事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

「タガが外れた」金竜介弁護士に対する在日コリアンという国籍民族を理由とする大量懲戒請求?

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180712/k10011530601000.html

2017年11月から12月にかけ、余命ブログに起因して金竜介弁護士をはじめとする在日コリアン弁護士に対する大量懲戒請求(950人)がなされたため、懲戒請求が違法であるとする訴訟が提起されました。

この訴訟の問題点を整理していきます。

なお、同じ東京弁護士会の佐々木亮・北周士、小倉秀夫、嶋崎量各弁護士らに対する大量懲戒請求は別の時期に行われており、別個のものとして扱います。

在日コリアンという国籍民族を理由とする大量懲戒請求?

懲戒事由とされる文章には以下のような事柄が書かれていたとのことです。

弁護士ドットコム

「違法である朝鮮学校への補助金交付の会長声明に賛同、容認、その活動を推進することは、弁護士の確信犯的犯罪行為である。利敵行為としての声明のみならず、直接の対象国である在日朝鮮人で構成されるコリアン弁護士会(原文ママ)との連携も看過できない。この件は、別途外患罪で告発している。あわせてその売国行為の早急な是正と懲戒を求めるものである」

これは、他の大量懲戒請求の事案とほぼ同じ内容の懲戒事由の文面であり、特に違いはありません。違いがあるとすれば、次のような事があったということです。

朝日新聞

同じ時に請求されたのは同会の役員ら10人と、金弁護士ら1文字の姓の弁護士8人だったという。

弁護士の名簿は日弁連の弁護士情報・法人情報検索で調べることができます。

ざっとそれっぽいワードを入力すると、東京弁護士会には少なくとも30人程いらっしゃるようです。

金竜介弁護士はこれらの事実から、「ただ日弁連の名簿から名前で選ばれた」「国籍ないし民族を理由として懲戒請求しており、人種差別にあたる」「1文字の姓の弁護士を選んで、懲戒請求をしている。明らかな人種差別だ」などと主張しています。

さて、これは人種差別なのでしょうか?

金竜介弁護士に対する余命大量懲戒請求は人種差別か?

前提として、人種差別かどうかがなぜ問題になるのか?ということを示します。

人種差別と慰謝料の増額事由

金竜介弁護士は、記事の中では朝鮮学校無償化について反対や賛成の意思を表明しているわけではありません。したがって、この懲戒請求は他の何らかの理由で金弁護士が朝鮮学校無償化に賛成していると余命氏が推測していたと考えられます。

金竜介弁護士が朝鮮学校無償化について何ら関係ないというならば明らかに不当な懲戒請求であり、懲戒請求者に対する損害賠償請求は認められるのは間違いありません。

そして、そこに人種差別的な要素が含まれていると裁判所が認定した場合、慰謝料の増額事由として算定される可能性があります。それは実際に昨年の保守速報の判決で行われました(ただし、「人種差別だから違法」なのではなく、侮辱表現の一部として人種差別の要素が含まれている場合に慰謝料の増額事由として扱われるに過ぎない)。

しかし、果たして今回の事案では人種差別があったのでしょうか?

余命氏の「朝鮮系」からの推論過程

金弁護士らに懲戒請求をした理由として余命氏が考えていたと思われる、あり得る推論過程は以下でしょう

  1. 名前が1文字ということは朝鮮系の出自であると推認される
  2. だから、朝鮮に対してシンパシーを感じてると推認される
  3. だから、朝鮮学校への補助金支給に賛成をしていると推認される
  4. よって、違法な補助金支給を要求していたので懲戒事由にあたる

このような思考過程(かなりいいかげんな)と思われますが、1⇒2、2⇒3の推論は人種差別なのでしょうか?ヘイトの法律上の定義や人種差別の条約上の定義はここでは問題にしません。ここでは「実質的に出自を理由に攻撃していると言えるかどうか」で考えていきますし、過去の裁判例もそのような判断様式であると思われます。

まず、名前からある種の国籍や民族的背景を推察することは、当たり前の行為として行われています。名前が朝鮮系に特有のものだから、ルーツがそちらにあるため、朝鮮に対して共感しているだろうと推測することは、素朴な感覚の範疇と言えます(それが妥当かどうかは別にして)。

そして、朝鮮に対して親しみの心情を有しているのならば、朝鮮学校への補助金支給については賛成をしているだろうと考えることも、在り得ないほど無理な推論ではないといえます(この推論には大きな飛躍があり、思い込みが強いと言えますが)。

よって、これらの推論過程では実質的に出自を理由に攻撃していると言えず、人種差別が含まれないということになります。

補助金支給と憲法89条

では、4の「違法な補助金支給」はどうでしょうか?

同じく大量懲戒請求を受けている神奈川弁護士会の神原弁護士は、「補助金支給が違法であるという事実はない」と主張していますが、これは事実ではなく法的な「評価」の話です。憲法89条の公金支出規制に抵触するのではないか?と一般的に言われていることであり、日本人が通う一般的な私立大学への補助金支出について議論が盛んに行われている問題領域なのです。

『「朝鮮学校への補助金支給を求めること」に対して非難することは人種差別である』

朝鮮学校の側はこのような主張をしていますが、朝鮮学校は「各種学校」という区分であり、学習塾などと同列の区分です。他の区分の学校よりも補助金支給の条件が厳しいと思われます。もちろん、各種学校だから補助金が絶対に支払われないなどということはありませんが(ネット上に良くあるデマの一つ)、日本人が通う学校等に対してですら、必ず補助金が出るということはありません。

補助金の支出には種々の条件が設定され、それをクリアすればいいだけの話。

「子どもの学ぶ権利がー」と言われますが、朝鮮学校に通う子どもたちは、別の学校で学ぶことまで妨げられているわけではありません。したがって、補助金が支出されなかったとしても、子どもの学習権が侵害されるということは在り得ません。

仮に補助金が支給されなかったことで経済的に朝鮮学校に通えなくなったとしても、それは「学校選択を間違えましたね」という話です。

このようにして、「朝鮮学校に補助金が支出されないのは人種差別である」『「朝鮮学校への補助金支給を求めること」に対して非難することは人種差別である』などという主張は、荒唐無稽であるということは火を見るより明らかです。

