事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

桜を見る会問題まとめ 安倍は公職選挙法・政治資金規正法違反の違法か?

桜を見る会問題:公職選挙法・政治資金規正法違反

出典:首相官邸HP:https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201904/13sakura.html

桜を見る会問題が騒がれていますが、この問題の構造を分かりやすく整理します。

また、公選法、政治資金規正法違反の疑いがあるなどと報道されていますが、それは本当かについても解説します。

「桜を見る会問題」は2つある

マスメディアや一部野党が問題視している「桜を見る会」とは、実は2つの事象が混同されて(わざと混同して)報道されています。

  1. 内閣総理大臣が主催する桜を見る会
  2. 安倍晋三事務所(或いは旅行代理店)が主催する、桜を見る会に関連したツアー、特に「前夜祭」

両者は主催が別個であり事実として別々のものとして把握しなければなりません。

そして、それぞれに「違法なのか」という問題と「違法ではなくとも政治倫理の見地から適切なのか」という問題があります。

1:内閣総理大臣主催、新宿御苑で観桜する桜を見る会

日本共産党公式ツイッターより

内閣総理大臣が主催し、新宿御苑で観桜する「桜を見る会」は、当初、その会自体が問題視され、以下の点が指摘されていました。

  1. 予算額を超えた支出と予算の増額
  2. 招待客の人数が膨れ上がっていること
  3. 縁故者を優先して呼んでいる可能性が疑われていること(後援会の人が850人程度参加している)
  4. どういう理由で呼ばれているのか疑問な人が居ること

結局、安倍総理大臣の判断で来年度の開催は中止し、ルールの見直しを経て再来年度に再開する予定となっています。

関連:なぜ桜を見る会が問題視されているのか

関連:菅官房長官、桜を見る会の来年度の開催を中止の理由

2:安倍晋三事務所主催の前夜祭等のツアー

もう一つの問題として、後援団体である安倍晋三事務所が主催する桜を見る会をツアーの中に組み込んだイベントが行われており、その中で供応接待等の「寄付行為」が行われていたのではないか?という点が騒がれています。
※安倍晋三氏の「後援会」はいくつもあり、また、それとは別に「安倍事務所」があるようですが、どの行為がどの主体によるものなのかが不明なので、ここでは基本的に便宜的に「安倍側」と記述する場合があります。

現在は「前夜祭」であるホテルニューオータニでの会食について、通常よりも割安で提供したのではないか?という疑惑があり、その場合には寄付行為になるだろうといわれています。

また、この際の経費が政治資金収支報告書に記載が無いことから、政治資金規正法違反ではないかという疑惑が叫ばれています。

桜を見る会は公職選挙法199条の5違反なのか

長いですが太字だけが関係しています。

公職選挙法(後援団体に関する寄附等の禁止)
第百九十九条の五 政党その他の団体又はその支部で、特定の公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)の政治上の主義若しくは施策を支持し、又は特定の公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)を推薦し、若しくは支持することがその政治活動のうち主たるものであるもの(以下「後援団体」という。)は、当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。※ただし書き省略

2 何人も、後援団体の総会その他の集会(後援団体を結成するための集会を含む。)又は後援団体が行なう見学、旅行その他の行事において、第四項各号の区分による当該選挙ごとに一定期間、当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行なわれる区域)内にある者に対し、饗応接待(通常用いられる程度の食事の提供を除く。)をし、又は金銭若しくは記念品その他の物品を供与してはならない。

指摘されている違法は公職選挙法199条の5違反です。

要するに、【後援団体は】選挙区内の人に対して寄附や後援団体の行事での通常の食事の提供を超える饗応接待などをしてはならないとされています。

さて、「桜を見る会」は「後援団体」が主催でしょうか?

違いますよね、【政府】が主催です。

したがって、「桜を見る会」は公選法違反の話ではありません。

また、今回問題視されている政治資金規正法上の義務違反疑惑も、政治団体の会計責任者に課せられている義務の話なので、関係ありません。

安倍晋三後援会の「前夜祭」は公職選挙法違反なのか?

