事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

ムンジェイン「福島原発処理水の海洋放出で日本提訴!」⇒韓国政府報告書「科学的に問題ない」記述

ムンジェイン大統領、海洋放出で日本提訴

ムンジェイン大統領「海洋放出で日本提訴!」と言った矢先に…

韓国大統領、処理水放出決定で国際海洋法裁判所への提訴検討を指示 | ロイター

(공동보도자료) 日 후쿠시마 원전 오염수 해양방출 결정에 대한 정부입장 이원섭방재환경과2021-04-13 11:14

韓国政府報告書に「海洋放出科学的に問題ない」の記述

汚染水の海洋放出 「科学的に問題ない」=韓国政府報告書 | 聯合ニュース

汚染水の海洋放出 「科学的に問題ない」=韓国政府報告書-Chosun online 朝鮮日報 魚拓

「日本の原発水、影響大きくない」 韓国政府TF、昨年報告書出していた | Joongang Ilbo | 中央日報

14日、野党「国民の力」の安炳吉(アン・ビョンギル)議員によると、海洋水産部をはじめ政府部署合同タスクフォース(TF、作業部会)は昨年10月、「福島原発汚染水関連現況」という題名の対策報告書を作成した

ー中略ー

報告書によると、原子力安全委員会は専門家懇談会を7回開き、「汚染水を浄化する日本の多核種除去設備(ALPS)の性能に問題がない」との判断を下した。また、国際標準と認められる原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の手法を使い、日本海岸近隣地域の放射線影響を評価した結果、放射線数値が「妥当だ」とも評価した。

ー中略ー

三重水素(トリチウム)露出の可能性に対しては「生体で濃縮・蓄積されにくく、水産物摂取などによる有意味な被ばくの可能性は非常に低い」とし、汚染水の韓国海域拡散の可能性に対しては「海洋放出から数年後、国内海域に到達しても海流により移動して拡散・希釈されて有意味な影響はないだろう」とした。

韓国政府の報告書で原子力安全委員会が「海洋放出科学的に問題ない」「放射線数値が妥当」「トリチウムは有意味な被曝の可能性は非常に低い」などと評価していることが触れられていたことが書かれています。

専門家の見解であって政府見解ではない、という立場

福島原発汚染水関連現況후쿠시마 원전 오염수 관련 현황 보고서'입니다

福島原発汚染水関連現況

文, 日 대사에 '우려' 전달했는데…정부 "후쿠시마 오염수 문제 없다" - 중앙일보

中央日報によると、この件では総理室が「一部の専門家の意見が政府の立場にはなりえない」という資料を出しており、報告書と政府の立場は異なるという見解のようです。

他の媒体も報じています。

오염수 영향 미미 국감자료에…정부 일부 전문가 의견 | 한경닷컴

まぁ政治側がその見解を否定しても、「科学的にはそう判断された」というのが残るわけですよ。

ムンジェインは韓国の原発の汚染や原子力潜水艦について

韓国の月城原発区域の地下水、放射性物質汚染…トリチウムが基準値の18倍(ハンギョレ新聞)

韓国国防長官「韓日安保協力は価値ある資産…国防協力レベルで必要」 | Joongang Ilbo | 中央日報

韓国の原発の排水路における濃度が問題視されていることや、韓国軍が原子力潜水艦を開発・保有しようとしていることを考えれば、ムンジェイン大統領が日本を処理水の海洋放出で攻撃するのって、韓国的にマズいんじゃないですかね…

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原口一博議員が風評被害ツイート削除も謝罪と称した虚偽記事の再拡散

原口議員は何かに掻き立てられているような雰囲気を感じます。

本件の経緯・前提は以下

原口一博議員、ツイート削除と言い訳と称した記事拡散

ツイート魚拓 記事魚拓

原口一博議員がツイートを削除した理由として言い訳と称した記事を拡散しています。

特定商品の宣伝うんぬんは、原口議員ツイートの批判とはほとんど関係ありません。

印象操作画像も添付しており、読者をバカにしているのでしょう。

問題ツイートは3つだが1つしか言及せず

原口一博風評被害ツイート削除

魚拓

原口議員の言い訳記事では、上掲画像中のツイートのうち左のものについてしか言及がありません。これらは全て削除済みですが、他の2つについては言及がありません。

では、言及されたものについてはどう言っているのか?

