事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

前川喜平 ホテルニューオータニ名誉毀損デマツイート削除 魚拓とスクショ

f:id:Nathannate:20191121112721j:plain

魚拓

前川喜平がツイートを3つ削除したようです。

どんな内容だったのでしょうか?魚拓とスクショを見てみましょう。

前川喜平 ホテルニューオータニ名誉毀損ツイート削除 魚拓とスクショ

前川喜平によるホテルニューオータニに対する名誉毀損のデマツイートの魚拓とスクショを読む際の注意ですが、この魚拓に表示されている時間は日本時間より17時間遅れているものです。日本時間では20時台に連続ツイートされているものです。

「官房長官のスタッフに脅された」

前川喜平 ホテルニューオータニのツイートを削除 魚拓とスクショ

魚拓はこちら

「知人が関係者から聞いた話」の時点で、少なくとも「伝聞の伝聞」です。

しかも「ニューオータニの関係者」も、ニューオータニの社員なのか、外部で関係がある人間なのか不明です。この時点で、まったく信ぴょう性がない話です。

さらに言えば「金曜日に呼び出され」は先週の金曜日(11月15日)と思われますが、それよりも前の時点でニューオータニは5000円で受注することもあると回答してるので、辻褄が合いません。

このツイートは11月14日の木曜日にしています。

そして、先々週の金曜日だとすれば、全メディアがそのように報道していたハズです。

よって、この時点でデマだということが分かります

なお、ホテル側の回答が変わったのではなく、メディアは取材時に5000円で提供することもあり得ると聞いているにもかかわらず、意図的に1万1000円からの「パーティープラン」という名前がついているパッケージプランについての回答のみを報道しているということが分かっています。

結局「伝聞の伝聞で真偽不明」とツイート

前川喜平 ホテルニューオータニのツイートを削除 魚拓とスクショ

魚拓はこちら

前川喜平 ホテルニューオータニのツイートを削除 魚拓とスクショ

魚拓はこちら

今後、自民党関係のパーティーがホテルニューオータニで開催されれば、このツイートで言っていることはデマだということが確定します。

まとめ:桜を見る会で安倍政権を倒せればデマでも良いのか

桜を見る会に関連する一部の野党議員や反安倍政権の人間に共通するのは、安倍政権を倒せれば民間に対してデマを流して名誉を毀損しても良いのだ、という考えです。

こんな連中が3分の1近くも議席を取っているのって怖くないですか?

以上

日本維新の会が参議院に森ゆうこ議員の懲罰を求める申し入れ

日本維新の会が森ゆうこ議員に懲罰を求める申し入れ

日本維新の会が参議院に森ゆうこ議員の懲罰を求める申し入れをしました。

その理由とこれまでの経緯を振り返ってみました。

日本維新の会が参議院に森ゆうこ議員の懲罰を求める申し入れ

山東昭子参議院議長へ「森ゆうこ議員の懲罰検討について」の申し入れを行いました。|ニュース|活動情報|日本維新の会

日本維新の会が参議院に森ゆうこ議員の懲罰を求める申し入れをしました。

申し入れ書はこちら

懲罰事由「国家公務員ならあっせん利得、 収賄」と「個人住所晒し」が原因

日本維新の会が申し入れ書に記載した森ゆうこ議員の懲罰事由は2点です。

  1. 参議院予算委員会で、原英史 氏が不正行為を行ったかのような発言を繰り返したうえ、「国家公務員だったら、あっせん利得、 収賄で刑罰を受ける(行為をした)」との事実無根の誹謗中傷を行ったこと
  2. 参議院農林水産委員会で原氏の自宅住所を記載した資料を配布し、HP・SNSで拡散したこと

関連:森ゆうこ議員「原英史は公務員だったらあっせん利得収賄罪相当」⇒免責特権の対象外か

関連:森ゆうこ議員が原英史氏の住所をネットに漏洩:なぜダメなのか

原英史氏は他にも森裕子議員の懲罰事由を指摘

森ゆうこ議員の懲罰を検討いただきたい理由 – アゴラ

理由3:【国会運営への影響
10月11日、台風が接近する中で質問通告が遅れ、行政職員を危険に晒した可能性が指摘された。事実関係の正否に争いがあるが、少なくとも、いまだ十分に説明責任を果たしていると考えられない。

