事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

アストロターフィングの意味とは:草の根運動とやらせの特殊形、ステマとの違い

アストロターフィング

「アストロターフィング」が乱用されそうなので整理。

アストロターフィング=Astroturfingの意味

アストロターフィング=Astroturfingとは、そういう名前の人工芝の商品です。

そこから転じて、政治の文脈では「草の根運動」つまりは一般国民の自発的な行為であることを装い、別名義の組織が背後に居て一定の主張を広めようとする行為というのが公約数的な理解。多くの場合、資金提供者が居り、表向きの活動者とは異なる主体。

マーケティングの世界では、従来「やらせ」と呼ばれてきた行為のうち、一般市民 / 消費者による自発的なコミットメントを装って、企業等が宣伝目的で行う活動を指すとされています。ステマ=ステルスマーケティングとどう違うのかは知りませんが。

Astroturfing - Wikipedia

対立的環境運動とその分析に対するアストロターフィング概念の導入について―愛知万博問題、および、トヨタテストコース問題を事例として― 井上 治子

やらせ・ステルスマーケティングとの違いとは

やらせの一形態として特にステルスマーケティングと言われることがあります。

ステマは目視では認識できない短時間の画像などを挿入して脳内に刷り込む=サブリミナル効果による宣伝方法が語源とされており、これはそもそも宣伝と推知される行為の存在自体を知覚されないようにした手法ですが、それに限った話ではありません。

報道を装った商品宣伝などがステルスマーケティングと言われることがあります。

特に問題となったのがペニーオークション詐欺事件 - Wikipediaに関連した芸能人らの行為で、虚偽の落札の事実をブログに書いたという事例がステマと呼ばれました。

これは単に口コミ情報で下駄をはかせるものよりも遥かに悪質なものでした。

アストロターフィングとステルスマーケティングは一部が重なり合う概念、というくらいしか言えないでしょう。

いずれも、「本来は存在しない実態」を作り出すことや「誇張された評価」を広く拡散することが、人々の思考・行動の判断を狂わし社会をおかしくする点が非難対象となっています。

政治的には、民主的な判断の基礎となる情報それ自体が信用できなくさせる(「草の根だと思ってたのに…」)ことで民主政治の基盤を毀損する行為として把握されます。

「草の根運動」に対比される人工芝運動=やらせ行為の特殊形

政治の文脈でも人工芝運動=「やらせ」の特殊形、というのがアストロターフィングの大枠な理解があると言えるでしょう。

「一般市民を装って多量の意見書簡を送りつける方法が古典的なものである」とありますが、これをやってるのが日本共産党です。

請願は国民の権利であり、国会への請願提出に関して国会議員が窓口になるのは運用上自然ですが、「憲法審査会の際に毎度のように大量に憲法改正に反対のみの請願が日本共産党所属議員から提出されている」様は、「草の根の自発的行動」などと言える範疇を遥かに超えているでしょう。

アストロターフロビイングという人工芝運動ロビー活動の名称

なお、国会議員に「草の根からの意見」を偽ってロビー活動をすることを特にアストロターフロビイングと言います。

ロビー活動をするには登録しなければならないとするアメリカの法制度があることからこの種の用語が出てきたと思われますが、「矢印」の方向が「権威・権力側⇒国民」ではなく「国民⇒権威・権力側」に向いているのが分かります。

アストロターフィングは常に悪い?少数者の主張を誰が取り上げるか

DJ飛鳥 @kiwi250r https://twitter.com/kiwi250r/status/1000552639728238592

様々な領域におけるマイノリティのためのアドボカシー活動は常にミクロな取組とマクロな取組を行き来する中で政治活動とは不可分一体な形で発展し法制度化を実現してきている。そうした取組の一面だけを切り取り政治性云々の有無で判断することは果たして適切なのか。

何かを直ちに許されざるアストロターフィングと認定する事には2つの問題が。

  1. 少数者の意見の効率的な代弁に悪性評価することに
  2. アストロターフィングという用語の意味のインフレ化

1番について、「少数意見・立場」の社会における扱いが不当な場合に、その者たちを支援する形で政治家や組織が付いてスピーカーの役割を果たすことは、果たして悪い事なのだろうか?