  1. 広告だと思って読み飛ばしていた部分にも本文が続いていて、そこには私の知識では、確証を持てないことが書いてあったから削除した
  2. 内容虚偽とはどの部分か?nuclear sewage とnuclear waste waterとは、明確に分けて記述されている
  3. 日本がnuclear sewageを流してきた事は、残念ながら否定する事はできないのではないかと懸念

しかし、問題視されてるのはこの点だけではありません。

この点に限っても、事故直後の「やむを得ない放出」や「意図しない形での放射性廃水の海洋流出」と、今回の「計画的な浄化処理後の放出」とを混同させています。

英語を読めないと思って舐めてるのでしょう。

明らかに発生しない事態を記載している引用記事

引用されているLinkedinの記事は冒頭に、日本が福島原発の放射性廃水を(「浄化処理後に」という点が抜け落ちている)海洋放出することに触れて以下の記述があります。

This not only affects the global marine ecological environment, but also brings fatal threats to human body.

地球の海洋生態環境に影響を与えるだけでなく、人体にも致命的な脅威、というのは明らかに発生し得ない話なので、内容虚偽なわけです。

福島原発に蓄積されている放射性廃水に含まれるトリチウムは、事故後の累積量でもってしても、フランスのラ・アーグ処理施設の年間排出量の約14分の1です。

福島原発の放射性廃水(放出時は浄化処理後)を放出したら「海洋生態環境に影響・人体に致命的な脅威」なら、ヨーロッパは死滅しています。

商品の再宣伝をしている原口一博議員

再掲

こう書いておきながら、note記事中に「該当部分の引用」 としながら、商品名が何度も何度も登場しています。元記事ではハイパーリンクがついていて、引用文ではついていないという違いしかありません。

このように、言っていることとやっていることが支離滅裂なわけです。

最大限原口議員の状況を善意解釈して推察すると、何か弱みを握られているのではないか?と思ってしまいます。

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生田よしかつ「なめてンのか?陰謀論の片棒担ぎはやめた」加藤清隆に

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生田與克さん、我慢されてたんだなと。

生田よしかつ「なめてンのかね?陰謀論の片棒担ぎはやめた」加藤清隆に

生田よしかつ 氏が加藤清隆 氏に「なめてンのかね?」と引用リツイート。

その後、「陰謀論の片棒担ぎは嫌だった」ともツイート。 

文化人放送局における生田よしかつと加藤清隆

今年に入ってから文化人放送局の方針については不満を述べていた生田氏。

文化人放送局における生田よしかつと加藤清隆のこれまでの関係がベースにあって、今回のツイートで旗幟鮮明にした、ということでしょうか。

加藤清隆と陰謀論については、あまりにツイートが多すぎて「もうそういうジャンルの人間」という評価をしていたのでブログではほぼ取り上げてきませんでしたが、Twitter上では何度か指摘しています。

上掲記事で拡散者リスト上に名前があるのが加藤清隆です。

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琉球新報「トリチウム分離まで地上保管すべき」願望で社説を書いてしまう

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琉球新報社員は水飲むなよ。

琉球新報「トリチウム分離技術開発まで地上保管すべき」

<社説>原発処理水放出決定 最善の選択と言えない - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト魚拓

これまで社説で主張してきたように、トリチウム分離など放射性物質を取り除く技術が開発されるまで地上保管を選択すべきだ。

トリチウム分離技術は実用化に至っていませんが一応は存在しているようです。

ただ、その必要は無いと判断されています。

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トリチウムの規制基準の1L当たり6万ベクレルは、毎日、その濃度の水を2Lずつ飲み続けた場合、一年間で1ミリシーベルトの被ばくとなる濃度です。

排出時は、これの40分の1の1500ベクレルにする予定ですから、仮に処理水を飲料するという奇特な人間が出たとしても、全く問題ありません。

トリチウム分離を待つ合理性は、無いでしょう。

琉球新報の社説は、何らかの願望に基づいているとしか思えません。

WHO飲料水水質ガイドライン第4版(日本語版)では、飲料水に含まれるトリチウムの指標(ガイダンスレベル)は10,000Bq/Lとなっています。

原発排水の法律上の基準は60,000Bq/L、福島原発のALPS処理水の排出は1,500Bq/L

なお参考までに1989年の新潟市の大気中・降雨・河川水・水道水のトリチウム濃度については環境中のトリチウム(第2報)を、「有機結合型トリチウム」については以下。

【風評の深層・トリチウムとは】体内には常に数十ベクレル存在:風評の深層:福島民友新聞社 みんゆうNet

琉球新報「トリチウム以外の放射性物質の総量はどれだけなのか」⇒東電が公開してました

処理水には技術的に除去できない放射性物質トリチウムが含まれており、海水で十分に薄めた上で海に流すと説明している。しかし、濃度を下げたとしても、トリチウムの総量は莫大な量に上るはずだ。全量放出すれば海を汚染しないと断言できないだろう。
 浄化後の水にトリチウム以外の放射性物質が除去しきれず残留し、一部は排水の法令基準値を上回っていたことも判明している。トリチウム以外の放射性物質の総量はどれだけなのか。