その後、10月16日以降、質問の事前漏洩を指摘し、野党「質問通告漏洩問題調査チーム」を設けるなどし、政府や関係者を追及した。その後、前提となった資料の間違い(ツイート時刻変造)が指摘されたが、これに対して説明責任を果たしていない。

理由4:【根拠不明の資料配布
10月15日参議院予算委員会で、民間人の氏名や顔写真などが掲載された根拠の確認できない資料を配布し、事実の根拠なく、不正行為に関与したかのような印象を形成した。

質問通告遅延問題は足立議員が答弁を引き出すも自民党によって有耶無耶に

台風19号が接近しており早めの帰宅ができるよう各所が配慮している中、質問通告が遅れて官僚の仕事が滞るだけでなく職員の生命身体を危険に晒したことが指摘されています。

これについては森ゆうこ議員が通告時間が分かるものを示せば足りるのにまったく行わない中、足立康史議員が衆議院の質疑で、17時前に来た文書は質問通告ではなく「質疑通告」であったことが判明しました。

関連:森ゆうこ議員、質問通告時間も捏造していた:足立議員の質疑で発覚 

しかし、その後、森ゆうこ議員が以下のツイートをしました。

【根拠不明の資料配布】とツイート時刻捏造事件 

 

これは2段階あります。

1つは原氏も指摘するように、民間人の氏名や顔写真などが掲載された根拠の確認できない資料を配布し、事実の根拠なく、不正行為に関与したかのような印象を形成したことが問題です。

2つ目は、この行為の被害者である高橋洋一氏が国会中継の様子をツイートしたことについて、なぜか森ゆうこ議員が「質疑前に質問内容が漏洩していた!」と騒ぎだしました。

そして、森ゆうこ・柚木みちよし・原口一博・今井雅人議員らが「質問通告事前漏洩問題調査チーム」を発足して官僚に詰め寄っている中、その根拠として示した高橋洋一氏のツイート時刻が書いてある資料が、アメリカ西海岸の時刻表記であったことが発覚しました。

要するに、ツイート時刻を捏造したのです。

それ以来この話題については森ゆうこ議員らは逃げ続け、民間人側がヒアリングを求めても参加しないという不誠実な対応が続いています。

関連:森ゆうこの質問通告問題の野党合同ヒアリングで捏造が発覚!!

関連:ツイート時刻変造問題調査ヒアリング、森ゆうこら逃亡

まとめ

ざっと振り返っただけでもこれだけの人権侵害・立法府の権威を貶める行為をしている森ゆうこ議員ですが、未だに懲罰動議が出されていないことは異常だと思います。

自民党が乗り気ではないせいなのですが、本当におかしいと思います。

以上 

モンスターマップ(偽装破産者マップ)はプライバシー侵害の不法行為

モンスターマップ・破産者マップ

Monster Map(モンスターマップ)というサイトがあります。

これはあの破産者マップを巧妙化したものでありますが、プライバシー侵害の不法行為を免れません。

その根拠を整理します。

「破産者マップ2」Monster MAP(モンスターマップ)の掲載内容

Monster MAP(モンスターマップ)は「破産者マップ2」とでもいう内容です。

掲載内容は会社名・氏名・住所のみですが、丁寧にもGoogle Mapの位置情報とリンクされています。掲載されている情報の日時も2009年7月までのものです。

ただ、「破産者である」ということが書いてあるわけではありません

しかし、インターネット官報の情報と照らし合わせてみれば、明らかに破産手続開始の者の氏名住所等を掲載しているということが分かります。

モンスターマップのデタラメな法的告知

モンスターマップの「法的告知」とある画面では以下のような文言があります。

閲覧者は、このWEBサイトを閲覧した時点で、このWEBサイトの存在やこのWEBサイトの情報を他社や第三者に知らせる、掲示板や不特定多数が閲覧するインターネットサービスに投稿、転載、引用しないことに同意するものとします。