たとえば、現在でこそ「オタク」関連の話というのは自民党の山田太郎議員が衆議院議員に当選したことによって表現規制の趨勢は大きく変わりました。

かつては保守側≒自民党側から叫ばれた表現規制的な政策の数々について、リベラルと称する者たちが反対する構図だったのですが、自民党が変わった結果(とはいえ、高市早苗議員が表現規制派であるため、やはりまだ「非実在青少年」同様の懸念が残っているが)、共産党がさらに強固な表現規制の政策を打ち出す始末。

また、松戸市のVtuberに対する弾圧も野党系の地方議員らが多い全国フェミニスト議員連盟から為されましたが、関連して元N国の浜田聡議員が以下質問主意書を提出するに至っています。

いずれも完全に草の根運動と言い切れるでしょうか?

オタク関係の表現が少数派かどうかは不明ですが、かつては無視されてきたのが実際。

そこには強い意志を持って活動してきた政治家・企業人・学者らの努力があり、まとまりのない草の根が単発的な叫びを続けるだけで自然発生した結果ではないでしょう。

我々の心性の奥底には「誰かからの意思の介入」を嫌悪するものがあると思う。

アストロターフィングは直感的にそれに反するが、世の中を観察すると誰かの意思が介入していない活動というのはそんなに明確ではない。完全に孤立して独立した動きをしていない限り常にそう呼ばれる可能性が生じてしまう。

そういう価値判断・用語法は正しいのだろうか?

「草の根だったのに…」という価値判断部分には、行為主体の問題もあるが、その先に「内容が真正なものだと思ってたのに」という非難が含まれているのでは?

※追記:内容が真正でも外形的公正性との関係で問題になり得る

用語法の問題については以下でも論じる。

アストロターフィング用語の意味のインフレ化による懸念

本当の草の根運動に後から権威・権力側が認証を与えるというのは日本的な現象だと思うのだが、こうしたものまで「①許されざる②アストロターフィング」だとして非難するのは間違っている。

こうしたものはそもそもアストロターフィングとするべきではないだろう。

何でもそうですが意味のインフレ化によって無意味・有害な言説が生み出される。

意味の外縁が際限なく拡張されることで、その中心部分の現象の認知がスポイルされてしまうという事態が発生する懸念があります。

私が観察したものだけでも「優生思想」「フェミサイド」という用語などの意味が無制限に拡張される様子がありました。

典型的なアストロターフィングの事例:日本のLGBT運動や外国勢力の歴史問題の捏造

典型的なアストロターフィングの事例と言えるのが

  • 日本におけるLGBT団体の運動
  • シールズなどの自称学生団体のデモ活動
  • KPOP関連の広告・口コミ・動作再生数水増しなど
  • 共産チャイナの五毛党(Astro毛phingと呼びたい)や韓国VANKやなど、外国勢力による歴史問題の捏造

日本におけるLGBT団体の運動は、従来の日本の性文化を下敷きにしておらず、アメリカにおいては歴史的にそうならざるを得なかったアメリカ式の運動をそのまま輸入したものを実施している集団が居ます。

シールズと呼ばれた自称学生団体(デモの風景を見ると中年・壮年の方々が散見されたが…)は朝日新聞の広告欄に広告を掲載するなど、明らかに背後団体が居ました(通常なら3000万円ほどかかる広告を打っていた)。

KPOP関連動画の再生数水増し行為が横行しているのは、韓国の音楽番組ではCDの売上よりもMVの再生数を非常に重視されて毎週順位が付けられることでファンが駆り立てられている面がありますが、韓国政府が国策としてエンターテインメントを「輸出」しているという厳然たる事実があります。