次に、安倍晋三後援会の「前夜祭」は公職選挙法違反なのか?という問題。

具体的に言えば、ホテルニューオータニで開催された前夜祭で、850人の参加者は5000円を支払ったが、本来はもっと高くつくはずなのに安くしているということは、安倍後援会から参加者に対して公職選挙法上の『饗応接待』をしていたのではないか?という問題です。

※安倍晋三個人が主催じゃないので199条の2は無関係です。

ホテルニューオータニの見積もりと食費

ホテルニューオータニでの会食については、パーティープランは1万1000円が下限と言われたという報道や、見積もりを取ったら1人当たり1万3000円だという野党議員の発信が目につきます。

しかし、「850人」の前夜祭の話なのに何故か「150人」の場合の費用を確認するなど、印象操作が多いというのが分かります。これは非常にわかりやすい例。

通常用いられる程度の食事の提供を超えた「饗応接待」なのか?

ホテルニューオータニの前夜祭

 

前掲の公職選挙法には以下のように書かれています。

【饗応接待(通常用いられる程度の食事の提供を除く。)】

ホテルニューオータニは「5000円でできるかは宴会の形式による」「お客様の要望をうかがって判断」していると述べています。

先に挙げた立憲民主党の石川大我議員の見積もりはいろいろ突っ込みどころがありますが、要するに個別対応をするケースがあり、一般的な概算見積もりを提示しても無意味だということです。

安倍総理の11月15日の答弁でもホテルニューオータニに宿泊している客が多い事情を踏まえて値段が設定されたとしており、個別対応されたとみる他ないでしょう。

なお、NHKなどの取材では、『会費5000円のパーティーのプランはあるかどうか尋ねたところ「パーティープランの最低価格は1人1万1000円からで値切り交渉などには応じられない」などと説明しました。』と報じられることがありますが、「そういうパッケージプランがあるのか?」という質問になっているので、「それは無い」となって当然です。質問が悪すぎる、ということになります。

一般人の結婚式の2次会よりもかなり窮屈なのが分かります。

「会場はぎゅうぎゅうで五千円は高い。ぼったくりかと思った」とこぼす男性の弁が東京新聞で報じられるように、こういう場は食事も「1人分×人数分」などという量を用意するはずがないというのが社会常識であり、食事代が安くなる可能性は十分にあるということです。

なお、移動費や宿泊費も参加者の自腹であり、招待状が送られた人でも「だから行かない」と言う人も出ていました。

いずれにしても現時点で出そろった情報からは、「本来の食事代よりも安い5000円でパーティーを開いたのであり、それは差額分を参加者に饗応接待したことになる」と言うことはほぼ不可能と思われます。

追記:シャンソン歌手 ケイ潤子の歌披露は「財産上の利益の供与」なのか?

シャンソン歌手のケイ潤子氏・プロの歌の披露は寄付にあたる?

前夜祭ではシャンソン歌手のケイ潤子氏が「6曲20分間」歌を披露したようです。

京都弁護士会の渡辺輝人弁護士は、プロ歌手の歌謡を選挙民に供した場合には寄付=「財産上の利益の供与」に該当すると考えているようです。

一方、湘南平塚事務所弁護士の最所弁護士は、選挙応援演説における森進一氏による歌のサビ披露について以下述べています。

応援演説で、歌手が歌を歌ったら、候補者は懲役刑になる!?

公職選挙法に違反するとの主張は、①森進一氏の歌は、経済的価値が認められる無形の財産である、②候補者が、無償で経済的価値のある歌を聴く機会を聴衆に与えることは、聴衆に物品を提供する行為と実質的に同義である、③したがって、公職選挙法が禁止する『寄附』や『財産上の利益の供与』に該当しうる、概ね、そのような主張がなされているようです。

 このような主張をされている方の根底には、公正な選挙の要請がまずあって、公正な選挙を害しない限りにおいて、政治活動が許される、すなわち、政治活動は、原則としてしてはいけないが、公正な選挙を害しない限度で、例外的に許される、そのように考えているのではないでしょうか

 しかしながら、憲法上、政治活動の自由、表現の自由は、民主制において非常に重要な権利として保障されています。そのことを前提に、完全に自由な活動に委ねてしまうと、貧富の差等によって、公正な選挙を害してしまう可能性があることから、例外的に、ルールを決めて制限しましょう、そのルールが公職選挙法に規定された禁止規定であるというのが素直な解釈です。

 政治活動は原則自由、例外的に制限、これが基本的な憲法解釈の姿勢で、多くの弁護士の感覚だと思います。

こうした事案に関する確定した行政の見解や司法判断が出ているわけではありません。

さて、【プロの技術発揮には必ず利益が発生しているはずだ】という問題設定は、果たして適切なのでしょうか?

