事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

朝日新聞デジタルのサイト内検索の対象期間が5年に変わっていた件

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今更ですが、朝日新聞デジタルのサイト内検索の対象期間が5年に変わっていました。

記事の検証で使う人も居るので改めて整理したいと思います。

過去には1年間だった朝日新聞デジタルのサイト内検索

記事検索ができる期間はどのぐらいですか | Q&A(よくある質問):朝日新聞デジタル(2018年5月22日魚拓)

朝日新聞紙面や朝日新聞デジタルに掲載された記事は1年間分収録されています。(一部の記事を除きます)

1年以上前の記事を検索したい場合は、記事検索サービス「朝日新聞デジタルselect 朝刊ダイジェスト」(有料)をご利用ください。

朝日新聞デジタルのサイト内検索が1年間有効だったということはよく知られた話。

2019年4月からはサイト内検索は5年間

検索機能について教えてください | Q&A(よくある質問):朝日新聞デジタル魚拓

「朝日新聞デジタル」には、「サイト内記事検索」と、有料会員(フルプラン)限定の「新聞記事検索」の2つの検索機能があります。

▼サイト内記事検索
「朝日新聞デジタル」に掲載された記事を検索できます。検索の対象期間は5年間です。検索結果の記事は、「更新日時順」と「関連度順」を切り替える事で表示順を並べ替えることが可能です。

 「公開日時 : 2019/04/17 00:00 更新日時 : 2019/04/17 13:11」

2019年4月からはサイト内検索は5年間有効になったようです。

新聞記事検索の方は引き続き1年間のみの検索が可能です。

なお、2017年4月の無料記事もヒットしているのですが、この仕様にいつ変更されたのか、どこまでさかのぼれるのかは調べていません。

「地毛証明書」、都立高の6割で 幼児期の写真を要求も:朝日新聞デジタル

"unavailable"タグが削除されている

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朝日新聞社幹部、知人女性に不適切な言動」という記事を例にあげますが、1年前にはこのように「meta name="googlebot" content=unavailable_after:〇〇」のように、グーグル上の検索にヒットしなくなる日付を設定していました。

同じ記事を今見ると、そういったメタタグは付けていません。

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つまり5年後の日付のメタタグをその都度入れているのではなく、一般的にメタタグを付けない仕様であり、時期が来たら検索にヒットしないようにしてるのでしょう。
(まさか手動でやるとは思えないが…)

有料記事は前からサイト内検索で1年以上前のものもヒット

「文庫本「図書館貸し出し中止を」 文芸春秋社長が要請へ」のサイト内検索結果:朝日新聞デジタル

「【アーカイブ】(奨励会物語 棋士をめざして:番外編)勝負・出会い、財産に」のサイト内検索結果:朝日新聞デジタル

有料会員限定記事は前々からサイト内検索上で1年以上前のものでもヒットしていたようでした。

ただし、以下の記事(リンクは魚拓)は有料会員限定記事でも2012年のものなので、現在は消されて見れません。

木嶋佳苗被告の手記 1万2千字書き直しなし(アーカイブ):朝日新聞デジタル

おそらく、有料会員限定記事も5年間サイト内検索が有効のようです。

メタタグ事件がきっかけか

2018年8月に、朝日新聞デジタル上の記事に"noindex""nofollow"のメタタグが付けられていることをネットユーザーが発見し、重要な記事がグーグル検索上でヒットしないように意図的に隠ぺいされていることが明らかになりました。

この事件の検証をしている当時はサイト内検索は1年間の制限があったので、仕様変更はそれ以降ということになります。

なぜか削除されている記事

2018年8月に起きた事件を報道した記事について魚拓をとって検証していたのですが、なぜかドンキホーテでの韓国人カップル医薬品大量万引き事件の記事が消されています。

これは5年以内のものなので通常であれば残っているはずなのですが、どうやら手動で削除されたようです。

これは朝日新聞だけでなく他の産経以外のメディアでも同様でした。

まとめ

デジタル版の記事の扱いは各社によってバラバラです。

ネットメディアと呼ばれている所(たとえばJ-CASTニュースやZAKZAK)はずっと閲覧可能ですし、産経新聞も有効期限を設けていません。

制限を設けている事自体は問題ではなく、資源が有限である以上は当然のことです。また、一般にネット上で検索できるものとは別に創刊時からのデータベースもあります。

そういった各媒体の特性を理解した上でシェア・引用しておくとよいでしょう。

以上

韓国の人種差別条例:京畿道,ソウル,釜山の「戦犯企業ステッカー・購入制限」は日本ヘイト条例

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韓国の京畿道(キョンギド)、ソウル市、釜山市の条例で「戦犯企業ステッカー」或いは「戦犯企業製品購入制限」を規定する条例が可決されました。

WTOルールに違反してるのではないか?と言われていますが、それ以前に人種差別撤廃条約上で禁止されている人種差別に該当するのではないでしょうか?