K–POPアイドル育成の国家戦略 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

#12 「文化を育てる」ために韓国は国家戦略として何をやってきたか? | なぜ世界は韓国カルチャーに熱狂するのか | クーリエ・ジャポン

「愛の不時着」やK-POP…韓国コンテンツのヒット戦略 次に来る“made by KOREA” | 毎日新聞

隠された韓国“奴隷契約”…K−POPは国策、予算は日本の6倍 - 芸能 - ZAKZAK

VANKなど外国勢力による歴史問題の捏造や川崎市のヘイト規制条例(日本属性者に対するヘイトは被害救済の対象だが、行為者に対する刑事罰は対象外という、それ自体が分断を生み出す条例)などはアストロターフィングなどと呼ぶことすら生易しく「日本に対する敵対的工作」と真正面から指摘した方が良さそうですが、言葉の意味から当てはめようとすると、該当すると思われます。

日韓通貨スワップの際の韓国大使館のロビー活動はもはや草の根を装ってすらいないので、アストロターフィングとして論じるべきではないでしょう。

「技術力・秩序・外交力、日本に追いつくにはまだ遠い」(1) | Joongang Ilbo | 中央日報

アストロターフィングではない「民主主義の脅威」を覆い隠してしまわないか

実名で活動をし、所属組織を明示している者による発信だが、その言動に虚偽や誘導が含まれている場合。

しかも、その所属は公党であったり日本一の発行部数を誇る新聞社(しかもTV局とのクロスオーナーシップ)であったりする。

そういうケースの場合、発信力が桁違いですし、発信される情報の表面的な信用度は、匿名であったり「草の根」の者によるものよりも遥かに高い。

こういうケースは、アストロターフィングではない。

しかし、アストロターフィングよりも遥かに「民主主義の脅威」の度合いは高い。

アストロターフィングは概念の一つとして有益でしょうが、無理やりそれに当てはめようとして論じることは、まったくアストロターフィングではないが遥かに有害な現象を見過ごすことに繋がる。

そのための道具として「アストロターフィングだ!」が悪用される危険さえあるということは心に留めておきたい。

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報道特集小西ひろゆき「名誉毀損を意図的に行う、放っておくと民主主義がおかしくなる」

名誉毀損、放っておくと民主主義の危機

どの口が言うのか。

報道特集小西ひろゆき「名誉毀損を意図的に行う、放っておくと民主主義がおかしくなる」

10月16日のTBS報道特集において小西ひろゆき議員が"Dappi"に関して「名誉毀損を意図的に行う、放っておくと民主主義がおかしくなる」と発言しました。

小西議員に対するDappiのとあるツイートに関してはその通りなんだろうと思います。

が…過去にはこういった発言(ツイートも)。

削除前は以下のような文言でした。

https://archive.is/glUjj https://archive.is/FtiXJ

「安倍総理の存在そのものが国難」という小西議員の質問主意書と答弁

安倍総理の存在そのものが国難であることに関する質問主意書平成二十九年九月二十八日 小西 洋之

一 安倍総理は平成二十五年三月二十九日の参議院予算委員会において、私小西洋之による「日本国憲法において個人の尊厳の尊重を包括的に定めた条文は何条ですか」等との事前の十分な通告に基づく質疑に対し、「それをいきなり聞かれても、今お答えできません」などと答弁し、日本国憲法の目的である個人の尊厳の尊重を定める条文であるとともに、歴代政府解釈により憲法第九条において限定された個別的自衛権の行使を合憲とし同時にあらゆる集団的自衛権の行使を違憲とする唯一の根拠条文である憲法第十三条の存在もその趣旨も何ら知らず、かつ、勉強すらもしていないことを満天下に知らしめた。
 このように、日本国憲法の目的の根拠条文である第十三条の趣旨等を全く知りもしない、日本国憲法の基本原理である平和主義が具体化した規定である第九条の歴代政府解釈を理解すらしていない内閣総理大臣が存在することとなったこと自体が、日本国民にとってこの上ない国難であると考えるが、安倍内閣の見解を示されたい。