もちろん、「朝鮮学校に補助金が支出されないのは人種差別である」と主張すること自体は自由であり、なんら違法ではありませんが。

別の推論過程と余命信者

とはいえ、仮に以下のような思考過程が認定されたらどうでしょうか。

  1. 名前が1文字ということは朝鮮系の出自であると推認される
  2. だから気に入らないから懲戒請求してしまえ
  3. 懲戒事由としては朝鮮学校の無償化要求をしたということにすればいいだろう

仮にこういう思考過程が認定されれば、人種差別の要素があると認定される可能性は高いです。

しかし、余命大量不当懲戒事案は、懲戒請求者が特に何も考えず単に「他にも請求者がいるし余命が言ってる事だし」との安易な理由でやってるだけと思われるので、人種差別の意図が認定されるとは到底思えません。

人種差別の意図があるとしても、それは余命氏です。彼の著作には在日コリアン弁護士協会の代表を務める金竜介弁護士の名前が挙げられています。余命ブログでは在日朝鮮人を殊更に敵視する記事が多数エントリされていますが、そのことだけをもって懲戒請求者が朝鮮人であるということをもって敵意を向けているということにはならないのではないでしょうか。

余命信者は特に確認もせずにコピペで懲戒事由を記述したような者達です。そうした背景を深く考えずに懲戒請求をしたと考えるのが筋です。余命信者は、これまでにも同じ懲戒事由で多数の日本人の弁護士に対しても懲戒請求をしているのであり、金弁護士の懲戒請求のタイミングでも、東京弁護士会の(日本人と思われる)役員と同時に懲戒請求しているので、一緒くたに考えていたと考えるのが筋でしょう。

なぜ役員以外は8名なのか?については、余命氏の検索能力の問題だと思います。

あくまでも「朝鮮学校無償化に賛成している者」に対する懲戒請求であって、「朝鮮系の出自を持つ者」に対する懲戒請求ではないと思います。これは、人種差別が認定された保守速報の事案との対比においても理解できるところだと思います。

保守速報対李信恵の事案における人種差別認定

保守速報対李信恵大阪高裁判決文

保守速報対李信恵高裁判決文

https://drive.google.com/open?id=1dEsm9qVB3FyCCwVOk9kQSfSUFPBMQlxi

保守速報の記事(ネット上の声の再利用)に関する李信恵からの訴訟につき、人種差別表現があると認定されていました。どうしようもないネットメディアや個人が人種差別の論点についてだけは何故か掘り下げることなく、一般的な罵詈雑言の文言のみを取り上げていますが、この裁判で重要なのはヘイト規制法施行後に人種差別となるかどうかの判断に影響があるのか、ということです。

人種差別とされた文言等

具体的には「トンスル」「火病」は朝鮮人を侮辱する際に用いられる文言であるということ、通名を殊更に揶揄することが人種差別の要素があるとされています。

また、①「日本は怖い国ですね。早く自分の国に帰りましょうね。」②「違法移民なんんだよね、居座ってるだけで」「一時的に死なないように慰留認めてるだけなんだから」「帰ってくれ」③「日本が嫌いなら出て行けばいいだけの話」というツイート群が人種差別とされました。その他の攻撃的なツイート群からも、朝鮮人に対する攻撃の意図が認定されています。

特殊な用語や通名の揶揄については理解できますし、ツイート群についても、「なんだかんだ言ってるけど結局は朝鮮人であるということだけで攻撃してるでしょ」と言われてしまうのは仕方がないと思います。本当に何らかの犯罪行為があって、それを理由に「帰れ」という文言が使われているとしても、他の文言から「結局は朝鮮人であるというだけで攻撃」していると判断されてしまう可能性もあります。

ただし、よく「朝鮮の工作員」という単語が記事に上がったりしますが、この点が人種差別であるとされたわけではありません。この部分は一般的な侮辱の文言として処理されているに過ぎません。

金竜介弁護士の訴訟提起は弁護士のタガが外れてしまっている

さて、金竜介弁護士の懲戒請求事案では、上記のような文言があったのでしょうか?

少なくとも会見の記事を見る限り、そのような文言があったという事実は確認できません。単に「名前が1文字の弁護士をまとめて選んで懲戒請求した」という事実だけで人種差別であると認められるかというと、かなり疑問です。

金弁護士は「被差別カード」を振りかざして慰謝料額を水増しさせようとしてますが、保守速報の事案の様な要素は今のところ見出せません。金弁護士のように何でもかんでも「被差別」のカードを使って訴訟提起するというのは、弁護士のタガが外れてしまっていると思います。

まとめ

  1. 金弁護士に対する懲戒請求の理由は、これまでのものと同じ
  2. 人種差別はそれだけで違法となるものではないが、慰謝料の増額事由になる
  3. 今回の事案は、「朝鮮学校無償化に賛成している者」に対する懲戒請求であって、「朝鮮系の出自を持つ者」に対する懲戒請求ではないと考えられる
  4. 保守速報の事案と比較すると、人種差別を伺わせる事実が不足している

不当な懲戒請求はもちろん許されませんが、「被差別カード」を濫用して慰謝料額を増額させようとする行為もまた慎んでいただきたいものです。

以上

「共産党が募金から経費を引いている」はデマなのか:維新松井知事の指摘

 

日本共産党の旗、ロゴ

魚拓:http://archive.is/vkEhS

「共産党に募金すると経費が差し引かれる」

このような情報がありますが、共産党は「すべて被災地などに届けました」と言っています。

この話をどのように整理すればいいでしょうか。

また、一般的な募金における寄付金の扱いについても紹介していきます。

共産党が募金から経費を引いている事実

共産党募金経費

実は、共産党自身が募金総額の内訳として経費を計上しているということを公表しています。魚拓:http://archive.is/YrQsb

上図は東日本大震災のときのものですが、募金の種類が2つあることに注意。

1つ目は東日本大震災救援募金という一般的な募金。これは総額10億円以上が集まり、被災地の自治体やその他に対して約6億円が充てられています。その他は支援物資やマンパワー用、諸経費に充てられている事がわかります。

2つ目は被災地「党」活動支援募金という共産党員のための募金。「常任活動家などの生活援助」という項目が気になりますが、共産党内部の話なので気にしません。ここについて非難する資格があるのは、共産党員だけでしょう。

このように、明確に募金総額から経費に充てられている分があるということを共産党自身が公表しています

ここまでの文章において、私は何も「評価」を加えておらず、事実だけ述べている事に注意して頂きたいです。

維新の会の松井知事の指摘はデマなのか?