京畿道の戦犯企業シール・ステッカー条例

韓国 「戦犯企業のステッカー」条例可決・成立 日本製品排除の動き - FNN.jpプライムオンライン

京畿道議会も日本戦犯企業ステッカー法案通過、ソウル・釜山・忠北に次いで4番目の「反日条例」-Chosun online 朝鮮日報

 京畿道議会が10日、道内の各校が保有している日本の戦犯企業生産製品の認識票(ステッカー)=写真=を貼り付けることができるようにする「京畿道教育庁 日本戦犯企業の記憶に関する条例案」が賛成111名、棄権1名で可決された。
 この条例案は、首相室が発表したリストを根拠に、戦犯企業284社で製造された20万ウォン(約1万8000円)以上の備品に戦犯企業の製品であることを知らせるステッカーを貼ることを決めた。教育監(教育委員会に相当する教育庁のトップ)は傘下機関や各校の戦犯企業製品保有・使用実態を調査し、毎年公表しなければならない。ビームプロジェクター、ビデオカメラ、プリンタ、コピー機などの製品が該当するものと見られる。

日本「戦犯」ステッカー可決 貼るのは生徒の判断 韓国:朝日新聞デジタル

ステッカーを貼るかどうかは生徒らが話し合って決め、「正しい歴史認識」を養う機会にするという。

条例案を見ると、ステッカーを貼るのは学校等の公的機関で保有している高額備品についてステッカーを貼るということで、商品化して販売する際には関係ないものとなっています。

최근회의록 > 전자회의록 > 회의록 > 경기도의회(付録検索・京畿道議会)

ソウル市・釜山市の戦犯企業製品購入制限条例

「日本戦犯企業製品購入制限」条例案、ソウル・釜山市議会可決-Chosun online 朝鮮日報

日本製品の購入制限条例可決 「戦犯企業」を規定=ソウル市議会-Chosun online 朝鮮日報

ソウル市議会は同日、臨時会本会議で、「日本戦犯企業製品公共購入制限に関する条例案」を採決なしの満場一致で可決した。同条例案は、首相室傘下の調査委員会による調査結果を根拠に規定された戦犯企業284社(株式保有、吸収・合併なども含む)で作られた製品を、ソウル市やソウル市教育庁が購入しないことや、こうした文化が形成されるよう市長や市教育監(教育委員会に相当する教育庁のトップ)が努力しなければならないと規定している。

省略

同日、釜山市議会もソン・ヨング議員=共に民主党=が代表発議した「日本戦犯企業製品公共購入制限および表示に関する条例案」を可決した。この条例案は、戦犯企業製品の購入を制限するだけでなく、戦犯企業が作ったものと調査で分かった製品にステッカーを貼るという条項も含まれている。

こちらも一定の公的機関に対して指定された企業から製品を購入することを制限するよう努力義務を課すものであり、対象企業の営業・販売そのものを規制するという類のものではないのが分かります。

ソウル特別市、日本の戦犯企業製品公共の購入制限に関する条例案

ソウル特別市教育庁の日本の戦犯企業製品公共の購入制限に関する条例案

釜山市も異議なく可決されています。

제280회 부산광역시의회 임시회 본회의 - 부산시의회 회의록

韓国の条例は人種差別に当たるのか?

あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約

第1条

1 この条約において、「人種差別」とは、人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するものをいう。

2 この条約は、締約国が市民と市民でない者との間に設ける区別、排除、制限又は優先については、適用しない。

第2条

1 締約国は、人種差別を非難し、また、あらゆる形態の人種差別を撤廃する政策及びあらゆる人種間の理解を促進する政策をすべての適当な方法により遅滞なくとることを約束する。このため、

(a)各締約国は、個人、集団又は団体に対する人種差別の行為又は慣行に従事しないこと並びに国及び地方のすべての公の当局及び機関がこの義務に従って行動するよう確保することを約束する。

(b)各締約国は、いかなる個人又は団体による人種差別も後援せず、擁護せず又は支持しないことを約束する。

(c)各締約国は、政府(国及び地方)の政策を再検討し及び人種差別を生じさせ又は永続化させる効果を有するいかなる法令も改正し、廃止し又は無効にするために効果的な措置をとる。

(d)各締約国は、すべての適当な方法(状況により必要とされるときは、立法を含む。)により、いかなる個人、集団又は団体による人種差別も禁止し、終了させる。

(e)各締約国は、適当なときは、人種間の融和を目的とし、かつ、複数の人種で構成される団体及び運動を支援し並びに人種間の障壁を撤廃する他の方法を奨励すること並びに人種間の分断を強化するようないかなる動きも抑制することを約束する。

いわゆる国連の人種差別撤廃条約では、「あらゆる形態の人種差別」について禁止しており、「集団又は団体に対する」ものも例外なく、地方自治体の政策も対象になっていることが書かれています。

しかし、「国籍」の有無という法的地位に基づく異なる取扱いは1条2項によって認められています。

ただし、「国籍」の有無による異なる取扱いが認められるかは、例えば、参政権が公権力の行使又は国家の意思の形成に参画する行為という合理的な根拠を持っているように、このような取扱いに合理的な根拠のある場合に限られ、例えば、賃貸住宅における入居差別のように、むしろ人種、民族的、種族的出身等に基づく差別とみなすべきものは、この条約の対象となると考えられています。

参考:外務省人種差別撤廃条約Q&A

実際に入居拒否をしたことが差別的だとして違法になった裁判例はあります。

戦犯企業製品購入制限・ステッカーは人種差別なのか

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検討報告書ソウル特別市、日本の戦犯企業製品公共の購入制限に関する条例案