二~四は「~状況こそ、日本国民にとって究極の国難」「加計学園・森友学園の問題に関する疑惑がもたれていることは国難」『「国難突破解散」が白昼堂々行われる議会制民主主義及び法の支配の破壊の事態は国難』という意味で言っているので、安倍晋三議員本人に対するものではないためここでは捨象する。

「内閣総理大臣が存在することとなったこと自体」と書いてはいるが、実の所は安倍晋三議員という一人の人間の能力に関する問題として扱っています。それは当該国会質疑のやりとりから明らかです。

参議院議員小西洋之君提出安倍総理の存在そのものが国難であることに関する質問に対する答弁書

一から四までについて

 御指摘の「国難突破解散」にいう「国難」については、安倍内閣総理大臣が平成二十九年九月二十五日の記者会見において「この解散は、国難突破解散であります。急速に進む少子高齢化を克服し、我が国の未来を開く。北朝鮮の脅威に対して、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この国難とも呼ぶべき問題を、私は全身全霊を傾け、国民の皆様と共に突破していく決意であります。」と述べているとおりである。他方、お尋ねの「国難」に係る「日本国憲法の目的の根拠条文である第十三条の趣旨等を全く知りもしない、日本国憲法の基本原理である平和主義が具体化した規定である第九条の歴代政府解釈を理解すらしていない」、「昭和四十七年政府見解の中の「外国の武力攻撃」の文言の意味を恣意的に読み替え、当該見解の中に限定的な集団的自衛権行使を許容する憲法第九条解釈の「基本的な論理」なるものをねつ造するという不正行為による絶対の違憲である解釈変更に基づく限定的な集団的自衛権の行使によって日本国民が戦死を強いられるとともに、当該解釈変更等によって憲法が立脚する立憲主義及び法の支配そのものが破壊されてしまっている等の御指摘は当たらない。

小西議員の言う「日本国憲法の目的である個人の尊厳の尊重を定める根拠条文である第十三条」というのは、いったいなんなんだろうか?

日本国憲法上の「個人の尊厳」の尊重の包括規定は13条なのだろうか?

日本国憲法

第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする

第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

「個人の尊厳」という用語が使われているのは【憲法24条】であり、13条ではない。

13条は「人権」の包括規定=包括的基本権に関する条文と呼ばれたりする場合もありますが、「尊厳」とどういう関係にあるのかは定かではない。

小西議員の質問が回答困難なものであるというのは明らかです。

したがって、政府答弁書にある「第十三条の趣旨等を全く知りもしない…等の御指摘は当たらない」という回答は正しい。

「都合のいい虚偽のものを作り出して…」とは、いったい誰のことだろうか?

小西議員と安倍総理(当時)のやりとりは「第183回国会参議院予算委員会平成25年3月29日」で発生しましたが、この際の議事録を見れば明らかなように、小西議員はクイズとして国会質疑としては意味不明であり非生産的な質問を繰り返していました。

当初は「包括的な人権保障を定めた条文」について問うており、安倍総理が何度も「大学の講義でやってくれ」「非生産的」と何度も回答した後に、小西議員が「じゃ、今総理は人権の包括規定を知らないということをこの国権の最高機関の委員会の議事録に付させていただきました。では、聞きます。総理、個人の尊厳の尊重、個人の尊厳の尊重を包括的かつ総合的に定めた条文は何条ですか、憲法、日本国憲法何条ですか」と再質問しています。

安倍総理はそれに対して「それをいきなり聞かれても、今お答えできません。」としています。

つまり、質問の内容が変わっているのです(小西議員としてはいずれも13条が答えと想定していたようだが…)。「人権の包括規定」とだけ言ってれば良いのに「尊厳」とか付け足したため、「回答困難」になりました。