魚拓:http://archive.fo/RfBTP

日本共産党は松井知事の指摘はデマであると言っていますが、松井知事は募金の一部が経費であると言っているだけで、それが何か悪いことなのかという評価を加えていません。他の方法に依る場合に比較して、経費が引かれるので、募金をする人はそれを認識した上で募金しましょうと言っているに過ぎません。魚拓:

http://archive.fo/0hCNy

松井知事も、決して「懐に入れている」と言っているのではありません。そんなことを弱者の味方を標ぼうしている共産党がしているハズがないと思うのですが。あくまで募金活動を運営するのに必要な経費として使用されている事実を指摘しています。

むしろ共産党の記事中の以下の文章が気になりますね。

2年前の東京・品川区の演説会での募金活動や後援会交流決起集会での募金活動については、他の募金と一体に集めたことは正しくなかったと認め、集まった全額を救援募金として被災地に届けたことを付記しておきます。

こういうことをしているから、「中抜きしたのでは?」と疑いをかけられてしまうのではないでしょうか?

「全額を被災地に届けている」は誤解を招く

共産党募金経費

共産党は松井知事に反論している文章の中で、「東日本大震災では10億円を超える募金が託され、すべて被災地の自治体などに届けました」と言っています。

さすがにこれは無理でしょう。誤解を招く。

とはいえ、無意味な批判をするのもやめた方がいいです。

まず、「自治体など」とあるのはあまり気にしない方がいいです。厳密に自治体が主体と言っていいか微妙な組織に対しても義援金が渡るのは通常の話です。ここに何が来るのか気になるなら寄付者が聞けば良い。

「支援物資の購入」項目では、一応すべてが被災地のために購入されたと考えられるので、これもいいでしょう。

「ボランティアなどによる救援活動」項目も、マンパワーを供給したという意味において、募金が被災地に届けられたと言い得ることになります。

「同情するなら人をくれ!」

という場合が復興初期には発生します。家屋の中に入り込んだ細かい瓦礫を掻き出すためには機械ではなく手作業になるため、多くの人手が必要です。したがって、募金の全てが金銭化されて自治体に送られるよりもむしろ良い結果となることがあります。人を送るのにも輸送費がかかるのです。

さて、「資材・郵送料等の諸経費」の項目は、流石に「すべて被災地の自治体などに届けました」は無理です。

共産党の意識としては被災地復興のために行動した結果なのだから、すべての募金について被災地用に使用したと考えているのでしょうが、事実として募金額そのものやマンパワーに変化したものが被災地の自治体等に行き渡っているわけではありません。

したがって、松井知事に対して「デマ」だと言う指摘は、おかしいということになります。

共産党の募金活動は評価されるべき

共産党が募金活動をしなかった場合に比して被災地には金、人、物が供給されているのですから、その活動自体は評価されるべきです。

しかし、募金の使途について話を盛っても意味がないし、外部からの指摘をデマであると断定するのも、「後ろ暗い何かがあるのではないか?」と閲覧者が感じてしまうおそれがあるため、有益であるとは思いません。

共産党は「攻撃を受けた」と認識しているようですが、過剰反応ではないでしょうか?

こうした認識の上で、ボランティア活動費に2億円というのは詳細な内訳は何か?その金額は妥当なのか?という検証をすればよろしいのではないでしょうか。

それにしても、最後の一文が気になります。

お預かりした募金は、日本共産党の政治活動のための資金とは区別し、その全額を被災者の救援に充てます。

「政治活動のための資金とは区別し」というのは、ネット上での各所からの指摘を意識したものなのか、それとも…

募金団体と寄付者の認識の齟齬が問題

さて、私はここまで「募金額の全てが義援金たる金銭として被災地に送金されていないこと」については何も問題視していない事に気づいているでしょうか?

 

募金団体が募金の存在とその目的を宣伝することで、「よし!募金してみよう!」と思う層が発掘されるのですから、被災地にとっては有益なわけです。また、有名な団体が募金を扱うことで、信頼感があるというのも事実です。募金を集めても安全に寄付対象の組織や個人に届ける管理が行き届いていなければ、募金は成り立ちません。その際にかかった経費分については、過剰な割合でない限り許容されるべきでしょう。

問題は、多くの人が「募金額は全て義援金たる金銭として被災地に送金される」と思い込んでいるにもかかわらず、募金団体がそのような事に限られないということを周知、説明してこなかったということにあると思います。

ここの認識の乖離を埋めるためには、募金団体の側(今回で言えば共産党)が募金を集める際や事後的にしっかりと説明するべきでしょう。そのような前提が共通認識としてあれば、今回のような「過剰反応」は起きなかったのではないでしょうか?