これではお笑い芸人による応援演説で笑いを取ったら公選法違反になってしまうことになりかねませんが、そういう考え方が正しいとは私は思いません。

安倍晋三後援会の「前夜祭」は政治資金規正法違反なのか?

政治資金規正法(報告書の提出)
第十二条 政治団体の会計責任者(省略)は、毎年十二月三十一日現在で、当該政治団体に係るその年における収入、支出その他の事項で次に掲げるもの(これらの事項がないときは、その旨)を記載した報告書を *省略* 提出しなければならない。

一 すべての収入について、その総額及び総務省令で定める項目別の金額並びに次に掲げる事項

二 すべての支出について、以下省略
三 十二月三十一日において有する資産等(次に掲げる資産及び借入金をいう。以下この号及び第十七条第一項において同じ。)について、以下省略

要するに、資産等以外は【収支が発生】していなければ記載する必要はありません。

安倍総理の説明も「収支が発生していない」として記載の必要性を不要としています。

安倍首相発言要旨 桜を見る会:時事ドットコム

 安倍晋三首相が15日、「桜を見る会」について首相官邸で記者団に語った要旨

旅費、宿泊費は参加者がそれぞれ旅行代理店に支払い、夕食会費用は会場入り口の受付にて安倍事務所職員が1人5000円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に集金した全ての現金をホテル側に渡すという形で支払いがなされた

旅費や宿泊費は旅行代理店に支払っているとのことです。

そして、前夜祭については、たとえるなら飲み会の幹事が参加者から徴収したあとにお店に一括して支払う場合に、いちいち「幹事の収入+お店への支出」という処理はしないのと同じで、直接支払われたと同視できる事情があります。

ということで、収支が発生しないために政治資金収支報告書への記載・報告も不必要となるため、これが違法とはなりません。こんな処理はどこの事務所もやっているハズです。

違法性はなくとも後援会の会員を多く呼んでいるのは問題では?

違法性がなくとも、政治倫理や公金支出のありかたという視点からは問題があると思います。

11月13日の菅官房長官記者会見では与党にも推薦依頼をしていたということが分かりましたから、実質的に与党特権のような形になっていたのでしょう。

一応は要領に従って「功績のある者」を呼んでいる体でしたが、これでは「身内優先に税金を使っている」と言われても仕方がないと思います。

しかも、皇族方も出席される場に呼ばれるにふさわしくない人物が招待されている例もあることも確かなので、個人的には2000人程度に規模の縮小を図るべきだと思います。

私は園遊会よりもフランクな場として各界の著名人が交流できる場として首都圏の観桜の名所を活用できる機会があるのは貴重だと思っていますので、ルールを厳格にして再開してほしいと思います。

1年未満で廃棄、文書保存期間の3年、10年というズレ

なお、本題からずれますが、桜を見る会の関連文書の保管について情報が錯そうしている点について。

これは内閣府と各省庁とで文書保存期間の扱いが異なること、「推薦者名簿」と「招待者名簿」とで扱いが異なるために生じていることであると言えます。

一部野党やメディアはこの点を巧妙に隠して印象操作しています。

桜を見る会問題をわかりやすくまとめると

以上より、「桜を見る会問題」をわかりやすくまとめると以下になります。

  1. 「桜を見る会問題」とは内閣総理大臣が主催する桜を見る会と、安倍側が主催する桜を見る会に関連したツアーの2つの事象が問題視されている
  2. 桜を見る会自体は政府が主催なので、公職選挙法や政治資金規正法の規制する場面には当たらないため、最初から違法の話は出てくるわけがない
  3. 安倍側主催の関連ツアーは、饗応接待ではないため公職選挙法違反ではない
  4. 安倍側主催の関連ツアーは、旅費・宿泊費は旅行代理店に、前夜祭の食費は直ちにホテル側に支払われたため、収支が発生せず、記載の必要がないため政治資金規正法の違反ではない
  5. ただし、後援会の者を優先的に大人数呼んだことについては、公金支出のあり方や政治倫理の観点から問題であり、改善すべきである
  6. 文書保存期間の差は内閣府と各省庁の扱い、「推薦者名簿」と「招待者名簿」の違いによって起こっている