国会議員には憲法51条の免責特権がありますから小西議員本人がこの発言で名誉毀損の責任をとることにはなりませんが、「国会議員が、その職務とはかかわりなく違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、虚偽であることを知りながらあえてその事実を摘示するなど、国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情」がある場合には国家賠償法一条一項の規定にいう違法な行為があったものとして国の損害賠償責任が生ずるという判例があります。

小西議員の「発言」は判例の規範に照らせば名誉毀損の可能性があるということは言えるでしょう。

なお、「あらゆる集団的自衛権の行使を違憲とする唯一の根拠条文である憲法第十三条」というのは、変更前の政府見解でした。今でも当時でも信じられないような答弁がなされていたことを記録的に以下紹介します。

集団的自衛権の政府解釈の変遷と昭和47年政府見解:憲法13条は「保有」の根拠

変更された、「集団的自衛権の保有はしているが行使は許されない」とする政府見解は【昭和47年政府見解】がベースになっています。

集団的自衛権の行使容認をめぐる国会論議― 憲法解釈の変更と事態対処法制の改正 ―外交防衛委員会調査室 沓脱 和人

集団的自衛権の政府解釈の変遷

国会答弁でそれが表れたのが例えば以下のもの

第69回国会 参議院 決算委員会 閉会後第5号 昭和47年9月14日

○説明員(高島益郎君) ただいま先生が御指摘のとおり、集団的自衛権というのは、国連憲章で初めて各主権国に認められた権利というふうになっておりますが、この点につきまして、先ほど先生御指摘のとおり、平和条約第五条C項に、日本が初めて独立を認められたときに、主権国としてこのような権利を持つということを確認をされております。安保条約も、したがいまして、日本が主権国として、当然そのような権利を持つということを前提にしまして結ばれたということでございます。
 ただ、一つだけ指摘しておきたいと思いまするのは、日本には集団的自衛権はもちろん主権国としてございまするけれども、これは憲法第九条の解釈からいたしまして、そのような権利を行使することはできない、これははっきりいたしております。

「憲法13条」との関係については以下など。

○説明員(吉國一郎君) 先ほど憲法第十三条と申し上げましたが、その前に、前文の中に一つ、その前文の第二文と申しますか、第二段目でございますが、「日本国民は、恒久の平和を念願し、」云々ということがございます。それからその第一段に、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」ということで、この憲法を制定いたしまして、さらに憲法第九条の規定を設けたわけでございます。その平和主義の精神というものが憲法の第一原理だということは、これはもうあらゆる学者のみんな一致して主張することでございます。そして「日本国民は、恒久の平和を念願し、」のあとのほうに、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」ということで、平和主義をうたっておりますけれども、平和主義をうたいまして、武力による侵略のおそれのないような平和社会、平和的な国際社会ということを念願しておりますけれども、現実の姿においては、残念ながら全くの平和が実現しているということは言えないわけでございます。で、その場合に、外国による侵略に対して、日本は全く国を守る権利を憲法が放棄したものであるかどうかということが問題になると思います。そこで国を守る権利と申しますか、自衛権は、砂川事件に関する最高裁判決でも、自衛権のあることについては承認をされた。さらに進んで憲法は——十三条を引用いたしましたのは、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」ということで、個人の生命、自由及び幸福追求の権利を非常に重大な価値のあるものとして、第十三条は保障しようとしているわけでございます。そういうことから申しますと、外国の侵略に対して平和的手段、と申せば外交の手段によると思いますが、外交の手段で外国の侵略を防ぐということについて万全の努力をいたすべきことは当然でございます。しかし、それによっても外国の侵略が防げないこともあるかもしれない。これは現実の国際社会の姿ではないかということになるかと思いますが、その防げなかった侵略が現実に起こった場合に、これは平和的手段では防げない、その場合に「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」が根底からくつがえされるおそれがある。その場合に、自衛のため必要な措置をとることを憲法が禁じているものではない、というのが憲法第九条に対する私どものいままでの解釈の論理の根底でございます。その論理から申しまして、集団的自衛の権利ということばを用いるまでもなく、他国が——日本とは別なほかの国が侵略されているということは、まだわが国民が、わが国民のその幸福追求の権利なり生命なり自由なりが侵されている状態ではないということで、まだ日本が自衛の措置をとる段階ではない。日本が侵略をされて、侵略行為が発生して、そこで初めてその自衛の措置が発動するのだ、という説明からそうなったわけでございます。

