生に飲酒を進めていた点、山口氏が女子高生が反抗できない立場にあることを利用して関係を迫った可能性がある点からも気になります。

示談が成立している:ジャニーズも謝罪

こちらの記事が見通しも含めて詳しく書いてあるのですが、示談が成立し、被害届は取下げられています。

親告罪とは、被害者の処罰感情や被害者が様々な不利益のおそれを考慮して加害者を告訴するという判断をするのが適当だと考えられて設けられる罪です。

裏返せば、非親告罪は論理的には被害者が処罰の意思を示さなくても検察が起訴可能であるということです。

しかし、たとえ非親告罪であったとしても、示談が成立しているということは、たとえ非親告罪に該当する容疑であってもかなり大きい意味合いがあります。

非親告罪でも示談後に検察が起訴する可能性は極めて低い

法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会において、最高検察庁検事の森悦子氏がこう述べています。

検察官としましては非親告罪化されたとしましても,被害者の意思を尊重して処分を考えていくという点は,何ら変わるところがないと考えております。ですので,ー中略ー例えば被害者がもういいですと言って告訴しませんと言って不起訴になった事案につきまして,検察官の方がそれを新たに掘り起こして,被害者の意思に関係なく起訴してしまうというようなことはまずないと思っていただいていいと思います。

第五回会議議事録:http://www.moj.go.jp/content/001183730.pdf

法務省:法制審議会-刑事法(性犯罪関係)部会

このように、被害者の意思は非親告罪化しても大切にされることはこれまでと変わりないということです。私も性犯罪に関する裁判例を検索してみましたが、示談後の起訴の事例というのを見つけることはできませんでした。 

むしろ、示談の意思があった被害者に対して起訴をするから示談を取りやめるよう伝えた検察官が公訴権の濫用であると裁判で判示されているケースもあります。

なお、性犯罪以外での非親告罪の事案では、示談成立後も起訴される例があるようです。法制審議会の議事録でもこのことは出てきます。

また、検察官が起訴しない理由として以下のような指摘があります。

○宮田委員

起訴されて,事実関係がもしも争われるということになれば,被害者の方はその意思に関わらず,証人尋問を受ける場合があり得るわけです。証人には証言拒絶権はありません

○角田委員

示談が成立すると,もちろん内容によるでしょうが,検察官は起訴という選択はされないと思いますし,それから,被害者が証人になるのは嫌だということを明確にしているのに起訴して,検察官御自身が公判の途中で立ち往生するような,そういう愚かな選択はあり得ないのではないか

法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会 第4回議事録

http://www.moj.go.jp/content/001176870.pdf

以上の指摘はもっともだなぁと思います。

したがって、本件での起訴の可能性は極めて低いと予想されます。

起訴猶予の可能性

ただ、起訴猶予の可能性はあると思われます。

起訴猶予とは、不起訴処分の一種であり、犯罪の嫌疑は明白だが諸般の事情により訴追を要しないと認められる場合に行われる検察官による処分です。

例えば立憲民主党の参議院議員の有田芳生氏などが公職選挙法違反でこの処分を2回受けています。

今回の場合、諸般の事情とは被害者と示談が成立し、被害届が取下げられていることが考慮されるということになるはずです。

起訴猶予となっても、それは猶予が与えられたに過ぎませんから、後に新たな証拠がみつかって起訴に至ると言う可能性は残ります。また、前歴がつくため再犯時には不利に扱われることもあり、世間的には犯罪者という見方がなされるおそれもあります。

「Rの法則」報道は女子高校生の特定を誘発しないか?

この件を最初に報じたNHKは女子高生と知り合った経緯について「仕事を通じて知り合った」としか報じていませんでした。

しかし、他の報道媒体では「NHKの番組で」と報じており、毎日新聞などは「NHKのRの法則という番組を通じて」と具体的な指摘をしている始末です。

テレビ朝日女性記者の二次被害が問題になっているにも関わらず、毎日新聞などは被害女性の特定を誘発するかのような報道を行っており、その姿勢はおおいに疑問です。毎日新聞はテレビ朝日の件でネット民という何か自分たちとは別の主体に責任をなすりつけるかのような言動をしている点も気になります。

まとめ

  1. 示談が成立しているため起訴される可能性は極めて低いと予想される
  2. ただし、起訴猶予の可能性はある
  3. 具体的な番組名を指摘する報道姿勢は疑問、問題視するべきでは?