もちろん、金銭化されていないのであれば当然「中身」がどうなのかは気になります。

そこについては説明する義務が募金団体にはあると言えるでしょう。

日本ユニセフや日本赤十字の場合

実は、募金団体が募金額の一部を諸経費に充てているということは当たり前の話です。

むしろ、「募金団体の活動費は募金額から充ててはいけない」となると、きちんとした管理運営をする募金団体がなくなる危険があります。

日本ユニセフや日本赤十字なども募金についてやり玉に挙げられることが多いですが、結局のところ募金団体と寄付者の認識に乖離があることが問題だと思います。

魚拓:http://archive.is/ndbST

途上国支援のプログラムをしっかりと専門性をもって運営し、ファンドレイジングまでやろうと思えば、このくらいは間接経費としてかかることは、知っておいたほうがよいだろう。日本人は寄付といえば無償ボランティアですべて運営されるべきと考える人が多いが、そういった考えはかえって寄付がちゃんと効果的なかたちで使われない方向になりかねないことも理解しておいたほうがよい。

この記事がよくまとまっていると思いますが、ネット上にある日本ユニセフ叩きについて、どの辺りまで正当性があるのかというのは、かなり疑問があります。

唯一、この記事でも指摘しているように、間接費が約20%かかっていることについて「その割合・額はもう少し低廉に抑えられないものだろうか?」という問題意識は正当であると思います。

共産党の募金の扱いについても、このような認識を持った上で論じられるべきだと思います。

まとめ

  1. 共産党は募金の一部から経費を充てているというのは事実
  2. 松井知事はデマを言っているのではない
  3. 募金がすべて義援金として金銭化する必要はない
  4. 共産党は他人を攻撃する暇があるなら募金の使途を堂々と説明すればよい
  5. 「募金から経費が出るのはおかしい」という認識はむしろ危険
  6. 募金額と経費の割合を問題視するのは正当な行為

募金活動をしてる者を殊更取り上げて非難するというのは方向がずれてると思います。

同時に、募金団体は金銭を託されているのですから正確に説明する必要があるでしょう。

以上

NHKの受信契約義務:アンテナやTVだけでは不要:NHKが映らないテレビ


ソニーから「NHKが映らないテレビ」が発売されます。

この機会に、NHKと受信契約を結ばなければならない条件を確認しましょう。

ソニーのNHKが映らない「テレビ」はチューナーがない

「テレビ」と言われていますが、チューナーがありません

要するに電波を受信する機構がない箱ものです。

つまり、NHKどころか民放各局の放送電波も受信できないということになります。

しかし、Androidアプリが内臓されているため、TVer(ティーバー)などの民放番組アプリを導入すれば、「ネット回線で」番組を見れるということになります。

さて、「TVがあればNHK受信契約をしなければならないのではないか?」と思う方もいらっしゃると思います。

その必要はありません。受信契約を締結する義務が発生する条件を見ていきましょう。

NHK受信契約義務が発生する条件

関係する規定と判例を確認しましょう。

放送法と日本放送協会放送受信規約:受信機の設置

放送法

第六十四条 協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。

日本放送協会放送受信規約

(放送受信契約の成立)
第4条 放送受信契約は、受信機の設置の日に成立するものとする。

放送法と日本放送協会放送受信規約では、「受信機(設備)設置」が受信契約の要件とされています。

では、何を持って受信機(設備)の設置とされるのか?

具体的にアンテナがどうとかテレビがどうということではありません。

判例を見ればわかります。

判例による受信契約義務発生=受信機の設置=「視聴可能性」

東京高等裁判所 平成23年(ツ)第221号 放送受信料請求上告事件 平成24年2月29日

受信料債権は、現行法上、私人間の契約に基づく債権と構成されておりー中略ー受信料とは文字どおり受信(視聴可能性)の対価であり、受信と受信料に対価性があることは明白である。

受信料債権が何によって発生するかを判示した判決ですが、「電波を受信したこと」 でもなく「現実の視聴」でもなく「視聴可能性」との対価であると言っています。
※地方によっては異なる判断をする裁判所があるかもしれません。少なくとも関東圏内では東京高裁の判断が規範性を有します。

つまり、「NHKの放送を視聴できる可能性がある限りにおいて」、受信契約をする義務があるということです。したがって、たとえば一定の条件の元ではイラネッチケー(関東向け関西向け)を配置することで受信契約の義務が発生しないと考えられています。

したがって、ソニーの「テレビ」はそもそも放送電波を受信できないので、視聴可能性がゼロだから、受信設備の設置とは認められず、受信契約の締結義務はないということになります。

イラネッチケーについて詳しくは以下参照

アンテナやTVだけでは契約義務有りとは言えない

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「マンションにアンテナがあるから契約義務がある」

「BSアンテナがあり、TVがあるから必ずBS放送も受信義務がある」

これらは全て嘘です。

NHKの集金人と名乗る者などがこのような言葉で法律を振りかざしてくることがあるようですが、法的には契約する義務は全くないということになります。仮に視聴可能性が無いにもかかわらず、そのような事を言っている者があなたにNHK受信契約を迫ってきたならば、録音して詐欺未遂で告発しましょう。

普通に考えれば分かる話ですが、マンションに地上波とBSアンテナの両方があったとしても、TVなどの受信機がなにもなければ放送を視聴できる可能性は無いのですから、受信契約の義務はありません。

また、アンテナがあってTVなどの放送受信機はあったとしても、受信機には地上波チューナーのみがありBSチューナーが無い場合には、それも視聴可能性は無いということになります。

さらに、BSチューナーがあったとしても壁にある端子と受信機を繋ぐケーブルが無ければ、それもまた視聴可能性は無いということになります。TV視聴機能付きPCなどは、このような状態で使用している方も多いと思われます。

その他、状況によっては契約義務があるかの判別がつかない場合もありますので、この場合は集金人と名乗る者が契約義務があると言っても信用しない方がいいです。

まとめ

  1. ソニーが発売するテレビはチューナーがないため民放も映らない
  2. ただし、アプリケーションを導入すれば一部、番組が見られる
  3. 受信契約の法的義務は「視聴可能性」の有無で判断される
  4. アンテナや受信機の存在のみでは視聴可能性の有無は決まらない 

追記:ただ、訴訟の実際上は受信機の存在が認められれば視聴可能性が「推認される」可能性もあるので、そこは注意です。

その場合は視聴可能性が無いことの立証責任が国民側に課されることになります。

立花考志さんのNHKとの争いでTVがあっても受信契約の支払い義務があるとはならなかったものの中には、TVのチューナーを破壊したものがあります。その事案ではその動画が「証拠」になったと思われます。

なので堂々と「受信機があるけど視聴可能性はないから大丈夫」とNHK側に言うようなものではありません。

以上 

NHK受信料:「死後も受信料の督促」「死亡と別世帯一人暮らしの証明で死亡月から解約」の真偽

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被相続人が死亡した場合、相続人は死後のNHK受信料を解約の通知時点までの分も含めて支払う必要があるのか?