このWEBサイトはフィクションです。

しかし、このような文言があるからといって著作権法上の引用が不可になるということはありませんし、フィクションであるという断りがあるからといって個人情報を載せている事実は変わりません。

偽装破産者マップはプライバシー侵害の不法行為

偽装破産者マップであるモンスターマップは、個人情報保護法違反などの批判を逃れるために巧妙なつくりに変えたようですが、少なくとも住所を公開したことがプライバシー侵害によって民法上の不法行為を構成すると考えられます。

判決文記載の登記簿上の住所のブログ公開が不法行為になった裁判例

【東京地裁 平成22(ワ)47931号 平成23年8月29日判決】

事案の概要 原告X1は全日本海員組合の組合長であり、被告が原告と被告との訴訟の判決文をインターネット上のブログに掲載した際に原告の住所が公開された(3ヶ月後に削除)。原告はこのことをプライバシー侵害として訴えた。被告は、原告の住所は登記簿や電話帳にも記載されていることからプライバシーの利益として保護されないと主張した。しかし、裁判所は以下判断してプライバシー侵害の不法行為を認め被告に6万円余の支払いを命じた。

登記簿や電話帳への自宅住所の記載は、いずれも一定の目的の下に限定された媒体ないし方法で公開されるもので、同目的に照らし限定的に利用され、同目的と関係ない目的のために利用される危険は少ないものと考えられ、公開する者もそのように期待して公開に係る自宅住所情報の伝搬を上記範囲に制限しているというべきであるから、原告X1が自宅住所情報につきプライバシーの利益として保護されることまで放棄していると評価することはできない

インターネット上でも閲覧できる登記簿に掲載されている代表者の住所であり、判決文に記載されているものであったとしても、この事案では公開する利益が公開されない利益を上回ることはないとして、プライバシー侵害として不法行為となったということです。

そして、登記簿上の代表者住所についてもネット閲覧が禁止されました。

インターネットでの登記簿上の住所閲覧が禁止になることが決定

法務省:法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会第19回会議(平成31年1月16日)開催

また、以下の内容の附帯決議がされた。

省略

2 省略

 (2) 電気通信回線による登記情報の提供に関する法律に基づく登記情報の提供においては,株式会社の代表者の住所に関する情報を提供しないものとする。

 

インターネット上で登記情報を見ることができるサービスがあります。

しかし、過去に法人の代表者の個人住所がみだりに利用される事案が発生しました。

そのため、ネット上での閲覧を制限する必要性があるのではないか、実際上も法人の住所だけがあれば良い場合がほとんどではないか、という意見が出たため、ネット上での閲覧のみ規制をかけることが決定されました。

参議院議員森ゆうこが法人の代表者の個人住所を晒して国民民主党が謝罪

関連する事件。

参議院議員の森ゆうこ議員が国会質疑の場で使用する資料の中に登記簿の写しがあり、法人の代表者の個人住所がマスキングされずにオープンになっていた問題がありました(質疑後にネット上で公開もしていた)。

その際も本人からの抗議や日本維新の会による働きかけによって黒塗り対応がなされ、さらには森ゆうこ議員が所属する国民民主党が謝罪しました(森ゆうこ議員の謝罪はない)。

個人の名前と住所がネット上で公開されてしまったことに対して、このように対応するのが社会的な常識となっているということが分かります。

たとえ住所が「公開情報」であったとしても、それを本来の用途以外で拡散する行為≒ネット上で閲覧可能な状態に置き換えることは慎むべきものと考えられており、不法行為となった裁判例もあるということです。

破産法の趣旨に反して再拡散するモンスターマップ

そもそも、破産法の官報公告の趣旨*1破産手続の関係者に対する裁判の告知や書面の送付を速やかにかつ経済的に実施するためのものであるとされています。

そのため、そのようないわば「正当化」するための実態と形式を備えていない再拡散行為は、官報公告と同じように考えることはできず、公開する利益が公開されない利益を上回ることは無いと言えます。

しかもモンスターマップはGoogle Mapの位置情報とリンクさせているところ、Google Mapはアップデートされた地図を用いていますから、「現在の情報」として閲覧者が認識するようになっています。