最初に「戦犯企業を指定しているのであって日本人や日本企業全体を対象にしているわけではない、戦犯企業には韓国人も在籍しているから人種差別ではない」という韓国側の主張がありうるでしょう。

しかし、条例案を見ると明らかに「日本戦犯企業」と日本籍企業を狙って指定しており、対象企業も290前後と広範にわたっていると言えるのでそれは関係ないと言えるのではないでしょうか?こうした扱いに合理的根拠があるのかは甚だ疑問です。

次に、「日本企業の経済活動を直接規制するものではないから差別的取扱いをしたことにはならない」という主張が考えられます。

確かに、「戦犯企業ステッカー」は学校等の公的機関で保有している高額備品についてステッカーを貼るということで、日本企業が自社製品を商品化して販売する際には関係ないですし、「戦犯企業製品購入制限」は、一定の公的機関(教育機関も含む)に対して指定された企業から製品を購入することを制限するよう努力義務を課すものであり、対象企業の営業・販売そのものを規制するものではありません。

しかし、いずれも「このような文化を形成するよう努力する義務を課す」ことも条例に組み込まれています。そうすると将来的には公的機関に対するものにとどまらず、日本企業が韓国の地で経済活動を行うことが実質的に困難になっていくことが予想されます。

これは日本に対する偏見を行政が意識的に創出・助長するものと言わざるを得ないでしょう。

人種差別撤廃条約上も「あらゆる形態の人種差別」を撤廃するよう求めており、単に権利・自由を「享有・行使することを妨げ」るだけではなく、「害する目的又は効果を有するもの」も禁止しています。

韓国の各都市・地域の条例は、対象となる日本企業の経済活動を阻害する効果があると言えるのではないでしょうか?「韓国産製品を購入するように」というのなら人種差別ではないでしょうし、合理性があると言い得ると思いますが、対象日本企業の製品に絞っていることの人種差別撤廃条約上の合理性は無いでしょう。

そして、最終的には今回指定された企業だけではなく、日本系の企業全てが対象になりかねないという危険性を孕んでいると思われます。

「ムンジェイン政権だからであり韓国人は関係ない」というのは誤り

よく最近の韓国側の行為について「ムンジェイン政権が悪いのであって、多数の韓国人は関係ない」などという言説があります。

しかし、京畿道議会の「戦犯企業ステッカー」条例は賛成111名、棄権1名で可決されていますし、ソウル市・釜山市の「戦犯企業製品購入制限」条例は異議なしの全会一致で可決されています。民主的な選挙を経て当選した野党議員らもすべて賛成しているということです。

日本製品の不買運動の旗を韓国の役所が掲出することを取りやめたということが報道されましたが、実態としてはそういう常識的な判断のできる公的機関が少なくなってきたということでしょう。

したがって、京畿道・ソウル市・釜山市の条例は多数の韓国人の意思として成立したものであるという理解をする他なく、多数の韓国人によって日本人ヘイトがナチュラルに行われているということを意味すると言えます。

※もちろん相当数の韓国人は日本ヘイトをしていないが、もはや割合として無視できない程度にまで膨れ上がっている。

まとめ:韓国の条例は「日本人ヘイト条例」

韓国の条例は、人種差別撤廃条約が通常想定している「人種差別」とは異なるものであるというのは確かです。

対象が企業であり、直接的に日本企業の権利自由を制限するものではないからです。

しかし、だからといってこのような条例が「まったく差別的ではない」などと見過ごされて良いのでしょうか?

以上

韓国政府文化体育観光部「FIFAが禁止している」の根拠は何か:IOCに東京五輪旭日旗問題を捏造

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韓国政府文化体育観光部が「FIFAも旭日旗を禁止している」と主張したとのことですが、発言と実際の状況を確認していきます。

旭日旗 "Rising Sun Flag" と日本の歴史について 

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最初に、近年の報道によって旭日旗は自衛艦旗として利用されているイメージがメディアでは強いですが、実際には古来から日本の民間において広く利用されてきた意匠であり、それを自衛隊が転用しているに過ぎません。

防衛省と外務省が説明資料を置いてるので確認すると良いでしょう。

あと、何気に英語版の"Rising Sun Flag"のWikipediaも内容が充実しています。

韓国政府文化体育観光部IOCに東京五輪旭日旗問題を捏造

東京五輪で旭日旗禁止を 韓国、IOCに要請 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

韓国政府、IOCに抗議書簡…「旭日旗問題、積極的に出てほしい」 | Joongang Ilbo | 中央日報

韓国政府が国際オリンピック委員会(IOC)に東京オリンピック(五輪)旭日旗問題に関して公式に問題を提起した。

文化体育観光部は11日、「IOCのトーマス・バッハ委員長宛に長官名義の書簡を送り、旭日旗に関する東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の立場に深い失望と懸念を表明した」とし「旭日旗使用の不当性を説明して使用禁止措置を要請した」と明らかにした。

文化体育観光部は書簡を通じて旭日旗が19世紀末から太平洋戦争をはじめとする日本帝国主義のアジア侵略戦争に使われた日本軍隊の旗として、現在も日本国内の極右団体による外国人に対する差別や嫌悪デモなどに広く使われていることを明らかにした。

あわせて欧州の人々にとってナチスのハーケンクロイツが第2次世界大戦の悪夢を思い出させるように、旭日旗は当時日本の侵略を受けた韓国や中国、東南アジアなどアジア諸国に歴史的な傷と苦痛を思い出させる明白な政治的象徴物であることを指摘した。

また国際サッカー連盟(FIFA)でもすでに旭日旗使用を禁止していることを提示した。文化体育観光部は今後も大韓体育会や大韓障害人体育会など関連団体とともに問題解決のために行動していくと明らかにした。

 「国際サッカー連盟(FIFA)が禁止している」の部分は、韓国政府文化体育観光部の説明を述べているものです。メディアによっては今回新たにFIFAが声明を出したかのように書かれているものがありますが、そうではありません。 

では、韓国の文化体育観光部のHPではどういう説明になっているでしょう?