こんな解釈がずっと変更されずにいたというのが異常でした。

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朝日新聞青木美希「友人が日本は店が潰れてオランダは全然潰れてない」⇒捏造でした:Dappiとの差

朝日新聞の青木美希の捏造「オランダからの友人」

何が民主主義の危機だろうか。

朝日新聞青木美希「友人が日本は店が潰れてオランダは全然潰れてない」

https://archive.is/qou0v

朝日新聞の青木美希「友人が日本は店が潰れてオランダは全然潰れてない」とツイート。当然捏造でした。

捏造でした:オランダの失業率は日本よりも高く社会問題化

日本‥2.4%(2020年1月)→2.8%(2021年8月)
オランダ‥3.8%(2018年)→3.4%(2021年)

日本はオランダより7倍以上の人口があるので、その比率を考慮する必要があります。

「日本では店がたくさんつぶれていて、オランダではぜんぜんつぶれてない」というのは、日本とオランダの絶対数を比較したものと理解するのは不可能でしょう。

絶対数だとしても比率に直したものだとしても、「オランダは全然つぶれてない」は明確にデマであり、悪質な捏造です。

ネット上では以下の2020年6月18日の記事が拡散されていて、コロナ関連倒産が大きくなる見込みであるということが書かれています

Thousands of coronavirus bankruptcies ahead for NL: credit insurer | NL Times

が、今年の記事では、政府の支援策によって倒産件数は歴史的に低くなっている、と指摘しています。

More bankruptcies in EU; Netherlands an exception to the trend | NL Times

Number of bankruptcies remained at historically low level in May | NL Times

最初のNL Timesの記事では、オランダでは2019年に3,792社が倒産したとしています。

オランダ統計局⇒https://www.cbs.nl/en-gb/series/bankruptcies 

https://www.cbs.nl/en-gb/news/2021/32/fewer-bankruptcies-in-july

これを見ると2020年は2,703件、2021年は9月までで1,103件が倒産しています。

オランダでのコロナ関連倒産の数を予測した記事はありますが実測した記事が見つからないので何とも言えませんが、日本では帝国データバンクで2020年2月からの累計でコロナ関連倒産が2,218件判明(2021年10月15日16時現在)とあります。

参考:新型コロナウイルス関連倒産 | 株式会社 帝国データバンク[TDB]

なお、全国企業倒産状況 : 東京商工リサーチでは、2020年(令和2年)の全国企業倒産7,773件、2021年上半期(1-6月)の全国企業倒産3,044件とあります。

事実と異なる情報の拡散による「民主主義の危機」Dappiとの差

https://archive.is/tl5oL

青木美希の捏造と横山博人

https://archive.is/vTMGA

こうして一人の人間の認識が狂わされたわけです。

こういう捏造投稿はまったく問題視しない一方で「ネトウヨDappiの正体を追え」というハッシュタグまで使ってるのは、いったいどういう判断基準なんだろうか?

「報道特集」でも取り上げられましたが、現在メディアでDappiというTwitterアカウントが自民党のステルス工作ではないか?という疑惑が騒がれています。

「歪んだ情報が拡散されるのは民主主義の危機だ」といった論調で言及されてます。

しかし…

  • 匿名のDappi⇒いつ行われたか明確な国会質疑を動画付きや新聞記事の画像を元にツイートして検証可能性を確保,切り取りがメディアで批判
  • 日本一の発行部数の新聞の実名ジャーナリスト青木美希⇒完全なる捏造で根拠も示さず「友人が」と責任回避するような書き方,批判無し

どっちが「民主主義の危機」だろうか?