すると、既に引っ越しで住居人が変わった場合や破産手続が終了した者であっても、今現在も破産者であると誤解させるつくりになっており、そのような方々に対する名誉毀損にもなりうるものです。

これは閉鎖した破産者マップについても当てはまります。

関連:破産者マップが閉鎖:なぜ官報情報を地図化するのはダメなのか

個人情報保護法違反や名誉毀損がなくともプライバシー侵害による不法行為か

モンスターマップは個人情報保護法違反や名誉毀損かは不明です。

しかし、少なくとも個人名と住所という情報はプライバシーとして保護されるものであり、官報記載の破産者情報はその趣旨の限りでの用途で利用されると本人らも期待しているために掲載が許されているものです。

よって、少なくともプライバシー侵害の不法行為にあたるのではないでしょうか。

ただし、被害者の多くは破産者であることで動くための金銭が無く、心理的なハードルもあると考えられますから、今後は【破産者マップ被害対策弁護団】が再度対応していくことになると思われます。

以上

*1:条解破産法・弘文堂2010年

竹田恒泰氏 山崎雅弘氏を名誉毀損で提訴 リツイートした人も検討

竹田恒泰氏が山崎雅弘氏に訴訟提起

竹田恒泰氏が山崎雅弘氏を名誉毀損で提訴する準備に入りました。

山崎氏のツイートをリツイートした人に対しても訴訟提起を検討中とのことです。

何が原因でしょうか?

山崎雅弘氏の竹田恒泰氏に対する名誉毀損ツイート

魚拓

魚拓

竹田恒泰氏は最初に、これらのツイートを名誉毀損として山崎氏に警告しています。 

根拠はBuzzapが取り上げたYouTubeアカウントBAN事件

根拠はBuzzapが取り上げた、YouTube竹田恒泰チャンネルのアカウントBAN事件

現在は竹田恒泰チャンネル2として活動していますが、その前のアカウントはBANされたままです。

Buzzapの記事では「差別的な言動」としていますが、そのような事実となる発言をまったく示しておらず、唯一以下の指摘があるのみです。

引用している記事の魚拓

アイドル刺傷事件の犯人について何の根拠もなく「日本国籍ではないと思われる」と言い放つなど、もともと差別的な言動が多かった竹田氏。

これが法的な意味でも国語的な意味においても差別ではないことは明らかです。

「YouTubeが差別的言動だとしてBANしたから」

要するに「YouTubeが差別的言動だとしてBANしたから」というのが山崎雅弘氏が竹田恒泰氏が差別的発言をしたと考える根拠のようです。

しかし、竹田恒泰チャンネルがBANされた経緯からすると、言動が原因というよりは通報が一時期に集中したことによる機械的な対応だった可能性が高く、竹田恒泰氏も以下でまとめています。

 「韓国人への差別的言動」とも言い始める山崎雅弘氏

魚拓 

魚拓

 

魚拓

「ビール販売数激減に繋がり」って…

まともな因果関係判断ができる人は決して言わないですね。

山崎雅弘氏は「韓国人への差別的言動」とも言い始めたわけですが、どこかで聞いたことがあるような展開ですね。

山崎雅弘とchocolat

https://web.archive.org/save/https://twilog.org/mas__yamazaki/date-191116

おやっ?どこかで見たことがあるアカウントが…

竹田恒泰氏が講演会妨害を煽ったユーザーに対し訴訟、通報

差別主義者・人権侵害常習犯とされた竹田恒泰チャンネルの動画 

警告、訴訟予告

 いきなり訴訟提起したのではなく、警告、訴訟予告と段階を踏んでるのが分かります。

リツイートも訴訟提起の準備、一般人は発信者情報開示請求から

竹田恒泰氏は、山崎雅弘氏のツイートをリツイートした人に対しても訴訟提起の準備も検討していることを明言しています。

これは、橋下徹氏の岩上安身氏に対する訴訟において、リツイートが賛同の意であるとされて名誉毀損が認められた裁判例があるためです(大阪地裁令和元年9月12日)。

この判決は事例判断だろうと言われていますが、リツイートが賛同の意であると認定されるような発信をしていたならば、別の事案でも名誉毀損と認定される可能性はあると思います。