たった5500万円の桜を見る会に単純計算で1日3億円もかかる国会の質疑を当てるのは非生産的です。

既に来年度の開催を中止して、ルールを整備した上で再来年度に再開すると決めたのですから、もう野党議員や報道の役割は終わったでしょう。これ以上は無駄な行為だと思います。

以上

桜を見る会の内閣府の推薦者名簿、廃棄までの保存期間3年だった

桜を見る会の文書保存期間、廃棄まで3年

桜を見る会の内閣府の推薦者名簿の廃棄までの文書保存期間が3年だったことが判明しました。

桜を見る会の内閣府の推薦者名簿は保存期間3年

クリックで拡大

内閣府本府各部局の標準文書保存期間基準(保存期間表)の「迎賓館」のページ。

これを見ると、桜を見る会の推薦者名簿の文書保存期間は「3年」となっています。

他方、11月12日には大臣官房長が「1年未満で廃棄した」と発言しました。

これはどう理解すればよいでしょうか?

「推薦者名簿」と「招待者名簿」の廃棄までの期間

11月12日衆議院地方創生に関する特別委員会

大塚大臣官房長 一点目は繰り返しになりますが、やはり功績功労については私共各省庁から必要なご意見を頂戴しているということでございます。また、さらに申し上げますと、結局は個々の招待者がどうであったかということに行きつくわけでございますが。そこにつきましては「招待者名簿、これはもう私共1年未満の文書と位置付けで既に会の終了後、廃棄をしております。そういった点からも仮に調べるとしても、事実上、今としては調べることはできないということでございます。

今井雅人議員 あのですね。昨日、実は毎年この会に参加されているマスコミの方とお話ししたんですけれど、毎年会の前に内閣官房から電話があるそうです。去年のリストを見ながら「去年のリストのままでよろしいですかね?」って言って照会があるみたいです。あるじゃないですか。本当に全部廃棄してるんですか?

大塚大臣官房長 私共、内閣府内閣官房としてとりまとめの任にあたっているわけでございますが、私共の方で保管した作成した「招待者名簿につきましては先ほどお答えしました通り、文書保存期間1年未満の文書と位置付けておりまして、会の終了後遅滞なく速やかに廃棄しているところでございます。

大塚大臣官房長は「招待者名簿」については「1年未満」の文書保存期間であると言っています。「推薦者名簿」とは異なります。

これは、大臣官房人事課の標準文書保存期間基準の数字です

つまり、以下のような流れで各種の文書が作成されます。

  1. 省庁から推薦者名簿作成、内閣府へ送付
  2. 内閣府から推薦者名簿を元に官邸・与党へ推薦依頼
  3. 招待者の決定、招待者名簿の作成、招待状等の送付

各種答弁や11月13日の菅官房長官の記者会見での説明によればこのような流れになります。食い違いがあると思われる文書保存期間の理解には、実はこのようなカラクリがあったのです。

このやりとりの書き起こしは以下でまとめてあります。

招待のための個人情報が残っている文書は保存期間が短い?