特に報道の在り方については、この件ですらエンターテイメントと思っているふしが感じられ、なんとも嫌な気分になってしまいます。女性の人権を守る活動をしていると言っている#Me too運動をしている方々は、こういうところでもっと主張するべきではないでしょうか?

以上

テレビ朝日角南社長記者会見:女性記者への福田事務次官セクハラ被害疑惑について言及

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2018年4月24日、テレビ朝日社長の定例記者会見でセクハラ疑惑についての見解が角南社長から述べられました。

新たにテレビ朝日側から示された状況と疑問点を整理していきます。

4月19日未明の本件に関するテレビ朝日記者会見はこちら

テレビ朝日角南社長、篠塚局長の記者会見発言要旨

  1. 約1年半前からセクハラ被害を受けており上司には複数回相談していた
  2. 録音は2回目から
  3. 1年程前から夜の単独取材は避けていた
  4. 4月4日、昨今の財務省と森友学園側の口裏合わせ疑惑についてNHKが報道したため、「デスク」が女性社員に裏付け取材を指示
  5. その時に福田事務次官から女性社員に電話連絡があったため取材した
  6. 取材は夜9時から夜10時頃までの単独取材
  7. 女性は取材時にセクハラ発言がまたあったため「途中から」録音をした
  8. 週刊新潮にデータ提供した理由は、同社が福田氏の周辺を取材しているという情報があったため、色々な事情を含めて報じてくれるのではないかという期待があったから

テレビ朝日側の発言と質疑応答については以下参照

「上司」へのセクハラ被害報告

テレ朝側の発言に「上司」と「デスク」が使い分けられている点に注意。

上司は1年前から夜の単独取材を避けるなどの措置は取っていたが、今回の取材は「デスク」が取材指示をしていたということ。社内の仕事の割り当て等の関係もあるのだろうから、なぜ上司ではなくデスク指示に今回変わっているのか、という点を措いておきます。

しかし、女性社員はデスクからそのような指示があった際に、セクハラについて何か伝えていたのだろうか?会見と質疑応答からは、女性社員とデスクとのやりとりが不明であり、この点は今後明らかになるのだろうか?

それにしても、経済部から別の部署への配属は考えなかったのだろうか?経済部は「華」だったので、女性社員も転属は拒んでいたのだろうか?夜の単独取材だけ避けたということだが、福田氏との取材は全面的に避けなかったのはなぜか?

疑問は尽きません。

福田事務次官から女性記者へ電話という謎

4月4日の取材のきっかけが福田氏からの電話であるというニュアンスでした。

夜の単独取材は避けていたということで、昼の単独取材はあり、夜の別社員と同行しての取材はあった、ということを匂わせる内容ですが、この点も今回の会見では明確になりませんでした。おそらく、夜の単独取材以外の場面ではこの1年間の間でも何度か会っていたんでしょう。

ただ、なぜ女性記者への電話だったのか?その経緯が不明です。

また、福田氏から電話があってから女性社員は上司やデスクに相談したのだろうか?女性社員の独断か?女性社員はなぜ1年間避けていた夜の単独取材を行ったのだろうか?

セクハラ疑惑の福田事務次官との関係

女性社員は4月4日の福田氏への取材において「途中から」録音をしたと言う。

しかし、なぜ最初から録音していなかったんでしょうか?

セクハラ発言は文脈の前後によって相当意味合いが異なるはずであり、しかも1年前も身を守るために録音していたなら最初から録音していくと思うのが通常でしょう。

また、飲食店の対面での取材ですから、録音動作をしようとすれば相手に感づかれる危険もあるので、なぜそのようなリスキーなことをしたのでしょうか?席を外してから録音をONにしたのでしょうか?