また、一般人についても発信者情報開示請求で住所を特定してから訴訟提起する予定とのことです。

争点はYouTubeのアカウントBANの信頼性か

竹田恒泰氏と山崎雅弘氏の訴訟の争点は「YouTubeによって差別的であることを原因とするアカウントBANがあったという事実の存在が、差別的な発言があったと誤信する程度の真実性を担保するか否か」だと思います。

参考:夕刊和歌山時事事件最高裁 昭和44年6月25日大法廷判決

私の予想としては、おそらくYouTubeの判断はYouTube内部の判断として、世の中一般に言う「差別」判断とは一致しないと考えられるから、「YouTubeが差別的だとしてBANした」ことをもって差別発言があったと認定することはできず、別の具体的な言動を指摘しなければならないという判断になるのではないかと思います。

以上

枝野幸男「久兵衛は総理に近い評論家が言った」田崎史郎(スシロー)に責任を擦り付け?

枝野幸男とスシロー

11月17日のBS朝日「激論クロスファイア」において。

枝野幸男議員は、ホテルニューオータニでの桜の会前夜祭に久兵衛の寿司が出た根拠を「総理に近い寿司に縁のある評論家が言っていたから」と発言しました。

これはデマに基づく発言である可能性が非常に高いものです。

枝野幸男「総理に近い寿司に縁のある評論家が言っていたから」

枝野 私の知っているのは、久兵衛の寿司が出たと安倍さんに非常に近いと言われている、また寿司に縁のある評論家の方がテレビで仰った。その方が仰るんだから本当なんだろうなとみんな思っている。

枝野幸男議員は「寿司に縁のある評論家の方がテレビで仰った」と発言しています。

これはいったい誰のことでしょうか?

寿司に縁のある評論家とは「スシロー」の田崎史郎か

寿司に縁のある評論家」と言ってもピンと来ない人が多いと思います。

実は、一部ネット界隈では田崎史郎氏が「スシロー」と呼ばれています。

由来は、安倍総理と寿司など会食をともにする事が多いことを揶揄していることから来ているようです。このこと自体はネット上で検索すればいくらでも出てきます。
※実在する店舗名との関係は不明です。

実際に枝野議員の上記番組での発言で「スシロー」と連想した人が居ました。

魚拓

魚拓

そのため、枝野議員が「寿司に縁のある評論家」と言ったのは田崎史郎氏を指して言っているものと推察されますが、どうなんでしょうか?

他に「安倍総理に非常に近い評論家」で「寿司に縁のある」で通じる人物って存在するのでしょうか?そして、そのような人物が「テレビ番組で」「桜を見る会前夜祭において久兵衛の寿司が出ていた」と発言したという事実はあるのでしょうか?

「田崎史郎が久兵衛と言い出した・証言した」はデマ

魚拓

ネット上では立憲民主党を支持する者たちを中心に「田崎史郎が久兵衛と言い出した・証言した」などと言われることがあります。

しかし、これは明確にデマです。

既に以下の記事で検証していますが、ここでも簡単に触れます。

番組進行上は久兵衛の前提だったが田崎氏は留保

「テレビで仰った」とは、11月14日のモーニングショーでの発言を指していると思われます。実際にネット上ではこの発言をで取り上げて、「田崎氏が根拠づけた・お墨付きを与えた」という趣旨で「田崎史郎が久兵衛と言い出した」と言われているケースがあります。

しかし、それはデマです。

田崎氏は番組進行の中で黒岩たかひろ議員が久兵衛の寿司が出てると発言したことを引用し、その直後に解説を求められています。そのうえで田崎氏は以下発言しました。

これね、聞いてみますと、立食パーティーなんですね。で、テーブルがいくつもあって、その中に寿司があったかもしれない。ですけれども、850人の方々に全員に久兵衛の寿司を出しているわけじゃないわけですね。当たり前のことながら。で実際にこういうときに食事を出すのは、850人集まられたとしても人数の半分くらいしか食事を出していないんですね。だからニューオータニも損しないし、かつ、領収書はニューオータニから参加された方から切られているんですね。領収書は切られているってことで、そこではね、法的な問題は生じないっていうことなんです。