この問題について上記記事を書き、法的にはグレーであると書きました。そして、この時点でNHKに確認した結果は、「死後も受信料は発生する」というものでした。

しかし、ねとらぼさんによるNHK広報局に対する取材によると、現実にはそのような運用は行っていないという回答を得たとあります。

そこで再度、NHKに電話して聞いてみました。電話はこちらでも録音していますから、しかるべきところに渡すかもしれません。

まず架電した相手先はNHKふれあいセンター(通常、どこに連絡していいかわからないときに最初に第一にする場所)。ここは前回確認した電話先でもあります。

NHKふれあいセンターで別世帯一人暮らしの場合を確認

やりとりの大枠は以下です。

凡例:主⇒ブログ主Nathan(ねーさん)、N⇒NHKふれあいセンター

主:解約手続きに関してはこちらの窓口でよろしいでしょうか

N:はい

主:一般的な質問ですが、別世帯で一人暮らしの被相続人が死亡したあと、解約をせずに期間が経過した場合、相続人が支払うべき受信料はどのように扱っているのでしょうか

N:相続人様において、被相続人の方がお亡くなりになられてから解約のご連絡までの期間の受信料を払っていただくことになります

主:死亡の公的証明書を提示して死亡の時点がわかれば、死亡時で契約は終了するのではないのでしょうか

N:いえ、解約のご連絡を頂いた時点までの受信料をお支払い頂くことになっております。

主:そうですか。いや、実は7月1日にねとらぼという媒体でNHKの広報の部局で確認した結果が記事になってまして、そちらによると違う回答だったんですよ。

N:さようでございますか

主:はい。内容としては、「契約者の“死亡”と“一人暮らし”が確認できた場合は、亡くなった当月を解約扱いとするので、届け出までの期間の受信料は発生しない」というものでした。こちらが正しい案内ではないのでしょうか

N:確認しますので少々お時間頂けますでしょうか

主:はい

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

N:お待たせいたしました。

主:はい

N:私どもの窓口からは、先ほど申し上げた通りの案内となります

主:えっ。じゃあねとらぼさんに載っていた情報は違うということですか?

N:いえ、こちらのふれあいセンターではこれ以上詳細な回答ができかねる、という案内をさせていただいておりまして、具体的なことについては営業所にご確認いただくことになっております

主:でも、解約の手続ってこちらで行いますよね
※営業所経由でも可能

N:はい。そうなんですが、仰っていただいたような事例における詳細については、こちらでは先ほど申し上げた回答となりまして、詳細については営業所にお聞きいただくということになります。

主:わかりました。営業所に聞いて見ます。いや、NHKさん色んなところで叩かれててかわいそうなんで、こういうのもこの窓口で伝えた方が誤解がなくなると思うんですよ。ということを意見として言わせて頂きます

N:ご意見はありがたく承ります。

主:ありがとうございました。

 

オペレーターさんは確認してから上記回答をしたので、少なくとも「オペレーターレベルでは」嘘はついていないのかなと思います。

ということで、とある営業所で電話で確認してみました。これは必要な場合に議員事務所で相談するためにそうしました。

営業所へ死後の受信料につて聞いたら

全国の営業所の電話番号はこちらで確認できます。

凡例:主⇒ブログ主Nathan(ねーさん)、営⇒ある営業所

主:一般的な質問で恐縮ですが、別世帯で一人暮らしの被相続人が死亡したあと、解約をせずに期間が経過した場合、相続人が支払うべき受信料はどのように扱っているのでしょうか

営:そのような場合には、被相続人の方がお亡くなりになられた時点で解約ということになります

主:死亡時点や一人暮らしであることがわかるようなものを提出すれば良いということでしょうか。その間の受信料は発生しないということになるでしょうか。

営:さようでございます。事実がわかるものをご提示いただければ、お亡くなりになられた時点以降の受信料は頂かないということになっております

主:そうですか。そうすると確認ですけれども、たとえば1年前払いなどをしていて、その途中で死亡した場合には、返金されるという理解でよろしいでしょうか

営:おっしゃる通りでございます。そのようにさせていただいております。

主:わかりました。ありがとうございます。実はふれあいセンターに先に電話してまして、この場合について最初は「受信料が死亡後も発生する」という回答だったんですよ

営:さようでございますか

主:はい。そこで詳しく聞いたら営業所に連絡してくれと言われて、こちらに電話したらキチンと回答いただいたんですが、全く違う回答になってるんですよね。これってなんでふれあいセンターで回答できないのか不思議なんですよ

営:ええ

主:私は契約者ですからね、契約者が契約内容を確認するのは当然の権利なわけですから、それについて答えられないというのは、ましてや全く違う回答がなされるというのはおかしいじゃないですか。オペレーターさんも確認してからそう回答したので、その人の問題ではないと思うんですよ。こういう体制をとっていること自体がどうなんだ

営:ええ

主:正しい情報が広まればきちんと解約手続きをする人が増えますし、なによりNHKさんとしても無駄に請求書を送ったりする手間が省けますからね。ふれあいセンターの回答をしていると窓口担当の人も負担ですしNHKが叩かれるというのは良くないと思うんですよ。そういうことを意見として言わせて頂きます。

営:ご意見をありがたく承ります。

主:ありがとうございました。

 

文字にすると淡々とした印象ですが、ふれあいセンターも、営業所の方も、丁寧な感じで応対していただきました(営業所の方が「死亡」ワードを意識してか、かなり同意の感情が滲むような雰囲気)。「ええ」というのも「聞いてますよ」という相槌でした。

