事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

上昌広ついに「擬陽性」と「偽陽性」を間違え、医師免許も擬陽性か?

上昌広、ついに偽陽性と擬陽性を間違える

上昌広の医師免許が擬陽性だわ。

上昌広ついに「擬陽性」と「偽陽性」を間違える

魚拓

上昌広がついに「擬陽性」と「偽陽性」(いずれも「ぎようせい」)を間違えました。

 「偽陽性」と「擬陽性」の違いって?

「偽陽性」と「擬陽性」の違いを凄く簡単に言えば

  • 偽陽性は「間違った陽性結果
  • 擬陽性は「陽性が疑われる結果

偽陽性は陽性の結果が出ていますが、擬陽性は陽性判定基準を満たしていない状態。

この二つとも医学用語です。

法律家が法律起案で「悪意」を一般用語の意味で使っているようなレベルの間違いだと思います。単純ミスであっても総スカンを喰らうレベルの話だと思います。

Buzzfeedにも匙を投げられて冷静さ()を失ったのでしょう。

上昌広の医師免許も擬陽性?

上昌広は内科医を名乗っていますが、厚生労働省の医師登録検索システムでは、上昌広が検索結果に出てきません。

上昌広の医師免許も擬陽性(医師免許が無いことが疑われる)?かと思いきや、どうやらこれは数年毎の届け出がなされていないだけで、医師免許を持っていないということではなさそうです。

それにしても、届け出してないというのもまた問題だと思いますが。

以上

松山教授「喉が痛くなってガラガラ声」ポビドンヨード(イソジン)うがい研究メディアは無視

ポビドンヨード(イソジン)うがい松山教授

ポビドンヨード(イソジン)うがいの新型コロナに対する効果を研究した松山晃文教授ですが、健康被害があり得ることを会見で言っていたのにメディアが無視しています。

ポビドンヨードうがいによる新型コロナに対する研究の結果を発信する吉村知事

ポビドンヨードうがいによる新型コロナに対する研究の結果を8月4日に発信した吉村知事(と松井市長)ですが、内容が正確に伝わっていないので簡単に整理します。

イソジンうがいの研究目的

①重症化抑制への期待

②副次的に:飛沫中のウイルス量減少への期待

ということで、決して「新型コロナウイルス感染予防」効果があると言っているわけではありません。大阪は「感染者や濃厚接触者、高リスク従事者向け」とアナウンスしましたが、そんなことお構いなしに一般人が薬局に買いに走っていました。

イソジンうがいの研究方法

・ポビドンヨードうがい群とうがいをしない群に分けて実施

・うがいは1日4回、下向きにプクプクうがい1回のあと、上向きにガラガラうがいを2回

イソジンうがいの現時点での研究結果

・ポビドンヨードうがいは、まったくうがいをしない群に比較して、唾液によるPCR検査で、新型コロナウイルス陽性の出現率が低下した(唾液は朝起きた時に採取し、うがいはその直前には行っていない)

健康被害やエビデンスの弱さは無視されている

吉村知事はエビデンスが弱い段階で行政として発表したことについて「ポビドンヨード(いわゆるイソジンに入っていることが多い)でのうがいは一般的に行われているので健康被害が無い」ことから励行したと言っていますが、松山教授が同じ会見の場で以下指摘しています。

松山教授「うがいをすると喉が痛くなってガラガラ声になる」

実験を行った松山晃文教授は、会見の記者からの質問に対して、「うがいをすると喉が痛くなってガラガラ声になる」と言っています。

で、従前からポビドンヨードうがいはのどの粘膜などを傷つけるのではないかと言われてて、松山教授自身も、「感染した細胞がはがれる」ことによる効果があると考えていることを暴露しています。

水うがいでもウイルス量は一定程度減る」とも言っているのがわかります。

これは研究結果について言及しているのではないですが、松山教授の見立てとして無視できません。なお、8月5日のひるおび出演時にもこの点が指摘されていました。

これは、水道水によるうがいが風邪予防に効果があり、他方でポビドンヨード液によるうがいでは対照群との違いが現れなかった、という研究結果が念頭にあります。

Prevention of Upper Respiratory Tract Infections by Gargling A Randomized Trial(American Journal of Preventive Medicine, Volume 29, Number 4)

この研究は新型コロナではなく、一般的な感染症について、症状が出なくなったという意味での効果を測定した結果であり、ウイルス量を測定したりはしていないのですが、松山教授がこの研究について触れていないのが気になります。

