事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

テレビ朝日・朝日新聞:報ステプロデューサーのハラスメントで実名報道せず

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テレビ朝日報道ステーションのチーフプロデューサーがセクハラで謹慎処分とされた事件で、テレ朝・朝日新聞ともに実名報道をしておらず、やっぱり感でお腹がいっぱいです。

報ステプロデューサーのハラスメントで謹慎処分

「報ステ」プロデューサーを謹慎処分に ハラスメントで:朝日新聞デジタル魚拓
 テレビ朝日は3日、同社報道局の社員を「ハラスメントにあたる不適切な行為があった」として、8月30日付で謹慎処分にし、担当職務を解いたことを明らかにした。ハラスメントをしていた相手や内容については、被害者の特定につながるおそれがあるとして、明らかにしていない。関係者によると、処分を受けた社員は、ニュース番組「報道ステーション」のチーフプロデューサーだった男性だという。

 チーフプロデューサーだったという男性の名前は?

「朝日新聞は事件報道に際して実名で報じることを原則としています」

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京アニ犠牲者、25人公表 全35人、「ハルヒ」総作画監督ら:朝日新聞デジタル

朝日新聞は事件報道に際して実名で報じることを原則としています

朝日新聞は京都アニメーションの事件において、被害者の遺族らが実名報道を拒否している中、実名報道が原則であるとして被害者の実名報道を行いました。

では、なぜ今回は実名報道をしなかったのでしょうか?

被害者の特定につながるから加害者の名前を明らかにしない?

「報ステ」プロデューサーを謹慎処分に ハラスメントで:朝日新聞デジタル魚拓

ハラスメントをしていた相手や内容については、被害者の特定につながるおそれがあるとして、明らかにしていない

???

訳がわかりません。

謹慎処分なら仕事関係の人はどうしても察しが付くだろうから関係ない。

報道は世間一般に対して行うものだから世間一般が被害者を知ることができるかという問題になるが、それは内部リークがネットに上がらない限り不可能です。

内部リークで被害者の名前を知るというのは、加害者の報道があろうが関係ない。

以上、無関係の理由をでっち上げてまでセクハラ加害者を擁護するテレビ朝日。

そして、『ニュース番組「報道ステーション」のチーフプロデューサーだった男性』とまで特定できているのに実名報道をしない朝日新聞。

いったいなんなんでしょうか?このダブルスタンダードは?

朝日系のダブルスタンダード

朝日系列の事件が相次いでいますが、そういうときに限って実名報道をしていません。

上記の例では実名報道をしない理由すら説明していません。

京都アニメーションの事件で実名報道が必要である理由を散々言ってきておいてこの様なのですから、結局は自分らの利益になるか否かでその都度扱いを変えているというだけの話なんだということがはっきりと分かりましたね。

以上

N国立花 MXとマツコに原告1万人集団訴訟は不法行為になるのか?

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NHKから国民を守る党の立花孝志が東京MXとマツコデラックスに対して原告1万人による集団訴訟を提起することを提案しました。

これは不法行為になるでしょうか?

N国立花 MXとマツコに原告1万人集団訴訟:本人は原告に加わらず

MXとマツコさん相手に原告1万人の集団訴訟提訴へ 「N国支持の有権者侮辱」理由に - 毎日新聞

立花氏はMXの番組でマツコがN国の支持者に対して「気持ち悪い人たち」「ふざけて(票を)入れている人もいる」「宗教的な感じもある」などと言ったことについて、N国の支持者に対する侮辱であるとして、原告を募って訴訟提起することを提案しています。

注意すべきは【立花氏本人は原告団に加わらない】ということ。

上記のマツコの発言は立花氏に対するものでもないし、公人であるためにある程度の批判は受け入れるということのようです。

このような訴訟は認められるのでしょうか?