死亡月から解約扱いというのは営業所の運用

NHK組織図:広報局、営業局、受信料

参照元:https://www.nhk.or.jp/bunken/book/regular/nenkan/pdf14/14_723_724.pdf

以上、ねとらぼさんの記事にあったように、「契約者の“死亡”と“一人暮らし”が確認できた場合は、亡くなった当月を解約扱いとするので、届け出までの期間の受信料は発生しない」というのは正しかったということになります。

しかし、NHKふれあいセンターでの案内は、そうではないということです。ねとらぼさんが確認したのは広報局、営業所は営業局ですから、ふれあいセンターはまた別の部署だと思われます。

実は、部局間で「案内の範囲」が異なるというのはいろんな企業でよくある話ではあります。ただ、「案内が食い違う」というのは到底許されない行為です。本来は「ふれあいセンターでは回答いたしかねる内容のため営業所にご確認ください」とするべきものを、最初に営業所と矛盾する回答を行っている時点でアウトです。

このような案内をすることになっていることで、窓口のオペレーターには無用な負担がかかっていることに同情を禁じ得ません。これは確実に組織の問題です。

ただし、営業所によっては違った対応がされる場合があります。その場合にはねとらぼさんの記事やこの記事の内容を突き付けて反論してみてください。

ネット上のNHK受信料に関する情報について

こうしてみると、NHKにまつわる様々なマイナス情報は、集金人やNHKふれあいセンター、営業所の回答の矛盾が引き起こしている面が相当数あるのではないかと思われます。とりあえず集金人の言っていることは事後的に検証してから判断した方がいいでしょう。

NHKがそのような状況を放置しているのはなぜでしょうか?

そして、「解約してはいけない」と扇動するサイトがあるのはなぜでしょうか?

受信契約や受信料の支払い督促などの業務は別の業者がやっている例も多く、インターホンのカメラで業者の違法行為が撮影されていた、ということも多々発生しています。

こうした傾向を踏まえ、「死亡者の契約で相続人が解約を忘れているケースを(何らかの方法で)探しだし、払っていない受信料を集めることを「埋蔵金」として意図的に行われているのではないか」という見解もあります。

 

現場の方には大変申し訳ないですが、NHK全体をみると、どうも「埋蔵金」を作っているのではないかと思ってしまいます。

もっとも、NHKから国民を守る党も解約を推奨していませんが、これはNHKに対して解約の手続をしようとすると、前提知識がなければ解約にたどり着くことができず、無駄に面倒な手続きが発生するということが背景としてあるようですから、このような観点から解約を推奨していないところについてまで非難する意図はこの記事にはありません。

特に女性の1人暮らしでの解約手続きは非常に危険な場合も含まれる(室内を検査させる場合等)ので、こうした現実の負担を考慮している言説には正当性があるでしょう。

ただ、法的な原則は死亡時から通知時の受信料発生はグレーであり、運用上はそうならないようにしているのが基本ということは変わりありません。「原則」や「基本」を無視して「全て解約手続きを取らないのが正しい」と言及することは、私たち国民のためにも、NHKに関係する職員・会社員のためにもなりません。

録音した音声データはしかるべきところに渡すかもしれません。

以上

日本代表がポーランドに敗れ決勝トーナメント進出:フェアプレーか無気力試合か

 

サッカー日本代表西野監督ポーランド戦後記者会見

 

日本代表がフェアプレーポイントによって決勝トーナメントに進出しましたが、日本代表がワールドカップグループリーグ第三戦のポーランド戦で見せたプレーは無気力試合か?フェアプレーとは何か?という点が問題になっています。

これについては個人がそれぞれの考え方で肯定、否定することもいいですが、「規範=ルール」に則った場合にどのように解釈できるのかについて検討していきたいと思います。

FIFAフットボール行動規範

"Code of Conduct for Football"(FIFAフットボール行動規範)においては以下のように記述されています(魚拓:http://archive.is/3y9UV

1:Play to Win

Winningは全ての試合の目的である。決して負けるためではない。もしあなたが勝つためにゲームをプレーしなければ、それは対戦相手を惑わせ、観客を欺き、あなた自身を騙すことになる。強い相手を前にしても決して諦めてはならないし、決して弱い相手に情けをかけてはならない。それは相手が全力でプレーすることを侮辱することになる。最後の笛までプレーせよ。

ここでWinningをわざと「勝利」と訳さなかったのは、ここの意味するところが重要だからです。このWinningはその1試合での勝利のみを指すのか、それとも大会全体を通した勝利、つまり「優勝」も含むのかどうかという解釈問題があります。

英語でWinningと言うときは、その意味に「優勝」も含みますから、当然このような疑問が生じるわけです。さらに、それ以上の意味合いが含まれているのかどうかも検討しなければなりません。

では、それはどのように解釈するのかというと、まずは他のFIFAフットボール行動規範を見るべきということになると思います。

Promote the Interests of Football

FIFAフットボール行動規範には「フットボールの魅力を広めよう」という項があります。これが関連すると思います。

6:Promote the Interests of Football

フットボールは世界最高の競技である。しかし、そうであり続けるためにはあなたの助けが必要である。あなた自身の前に、フットボールの魅力を考えよ。あなたの行動がゲームの印象にどのように影響を与えるのかを考えよ。ゲームの肯定的な側面について語ろう。他の人にもその側面を見たり、公正にプレーすることを勧めよう。他の人があなたと同じくらいフットボールを楽しめるよう努めなさい。ゲームの大使になれ。

フットボールの魅力は1試合の攻防に限るものかどうか。大会のレギュレーションが得失点差やフェアプレーポイントによって決まるということであれば、そういった要素による決勝トーナメント進出の可能性を確保する行為もまたフットボール競技の一部であるという意見もあると思います。

日本代表対ポーランドのゲームの肯定的な側面があるとすれば、「恥を偲ぶ」という行為の意味について深い示唆を与えてくれたことである、とでも言えばいいのでしょうか?