「FIFAが禁止している」の根拠は何か

보도자료 - 국제올림픽위원회에 도쿄올림픽 욱일기 사용 우려 표명 | 문화체육관광부

国際オリンピック委員会に東京オリンピック旭日旗使用の懸念を表明

また、ヨーロッパにおいてナチスのハーケンクロイツが第2 次世界大戦の悪夢を思い出させるように、旭日旗は、当時の日本に侵略された韓国と中国、東南アジアなどのアジア諸国が、歴史的傷と苦痛を想起させる明白な政治的象徴であることを指摘して、国際サッカー連盟(FIFA)もすでに旭日旗の使用を禁止していることを提示した。

*(過去の事例)このような理由で、アジアサッカー連盟(AFC)は2017 年のアジアチャンピオンズリーグで発生した、日本の観客の旭日旗応援に対して日本のサッカーチームに罰金1 万5 千ドルの罰金懲戒を課した。

FIFAが政治的表現をすることを禁止していること、AFCにも同様の規定があること、川崎フロンターレの韓国水原における試合でサポーターが旭日旗を掲出した行為が「挑発的・政治的・差別的な行為」としてAFCから処分を受けたことは実在する話です。

ただ、それはAFCの規定が適用されて判断されたものであり、FIFAの規定ではなく「韓国における韓国人に対するもの」という限定的状況においてなされた判断でした。

韓国政府がフロンターレの事例をFIFAが禁止している根拠として扱ったのか、単に政治的表現で処罰された事例として紹介したのかは定かではありません。

ただ、後者だとすると韓国政府はどういう根拠でFIFAが禁止していると考えているのか分かりません。

FIFAのHPでは何らの記述もなし

FIFAのページを見ても、旭日旗="Rising Sun Flag"について何か述べているものは見当たりません。

むしろ、現時点で"Rising Sun"で検索すると、Rising Sunの意匠のエンブレムを身に着けたチームを紹介している2015年の記事がヒットしたりしますが、"Rising Sun Flag"で検索しても旭日旗を扱う記事はヒットしません。ほとんどが"the land of the rising sun"という日本の形容表現がヒットするだけです。

ただし、"Hakenkreuz"で検索してもヒットは0でした。FIFAが何らかの意匠を禁止する都度プレスリリースをしているわけではないのでしょう。

FARE networkの資料

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https://farenet.org/wp-content/uploads/2018/06/Global-guide-to-discriminatory-practices-in-football_2018_v5.pdf

fare Global guide to discriminatory practices in football

About Fare - Fare network

"fare network" というNGO団体が人種差別、極右ナショナリズム、性差別、障害者差別などをサッカーから根絶するために活動しているようで、FIFAやUEFA(欧州サッカー連盟)から支援を受けています。これを「外郭団体」と呼ぶ人も居ますが、どれほどの結びつきがあるのかはよくわかりません。

fareが公表している上記資料によると、旭日旗="The Rising Sun Flag"は日本の軍国主義や植民地支配のシンボルであるから差別的であり、特に韓国、北朝鮮、中国でその傾向が強いと記述されています。

fareはFIFAそのものではありませんが、韓国政府はこの記載でもってFIFAも禁止していると考えていたのでしょうか?

FIFAの公式アカウントの旭日旗を韓国国旗に変えさせた事例

FIFA公式アカウントの旭日旗、韓国の抗議受け「韓国国旗」に変更|レコードチャイナ

2018年5月20日、韓国・スポーツ朝鮮によると、国際サッカー連盟(FIFA)のインスタグラムアカウントで「2018FIFAワールドカップロシア」の広報写真に旭日旗が掲載されたが、韓国側の抗議によってこれが韓国国旗に変わった。

記事によると、韓国側が抗議したのは、インスタグラムのストーリーに掲載された広報映像に出てくる旭日旗を顔に描いた日本人応援団の姿。これを見た韓国・誠信(ソンシン)女子大学の徐敬徳(ソ・ギョンドク)教授は韓国のネットユーザーらと共にFIFAとそのSNSアカウントに抗議メールを送り、旭日旗の写真をすぐに削除し再発防止対策を立てるよう要請した。その後、問題となった映像は削除され、韓国とベルギーのサッカーファンが自国の国旗を顔に描き応援する写真に変わったという。

これについて、ソ教授は「今回のことをきっかけにFIFA側に旭日旗とナチスの旗は同じ意味だということを伝えられたことが最大の収穫だった」と述べているという。

旭日旗様のペイントをした者とイタリア人が応援している様子の画像に対して、旭日旗問題について執念を燃やしている韓国人教授の徐敬徳(ソ・ギョンドク)氏が抗議をした結果、韓国とベルギーのファンが応援する画像に変わったということがありました。

韓国政府はこの「成功体験」を根拠に「FIFAが禁止している」と考えているのかもしれません。

警備員が「FIFAの判断」?