内閣府の桜を見る会の決算予算に関する文書保存期間5年

内閣府における桜を見る会に関する文書保存期間の定めは、他には大臣官房総務課のものがあります。これは文書保存期間が「5年」となっています。

ただ、項目が「予算及び決算に関する事項」となっており、おそらくこれは推薦者名簿や招待者名簿などの個人情報を含むものではないと思われます。

推薦者名簿の保存期間が3年で招待者名簿が1年未満というものの差異も、個人情報のセンシティブさに比例してると思われます。

推薦者名簿は個人名と所属或いは肩書のみが記載されているが、招待者名簿となると招待状を送らなければなりませんから、住所等の連絡先も記載されているでしょう。

廃棄までの期間の差は、掲載情報の差であると思われます。

内閣府と各省庁、推薦者名簿と招待者名簿を混同させる誘導

メディアや一部野党議員らの発信する情報を見ているだけでは、その文書保存期間は内閣府のものなのか、それとは別の省庁のものなのかが曖昧にされています。推薦者名簿と招待者名簿の違いも「文書廃棄」という曖昧な文言などによって無視されています。

これはおそらく読み手を誘導するためにワザと言っている疑惑がありますので、注意していかなければなりません。

以上

菅官房長官、桜を見る会の来年度の開催を中止の理由

f:id:Nathannate:20191113181042j:plain

11月13日午後の官房長官記者会見で、菅官房長官は、来年度の桜を見る会を中止することを表明しました。

菅官房長官、桜を見る会の来年度の開催を中止

菅官房長官によると、桜を見る会の具体的な手続きを確認したとのこと。

  1. 内閣官房、内閣府から各省庁に推薦依頼を行い、推薦者について内閣官房が取りまとめを行う。
  2. それにあたっては、官邸内や与党にも推薦依頼を行っており、総理・副総理・官房長官・官房副長官に事務的に推薦依頼を行ったうえで、提出された推薦者につきとりまとめを行っていた。
  3. こうした手続きは長年の慣行で行っているが、様々なご意見があることを踏まえ、招待基準の明確化や招待プロセスの透明化、招待人数の適正化を含めて見直しを幅広く意見を聞きながら行うこととした。

招待人数の縮小は当然だとも言っていました。

桜を見る会を中止する理由

なぜルールを見直しをしたうえで来年度桜を見る会を実施しないのかについて。

菅官房長官は、見直しには時間がかかり、予算の編成・議決という多忙な時期と被るため、来年度の開催は困難と判断したとしています。

ルールの見直し後は、再来年度の開催を見込んでいるとしています。

中止判断は賢明:官邸内や与党にも推薦依頼は不要では

この判断は賢明だと思います。

特に、官邸内や与党にも推薦依頼をしていたというのは、与党特権を実質的に認めていることになりますからね。

私の個人的な考えとしては、2000人くらいの規模に抑えた上で、与党関係者に偏らないような形で招待していけば良いと思います。

園遊会よりもフランクな場として各界の著名人が交流できる場があり、首都圏の観桜の名所を活用できる機会があるのは貴重だと思っていますので。

なお、桜を見る会の関連文書の保管について情報が錯そうしている感がありますが、内閣府等の文書保存期間の表と大臣官房長の答弁を聞いた結果、以下の記事のようなことではないかと思います。

以上

桜を見る会の文書保存期間:1年未満廃棄は招待者名簿、推薦者名簿とで別では

f:id:Nathannate:20191113173903j:plain

各省庁と内閣府の文書保存期間の表を見ているうちに、気づいたことがあります。

おそらく「推薦者名簿」と「招待者名簿」は別物であり、その違いによって答弁される文書保存期間が別々になっているのではないでしょうか?

内閣府大臣官房長の答弁と内閣府の文書保存期間の表を整理します。

内閣府の桜を見る会の「推薦者名簿」の保存期間は3年

f:id:Nathannate:20191113161152j:plain

内閣府本府各部局の標準文書保存期間基準(保存期間表)の「迎賓館」のページ。

桜を見る会の「推薦者名簿」の文書保存期間は3年となっています。

11月12日の大臣官房長が「1年未満」と発言したことと異なりますが、これはどう理解すればよいでしょうか?