このように、田崎氏は(久兵衛の)寿司があったかもしれないと存在を留保しているわけです。それは番組進行を全否定するわけにもいかないための発言だったのでしょう。

決して「田崎氏がお墨付きを与えた・根拠づけた」などと評価することはできません。

久兵衛と言い出したのは黒岩たかひろ・石川大我議員

11月14日モーニングショー

魚拓

11月12日の午後3時頃から始まったと思われる野党合同ヒアリングの冒頭において、黒岩たかひろ議員が「久兵衛のお寿司が出たとか、とても5000円ではまかないきれない」と発言しています。

黒岩議員のこの発言がテレビ番組等でよく引用されています。

ツイッター上では石川大我議員の同日午後4時26分のツイートが、前夜祭との関連で久兵衛に言及した最初のツイートです。

いずれも枝野氏が代表を務める立憲民主党の議員です。

田崎史郎氏がテレビ番組で発言したのは14日ですから、もしも枝野氏が田崎氏の発言を信じて久兵衛だと思ったのだとすれば、いったい黒岩議員と石川議員の発言は何を根拠にしていたのでしょうか?この時点では何らの根拠も無かったということになりますが?

まとめ:枝野議員は田崎史郎氏に責任を擦り付けようとしている?

  1. 枝野議員は「久兵衛は総理に近い寿司に縁のある評論家が言った」と発言
  2. 「寿司に縁のある」とは「スシロー=田崎史郎氏」というネットスラングを念頭に置いた発言か
  3. 田崎史郎氏が久兵衛が出たことにお墨付きを与えたというのはデマ。番組進行上否定するわけにもいかず、留保つきで発言しているだけ。

枝野幸男議員が自党の議員が発言したことを信用していなかったというのは驚きです。

しかも、「総理に非常に近い寿司に縁のある評論家」が田崎史郎氏を指すのであれば、それは公党の代表者がデマによって一評論家に責任を擦り付ける行為です。

そうすると、やはり昨年の演説で「加計学園の理事長は辞任するべきだ」と発言したときに除名するべきだったんじゃないでしょうか?

以上

NHKの桜を見る会の記事が印象操作のお手本過ぎるので読んで欲しい

NHKの桜を見る会に関する記事で印象操作のお手本のような見事な記事がありました。

何がどう印象操作・誘導なのかを整理して紹介したいと思います。

 「桜を見る会」安倍首相の国会答弁と食い違う証言 | NHKニュース

「桜を見る会」安倍首相の国会答弁と食い違う証言 | NHKニュース別の魚拓

今回紹介するのは 2019年11月14日 20時02分に公開されたNHKの記事です。

まず、タイトルから「安倍首相の国会答弁と食い違う証言」という表記であり、まるで安倍側が虚偽の発言をしているかのような印象を一般的に受けるものになっています。

懇親会と会費徴収と政治資金規正法

まず「桜を見る会」の前日に「前夜祭」などと称して安倍総理大臣の後援会が都内のホテルで毎年、開いていた懇親会についてです。

NHKが入手した「桜を見る会」の案内文には、前日の懇親会について、安倍総理大臣の後援会が主催し会費は5000円だったと記されていて、ことしの懇親会に出席した女性は「850人ぐらいが出席していた」と証言しています。

最初に触れるのが前夜祭の事実関係。この部分は問題ありません。

政治資金規正法は、政治団体が会費を徴収して催し物を開いた場合には、その収支を政治資金収支報告書に記載することを義務づけています、政治団体「安倍晋三後援会」の収支報告書にはこうした懇親会の収支の記載はありません。

ここで、NHKは「会費を徴収」した場合には報告書に記載義務があるが安倍事務所は怠っている疑惑を指摘しています。

懇親会について安倍総理大臣は今月8日の参議院予算委員会で「各個人がホテルとの関係においてもそれはホテルに直接払い込みをしているというふうに承知している」と答弁し、会費は出席者がれぞれホテル側に直接支払ったと受け取れる説明をしています。

「出席者がそれぞれホテル側に直接支払ったと受け取れる説明」という部分。

これは安倍総理の発言の趣旨を分かった上で、敢えてそれと異なる方向に読者の認識をずらそうとしていることがうかがえる記述です。

どういうことか?