旭日旗応援「FIFA規定違反の可能性」 韓国メディア報道は本当なのか : J-CASTニュース 2013/7/29 20:10

U-20女子W杯でも、係員が旭日旗を制止
日本のスポーツ紙各紙では、応援での政治的主張を禁じたFIFAの規定違反に当たる疑いが指摘されている。

これに対し、韓国メディアでは、旭日旗応援について、日本が第2次大戦で使った戦争犯罪の旗であり、韓国では怒りの声が上がっているとしており、聯合ニュースは、「FIFAの規定違反の可能性が大きい」と踏み込んで報じた。

旭日旗を巡っては、U-20女子ワールドカップの12年8月30日の日韓戦で、日本側の応援席で旭日旗を掲げようとした観客が係員に制止される騒ぎがあった。

報道によると、FIFAから事前に旭日旗を「応援席に出させない方がいい」と日本サッカー協会に連絡があり、協会では、旗を見かけたらサポーターにしまうよう声をかけることを警備員に指示していた。実際に、制止した係員も、「FIFAの判断によって、掲示することをご遠慮いただいているということなんですよ」などと観客に説明していた。

今回の日韓戦でも、試合開始時に日本側応援席で一部サポーターが旭日旗を掲げると、係員に制止されて3分ほどで旗を降ろしたと報じられている。

とすると、旭日旗応援は、FIFAの規定違反になってしまったのか。

日本サッカー協会の広報部に取材しようとしたが、協会が夏季休暇中で話を聞くことができなかった。

これは韓国側の報道について述べた伝聞になっています。

ただ、この時期以降もワールドカップ予選やワールドカップ本大会において旭日旗が振られている例がいくつもあり、信憑性があるのかはかなり疑問です。

なお、2013年のこの大会は日本での開催であり、日本の運営が「自粛」を要請していた可能性があります。

まとめ:公式レベルで旭日旗を禁止している記述は見当たらないが

FIFAの各種規定やこれまでの公式声明等でFIFAが旭日旗を禁止しているということは今の所見当たりません。

ただ、先述のような事例や、欧州の各国のチームにおける旭日旗様の表現に対して逐一韓国側がクレームを入れて削除されている現状を見る限り、日本にとっての状況は厳しいと言わざるを得ないでしょう。

この状況を放置して軽視してきた日本政府やJFA、日本サッカー界に責任があると言えます。

以上

あいちトリエンナーレ大村知事「表現の自由!検閲!」の見解を改めて公表

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9月10日、愛知県の大村知事があいちトリエンナーレ2019の表現の不自由展について、愛知県HP上で改めて見解を公表しました。

相変わらず「表現の自由!検閲!」と言っており、何も成長していません。

あいちトリエンナーレ表現の不自由展の大村知事の考え方

あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」について - 愛知県魚拓

こちらのページに以下の3つのファイルがUPされています。

あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」について(9月10日付け)魚拓

あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」について(8月2日付け河村市長から知事あて文書)魚拓

あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」について(8月8日付け河村市長公表文書):魚拓

9月10日付け文書が大村知事の考え方を述べたものです。内容は河村市長の主張に対する反論のようなものになっています。

大村知事「表現の自由!検閲!」

大村知事は憲法21条2項で検閲の絶対的禁止が表現の自由の保障のために敢えて規定されていることを指摘した上で次のように述べます

あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」について - 愛知県魚拓

したがって、検閲にさえ当たらなければ問題ないかの如き理解があるとすれば、本末転倒といわざるを得ません。憲法 21 条 2 項にいう「検閲」の解釈については様々な解釈がありますが、公職にある者は、何故に表現の自由が保障されているのか、何故にわざわざ検閲が明示的に禁止されたのか、その歴史的意味を深くかみしめる義務があると考えます。今般、本件展示の内容が「日本国民の心を踏みにじるもの」といった理由で展示の撤去・中止を求める要求がありましたが、もし事前に展示内容を審査し、そのような理由で特定の展示物を認めないとする対応を採ったとすれば、その展示物を事前に葬ったとして世間から検閲とみられても仕方がなく、いずれにせよ憲法 21 条で保障された表現の自由の侵害となることはほぼ異論はないものと考えます。

大村知事はこの問題の当初から「事前に表現内容に立ち入って拒否することは検閲である」と言っていました。

それが今回の文書では「検閲とみられても仕方がなく」という「印象」の問題であるとして逃げを図っています。

もちろん、これは愛知県の現実の行動とは矛盾した主張なので説得力がありません。

「事前に内容を審査」は既に行われている

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このブログでも何度も指摘してきましたが、既に愛知県はトリエンナーレに関係する参加団体や補助金申請交付の要件に「政治的主張・政治目的事業」を禁止する項目を掲げていました。