篠塚局長の週刊現代の記事への反論

篠塚局長「2点ほど私から追加させていただく。昨日発売の週刊現代の記事に、先日当社の開いた記者会見の内容について、事前に総理官邸とすりあわせをしていたというような記述があったが、全くの事実無根であり週刊現代の編集長宛に書面で強く抗議した。抗議文の内容は当社のホームページに掲載している。

ということは、それ以外は事実だということですかね?

AbemaTVのサイバーエージェント社も締め出し

この記事では藤田社長の考えは明らかではないですが、マスコミ関係者の言葉として以下があります。

「サイバー社はテレ朝と組んでネットテレビ『Abema(アベマ)TV』を展開中。にもかかわらず、アベマで会見が流れることはなかった。一体、なんのために24時間のネットテレビを運営しているのかというわけです」

前回の会見の際も、朝日新聞傘下のハフィントンポストが会見場に入れなかったなど、不可解な対応が目立っています。記者から不都合な質問をされるのを防ぐために忖度する社のみを入れているのでは?という声もあります。

まとめ

  1. なぜ夜の単独取材のみ避けていたのか?
  2. なぜ1年間避けていた夜の単独取材をしたのか?
  3. なぜ女性社員に福田事務次官から連絡があったのか?
  4. なぜ録音が途中からなのか?

新たな疑問はこれくらいですかね。

なお、この件について「上司」と「デスク」が出てきたことから、ネット上のウワサの信憑性についても再検討が必要かと思われます。

以上

自衛官3等空佐が民進議員へ「国民の敵」?小西ひろゆきの矛盾が露呈

 国民の敵:千葉県選挙区の小西ひろゆき

自衛官3等空佐民進党小西ひろゆき参議院議員に対して「国益に反する」旨の発言を行った件で、「国民の敵」と言ったか否かなど、両者の見解が食い違う展開になりましたので確認していきます。

自衛官3等空佐の発言

産経新聞に自衛官の供述全文が載っているので引用します。

自衛官3等空佐の発言要旨

重要な点は以下2点だと思います。

  1. 「国益を損なう」「ばか」などの発言をしたが、「国民の敵」とは言っていない
  2. 小西議員は「謝罪してもらえるんだったら、特に防衛省に通報したりとか、そういうことはしないから」と発言

とくに2番目は小西氏の発言と比較しましょう。

具体的な発言がどうだったのかを確認したい方は産経の記事か以下の発言の概要を見ればいいでしょう。

自衛官3等空佐の発言の概略

細かいやりとりを省いた自衛官と小西氏のやりとりを抜粋。

凡例:自:自衛官(3佐)。小:小西議員。警:警察官。

自「国のために働け」

小「国のために働いています。安倍政権は、国会で憲法を危険な方向に変えてしまおうとしているし、日本国民を戦争に行かせるわけにいかないし、戦死させるわけにもいかないから、そこを食い止めようと思って、私は頑張ってやっているんです」

自「俺は自衛官だ。あなたがやっていることは、日本の国益を損なうことじゃないか。戦争になったときに現場にまず行くのは、われわれだ。その自衛官が、あなたがやっていることは、国民の命を守るとか、そういったこととは逆行しているように見えるんだ。東大まで出て、こんな活動しかできないなんてばかなのか」

小「あなたは現役の自衛官なのか。現役の自衛官が、そんな発言をするのは法令に反する」

自「私の発言は、自衛官の政治的行動に当たりません」

小「名前と所属を言いなさい」

自「言いません。なんで言わないといけないんですか」

小「現役の自衛官がそんな発言をするのは許されない。これは大問題だ。名前と所属を言いなさい」

自「いいえ、言いません。今は、一国民として私の思いを伝えています」

小「撤回しなさい。現職の自衛官がそんなことを言うのは問題だ。防衛省の人事局に今から通報する」

自「何が悪いんでしょうか?」と類似するような言葉

自衛官は再び駆け足に戻ろうとたが、それを止めるように小西議員が電話をしながら少しずつ自衛官から離れていき、小西議員側の向かいの交差点にいた警備の警察官に以下発言

小「お巡りさん、お巡りさん、現役の自衛官が・・・、来てください、来てください、お巡りさん!」と警察官を呼ぶ。

自「あなたは国民を代表する議員でしょ。私なんかよりも、何倍もの力を持っていて、なんだってできるのに、なんで一国民が訴えていることを聞いてくれないんだ」

小西議員は、電話をしており、私の話には取り合ってくれないような状況

自「あなたはなんで権力をかさに着るようなことをするんですか。国会議員だったら、一国民が言っていることをちゃんと聞くぐらい、いいじゃないですか。本当にそういう行為(人の話を聞かない、すぐ通報する、すぐ警察を呼ぶという男らしくない行為)が気持ち悪い」