特殊なうがい方法:新型コロナウイルスは舌の周りで増える

新型コロナウイルスは舌の周りで増えるという特徴がある。 

唾液PCRがインフルエンザでは行われないのに、新型コロナウイルスでは行われていることの違いは、このためです。

ですから、一般的に行われている上向きのガラガラうがいだけでは効果があるのか、よくわかりません。

にもかかわらず、大阪府・吉村知事のポビドンヨードうがい励行のアナウンスでは、このようなうがいの方法については何ら言及がありませんでした。

以上

 

共同通信石井暁記者「海上保安庁と連携、は刺激的な言葉」「想定と行動は何か」河野大臣「手の内は明かさない」

共同通信の石井暁記者「危険な思想では?刺激的な言葉では?」河野大臣「手の内は明かさない」

防衛大臣記者会見で共同通信記者の質問があまりにもひどいので見ていきます。

防衛大臣記者会見令和2年8月4日(火)

問題の記者の質問は防衛大臣記者会見令和2年8月4日(火)

動画リンク:https://www.youtube.com/watch?v=HjUnkFa2WmY&feature=youtu.be

テキストリンク:防衛省・自衛隊:防衛大臣記者会見|令和2年8月4日(火)10:58~11:15

共同通信石井暁記者「海上保安庁と連携、は刺激的な言葉」

共同通信の石井暁記者の顔写真とプロフィール

出典:https://www.toben.or.jp/know/iinkai/himitsu-kyobozai/pdf/sinpo2202.pdf

石井記者:先ほどの冒頭の幹事社質問に関してなのですが、中国の海警局の公船と漁船の報道についての質問に対して、大臣は海上保安庁と連携して、必要な場合にはしっかり行動をとってもらいたいとおっしゃられました。かなり刺激的な言葉だと思うのですが、海警局公船と漁船の行動について質問しているのに、こういった刺激的な言葉をとったということと、実際、しっかり行動というのは何を指すのかということを教えてください。

河野大臣:特に刺激的なことを申し上げたつもりはございません。様々なことが南シナ海を始め、行われているわけでございますから、万が一自衛隊が対応しなければならないような事態になった場合には、しっかり自衛隊が対応するということでございます。

※※※※※※※※※※※※※※

「必要な場合には自衛隊と海保が連携する」のどこが刺激的なんでしょうか?

中国の「海警局」はカウンターパートとしては海上保安庁であり、組織は警察に組み込まれているので「軍ではない」のですが、では、そういう組織が形式的には軍ではないからといって、強力な武器を持って侵略行動に出たらどうするのか?

そこには国際法の抜け道を狙った様々な駆け引きがあるのですが、「自衛隊が絶対に出動しない」ということではないということを示す意義があるでしょう。

共同石井記者「想定と行動は何か」河野大臣「手の内は明かさない」

石井記者:幹事社の質問は、あくまでも中国海警局の公船と漁船の行動についての質問で、それに対して大臣は海保と連携して必要な場合にはしっかり行動をとってもらいたいと。どういう想定でどういう行動のことを考えてらっしゃるのでしょうか

河野大臣:手の内は明かしません。

石井記者:非常に国の行先を左右するような重要な問題なので、我々に説明して、国民に説明する義務があるんじゃないでしょうか。

河野大臣:手の内を明かすことは差し控えます。

※※※※※※※※※※※※※※

中国海警局の公船と漁船の行動について、予め定まった航路と行動・言動をするということは何ら決まってもいないわけで、「どういう行動をするのか?」というシミュレートをする必要があります。

で、石井記者は「そのシミュレートの中身を公開しろ」と言っているわけです。

防衛行動にかかわる話を世間一般に、というか中国共産党にバラすわけがないでしょう。「我々」「国民」とは、いったいどこの国民なのでしょうか?

日本国民がそれを知らなかったところで何ら不利益になりませんし、むしろ公開する方が日本国すなわち日本国民にとって不利益でしょう。

石井暁「防衛大臣が国の命運を手中にする極めて危険な思想では?」

石井記者:でもそれは、そんなことを言っていたら国の命運は全て防衛大臣の手中にある、あるいは総理大臣の手中にあるというふうになるので、極めて危険な発想だと思うのですが。