大臣官房長「招待者名簿」は1年未満で廃棄

f:id:Nathannate:20191113164448j:plain

11月12日の衆議院地方創生に関する特別委員会において、今井雅人議員による質疑と大塚幸寛 大臣官房長の答弁を書き起こします。文書保存期間に関する途中から。

 

*********************

今井 私とても単純な質問をしているんですね、それぞれの省庁で推薦者を、招待者を決めるにあたって、議員の推薦などを考慮していますか、していませんか、それだけの話です。イエスかノーかでお答えください

***************

※ここで、今井雅人議員は「推薦者」と「招待者」を同一視しているのが分かります。

***************

大塚大臣官房長 各省庁の具体的な選定の途中でのプロセスをつまびらかには承知していませんが、具体的にそこがどうなっているかということにつきましては私共は承知をしておりません。いずれにしましても、功績功労についてご意見等をお聞きし、私共の方でとりまとめているところでございます。

今井 みなさんは取りまとめをする責任者ですから、それぞれの省庁でどういう選定をしているかを把握をする必要が私はあると思います。今把握をしていないということですから、各省庁に確認して報告をしてください。

大塚大臣官房長 功績功労につきましては私共これまで意見等を各省庁からいただき、それを踏まえてとりまとめてるところでございまして、今後も同様の形で選定を進めていきたいと思います。

今井 すいません。わたくしはイエスかノーかを聞いてるんです。その調査をしないならしないでいいんですよ。そういう態度ならそれでも調査報告をしていただけるんですか、いただけますか。

大塚大臣官房長 これまでのように功績功労を幅広く意見をお聞きするという形で私共としては適正に実施していると考えてごいまして、今、議員申し出のような調査につきましては今時点ではそういったことを行う考えはございません。

***************

※平行線なのは、「推薦」については内閣府の管轄外だから。大塚大臣官房長は大人の対応をしているだけと思われる。

***************

今井 これだけいろんな方がですね、講演会がみんな集まってるとか、色んなところでUPして写真まで撮られている。参加された方がここまで書かれておられる。にもかかわらず調査をするつもりはないってことですか?もう一度お答えください。

大塚大臣官房長 各界におきまして功績功労があった方々を私共としてはそうした方の意見も踏まえて招待をしているというそのプロセスにつきましては適正だと考えております。その上で私共でとりまとめてございまして、そうした取りまとめの過程におきましては私共としてはこれまでのやり方で引き続き行ってまいりたいと考えてるところでございます。

今井 適切かどうかということは、今、たとえば議員の推薦があるかどうかを知らないっておっしゃったじゃないですか。知らないのになぜ適切ってわかるんです?そんないいかげんなことを言わないでくださいよ。すべてを知ってて適切だと言うならわかります。しかしそれは知らないっておっしゃてるのに適切だというのは不誠実ですよ、調べてください。

大塚大臣官房長 桜を見る会は功績功労のあった方がたをご招待するのが基本でございまして、功績功労については各省庁において調べていただき、また、私共も意見等を聴取してございまして、その点についてその選定プロセスに問題がないものと考えております。

今井 ですからね。功労のある方をお呼びするというのが要綱に書いてあるのに、講演会の人をたくさん呼んで写真とってニコニコしてるのが流布されているんですよ。しかも私がさっき読んだように寄稿にも書かれている。だからそこに疑義があるから調べてくださいってお願いしてるんじゃないですか。そういうのを私もお示しして事実関係を調べていただきたいと どうして頑なに拒否してるんですか。何かまずいことがあるんですか。調べてください。お願いします。

***************

※大塚大臣官房長は推薦を受けた「後」の内閣府での仕事のことを言っているのに対して、今井雅人議員は推薦について適切かどうかということを聞こうとしているので、話が噛み合うわけがない。

***************

大塚大臣官房長 一点目は繰り返しになりますが、やはり功績功労については私共各省庁から必要なご意見を頂戴しているということでございます。また、さらに申し上げますと、結局は個々の招待者がどうであったかということに行きつくわけでございますが。そこにつきましては「招待者名簿、これはもう私共1年未満の文書と位置付けで既に会の終了後、廃棄をしております。そういった点からも仮に調べるとしても、事実上、今としては調べることはできないということでございます。

今井 あのですね。昨日、実は毎年この会に参加されているマスコミの方とお話ししたんですけれど、毎年会の前に内閣官房から電話があるそうです。去年のリストを見ながら「去年のリストのままでよろしいですかね?」って言って照会があるみたいです。あるじゃないですか。本当に全部廃棄してるんですか?