匿名であることや所属が不明であることが「より悪いこと」なんでしょうか?

実名で堂々とやることの方が悪質な場合なんていくらでもあるでしょう。

メディアの切り取り・印象操作・捏造の影響力こそ民主主義の危機

地上波の電波帯域を独占してるTV、日刊新聞紙法で株式の譲渡制限がかかっているために既得権が守られている新聞というメディアの切り取り・印象操作・捏造の影響力こそ民主主義の危機でしょう。

ほぼ毎日のように国会審議や記者会見の発言が切り取られ・会議の発言も文脈を無視して叩かれて役職を解かれたり職を辞した者が大勢いました。

こうした非対称な状況を無視して正義を得たかのように振る舞うことは、底なしに卑怯だと言う他ありません。

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日韓首脳電話会談韓国ムンジェイン大統領「日韓請求権協定の解釈に違いがある」⇒仲裁委員会は?

日韓首脳電話会談ムンジェイン

日本側の立場と韓国の狙いが報じられていない。

日韓首脳電話会談

日韓首脳電話会談|外務省

令和3年10月15日

 10月15日、午後6時40分から約35分間、岸田文雄内閣総理大臣は、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領と電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

冒頭、岸田総理大臣から、内閣総理大臣就任の挨拶と共に、就任直後に祝意の書簡を頂いたことに謝意を伝達したのに対し、文大統領から、内閣総理大臣就任への祝意が示されました。
岸田総理大臣から、旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題等により日韓関係は引き続き非常に厳しい状況にある旨述べた上で、これらの問題に関する日本の一貫した立場に基づき、韓国側に適切な対応を強く求めました。
岸田総理大臣から、地域の厳しい安全保障環境の下では、北朝鮮への対応を始め、日韓・日米韓の連携を一層深めていくことが不可欠である旨述べるとともに、拉致問題について、引き続きの支持と協力を求めました。これに対し、文大統領から、拉致問題についての日本の立場への支持が示された上で、両首脳は、日韓・日米韓の連携の重要性について改めて一致しました。
両首脳は、新型コロナ対策等の課題に共に取り組んでいくことで一致しました。

https://www.kantei.go.jp/jp/100_kishida/statement/2021/1015kaiken.html

日韓首脳電話会談の中身、岸田総理からの具体的な要求内容は不明です。

韓国ムンジェイン大統領「日韓請求権協定の解釈に違いがある」

日韓首脳、徴用工で平行線 岸田氏、関係改善へ対応要求―初の電話会談:時事ドットコム

岸田文雄首相は15日、韓国の文在寅大統領と就任後初めて、約35分間電話会談した。首相は、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた元徴用工をめぐる問題で、解決に向けた前向きな対応を要求。文大統領は「(双方の)法的解釈が異なる問題だ」と述べ、議論は平行線をたどった。

元徴用工をめぐっては韓国の地方裁判所が先月、日本企業の資産に関し売却命令を初めて出した。「現金化」の動きが進めば、日韓関係の悪化が決定的になると懸念されている。

岸田首相 初の日韓首脳電話会談 慰安婦問題などへの対応求める|TBS NEWS

日韓首脳、懸案でかみ合わず 初の電話協議 : 日本経済新聞

岸田氏は元徴用工問題に関し、1965年の日韓請求権協定を踏まえ「適切な対応を強く求める」と要請した。韓国大統領府によると、文氏は「請求権協定の適用範囲を巡る法的解釈に違いがある問題だ。両国で外交的解決を模索するのが望ましい」と返答した。