「参加者がホテルに直接払い込み」の法的な意味

あなたが飲み会の幹事だとします。

幹事は飲み会の代金を集めて一括でお店に支払うことが通常です。

その場では事実としては参加者⇒幹事⇒お店の順番でお金の受け渡しが発生します。

それは幹事にとって「参加者が渡したお金分の収入が発生した」と言えるでしょうか?

一定の場合には幹事は確定申告をしなければならないのでしょうか?

もちろん、そんなことはありませんよね。

幹事は単にお金をごく短時間の間に一つに取りまとめただけであって、収入を得たという処理にはなりません。

ですから、法的には参加者⇒お店にダイレクトに支払いが行われたとみる
※或いは前夜祭の話は参加者⇒旅行代理店 旅行代理店⇒ホテルという流れかもしれない

これが事実としての把握と法的な把握の違いです。

お店も特段に「幹事から徴収した」扱いにはしません。

事実としての行為と法的な行為の把握のズレを利用

さて、安倍総理が言っている「ホテルに直接払い込み」は法的な意味です。

それは11月15日に安倍総理が記者団に対する会見で述べています。

令和元年11月15日 「桜を見る会」(3)及び北海道大学教授の解放についての会見 | 令和元年 | 総理の一日 | ニュース | 首相官邸ホームページ

旅費、宿泊費につきましては、各参加者がそれぞれ旅行代理店に支払いし、夕食会費用につきましては夕食会場の入口の受付にて、安倍事務所職員が一人5,000円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受付終了後に、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で、参加者からホテル側への支払いがなされた、ということであります。

NHKは「出席者がそれぞれホテル側に直接支払ったと受け取れる説明」と、理解の仕方に事実面の捉え方と法的な捉え方があり得るが、現時点ではいずれにも確定していないという表記でした。この記述自体を責めることはできません。

しかし、後の記述との関係で、これは見事な印象操作に変わります。

ホテル側「主催者や代表者から一括で受け取る」

「桜を見る会」安倍首相の国会答弁と食い違う証言 | NHKニュース

「代金は一括で受け取る」「最低で1人1万1000円から」

数百人規模のパーティーの代金を出席者一人一人がホテル側に直接支払うことは可能なのでしょうか?

NHKは過去に懇親会が開かれていた都内の2つのホテルに取材しました。いずれも個別のケースについては答えられないとしましたが、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」は「パーティーの代金は原則として出席者から個別に受け取ることはなく主催者や代表者から一括で受け取る」と説明しました。

 「ホテルニューオータニ」は「代金を個別に受け取るか一括かはケースバイケースで相談次第だ」と回答したうえで、会費5000円のパーティーのプランはあるかどうか尋ねたところ「パーティープランの最低価格は1人1万1000円からで値切り交渉などには応じられない」などと説明しました。

ホテル側は事実としての行為を説明するのでこのような説明にならざるを得ません。

これを見た一般人は、「安倍は嘘をついてるのではないか」と思う可能性が高いです。

特に、NHKの記事タイトル自体が「安倍首相の国会答弁と食い違う証言」となっている前提では、そのように理解する人が出るのが当然だと思います。

この文章の項目の見出しも「代金は一括で受け取る」とあり、安倍総理の「各個人がホテルとの関係においてもそれはホテルに直接払い込みをしている」という発言と齟齬が生じているということを言わんばかりです。

「パーティープランは1万1000円を下回ることはない」

「桜を見る会」安倍首相の国会答弁と食い違う証言 | NHKニュース

 「ホテルニューオータニ」は「代金を個別に受け取るか一括かはケースバイケースで相談次第だ」と回答したうえで、会費5000円のパーティーのプランはあるかどうか尋ねたところ「パーティープランの最低価格は1人1万1000円からで値切り交渉などには応じられない」などと説明しました。