大塚大臣官房長 私共、内閣府内閣官房としてとりまとめの任にあたっているわけでございますが、私共の方で保管した作成した「招待者名簿につきましては先ほどお答えしました通り、文書保存期間1年未満の文書と位置付けておりまして、会の終了後遅滞なく速やかに廃棄しているところでございます。

***************

※大塚大臣官房長は、「内閣府で取りまとめて作成したモノ」については「招待者名簿」と言っており、「推薦者名簿」という語を使っていない。

***************

今井 じゃあ逆にお伺いしますが、皆さんがとりまとめしたものはもうそのあと使わないということで廃棄しているということでございますが。それぞれの決めた省庁のところにおそらく残っていると思うんです。それは残っている可能性はありますね?

大塚大臣官房長 その点につきましては現状どうなっているかちょっと今ご説明できるだけの情報を持ち合わせてございません。

今井 でしたらそれも併せて調べて報告してください。

大塚大臣官房長 各省のいわば推薦する側としての情報の保管状況等につきましては確認をさせていただきたいと思います。

***************

※これも本来は管轄外だが、先ほどまで問われていた「推薦する際の根拠」とは違い、「現在文書が残っているかどうか」の話なので、応じたものと思われます。

***************

今井 委員長じゃあ今の点と、さきほど長らくウンとおっしゃっていただけなかたのですが各省庁でどういう選定をしているか、そのこともぜひ調べてこの委員会に報告していただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

委員長 委員会で報告するかどうか後刻理事会で協議します。

**********************

推薦者名簿と招待者名簿の違い

f:id:Nathannate:20191113173031j:plain

大臣官房人事課の文書保存期間の表を見ると、「1年未満」のものがあります。

内閣府の文書保存期間の表の中で、「1年未満」のものはおそらくこれだけです。

「関係行政機関等に協力して行う行事等の案内の発送等」が「招待者名簿」でしょう。

内閣府の迎賓館の表は、「推薦者名簿」と書かれていることから、別物の文書として扱っているのでしょう。

また、各省庁においてはたとえば総務省 標準文書保存期間基準(保存期間表)の「行政評価局」を見ると、確かに桜を見る会の文書保存期間は10年となっています。

ですから、こちらには当然、文書が残っていることになります。

意図的に内閣府に最初に質問した?

これらの文書保存期間の資料は、私のような一般人でも容易にネット上で見つけることができます。これを野党議員がまったく知らなかったということは考えにくいです。

これは推測ですが、こういった保存期間の差異を利用して、「隠ぺいしていた」という印象を視聴者・読者に持たせるために、最初に内閣府に質問をしたのではないでしょうか?

その後に各省庁等に質問をすれば、当然にして「推薦者名簿はある」と言うわけですから、内閣府が「嘘をついた」と騒ぎ立てることが可能になってしまいます。

現実に森ゆうこ議員はそういう騒ぎ方をしています。

まあ、「取りまとめは内閣府なので」という逃げはできると思いますが。

まとめ

  1. 「推薦者名簿」と「招待者名簿」は別個の文書
  2. 内閣府大臣官房長が1年未満と言ったのは招待者名簿の方
  3. 推薦者名簿は内閣府で3年、各省庁で10年のところもある
  4. 今井雅人議員の質問は、管轄外のことを内閣府に聞いていただけ

文書保存期間についての情報が錯綜している(させている)のは、こういうカラクリがあるということでしょう。

以上

森ゆうこ議員が内閣府と各省庁の文書保存期間を混同させて誘導

f:id:Nathannate:20191113144517j:plain

森ゆうこ参議院議員が桜を見る会に関して意図的に情報操作をしていました。

これがおかしいということを整理します。

各省庁で桜を見る会の文書保存期間は10年

桜を見る会の文書保存期間は各省庁で10年

たとえば、総務省 標準文書保存期間基準(保存期間表)の「行政評価局」を見ると、確かに桜を見る会の文書保存期間は10年となっています。

すると、「官僚は嘘をついている」のでしょうか?