この部分は、確かに2020年秋ごろまでは、そういう事情がありました。

処理量優先のためにタンクに貯蔵する処理水は浄化の程度を抑えたものもありました。 

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ALPS処理水について(福島第一原子力発電所の廃炉対策)令和2年7月 経済産業省

この時点でも「再浄化」方針が書かれています。

結果、現在は以下東電の報告のように、基準となる告示濃度を下回るとされています。

福島第⼀原⼦⼒発電所 多核種除去設備等処理⽔の⼆次処理性能確認試験結果(終報)2020年12⽉24⽇

情報を隠してる?福島原発に興味が無い?

琉球新報は読者に東電の報告を隠す意図だったのでしょうか?

いやいや、そんなことは無いでしょう。

福島原発に、さほど興味がなかったんでしょうね。

ALPS処理水のトリチウム以外の核種の濃度や再浄化については、国会質疑にもなっていましたから。

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数学廃止論者の前川喜平憤死:早稲田大学政治経済学部一般入試で数学必修化

前川喜平が文科省から居なくなってよかった。

東洋経済「早稲田大学政治経済学部一般入試で数学必修化」

 早稲田大学は2018年に、政治経済学部の一般入試で数学を必須科目(数学I・A)にすること等々を発表し、3年間の周知期間を経て今年2月に実施した。数学が必須科目になることによる受験生の激減は当初から予想されていたとはいえ、2020年の5584人に対し今年の3495人には改めて驚かされる。

「私大経済(文系)学部では、数学は不必要」という、世界の中で「日本固有の迷信」を確固たるものにしてしまった。

もちろん海外では、「経済学を学ぶためには、理系並みの数学力が必要」という認識が普通で、その迷信がまともに信じられるのは日本だけである。政治学に関しても、さまざまな内容についての統計学的分析が基礎となる時代であるにもかかわらず、「算数の%が理解できれば十分」と考えるのは残念でならない。

冒頭で紹介したように、新しい入試を早大政経学部が実施したことは、その迷信を過去のものにするうえでベストタイミングであったと言いたい。

東洋経済オンラインでは、早稲田大学政治経済学部の一般入試で数学を必修化したことについて、経済学における数学の重要性と海外との乖離、日本の迷信について整理されており、このような状況下で必修化をした同大学を「快挙」としています。

さて、「数学を廃止せよ」とまで言っていた文科省官僚が居ましたね。

数学廃止論者の前川喜平は憤死か

数学廃止論者前川喜平

週刊東洋経済 2018年4月14日号では、元文部科学事務次官の前川喜平が「高校での数学必修は廃止」と主張しているものが掲載されていました。

しかも根拠は、「中退者が出る一番の原因数学にあると思っている」という個人的な思い込みだけで、何らかのデータに基づくものではありませんでした。

参考:【日本の解き方】前川喜平氏が説く「数学必修廃止論」に疑問 出会い系バーでの「貧困調査」の具体的な成果なぜ示さないのか (2/2ページ) - zakzak

経産省の「数理資本主義の時代」第一に数学、第二に数学、第三に数学

早稲田経済数学必修化と前川喜平数学廃止論

東洋経済オンラインでも紹介されている経産省の資料は以下

理数系人材の産業界での活躍に向けた意見交換会の報告書『数理資本主義の時代~数学パワーが世界を変える~』を取りまとめました (METI/経済産業省)

第四次産業革命を主導し、さらにその限界すら超えて先へと進むために、どうしても欠かすことのできない科学が、三つある。
それは、第一に数学、第二に数学、そして第三に数学である!

過去の文科省の体たらくを経産省が外から殴りつけているかのような様相が展開されている気がします。当の文科省はというと…

文科省も統計的な内容の改善・充実を図った

【数学編 理数編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説

 高等学校数学科においては,数学的に考える資質・能力の育成を目指す観点から,現実の世界と数学の世界における問題発見・解決の過程を学習過程に反映させることを意図して数学的活動の一層の充実を図った。また,社会生活などの様々な場面において,必要なデータを収集して分析し,その傾向を踏まえて課題を解決したり意思決定をしたりすることが求められており,そのような資質・能力を育成するため,統計的な内容等の改善・充実を図った。このような改訂の方向は,現在,米国等で推進が図られている STEM 教育の動きと同一の方向であると考えられる。

文科省も高校における数学教育について、統計的な内容の改善・充実を図っているのが分かります。前川喜平の「数学廃止論」とは現実は異なっているのが分かります。

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