河野大臣:そうは思いません。

※※※※※※※※※※※※※※

外国の侵略行為に関して国の命運は全て防衛大臣あるいは総理大臣の手中にあります。

指揮命令系統として当たり前の話です。

また、議院内閣制も相まって、選挙制度によって国民が国会議員に国政の運営を付託したことの当然の帰結です。

石井暁記者は長年自衛隊を取材してきたようですが、思考が日本国や日本国民を向いていないので、もはや当たり前の理屈すら簡単に蔑ろにする質問を繰り返してますね。

以上

中国で新型ブニヤウイルスによる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の死者が発生

マダニと新型ブニヤウイルス

中国で新型ブニヤウイルスによる死者が発生したと日本メディアが報じました。

用語の整理をすれば、あまり混乱しないと思います。

中国で新型ブニヤウイルスSFTSによる死者が発生

中国で「新型ブニヤウイルス」に感染し7人が死亡 62人が感染か魚拓

中国メディアによりますと、江蘇省南京市に住む60代の女性は40度の高熱が続いてせきとだるさもあったため病院に行ったところ、新型ブニヤウイルスに感染したと診断されました。同じ病院では今年に入り、合わせて37人の感染が確認されているということです。

中国で新型ブニヤウイルスによる死者が発生していますが、これはNovel Bunya Virus という、SFTSと呼ばれるウイルスによるものです。

Novel Bunya Virusは7月に5人死亡が報道

Virus spread by ticks kills 5, sends 23 to hospital in East China's Anhui Province - Global Times

新型ブニヤウイルス=Novel Bunya Virusは7月にも5人の死亡が報道されていました。

しかし、Twitterでもこのようなニュースに触れるのはこのツイートが最初で、ほとんど拡散されていませんでした。

実は、日本国内でも毎年60~100名程度の患者が報告されています。

ダニに刺されることによって引き起こされる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A|厚生労働省

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

SFTSは2011年に中国の研究者らによって発表されたブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新しいウイルスによるダニ媒介性感染症である

用語の整理をすると

  1. 重症熱性血小板減少症候群=Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome(SFTS)⇒感染症の名前
  2. ブニヤウイルス⇒感染症を引き起こすウイルスの科の名称
  3. SFTSウイルス⇒感染症を引き起こすブニヤウイルス科のウイルスで、2011年に「新型」として発見。今回言われているのはコレ。

ちょうど、今年流行している感染症の名前がCOVID-19、SARS-Cov-2が感染症を引き起こすウイルスの名前で、それが属するウイルス群の総称がコロナウイルスと付けられているのと同じです。

発症すると白血球の減少や体内の出血などが見られるようです。

「ダニ媒介性感染症」というのが特徴ですが、血液等の患者体液との接触により人から人への感染も報告されています

人人感染もある「新型」だが今回新たに見つかったわけでは無さそう

ということで、「新型」=Novelと付けられていますが、今年になって新たに発見されたタイプのウイルスだという事ではなさそうです。「今年に入り、合わせて37人の感染が確認されている」と報道されていますからね。

2010年に発生したインフルエンザだって、現在でも「新型インフルエンザ」と呼んでいるのと同じことです。

新型コロナウイルスのようにその病態がまったく不明、というわけではないので、今のところは心配する必要は無さそうですが、マダニには日ごろから要注意ということです。

WHOなどの機関がどう反応するのかは要注目だと思います。

以上

大阪吉村知事ポビドンヨードうがいで新型コロナ陽性率低下と説明の疑問、イソジンが店頭から無くなる

大阪府吉村知事がポビドンヨードうがいで新型コロナ陽性率低下と説明

大阪府吉村知事がポビドンヨードうがいで新型コロナ陽性率低下と記者会見で説明しましたが、説明された研究内容と研究結果に疑問があります。

大阪吉村知事ポビドンヨードうがいで新型コロナ陽性率低下と説明、イソジンが店頭から無くなる

大阪吉村知事が記者会見を行い、大阪はびきの医療センターの実験結果を紹介して、ポビドンヨード(いわゆる「イソジン」が有名)うがいで新型コロナ陽性率低下と説明しました。

その結果、イソジンが店頭から無くなるところが相次ぎました。

この研究は、宿泊療養施設に居る新型コロナ感染者41人を対象に行った結果のようですが、ハッキリ言って今の段階で期待できるようなものではありません。

1:ポビドンヨードうがい=含嗽(がんそう)と含嗽無し

  • ポビドンヨードうがい=含嗽(がんそう)群
  • うがい無し群

この2グループしかありません。

なぜ、水道水でのうがい群が無いのでしょうか?