ただ、トリエンナーレの内の「国際現代美術展」については、こうした要件・基準が設定されていなかったというのが本件の問題なのです。

大村知事が言うような「事前に内容を審査して特定の表現を認めないとすれば検閲」というのが本当なら、既に愛知県は検閲をしていることになります。

当然、愛知県が検閲をしているという評価にはなりません。

トリエンナーレという催しは愛知県が責任主体として行為しているのですから。

愛知県が法的な行為主体:政府言論

表現の自由というのは基本的に公権力が私人の行為を規制・阻害する場面で私人の側が公権力に対して主張できるものです。

本件が「民間事業に公金支出」の話なら表現の自由の話だとして異論は無いでしょう。

しかし、トリエンナーレは実行委員会の構成に愛知県知事の役職が会長として存在し各種契約も愛知県知事名義で行われ事務局も主に愛知県の文芸課の職員が担い、告知等をするホームページ等も愛知県のパブリックなドメイン"pref.aichi.jp"(トリエンナーレ公式HPは別に存在)であり、文化庁のトリエンナーレへの補助金も愛知県を事業者として採択されているという状況です。

要するにトリエンナーレというのは、愛知県という公的機関がお膳立てをして設えた「場」であり、私人が自由に利用できる公的な場所を利用したり、私人の活動によって創設された作品展示の機会などではないということです。

このような場での作品展示は政府言論】として扱われ、表現の自由条項の問題ではないとするアメリカの連邦最高裁の判例があります。そのため、パブリックフォーラム理論などの表現の自由にまつわる法理が登場する機会すらありません。

日本では同様の事件が存在していないのですが、比較的近いと思われる事件でも表現の自由の話ではないとされています。

したがって、「展示前の場面」において、内容に基づいて展示拒否をするというのは公的機関の裁量の話に過ぎません。仮に公的機関が自己の見解に基づいて作品を選別できないとすれば、それは公的機関に対して「自己矛盾行為を強制」することになります。

大村知事は「基本的人権の尊重」を何度も口にしますが、自分が主体となって行為しているのに自分の考えと相反することをさせられるというのは「法的主体の自律性・尊厳」を毀損する行為ではないでしょうか?

「何が芸術か」は分からないが「何が政治的か」は判断可能

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あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」について - 愛知県魚拓

いうまでもなく、芸術の価値に対する評価は百人百様です。したがって、誰もが芸術的価値を認めるものだけの展示を認めることになれば、こうした展示展は成立しません。したがって、テーマや展示の選択など芸術的内容に関わる点は、芸術分野の専門家を中心としたメンバーで選ばれた芸術監督やキュレーターによる議論・検討を経て決定されています。愛知県は、施設や財政面、事務局スタッフの人的支援といった観点で中心的な役割を担っていますが、愛知県や私が芸術的な価値について当否を判断して展示内容を決定したものはありません。芸術的価値に対する評価については、実行委員会会長あるいは首長といえどもそれを評価・判断して決定すべきでなく、展示内容の取捨選択は最終的には芸術分野の専門家に委ねるべきで、実際にそのように進めてきました。

大村知事は芸術的価値を判断するのは専門家の役割であり、そうではない実行委員会の他の人間は展示可否の判断をしてはいけないと考えています。

公的機関には芸術的価値を判断する能力が無いということを前提にしているようです。 

ただし、公的機関は「何が芸術的か」を判断する能力が無くとも「何が政治的か」を判断する能力はあるハズです。

その作品が芸術的か否かに関わらず、一定のラインを超えた政治的な表現については展示を許可しないというルールを設けたとしても、それは公的機関が「芸術性を判断」することにはなりません。実際に愛知県でそういうルールが存在しているのは先述の通りです。

許されるべきではない政治的表現について、それが芸術的だからといって「治癒される」ようなものではないでしょう。「芸術性という免罪符」を創設することはあってはならないことです。

「行政の中立性」という謎ワード

あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」について - 愛知県魚拓

また、公権力を行使する職にある者にも、表現の自由、思想・良心の自由、政治的な意見は個人として当然保障されるべきです。私も個人的な意見等はもちろんあります。ただ、他方で、公権力を行使する立場にある者、特に行政権を執行する職にある者は中立性が求められます。思想や良心の中立性ではなく、行政権を公正に執行すること、すなわち、例え自分の思想や信条、政治的立場と異なる相手であっても、法に従って公正に職務を行うという職務執行上の中立性です。

大村知事は「中立性」という言葉を使ってきましたが、結局のところそれは法令に従て行為するという当たりまえのこと(この場合は憲法21条を守れと言っているようですが)を言っているに過ぎません。

注意すべきは、これは「政治的中立性」ではありません。

そもそも特別職の公務員には政治的中立性の規制はありません。なぜなら、彼らの権力行使はそれ自体が政治」だからです。

それと同様に、政府言論すなわち公的機関が行為主体となって開催する催しも法令レベルでの政治的中立性の要請は働きません。

ただ、行政機関内部の規律として「官僚は特定の政治家におもねらない」などの意味で政治的中立性と理解されているケースもあるようです。

それ以外のある種の理念として「政治的中立性」が求められる場面があり、現実の催しでは、一応の「政治的中立性」を確保しようとしてイベント毎の規約・ローカルルールなどにおいて「政治目的規制」が存在していることが多いということです。その一例がまさに先述した愛知県のルールでしょうが、これは公的機関の側が敢えてそのようなルールを主体的に敷いているということです。