侮辱の対象の特定性・具体性

刑事の話になってしまいますが、名誉毀損罪や侮辱罪(刑法230条、231条)は、特定の保護法益の帰属主体に対するものである場合に成立します。

たとえば具体的な個人や法人に対する言動の場合には特定性・具体性が欠けることはありませんが、「日本人」全体に対して何か憎悪的な文言を投げかけても、日本国においては刑事罰には相当しません。

このように、誰の権利が侵害されたのか?が訴訟では重要なので、対象の特定性・具体性が必要になってきます。

この考え方は民事も同じです。

今回は「N国の支持者」が侮辱対象として特定性があるか?が最初の争点になります。

「NHKから国民を守る党」としても「同党代表たる立花孝志」としても訴訟提起をする気が無いようなので、単にN国の構成員・一般会員・一般の支持者らが訴訟提起することになります。

一般に、「あの会社の社員は気持ち悪い」などと個人ではなく集団を指して侮辱的な文言を投げかけたとしても、その会社の社員個人が侮辱の被害者として訴訟提起することは考えられない上に、単なる一般会員や一般の支持者らが侮辱を受けたと主張して通ることは無いでしょう。常識的に。

特に一般の支持者はどうやってN国の支持者であるということを証明するのか?という話になってきますから、そもそも無理な話です。

民事訴訟の提起が違法になる場合

立花氏が提案する請求額の総額は1億円(1万円×1万人)を予定とのことです。

よって、この集団訴訟は東京MXとマツコデラックスに金銭的ダメージを与える目的でなされるものであるとされる可能性があるため、最悪の場合には訴訟提起そのものが不法行為になる可能性があります。

最高裁判所第3小法廷 昭和60年(オ)第122号 損害賠償請求事件 昭和63年1月26日

民事訴訟を提起した者が敗訴の確定判決を受けた場合において、右訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは、当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係(以下「権利等」という。)が事実的、法律的根拠を欠くものであるうえ、提訴者が、そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知りえたといえるのにあえて訴えを提起したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である。

  1. 原告敗訴の確定判決
  2. 訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠く

判例によれば、この場合に訴訟提起そのものが不法行為として違法になります。

さて、今回の事案で、もしも会員でも何でもない一般の支持者であると主張するものが侮辱を受けたとして原告として名を連ねた場合、東京MX及びマツコから反訴で訴訟提起自体が不法行為であるとされる可能性があります。

これって何かと似てませんか?

余命ブログを発端とした弁護士への大量不当懲戒請求事件

つい昨年の話ですが、「余命ブログ」(一度閉鎖後復活)の信者らがブログ主の呼びかけに応答して弁護士への懲戒請求をしたところ、まったく事実的法律的根拠を欠いていたために逆に不法行為訴訟を提起され、敗訴したという事件がありました。最も多く懲戒請求を受けた弁護士で3000件以上だったので大量懲戒請求事件などと呼ばれています(全員まとめて訴訟提起したわけではないので、現在も提訴は継続中らしい)。

この事件、ブログ主の「余命」は懲戒請求をしていないことが後に判明しました。

N国の場合は【立花氏本人は原告団に加わらない】ということが事前に明示されているものの、「呼びかけた者が争いに加わらない」という状況としては似通っています。

不当訴訟であるとされた場合には、呼びかけた者は民事不法行為ないし業務妨害罪になるのか?という事も争点になってくると思います。

大量懲戒請求事件の顛末は、1人当たり30万円(+弁護士費用)くらいの賠償が認められたことで既に提訴された分について一応の決着が付いています。

遠隔地の裁判所への出廷も必要になり、勝訴側の訴訟費用は敗訴者負担なので、トータルで見たらバカにならない金額が飛んでいきます。

MXとマツコ側にとっては旨味があるのか分かりませんので、不法行為訴訟は提起されないかもしれませんが。

NHKや朝日新聞の1万人集団訴訟は単なる視聴者・読者

なお、別の事案ですが、「1万人集団訴訟」として有名な事件との関係でN国の問題を論じている人が居るので、確認的な意味で紹介します。

平成21年4月5日,「NHKスペシャル『シリーズJAPANデビュー』」と題するシリーズ番組の第1回目として「アジアの“一等国”」と題する番組のテレビジョン放送をしたNHKに対して、本件番組中の台湾人及びその父親に関連する内容を含む放送により名誉やプライバシーが毀損されたなどと主張した台湾人数十人が不法行為に基づく損害賠償を求め、また、偏向番組によって知る権利を毀損されたと主張する視聴者1万0335名が不法行為に基づく損害賠償を求めた事案がありました。