先行研究では、水道水でうがい群、ポビドンヨードうがい群、コントロール群(生活習慣を維持。うがいをしていた人も含まれるが、研究機関中に36%がうがいをまったくしていない)という研究デザインのものがあります。

そして、その結果は水道水でのうがい群が有意に感染症の発症を低下させたが、ポビドンヨード群あまり減らしていない、というものでした。

2:唾液検体を採取してPCR検査の陽性出現頻度を比較

唾液検体を採取する方法でPCR検査をしたようです。

しかし、口の中をすすいだということであれば、唾液中のウイルスは減るに決まってるでしょう。

「PCRの陽性率」などという聞きなれない言葉が出てきましたが、これは感染者に対して毎日PCR検査をして、その際に陽性の結果が出た頻度を比べたものに過ぎません。

新型コロナの特性としてベロにこびりつくというものがあるので、それに対して効果的なうがい方法を実施した、などと大阪はびきの医療センターの者が言っていますが、咽頭奥に存在するものについては期待薄です。

3:新型コロナの重症化を防ぐ効果があるのかを探るために研究を実施している最中

本研究はうがいによって口腔内の新型コロナウイルスの量を減らすことで、感染症の重症化を防ぐ効果があるのかを探るために実施しているようです。

途中経過を発表しただけ、ということになります。

そのため、今後は重症化率なども分析指標として出てくるのでしょうが、今のままでは被験者数が少なすぎてあまり期待できないなとおもいます。

ミヤネ屋では「重症化抑制」「効果期待の薬」などというテロップがありますが、これは吉村知事も大阪はびきの医療センターの者も言ってもいないことを盛っています

シンガポールで新型コロナにポビドンヨードが不活化効果とした論文が出たが

ポビドンヨード(PVP-I)を有効成分とするBETADINE(R)製品(イソジン(R))の新型コロナウイルスに対する抗ウイルス効果を確認:時事ドットコム

シンガポールで新型コロナにポビドンヨードが不活化効果とした論文が出たことが7月20日に報道されていました。元論文は以下です。

Povidone-Iodine Demonstrates Rapid In Vitro Virucidal Activity Against SARS-CoV-2, The Virus Causing COVID-19 Disease | SpringerLink

しかしこれは、うがいの効果を見たのではなく、あくまで消毒液であるポビドンヨード液がウイルスの不活化に効果があったというだけで、そんなものはアルコールでも次亜塩素酸ナトリウムでも実現できているわけです。

問題なのはそれがうがい用のものとして利用した際に効果があるのかという点なので、この論文が根拠になることはあり得ません。

現段階で吉村知事が説明したのは意味不明

正直、なんで現段階で吉村知事がわざわざ説明したのか理解に苦しみます。

このタイミングでは、研究結果として正しいのか、有益なのかの判断すらつかないハズです。また業者のプロモーションに引っかかってるんじゃないかと勘繰ってしまいます。

以上

ポビドンヨードより水道水の方が感染症、風邪の発症率を下げたという論文

ポビドンヨード液(=いわゆる「イソジン」が有名な製品名)より水道水によるうがいの方が感染症、風邪の発症率を下げたという論文を紹介します。

ポビドンヨードより水道水の方が感染症、風邪の発症率を下げたという論文

ポビドンヨード、イソジンより水道水の方が予防効果があるという論文

Prevention of Upper Respiratory Tract Infections by Gargling A Randomized Trial

という、Kazunari Satomuraらの論文が、ポビドンヨードpovidone-iodine"より水道水の方が感染症、風邪の発症率を下げたという結果を出しています。

論文の実験方法

大まかな実験の対象と方法は以下です。細かい考慮は論文を見てください。

  • 水群:水道水でうがい。1日3回、それぞれ15秒のうがいを3セットずつ行う。
  • ポビドンヨード群:ポビドンヨードでうがい。方法は水群と一緒。
  • コントロール群:生活習慣を維持。うがいをしていた人も含まれるが、研究期間中に36%がうがいをまったくしていない。

18歳から65歳までの健康人387人を対象。 

2002年12月から2003年1月を通して実施されました。

日本国内の各都市で行われたものなので、基準に沿った塩素濃度です。

なお、各群の手洗いの回数は上から6.5回、6.1回、6.2回でした。

結果、水道水で風邪の発症率を下げ、ポビドンヨードは変化なし、その原因は

結果、水道水で風邪の発症率を大幅に下げ、ポビドンヨードは有意な変化なし、ということになりました。

この原因はよくわかっていないのですが、ポビドンヨードの刺激による応答、液剤が喉の細胞を壊した可能性などが論文中の考察部分で触れられています。

水道水が発症率を下げた原因については、水道水は塩素が含まれているので、もしかしたらそれも影響したかもしれないとしています。

研究のエビデンスレベルは高いようで、いろんなお医者さんが引用しています。

以上