競技規則"Laws of the Game"の精神

普段審判員が利用している競技規則の2017-2018には「将来に向けて」という項において、2017-2022戦略の一環として、競技の公平・構成と高潔性が強化されることが謳われ、協議の対象として「時間浪費への対抗措置」「より長いプレーイングタイムの確保」が言及されています。(JFA版は14頁)

今回の事案はピッチ内でのボール回しのためプレーイングタイムではありますが、実質的には「時間浪費」に類すると言えるので、議論の対象になるのではないでしょうか。

たとえば自陣内でのプレー時間に制限がかかるとか(草サッカーレベルでは不適切だとは思いますが)、他のスポーツ競技からの拝借も考えられるかもしれません。

競技規則のレベルでは無理であるならば、大会レギュレーションとしてフェアプレーポイントがあるのですから、あらゆる「時間稼ぎ」行為に対してはフェアプレーポイントの減点措置を取るということも検討されていくのではないでしょうか。

FIFAのサッカー普及活動:子ども向け「フェアプレー」

FIFAの子供向けのフェアプレーの説明文が表示されているWEBでは以下のように書かれています。(魚拓:http://archive.is/0v7Kh

Winningはあらゆるゲームの目標です。決して負けるようプレーしてはいけません。もし負けることになったとしても公平にプレーしなさい。そうすればあなたは尊敬を勝ち取ります。勝者を称えましょう、そして、次のゲームでの勝利に挑戦しましょう。

Play to lose=負けるようにプレーとはどういうことでしょうか。積極的に負けるようにプレーすることだけにとどまらず、勝つためのプレーをせず、負けている状況を維持することも含まれるように思います。

なお、引き分けの状況を維持することも含むでしょうか?

なでしこジャパンがワールドカップ予選のオーストラリア戦で引き分けの状況を維持するボール回しをしたときも激しく非難されました。これに対してFIFAは何ら罰を下していませんが、問題であることは間違いありません。

西野監督の記者会見

西野監督の発言は文字起こしをすると意味不明な日本語になるので、要約は以下

  1. チャンスがあれば、という判断をしていた段階があった
  2. しかし、万が一0-2になってしまう可能性を考えた
  3. 最終的に自分が送ったメッセージは「このままでいい」負ける情況をキープした。
  4. 選手は私のメッセ―ジを忠実に守っていた
  5. プランに無かった中で状況が求めていたのが「他力」
  6. 長谷部投入時点でメッセージを伝えた

「負ける情況をキープ」、「他力」と明言しているのがバカ正直と言うかなんというか。試合中もシュートに持っていくプレーが途中になかったのが悔やまれます。

JFA=日本サッカー協会の行動規範

JFAサッカー行動規範(魚拓:http://archive.is/1tPTx)では以下の記述があります。

最善の努力
どんな状況でも、勝利のため、またひとつのゴールのために、最後まで全力を尽してプレーする。

「一つのゴールのために」と言う文言があることから、今回の日本代表の行為、西野監督の方針は、明確にJFAの行動規範に反する行為です。

これは解釈の余地がありません。

Winnig=勝利とは何か

本来、西野監督もそのように発言し、日本代表も全ての時間をボールキープに使うのではなく、攻める姿勢も見せて欲しかったと思います。

たとえばこの試合が勝ち点6同士の試合であり、もう一方の試合で勝ち点3のチームが居た場合、両チームが引き分けを狙ってプレーしていたら、談合となり問題でしょう。

そのような行為を規制する意味でも、勝利に向かってプレーするということは、単一の試合において求められる規範と考えるのが妥当でしょう。

日本代表対ポーランドは無気力試合か?

バドミントンで支那や韓国の選手が無気力試合であるとして失格処分になったことも記憶に新しいと思います。これはルールでは規定されていない処置でしたが、失格処分となりました。

無気力試合とはどういうものでしょうか?

バドミントンの例で言えば、試合開始当初からわざとミスを連発するなど、試合を通して勝つ気のない行為があったということになります。

日本代表対ポーランド戦の場合、少なくとも長谷部投入の82分までは点を取りに行く方針だったのであり、実際にポゼッションし始めたのは84分以降です。これが無気力試合と表現してよいものか。言葉の意味からして疑問です。

無気力試合という表現はあたらないでしょう。

ただ、サッカー日本代表の行為がどのようにFIFAに判断されるのか分かりませんが、罰則が科されるまではいかないにしても、やはり今後の議論の対象となる行為であったことは間違いありません。

シセ監督のフェアプレーポイントへのコメント

シセ監督の以下のコメントがあります。

「我々はフェアプレーポイントの差で突破できなかった。わずかな差で、セネガルは突破できなかった。
なぜかといえば、我々はそれに値しなかったからだ。
それはルールの一つであるのだからね。我々はそれをリスペクトしなければならない。
もちろん、我々は違った形で大会を去ることを望んでいたよ。悲しいことだが、皆これがレギュレーションだとわかっていたんだ。

レギュレーションに沿った行為だから良いなどと言うつもりはありませんが、レギュレーションはレギュレーションであるというのもまた事実です。

シセ監督の振る舞いはまさしくフェアープレイを体現していると言えるでしょう。 

まとめ

  1. 日本代表の行為はFIFA行動規範に反している可能性が極めて高い
  2. FIFA子供向けフェアプレーの解説にも反している可能性が極めて高い
  3. JFAの行動規範には明確に反している
  4. 日本代表対ポーランドは無気力試合と言うことはできない

日本代表には、決勝トーナメントで是非ともサッカーの魅力を表現するプレーを期待したいと思います。

追記:私は規範に反してても勝てば結果オーライだとは思いません。しかし、同時に「勝ち上がる」という大切な結果を求めなければなりません。それが厳然たる事実です。西野監督の決断は正しいとか間違ってるとかの次元を遥かに超えた大博打であって、「規範に反してるから応援しない」とか、「正統性がない」などとは思いません。

この記事も樋渡さんとのツイッター上のやりとりを通じて、「フェアプレー」を取り巻くルールにはどういうものがあるのか、それに照らした場合にどうなりそうなのかをこの事案を契機に学ぶことは良いことだと思い、書きました。そこに日本代表を貶める意図はありません。

多くの方がそうであるように、私も批判はするときもありますが、同時に、どんなときでも応援しています。

ベルギー戦もがんばれ!日本代表!