チャンネル桜が主導した訴訟で「NHK1万人訴訟」などと言われることもあります。

最判平成28年1月21日 平成26年(受)547号、東京高判平成25年(ネ)666号を読むと分かる通り、高裁では台湾人の一部原告による一部請求は認められましたが最高裁で棄却されており、それ以前に、単なる視聴者らは具体的にどのような根拠に基づいて権利が侵害されたのかを明確にしていないとして請求棄却となりました

N国の事案は侮辱による人格権侵害の主張と思われるので、NHK1万人訴訟とは事案が異なります。あまり参考にはならないでしょう。

また、もう一つの「1万人訴訟」としては、朝日新聞が慰安婦問題など虚偽の報道を行ったことについて日本人の人格権(その内容は結局のところ名誉権)が侵害されたとして読者らが提訴した事案があります。参考:朝日新聞を糺す国民会議

しかし、控訴審判決でも特定の個々人の社会的評価が低下したかの問題であるとされ、権利侵害は無いとされています。

まとめ:N国支持者は全力で逃げて

このように、仮に東京MXとマツコデラックス側が訴訟提起をしてきたらという前提になりますが、この訴訟の共同原告に名前を連ねることはリスクでしかないのでやめるべきだと思います。

迷ってるならお近くの弁護士に相談してからにした方が良いです。

名前と住所等が全部、東京MXとマツコ側に知れ渡ることになるということも考えてから行動しましょう。余命信者の二の舞になる前に。

以上

横大道教授「表現の自由の侵害は無い」:NHK「トリエンナーレ政治家発言 憲法学者はこう考えた」の記事について

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NHKが表現の自由に詳しい慶應義塾大学法科大学院の横大道聡教授に対して、あいちトリエンナーレにおける政治家の発言が表現の自由との関係でどう評価されるのかをインタビューした記事を載せ、憲法上の表現の自由の侵害があったとみることは困難と指摘していました。

しかし、横大道教授の発言とされる内容が分かりにくいと思ったので補足説明というか、私の解釈を混ぜて説明していきます。

NHKトリエンナーレ 政治家発言 憲法学者はこう考えた

トリエンナーレ 政治家発言 憲法学者はこう考えた | NHKニュース魚拓はこちら

まず、横大道さんは、河村市長の発言に対し、「『お金を出したんだから自治体が賛否を表明するのは自由だ』ということにはつながらないと思います」とやんわり否定しました。以下がその理由です。

「今回は立てつけ上、自治体とは別の『実行委員会』という芸術のプロたちが企画を立てたので、あの場で、政治的な展示がなされたとしても、その表現を愛知県を受け入れたとか、それに賛成しているということにはならないはずです」

名古屋市長の河村氏が「税金を使ってやるべきものではない」と述べたことに対しては、この通りだと思います。

単に公金を支出しているだけであれば、その受領者が行為をした内容が政府の主張である・或いは政府が是認しているとすることはできないでしょう。

北朝鮮の指導者を礼賛している朝鮮学校にも補助金は交付されていますし、日本政府の政策に否定的な研究をしている大学教授にも研究費が交付されていますが、政府が国家として彼らの主張を是認していることにはなっていません。

「公金支出の話」であるのは、審査過程に問題は無かったのか?現状の交付要件や審査基準が妥当なのか?という点について検証をする必要があるからに過ぎません。

また、政府が選択的に表現に助成することになると、「言論の自由市場」に政府が介入してそれを歪めてしまうことが懸念されています。助成を受けられない表現はどんどん不利になっていくでしょう。このような状況は選択的に言論を禁止することとは程度の違いがあるだけではないか?という問題意識が憲法学界にはあるようで、それ自体はもっともだと思われます。

参考:「公的言論女性に対する憲法的統制のあり方についての一考察 横大道 聡」

横大道教授は「展示主体」は誰だと考えているのか?