11月12日の今井雅人議員の質疑は内閣府に対して

内閣府大臣官房長 大塚  幸寛

森ゆうこ議員のツイートにある「今日、官房長が答弁」というのは、11月12日の衆議院地方創生に関する特別委員会における今井雅人議員の質疑に対するものです。

今井雅人議員の質疑に応じているのは大塚幸寛 大臣官房長であり、所属は内閣府です。

大塚大臣官房長は、内閣府での文書保存期間が1年未満のため招待者名簿は廃棄していると発言しています。

ですから、「各省庁」の文書保存期間が10年だからと言って、官房長の発言が嘘とはならないわけです。

迎賓館の文書保存期間では推薦者名簿は3年とあるが

桜を見る会の文書保存期間3年

内閣府本府各部局の標準文書保存期間基準(保存期間表)の「迎賓館」のページ。

これを見ると「桜を見る会推薦者名簿」の保存期間が「3年」となっています。

これをどう考えるか。

「1年未満で既に廃棄」は大臣官房人事課の招待者名簿

桜を見る会の招待者名簿の文書保存期間

他方、大臣官房長が言う「1年未満」とは、大臣官房人事課の数字です。

「1年未満」の保存期間のものは、内閣府のものの中ではこれしか見当たりませんから、大臣官房長はこの文書を指して発言したものと考えられます。

そして、大臣官房長の発言をよく聞くと「招待者名簿」と言っているのがわかります。

つまり、各省庁から内閣府に送られてくるのが「推薦者名簿」、それを受けて内閣府が決定したものが「招待者名簿」という扱いであり、「どのような理由で推薦されたのか」などがうかがい知れるのは「推薦者名簿」の方ではないでしょうか。

このように理解すると、12日の大塚大臣官房長の発言と、内閣府のHPの記載等がすべて辻褄が合います。

内閣府「1年未満」を各省庁10年と混同させる森ゆうこ議員

 魚拓

このツイートは総務省の文書保存期間が10年であることを指摘しているツイートに対して行われています。

きちんと内閣府のHPの記載と照らし合わせてしつぎをすれば、より正確な答えが返ってきたはずですし、「推薦者名簿」については所管省庁に聞けば済む話でしょう。

森ゆうこ議員やメディアは、内閣府と各省庁の行政機関の構造が分からない一般人をもてあそんで、その認識を歪めようとしている疑惑があります。

以上

竹田恒泰氏が講演会妨害を煽ったユーザーに対し訴訟、通報

竹田恒泰氏が、11月13日に富山県朝日町で行われる予定だった講演会の中止を呼び掛けていたアカウントに対して訴訟準備をし、警察に通報しました。

竹田恒泰氏、@chocolat_psyder を通報、訴訟準備

 魚拓はこちら

竹田恒泰氏がネット上で講演会妨害を呼び掛けていたアカウントについて、警察への通報と訴訟の準備をしたようです。

なお、@chocolat_psyderのユーザーIDは1044587252670578690 ですので、名前やアイコンが変わっても以下で追跡可能です。

ユーザー:1044587252670578690のid使用履歴 | idtwi

なお、アイコンが本人のものかは不明です。

※追記:検証された方の記事は以下

『事実を整える』さんの記事で「アイコンが本人のものかは不明」と書かれていたので出処を調べてみました | 以下略ちゃんの逆襲 ツイッターGOGO

逮捕することを求める署名運動も

キャンペーン · 竹田恒泰氏の講演を中止に追い込んだサヨクをタイーホしてください! · Change.org

まぁ、教唆にはあたらないので逮捕は無理でしょうが、このアカウントの周辺を調べることで何か見つかるかもしれません。

竹田恒泰氏に対する名誉毀損や侮辱は成立しそう

魚拓

魚拓

魚拓

魚拓

魚拓

 魚拓

 魚拓

「レイシスト」「デマ煽動家」「ヘイトスピーチ煽動」「差別発言」「盗撮」「戦争賛美」

これらは論評の範囲を超えた侮辱や名誉毀損に当たるでしょう。

少なくとも民法上の不法行為にはなりそうです。

差別やヘイトがあったという根拠としてYouTubeでのアカウントBANの事実を持ち出していますが、それだけでは真実性の誤信の証明にすらならないんじゃないでしょうか。

具体的な文言を摘示しているものに関しては明確に差別やヘイトではないので、違法性阻却は不可能でしょう。

何がこのアカウントを駆り立てているのか

魚拓

あっ(察し

以上