NHKの当該記事中で最も作為的なものが感ぜられるのがこの部分です。

これは取材方法を意図的に調整していると考えられます。

1万1000円からの「パーティープラン」とはパッケージプランのこと

ホテルニューオータニのパーティープラン

ホテルニューオータニ公式HP

ホテルニューオータニの公式HPでは「パーティープラン」という項目があります。

たしかに1万1000円からの表記になっています。

要するに、これはホテルニューオータニ側がある程度の大枠を決め、その中で客が要望を伝えて微調整する「パッケージプラン」であって、値下げ交渉を行わないというのは当然なのです。

しかし、ニューオータニが用意している宴会プランはこのプランだけではありません。

ホテルニューオータニの宴会プランは「パーティープラン」だけじゃない

ホテルニューオータニのパーティープラン

ホテルニューオータニの宴会プランの一覧です。

上述の「パーティープラン」は、この中の一つに過ぎないというのが分かります。

下部に「ケータリングプラン」がありますが、この料金体系を見ると、人数が多くなればなるほど一人当たりの価格が下がるというのが分かります。

50名と100名とでは一人当たりの価格が1000円も異なります。

安倍事務所主催の「前夜祭」が850人の規模ですから、これを参考にして考えると十分にあり得る値段だということがうかがえます。

多局では「5000円でできるかは宴会の形式等次第」と回答したと報道

「5000円でできるかは宴会の形式などによる」

ホテルニューオータニはこのように回答しています。

NHKは、この回答を引き出せなかったのでしょうか?

NHKはなぜ他の宴会プランについて書かなかったのか?

疑問なのがNHKはなぜ他の宴会プランについて書かなかったのか?ということです。

ホテルニューオータニには1万1000円からのプラン以外にも多数のプランがあるのにもかかわらず、敢えて1万1000円からのプランの話しか書かなかったのは、単なる取材不足だったのでしょうか?

私はそうは思いません。

私は日ごろからNHKの記事を見ていますから、その速報性・取材密度・正確さについて尊敬しています。たまに五月雨式に追記される場合がありますが、それも必要な情報を順次追加しているという感じで、組織力を見せつけられている思いです。

そんなNHKが一般的なパッケージプランの価格についてだけ報じ、HP上で簡単にほかの可能性を認識でき、他局も報道している「5000円でできるかは宴会の形式などによる」というニューオータニの認識を報じなかったのは、なぜでしょう?

敢えて質問しなかったか、ワザと1万1000円のプランだけ書いたか

2パターンあると思います。

  1. 最初からパッケージプランについてのみ質問して取材を終えた
  2. 5000円でできるかは形式によると聞いたが敢えてそれは書かなかった

いずれも記事中に書かないことによって「嘘をついた」ことにはなりません。

こうやって、事実のみを報じることで読者の認識を誘導する記事が完成します。

締めの違法疑惑と偏向報道批判回避 

NHKの記事の最後には「政治資金収支報告書への記載漏れ たびたび問題に」という項目で、政治団体の催しで政治資金収支報告書への記載漏れが生じたケースとして「菅原一秀後援会」のバス旅行、工藤彰三衆議院議員の政治団体「彰友会」での総会・報告会の収支が不記載だった事例を紹介しています。

当初の説明と異なる結果となったとして、今回の安倍事務所の対応もそうではないかと読者に思わせる書きぶりになっています。

そして、最後に立憲民主党の近藤昭一元副代表の政治団体の不記載の事例も出し、「偏向報道」との誹りを免れる形を整えようとしていることが伺えます。

まとめ

  1. タイトルと見出しで記事の理解の方向性を限定
  2. 事実としての行為の把握と法的な事案の把握のズレを利用した印象操作
  3. 容易に他の可能性を確認できるハズなのに、わざわざパッケージプランの料金体系だけを記述する誘導
  4. しかし、嘘は書いていない
  5. 他の類似事案を紹介して違法の印象を与える構成
  6. 申し訳程度の野党の事例で「偏向報道批判」回避

このNHKの記事は印象操作の教科書として記憶にとどめたいと思います。

実は他の新聞社の記事でも桜を見る会に関する記事は同様の手法が行われていますので(特に上記2と3)、読んでみるといいでしょう。

以上