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「行政からお金をもらわなくても表現はできるし、場所も別の施設を借りれば表現できるので、憲法上の権利が侵害されたということは難しいです。

この説明だと、展示・展示撤回をした行為の「主体」に着目しているのではなく、行為の「内容・効果」に着目して権利侵害は無い(許容され得ない侵害は無い)と言っているようです。

横大道教授は「今回は立てつけ上、自治体とは別の『実行委員会』という芸術のプロたちが企画を立てた」とも言っていることをあわせて考えると、展示・展示撤回をした主体は公的機関ではなく「民間」であり、私人間効力の話として捉えているように感じます。

実行委員会であるからという形式面で全部を語ることが妥当なのかとは思いますが、考え方としては有り得る話です。

しかし、憲法学上の学説では私人間でも憲法上の規律が及ぶとする直接適用説がありますが、判例実務上は憲法レベルではなく民事法の規律に従って解決する話である(間接適用説or無適用説)とされていますから、その視点で見ると横大道教授の言っていることに一貫性を感じることができなくなってしまうなぁと感じます。

憲法学者は判例実務通りに思考するとは限らず、彼の拠って立つ学説の立場を知っているわけでもないので、ここは結論部分=憲法上の権利が侵害されたということは難しいと言っている、という動かない事実が重要なんだろうと思います。

結局、NHKのこの記事では横大道教授がどのような意味で言っていたかは定かではありませんが、トリエンナーレの事案は「政府言論」、つまり、作品展示の主体は公的機関たるトリエンナーレ実行委員会であるというのが私の見立てであり、大阪府の吉村知事、自民党の三谷英弘議員(弁護士)、北村晴男弁護士らも同様の見解です。

「表現の自由」は侵害されていない、侵害したとすれば大村知事側

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「河村市長の発言によって具体的に誰かの表現の自由が侵害されたかというと、誰も侵害されていません。実際には芸術祭の実行委員会の会長を務める大村知事が展示の中止を決定しています。つまり、表現の自由を制約したのは知事側だという構図は見失ってはいけないと思います。苦情がきたら作家を守る立場にあったのにそれができなかったと言わざるをえません」

「表現の自由」を侵害したのは大村知事側であると、強調されて指摘しています。

この部分は「表現の自由は侵害されていない」と書かれた直後に「表現の自由を制約したのは知事」と書いていて分かりにくいですが、ここはNHKの書き手の限界なのかなと思います。

本当に横大道教授が上記のような発言をしていたと考えると2つの方向があり得ます。

一つは、前者の「表現の自由」は憲法21条にいうところの法規範たる表現の自由であり、後者はそのような意味を持たない日常用語としての「表現の自由」という意味で使っているということ。

もう一つは、前者も後者も憲法上の「表現の自由」の意味であるが、後者は仮に今回の事案が表現の自由の侵害の問題であると考えている者たちが誰かを非難しようとした場合に、侵害したのは河村市長ではなく大村知事であるということを説明するために便宜的に「表現の自由」という単語を用いた、ということ。

このように解すれば横大道教授は何ら変なことを言っていないし、NHKの記事も間違ったことを書いていないことになります。

イギリスのアーツカウンシル=芸術評議会

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「行政はお金を出すだけで内容は芸術のプロに任せるという姿勢が求められると思います。行政から独立して芸術団体の助成先を決めさせるイギリスの『アーツカウンシル』という仕組みが参考になります。今後、こうした取り組みを広げていくことが必要ではないでしょうか」