小(電話)「私は参議院の小西ですが、今、現職の自衛官と名乗る男性から私のことを罵倒したり、冒涜するような発言をしている者がいます。これは大問題ですから・・・」と通話

警「駆け足の途中で寒くないですか」「どうする、謝っておくかい?」

自「はい、もちろん。ご迷惑をおかけしましたし、ぜひ謝りたいです」

小西議員側の話が終わった様子

自衛官から事情を聴いていた警察官が小西議員と会話。その後、自衛官にに対し

警「もし何か言うことがあれば、今この場で言ってもらえるといいと思いますよ」と仲を取り持つ発言

小「あなたのさっきのような、人格を否定するような罵ったところとか、私の政治活動を冒涜するようなこととか、そういったところを謝罪してもらえるんだったら、特に防衛省に通報したりとか、そういうことはしないから

自「個人の尊厳を傷つけるようなことと、考えの違いはあるかもしれませんが、日々日本を良くしようとがんばっている政治活動を冒涜するようなことを言ってしまい、大変申し訳ありませんでした」

小西議員が自衛官に対し70年前に総理大臣を殺して226事件や515事件など、クーデターが起きたことを踏まえ、シビリアンコントロールが大事というような趣旨のことを話す。

小「あなた、どう思う?」

自「勉強になりました」(歴史ではなく一連の案件を通じて)

重要なのは、警察官が近くに居て両者の発言を聞いていたであろうということ。

民進党小西ひろゆき参議院議員の言い分

こちらも産経新聞が掲載しています。

小西洋之議員の発言の要旨

自衛官の発言と齟齬が生じる部分について書きます。

  1. 『「国民の敵」と言われた。防衛省の豊田硬事務次官や武田博史人事教育局長の発言がある。物証がある』と発言
  2. 物証は電話の発信履歴と小西から電話を受けた際の武田人事教育局長の手書きのメモ
  3. 小西議員は豊田氏、武田と自らが「国民の敵」と言われたと電話で話していた

小西「国民の敵と言われた」⇒豊田次官、武田教育局長認識⇒武田メモ

という流れということですね。

小西洋之議員の発言の概要

小西議員の発言。こちらは文章を途中省略しつつも丸々引用します。

いくつか証拠があり、当日事件が起きたのが午後8:40くらいだが、8:49に電話の発信歴があるが、私は、防衛省の豊田(硬)事務次官に電話している。事務次官は私からの電話の中で、私から「国民の敵」「なになにの敵」だという発言は間違いなくあったと認めている。

ー中略ー

事件の直後だが、武田(博史)人事教育局長が私と携帯のやりとりをしていて、武田局長は明確に「私が国民の敵という暴言を受けた」ということを証言をし、今日の防衛省の発表の文書にもあるが、私は「国民の敵」という暴言を受けたということを彼が当時、メモに記録をしている。さらに、事件の現場を私はタクシーで立ち去ったが、タクシーの中で知り合いの弁護士に電話している。その電話の中で私がたった今、現職の自衛隊員から「国民の敵」という暴言を受けたということを明確に記憶して、それは証言も話すということは言ってくれている。

ー中略ー

--小西が豊田次官に「国民の敵」だと言われたと言ったのか

小西氏 はい。ただ、言われない限り、私も豊田事務次官に「国民の敵」と言われたということは言わないから。また、武田局長にも言いませんから。私からそういう電話を受けたということ、2人は明確に認めて、かつメモという物証もある

小括:国民の敵と言ったか?