「行政の中立性」ないし「政治的中立性」については【公務の『中立性』はどう理解されてきたか 嶋田 博子】でその概念の多義性がまとめられています。

河村市長の主張「公金を支出」「表現内容が酷い」

あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」について(8月2日付け河村市長から知事あて文書)魚拓

あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」について(8月8日付け河村市長公表文書):魚拓

他方、河村市長は昭和天皇関連の作品と捏造慰安婦像関連の作品について「表現の自由の領域ではない」と指摘していますが、これは「政府言論」の構成ではなく「表現の内容が酷いから」という理屈でそのように判断しています。

また、「公的施設を使って」「公金を支出しているから」今回の話は私人に対する規制ではない、そのように解するとすれば行政に求められる政治的中立性や社会の信頼が損なわれる、という論法です。

このような主張は危ういと言えるでしょう。

たとえば「日中歴史共同研究」というものがあり、研究結果が政府HPにUPされていますし、書籍化して販売もされています。当然、この事業には日本政府の予算が使われていますし、会議等も公的な施設を使って行われていた事でしょう。

しかし、日本政府はこの研究結果(日中それぞれの研究結果について)を政府見解とはしないことを明言しています。

「公金を支出し」「公的施設を使って」る成果物だからといって、それが公的機関の公式見解であるとは必ずしも言えないのです。

便益供与後にそれを撤回する行為の是非

これまでは作品展示の前の段階において、公的機関側が表現内容から採用するか否かを判断することの是非について述べてきました。 

では、本件のように「既に行われた便益供与について、それを一方的に撤回する行為」の是非はどうなるのでしょうか?

似たような事件として船橋市立図書館蔵書廃棄事件があるので憲法レベルの話としてはこれが参考になると思います。

ただ、本件は契約関係の問題に過ぎない可能性が高いです。

事前に政治目的規制のルールが存在していなかった国際現代美術展においては愛知県美術館ギャラリー利用者の手引きくらいしか規制ルールがありません。

ここで「鑑賞者に著しく不快感を与えるなど、公安・衛生法規に触れるおそれのある作品」「その他美術館長が不適当と判断する作品」がありますが、前者は該当し得る「法規」がありそうにないので後者が残りますが、事前にチェックした上での展示であればこれを理由とすることもできないでしょう。

まとめ:大村vs河村では答えが出ない

大村知事の発想が「vs河村市長」の視点になっているうちは、河村市長に対する反論にしか視点が行かないので、不毛な争いでしょう。

表現の不自由展については愛知県がアンケートを募っているので、フォーマットに入力或いは記載して送付すると良いのではないでしょうか?

以上

AbemaTVのフェイク:「柴山文科相と高校生」の政治話報道に事実誤認

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AbemaTVの番組とその内容を記事化したAbemaTIMESに事実誤認があります。

「柴山文科相と高校生」の政治話報道に関して、最も重要なツイートが省かれて論評されているというフェイクと言ってよい状況です。

AbemaTV 柴山大臣、高校生の政治話に「適切ですか?」で再び批判

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柴山大臣、高校生の政治話に「適切ですか?」で再び批判 西田亮介氏「権威者の過剰な反応好ましくない」

 その柴山大臣が再び批判を受ける事態になっている。きっかけは高校教員を名乗る人と高校生による、民間試験制度の問題点についてのTwitter上のコメントだ。

 「今回の民間試験制度の問題点を生徒、保護者の前でクソミソに言って、文科省そして現政権に嫌悪感を持つように洗脳していきます!」(高校教員、現在アカウントは削除)
 「私の通う高校では前回の参院選の際も昼食の時間に政治の話をしていたりしていたのできちんと自分で考えて投票してくれると信じています。もちろん今の政権の問題はたくさん話しました。笑」(高校生)

 柴山大臣はこの両方をリツイートし、「そのような行為は適切でしょうか?」「こうした行為は適切でしょうか?」とコメント。

この記事と番組は重要な事実を省いています。

たしかに柴山大臣がリツイートした高校教員を名乗る者のツイートは上記のものです。

しかし、柴山大臣がリツイートした高校生のツイートは、高校教員を名乗る人物への返信であり、しかもそれは上記画像のツイート内容ではありません。

「次の選挙で安倍政権に投票しないよう周囲の高校生に宣伝」

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現在は高校教員を自称する者はアカウントが削除されていますが、魚拓もあります。

魚拓: https://web.archive.org/web/20190909045301/https://twitter.com/NI84USx7ecHjMU7/status/1170113361075265537

柴山大臣のツイートの意味を理解するのに必須なツイートが省かれているのです。

自称高校教員のツイートに呼応した未来の場面を問題視している

柴山大臣の非公式RTのうち、高校生の昼食の時間での政治談議を問題視しているかのような印象になっていますが、そういう趣旨ではありません。

これは@に自称高校教員と高校生の両方が含まれて居ます。非公式RTなので自動ではなく意図的に高校教員の@も含めているのが分かります。

高校教員のツイートに呼応した形で未来の時点でそのような行為を行うことについて、客観的な視点から見たらどうなのか?と問いかけをしているのです。

それは現時点での選挙運動の判断をしているのではなく、「次の選挙」という未来の場面での選挙運動について言及しています。

高校生のツイート単独を問題視しているのではなく、高校教員のツイートと併せて文脈において判断しているということは大臣記者会見でも言及していました。

アベマの記事ではこのような文脈が分からなくなってしまっています。

柴山昌彦文部科学大臣記者会見録(令和元年9月10日):文部科学省

なお、基本的に政権側に批判的なツイートが連続した中でのツイートだったということも重要で、柴山大臣のツイートに対する最初のリプライから問題となったツイートまでは以下でまとめています。