イギリスのアーツカウンシルという仕組みですが、これに相当する枠組みは既に日本でも実施されています。

アーツカウンシルの内容は、それぞれ国の特性や文化政策の方針に沿った事業,運営が行われており,一概に定義するのは困難ですが,「芸術文化に対する助成を基軸に,政府と一定の距離を保ちながら,文化政策の執行を担う専門機関」であるとされます。

文化庁 | 文化庁月報 | 特集 「文化芸術への助成に係る新たな審査・評価の仕組みの導入」

日本で諸外国のアーツカウンシルに相当する仕組みが求められるようになった背景のひとつに,現在の日本の芸術助成制度では審査や事後評価が必ずしも十全に行われていない,という点があります。芸術文化振興基金別ウィンドウが開きますや文化庁の助成の審査は,外部の専門家による審査委員会によって行われていますが,この委員会は約1年で解散します。
 助成を受けた事業の終了後,芸術団体からは報告書が提出されるものの,そこでは,事業が適切に実施されたかどうかの確認に重点が置かれ,助成の結果どのような成果が生み出されたのかを評価する仕組みは十分とは言えません。この点,英国のアーツカウンシルでは,地域事務所に配属されたRelationship Managerという担当者が,助成団体の活動をモニターし,緊密な連携のもとで,その団体の問題点や課題,次の戦略や事業計画等を協働で検討するような体制が整えられています。

現状では文化庁の助成の審査は1年で解散する委員会方式で行われているが、それだと単発での評価になってしまい、継続して開催されている事業の内容の審査や成果を十分に評価できないという課題があると言えるでしょう。

文化庁の説明よりも具体的でコンパクトにまとまっているものとして助成団体にとどまらないアーツカウンシル ~諸外国の文化政策・推進の<型>から|山口 洋典|ネットTAM

より詳しい説明は諸外国の文化政策に関する調査研究 報告書 平成25年3月などが参考になるでしょう。

まとめ:「行政は口を出さずに芸術のプロに任せる」の是非

再掲

トリエンナーレ 政治家発言 憲法学者はこう考えた | NHKニュース魚拓はこちら

行政はお金を出すだけで内容は芸術のプロに任せるという姿勢が求められると思います

横大道教授は、本件が直接的に憲法上の表現の自由の問題ではないとしても、この姿勢が求められると考えているのでしょう。

私は、これは民間事業にお金を出す場合には賛成です。政府事業の場合にも基本的にはそうあるべきでしょう。

しかし、政府機関が事業主体である場合に内容についてまったく関与できないとすれば、今回のように自己矛盾行為を強制される(捏造慰安婦像の設置や昭和天皇の御尊影を焼却する行為は一般的な公的機関の意思に反している)ことが避けられなくなるので、その場合には完全には妥当しないと考えるべきだと思います。

以上

日韓議連の河村健夫の評価「韓国はGSOMIAと輸出管理をセットで解決と提案」⇒李首相は否定

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日韓議連の河村健夫氏の説明が間違っていたと韓国側から指摘されてしまいました。

「韓国はGSOMIAと輸出管理をセットで解決と提案」⇒李首相は否定

韓国「李首相がGSOMIAと輸出管理問題をセットで解決と提案」を否定 河村建夫氏も発言を修正 - FNN.jpプライムオンライン

日韓議連の河村幹事長が、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相から、「GSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄と輸出管理問題をセットで解決するよう提案を受けた」と説明したことについて、李首相側は「事実ではない」と否定した。

河村氏は2日、ソウルで李首相と会談した際、韓国によるGSOMIA破棄と日本の輸出最優遇国からの韓国除外を「セットで解決したい」という提案を受けたと明らかにし、安倍首相は3日、「徴用工問題の解決が優先だ」と応じない考えを示した。

しかし、李首相側は4日、「セットでの提案は事実ではなく、日本側が先に輸出管理の措置を元に戻せば、GSOMIA破棄を再検討できるという従来の立場を説明しただけだ」と否定した。