千葉県選挙区の小西ひろゆき亡命

2点、問題があります。

自衛官は国民の敵と言ったか?について

以上みてきたように、国民の敵」という文言を豊田次官や武田教育局長に対して最初に言ったのは小西議員自身です。この時点で、自衛官⇒小西のやりとりの中で小西議員側の聞き取り時に誤解が生じた可能性があるということは分かるでしょう。

そのこと自体は問題ではありません。正直、国民の敵と言った言わないの議論になるでしょう。

問題は、小西氏がそのような経緯であるにもかかわらず、「証言がある」「物証がある」などと発言をしているということです。自衛官⇒小西⇒豊田・武田という伝達経路に過ぎません。豊田・武田両氏が仮に証言をするとすればこうなります。

豊田・武田:【小西氏が『自衛官は「小西は国民の敵だ」と私に言った』と言っていた】

こんなものはいわば再伝聞証拠でしかなく、「物証がある」などとは言いません。

また、この事案の場合に想定できる「物証」は、例えば自衛官の発言を録音していたとか、自衛官が始末書等で自筆で「国民の敵と言いました」と書いていたとかが考えられます。また、他の有力な証拠としては、現場にかけつけた警察官が自衛官から小西議員に対して「国民の敵」と言っていたことを聞いていたなどの第三者証言があるということです。

しかし、そういった証拠はありません。

このような発言をすること自体、小西氏の発言の信憑性に疑いを生じさせるものと言えます。供述がどのような意味を持つのかすら理解できないということ。

自衛官に謝罪すれば防衛省へ連絡しないとの発言に反する行動

小西議員は自衛官に対して、謝罪すれば防衛省には連絡しない旨を伝えています。

にもかかわらず、事件のあった午後8:40くらいから9分後の8:49に防衛省の豊田硬事務次官に電話していると言っています。小西議員は事件の直後にも武田(博史)人事教育局長が私と携帯のやりとりをしていると発言していることから、最初の自衛官の発言を受けてからの電話と、自衛官の謝罪を受けてからの電話の両方で防衛省に電話していたということになるのではないでしょうか?

自衛官発言⇒小西議員、豊田氏に電話⇒自衛官謝罪⇒小西議員、武田氏に電話

もしくは、自衛官の謝罪の後に両氏に電話したのかもしれません。

いずれにしても、自衛官の証言によれば、小西議員から謝罪すれば防衛省へ連絡しないという方針を即座に変更して防衛省に連絡していたということになります。そして、既に示したように、このやりとりの際には警察官が傍に居て会話を聞いている可能性が極めて高いということです。

しかも翌日4月17日の参議院外交防衛委員会でも「国民の敵」と言われたということを発言しており、公にする気まんまんだったということ。

シビリアンコントロールについて

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小西議員はこんなことも言っています。

小西氏 今申し上げたように、もう証拠があるので、その証拠をもとにきちんと調査をする。また法令に則った厳正な対処を、再発防止、これは河野(克俊)統合幕僚長も事務次官も私に約束しているが、自衛隊の全組織、全自衛隊員に対して、シビリアンコントロール(文民統制)とコンプライアンス(法令順守)の再教育の計画を作って徹底して行うことを約束しているので、その取り組みを国会議員としてしっかりと監督していきたい。

今回の件でシビリアンコントロールが問題になるということは在り得ません。

シビリアンコントロールという言葉は理念としては軍事力の発動の決定を内閣(大臣)の文民(軍関係者ではない者)が決めるということです。具体的な内容は各国で異なりますが、概ね軍の大枠の組織体制、関係法令の制定も文民が行うと言う意味でつかわれることもあります。

しかし、自衛官個人の行動に関して、シビリアンコントロールという事にはなり得ません。小西議員はシビリアンコントロールという言葉をいいかげんに利用しているだけです。

まとめ:千葉県選挙区の小西洋之議員の矛盾が露呈

小西氏の発言に矛盾が生じているのは、おそらく「国民の敵」と言ったか言わないかの議論になったため、言ったということを証明しようとする余りに防衛省への電話の事実を強調してしまったのだと思います。

墓穴を掘ったということ。

以上