以上

【NHKデマ】「受信契約は民法552条で死亡で当然解約」というデマとデマ拡散の作為性について

NHK受信契約は民法552条で解約というデマ拡散

私がこの記事の中で「NHK受信契約は民法552条で死亡で当然解約」というのがなぜデマなのかを説明しました。6月26日までに数万人に読まれ、ツイッターでも記事が拡散されました。

しかし、そのような事があったにもかかわらず、その後も以下のようなツイートが後を絶ちません。リツイートの数が異常です。

魚拓:http://archive.is/a2yVh

そして、恐ろしい出来事も私の身に対して起こりました。

このデマに関する事象について紹介していきます。

「民法552条で解約」は2007年から存在するデマ

魚拓:http://archive.is/93cgd

ここの最下部に2007年のyahoo知恵袋のベストアンサーが552条デマを発しているとしています。これが最古のものかはわかりませんが、少なくともこれ以降、デマが拡散されていきます。

魚拓:http://archive.is/X2G1M

コメント欄には突っ込みもありますが、知恵袋でベストアンサー以外を見る人は極々一部なので、気づく人はほとんどいないでしょう。

私Nathan(ねーさん)に対する嫌がらせ

最初のツイッターアカウントとは関係ありませんが、私の記事の内容を歪めてツイートするアカウントが多数存在していました。
※私のハンドルネームはこの時「@ロシアワールドカップ」を末尾につけています。

NHK受信契約についてのツイートの文を一部切り取ってシェア

魚拓:http://archive.is/hiZuA#selection-3439.0-3515.1

スペースを含めても116文字しかないので、この文の切り方は意図的です。

これは私のツイートをシェアしたものでしたが、元の文章は『「民法552条の定期贈与だから死亡で当然解約される」というデマを信じて何もしないと、最大5年分の受信料債権と延滞利息を支払うことになります』というものでした。

このような切り取り方をされるのは困るので、ツイートを削除しました。

削除前のツイートの魚拓:http://archive.is/50zvV

このアカウントはプロフィールではてなブックマークをツイートするとありますから、はてなブックマークからシェアした場合にどうなるかを確認しました。はてなブックマークのページにあるシェアボタンの画面を開くと以下のようになります。はてぶページの魚拓:http://archive.is/RN8SR

f:id:Nathannate:20180628223055j:plain

このように、全文がシェアされます。

にもかかわらず、上記ツイートでは文章を途中まで引用し、しかも丁寧に末尾を「”」で囲っているので、シェアをする際の自動表示というわけではないと言えるでしょう。

しかも、はてぶページに表示されている私のツイートも、途中で文が切れており、一見すると誤認する者が出てくるようになっていました。これは私に編集権限がありましたので、現在は表示を修正しています。

魚拓:はてなブックマーク - Nathan(ねーさん)@ロシアワールドカップさんのツイート: "NHKが死者の分も受信料請求:死亡後に相続人は解約手続をするべきか ネット上の「民法552条で当然解約」というデマに

同様のツイートをしているアカウントは以下です。

魚拓:http://archive.is/B1JUP

ブログのシェア時にブログ内容を誤認させる文章を記載してツイート

また、私のブログ記事を直接シェアした者もおり、ブログの内容を誤認させるツイートを意図的に行っています。

f:id:Nathannate:20180628223401j:plain

 

魚拓:http://archive.is/EpM0z

現在、元のツイートは削除されています。また、このアカウントから謝罪ツイートがなされ、誤認のないようにした訂正ツイートも出しています。

しかし、このようなシェアの仕方は明らかに意図的です。このブログのページからSNSシェアボタンを通じてシェアする場合には絶対にこの表記のような文章にはなり得ません。シェアする本人が文章を組み替えなければこのような表現にはなり得ません。

「NHK受信契約は民法552条で死亡で当然解約」というデマ拡散の作為性

NHK受信料が民法552条で死亡解約はデマ

以上みてきた通り、このデマはどうも、意図的に拡散されているようです。

しかも、相当数の者がツッコみを入れているにもかかわらず、その意見が存在しないかのように振る舞うアカウントも多数存在します。

ここで、このデマが拡散されることによる影響を考えてみます。

被相続人が死亡してもNHK受信契約を解約しないと、(争いはありますが)受信契約が継続していることになり、解約するまでの間は受信料債権が発生します。そして相続人は本来すぐに解約すれば払う必要のなかったNHK受信料を支払わなければならないということになります。

これはNHKを利する行為であることがわかります。
(もちろんそうはならないと言って争う余地はあります)

そもそも、電気、水道、ガスなどの公共料金も、被相続人死亡の後にすぐに解約しなければ、口座引き落としなら引き落としされ続けますし、そうでなく相続人がわかっているなら相続人に督促状が行きます。これは社会常識でしょう。

なぜNHKの場合には「絶対に」そうはならないと思わせているのか不思議です。

これを「死者にも請求するなんて酷い。〇〇〇はクソだ」と言う人が居ますが、契約当事者としては、相手が死亡しているかどうかなんて連絡をもらわない限りわかりません。当然、従来の通り請求をするのが当たり前です。

今回の場合に問題なのは、VHFというアナログ電波しか受信できない設備しかないのに、アナログ電波が停止した後の分も請求してきたと言うことです。もっとも、これも元々契約をしていた者がテレビを見れなくなったことを伝えなければ、NHKは相手がアナログ電波用のアンテナしか持っていないことは知る由もないですから、連絡するべきだったという事案です。その上で、死亡日時の証明を出しても死亡時点で支払いが止まるのではなく通知時点までの分が請求されることを問題視するべきなのです。

相続人であれば正当な手続きを踏むべき(回避方法を煽動することはしません)ですし、相続人でないならそもそも支払義務はないし、解約の手続もする必要ないです。相続人ではない者からの解約手続きをNHKが受け付けるとは思えませんし、もし仮にNHKから相続人ではない者に督促状が届けば、自分は相続人ではないことを伝えれば良い話です。

繰り返しますが、なぜ552条がデマなのかは、この記事で完全に論じています。

以上