これに対し、河村氏は「セットという言い方ではなかった」と述べて、自身の発言を修正した。

自民党の河村日韓議連幹事長は、「『セットで解決したい』という言い方に聞こえたとしたら、それは私の言い方が悪い。『セットで』という言い方ではなかったと思う」と述べた。

河村氏自身が「私の悪い言い方が悪い」と言っているので、河村氏の落ち度ですね。

ハイライトムービー | BSフジ LIVE プライムニュースでも、「イナギョン首相からいままで出されたものは、GSOMIAと貿易管理の問題は同時に、という感じでしたけれども」と言っており、どう聞いても両者のいずれかが先履行の関係にあるということは読み取れません。

この時点で、日韓議連が今回韓国に向かった意義は無かったと言って良いと思います。

日韓議連の河村健夫の評価

 

河村健夫氏の口頭での言語能力が著しく低いということが明らかになりました。

安倍総理が「徴用工問題の解決が優先だ」といったということも、最初は河村氏が総理の発言を紹介して出てきたものであり、説明の仕方で誤解を与えていると思いました。

要するに、桜田元大臣のような、「口頭での言語能力」が著しく不足している自民党議員だったようで、対外交渉の表舞台に出る資格は無いでしょう。

こういう人は裏方に徹した方が仕事をすると思います。書面でのやりとりではそつなくこなしているんだろうと思う。

しかも、この話はただでさえ歴史問題と輸出管理の問題を混同させようとしているメディアが跳梁跋扈してるのに、河村氏の説明の仕方では各方面に誤解を与え、国益に反する事態になると言えるでしょう。

まとめ

今回は「日本側が嘘を付いた」という形になり、韓国側にネタを提供しただけです。

河村氏のような人間が日韓議連の顔として鎮座していては、本当の友好関係を築くのは難しいと思わざるを得ません。

以上

安倍総理「徴用工問題の解決が最優先」河村「スタートは元徴用工問題」の誤解

 

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日韓議連の河村健夫氏の発言が不用意であるためにメディアに利用され、誤解が広まっていることを観測しました。

安倍総理「徴用工問題の解決が最優先」

首相、日韓関係で「根幹にある徴用工問題の解決が最優先」 - 産経ニュース

安倍晋三首相は3日、韓国訪問から帰国した河村建夫元官房長官(日韓議員連盟幹事長)と首相官邸で会談し、いわゆる徴用工問題などで悪化する日韓関係について「根幹にある徴用工問題の解決が最優先だ。国と国との約束をしっかり守ってもらいたい。その一言に尽きる」と述べた。河村氏が会談後、記者団に明らかにした。

安倍総理の発言は「日韓の関係改善の最初のステップ」が徴用工問題についての韓国の対応である」と言っているのであって、「GSOMIA破棄やホワイト国除外」の事の発端が徴用工問題であるという事ではないでしょう。

「徴用工問題が先決」というのは、日韓の信頼関係回復の話。

GSOMIAや輸出管理とは別個。

それを改善しても、それだけでは日韓関係が修復したことにはならない、ということを言っているに過ぎません。

そして、この安倍総理の発言は河村氏が記者団に伝えたということが引っかかります。

河村「スタートは元徴用工問題」と不用意な発言

河村氏はプライムニュースの番組内でも韓国首相がGSOMIAと輸出管理をバーター提案してきたということに触れた直後に「元は徴用工問題」と不用意な発言をしていました。

河村氏の認識はともかく、日本政府としては両者を混同してはいません。

河村氏の発言は日本の国益を毀損している気がします。あまりにも不用意です。

誤解が広められている

河村氏の発言が「スタートは元徴用工問題」と紹介されているのは昨日の段階ではテレ朝のみでした。

しかし、他の記事でそのような表現・構成ではなくとも、次のような受け止めをしている者が相当数発生しているということは注意が必要です。

しかし、日本政府の発信を追い続けている者は、以下のような読み方しか有りえないと思うでしょう。

これについては河村氏の発言があまりにも不注意で、日本政府が混同していると取られても仕方のないように伝えているものをメディアに利用されていると考えるべきだと思います。河村氏の表現能力に限界があると思います。