「これは政治活動だ」とか「落選運動だから問題ない」などと思う人は以下を参照。

AbemaTV の記事の問題点

柴山大臣、高校生の政治話に「適切ですか?」で再び批判 西田亮介氏「権威者の過剰な反応好ましくない」

柴山大臣の投稿について、東京工業大学准教授の西田亮介氏は「自身に向けて書き込まれたわけでもない投稿に突如大臣がコメントするという行為はある意味過剰だと思う。大臣という存在は明らかに権威性を帯びているもので、特定の書き込みを自分の主張を述べるために晒していくのは好ましくない」と指摘。

「自身に向けて書き込まれたわけでもない投稿」は事実誤認です。

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柴山大臣のツイートのリプライ欄で高校教員と名乗る者への返信をしていたので、@に大臣も入っていました。

このような場合に柴山大臣を@から外すことも可能なので、通常は大臣にも向けたツイートである(会話自体を見せつける目的で@を外さない者も居る)と受け取るのが常識です。

西田亮介氏は「メディア論」が専門のようですが、こうした事実を知らされずにコメントを求められていたならば被害者でしょう。番組の落ち度ではないでしょうか。

「選挙運動は特定の選挙運動期間中に」はミスリーディング

柴山大臣、高校生の政治話に「適切ですか?」で再び批判 西田亮介氏「権威者の過剰な反応好ましくない」

一方、公職選挙法を元に説明したことについては「適切ではない。選挙運動は、特定の選挙運動期間中に特定の候補者への投票を呼びかけるといった行為のこと。具体的に政治の話をしたり、特定の法律について議論するだけでは選挙運動には当たらない」との見方を示す。

「選挙運動は特定の選挙運動期間中に」というのはミスリーディングです。

選挙期間中ではない選挙運動として事前運動が禁止されてるのであって、選挙期間外であればすべて政治活動になるということはありません。

現実にこのような理解に基づいてデマを拡散する者が発生していました。

実際上、選挙期間外に選挙運動として検挙される例があるかということと、概念上の話は別個のものです。

そして、上述の通り、現時点での「選挙運動」性の判断をしているのではなく、高校教員の呼びかけに呼応した形での「次の選挙」という未来の場面での「選挙運動」性の話をしているので、「選挙運動期間外だから」などという指摘は的外れです。

まとめ:AbemaTV・TIMESは事実誤認に基づく報道

魚拓: https://web.archive.org/web/20190909045301/https://twitter.com/NI84USx7ecHjMU7/status/1170113361075265537

柴山大臣にリツイートされた高校生のツイートは、このツイートに対する返信であったという文脈を考慮せずにこの問題を論じている者は、すべて事実確認を怠り事実誤認に基づく発信をしているということを恥じるべきでしょう。

このツイートは少なくとも昨日の昼までは残っていたので長時間存在していましたから、確認できないというのは言い訳になりません。

私は当該高校生やツイッターユーザーらが大臣のツイートを見て「高校生の政治談議を問題視してる」と思っても仕方がないと思います。それは大臣の発信の仕方の問題で、不親切だと思います。

しかし、メディアがそのような読み方をするのは許されないでしょう。

以上

9月17日:第2回あいちトリエンナーレのあり方検証委員会の開催とアンケート

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第2回あいちトリエンナーレのあり方検証委員会の開催日程が公開されました。

申し込み方法は事前申請制です。前から変更されているので注意。

第2回あいちトリエンナーレのあり方検証委員会の開催について

「第2回あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」の開催について - 愛知県

1 日時
2019年9月17日(火曜日)午後1時30分から午後4時まで(開場:午後1時)
2 場所
愛知県庁 本庁舎2階 講堂
3 公開
(1) 会議は、公開で行います。
(2) 本会議の様子は、YouTubeライブで配信します。
 【URL】
https://www.youtube.com/channel/UCm2uaQFoTYIXvED-T5xYTQw

1) 定員
  30名
(2) 申込方法
  別紙1「検証委員会傍聴申込書」に必要事項を記載の上、「5 申込み先」に記載の宛先に件名を「9月17日傍聴申込み」とし、9月12日(木曜日)
 午後5時までに電子メールでお申し込みください。

電話による申し込みはできないようです。

注意書きもありました。

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第1回あいちトリエンナーレのあり方検証委員会の開催について

前回はこっそり開催されており告知ページもなぜか削除されていました。

あいちトリエンナーレのあり方検証委員会のアンケート

【あいちトリエンナーレのあり方検証委員会】アンケート調査を実施します - 愛知県

あいちトリエンナーレ2019の企画の1つ、「表現の不自由展・その後」について、展示の趣旨や作品の選定、展示が中止になった経緯等について、県内・県外を問わず個人の方にご意見いただき、今後の参考といたします。

外部からのアンケートも募るようです。

アンケートの前に、以下のページで大村知事と河村市長の見解が掲載されている文書があるので読むと良いと思います。

あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」について - 愛知県

罵倒語などは決して書かずに、論理立てて主張していけばいいと思います。

以上