以上

河村氏「スタートは元徴用工問題」とのテレ朝報道:韓国首相GSOMIAと輸出優遇セット

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日韓議連の河村健夫幹事長が韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相と会談し、帰国しましたが、河村氏の発言についての報道に違和感を感じたので記録に残します。

『河村氏「スタートは元徴用工問題」』という報道

韓国側が「GSOMIA」と「輸出優遇」セットで戻す提案魚拓

 日韓議連・河村幹事長:「GSOMIAとホワイトリスト、セットで一緒に元へ戻すということはどうだろうかと」
 河村氏は2日、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相と約2時間会談し、韓国側の提案に対して「スタートは元徴用工問題だから、これはこれで検討しなければならない」と応じました。これに対し、韓国側は「内々の協議をスタートさせている」と明かし

さて、この報道ですが、何か臭いです。 

河村氏が言ったとする「スタートは元徴用工問題だから、これはこれで検討しなければならない」の部分ですが、動画では吹き替えとなっています。

また、TBSニュース、NHK、日経新聞、時事通信、朝鮮日報ハングル版では、上記のようなニュアンスの発言があったという報道はなされていません。

テレビ朝日の報道が最初⇒中央日報ハングル⇒日本語

2019/09/03 12:05:テレ朝⇒target="_blank"韓国側が「GSOMIA」と「輸出優遇」セットで戻す提案魚拓

2019.09.03 14:42:中央日報ハングル⇒target="_blank"日의원 "이낙연, 한일 조치 원점복귀 제안"…아베 거부했다 - 중앙일보魚拓

中央日報日本語⇒2019年09月03日15時35分:韓国首相に会った河村氏「GSOMIA・ホワイトリスト、セットで原点に戻そうと提案受けた」 | Joongang Ilbo | 中央日報魚拓

報道の時系列はこの通りです。

そして、中央日報の記事を見ると「テレビ朝日が報じた。 」と冒頭に書いてあります。

よって、テレビ朝日の報道が初出となります。

韓国首相GSOMIAと輸出優遇セットについての他のメディアでの報じられ方

韓国首相、“最優遇国”と“GSOMIA”「セットで元に」と提案 TBS NEWS魚拓

「河村氏は、徴用工問題と同時に協議を始めることが必要と伝え」

首相 「徴用」めぐる問題の解決が最優先 韓国側に対応求める | NHKニュース魚拓

河村氏は、イ首相が、日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAについて、「ことし11月に失効するので、それまでの間に、日本の輸出管理の問題と合わせて解決する方法を見いださなければならない」と述べていたことを伝えました。

河村氏が韓国首相と会談 元徴用工問題など議論 :日本経済新聞

今後日韓首脳会談を開くにはどうすればよいかという点についても意見交換したとしている。詳細は説明していない。

他のメディアの報じられ方としては、徴用工問題はGSOMIAやホワイト国除外の話とは別個のものとして協議を始めるべきだ、と言っているようにしか見えません。

これはテレ朝の報じ方とは印象が異なります。

「何についての」スタートなのか?

河村氏は「日韓の関係改善の最初のステップが徴用工問題についての韓国の対応である」と言っているのか?それとも「GSOMIA破棄やホワイト国除外の事の発端が徴用工問題である」と言っているのか。

テレ朝の記事だと韓国首相がGSOMIAとホワイト国リストをセットで、と言ったことに続いて河村氏の言葉として紹介しているので後者のニュアンスになってるが、明示的にそのように報じているわけではありません。

しかし、この二つの意味内容は大きく異なっています。

両方とも本当に発言をしたが、各メディアは片方だけ報じた、ということなのでしょうか?

以上