一番詳しいのが韓国大統領府のHPを見たであろう日経新聞とはね。

日本からどういう要求をしている(きた)のかどこも伝えてない。

仕方ないのでここで書きます。

ちなみに外務大臣会見は首脳電話会談前だったためよくわかりませんが、韓国の東亜日報のキム記者が「電話会談に対する日本のスタンス」などという意味不明な質問をしており、茂木大臣も当たり障りのない回答しかしてません。

茂木外務大臣会見記録|外務省

これが悪用されてないかは気になります。

日韓請求権協定に基づく仲裁委員会から逃げている韓国

朝鮮人戦時労働者(徴用工)差押え後の協議要請は請求権協定通り - 事実を整える

朝鮮人戦時労働者に関する問題は、日本側から仲裁委員会開催を要求しています。

日韓請求権協定(財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)

第三条

1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国間の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする。

日韓請求権協定では最初に外交ルートでの協議が前提です。

韓国のムンジェイン大統領が「解釈に違いがある」「外交的解決が望ましい」と言っているのは、この条項の事を指していると考えるべきでしょう。

外交的解決が破綻した場合、締約国は1名ずつ仲裁委員を選定するべきことになっています。そして、最終的に第三国の仲裁委員が決定され、仲裁委員会が構成されます。

しかし、この段階は既に2019年には通り過ぎています。

仲裁委員会の設置を拒否しています。

仲裁委員会の後の国際司法裁判所

  1. 外交ルートの協議
    ⇒破綻なら2へ
  2. 仲裁委員の選定
    ⇒紛争仲裁要請の公文受領から30日以内
  3. 第三国の仲裁委員を締約国が合意選定or第三国の政府が指名
    ⇒上記の後の30日以内
  4. 仲裁判断:両政府は仲裁判断に服することに
    ⇒服さなかった場合には5へ
  5. 国際司法裁判所での審理
    ⇒相手国の同意が必要

以上のような手続を踏んで、はじめて国際司法裁判所(ICJ)が出てきます。

国際司法裁判所で審理が行われるためには2パターンあります。

  1. 相手国の同意を得た上でICJに付託する
  2. 一方の国が単独提訴した上で相手国の同意を得る

日本は国際司法裁判規定36条2項に規定されている選択条項受託宣言をしていますが、韓国はこの条項を受託していないので、同意が必要になるということです。

で、結局今まで韓国側がこの仲裁要請にも応じずに放置してきましたし、国際司法裁判所での審理に同意もしないという態度で、結局なにもできないという状態が続いています。

つまり、今回の日韓首脳電話会談でムンジェインが言っていることは、2019年から何も変わっていないどころか、日本側の要求を無視し続けているということです。

さらに言えば日本は「実施」の問題としなければならない。

2019年の段階では以下談話を出しています。

大韓民国による日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務の不履行について(外務大臣談話)|外務省

岸田総理は日本政府の立場を明確に発言し、メディアは報道しろ

日本政府は日韓請求権協定の「解釈」ではなく「実施」に関して争いがあるとしなければいけないし、ムンジェイン大統領の言っている事は日本が日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置の要請を無視しているという条約違反であり、且つ、条約を守らないというウイーン条約違反ですから、それを強く訴えなければいけません。

その経緯をメディアは報じるべき。

岸田総理も「韓国側に適切な対応を強く求めました」だけでなく、より具体的な内容を発信するべき。

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小川淳也『町川さん出たら僕落ちる、落ちたら町川さんのせい』立憲福山幹事長「お詫びする」⇒小川「おわびするつもりない」

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これが立憲民主党

1:立憲民主党小川淳也、維新の町川順子の実家に出馬断念迫る

維新新人に出馬断念迫る 香川1区、立民・小川氏 | 香川のニュース | 四国新聞社

町川氏によると、公認発表後、小川氏本人から電話があり「出られたら困る」などと言われたという。小川氏は町川氏の実家の家族のところまで訪れ、出馬断念を求めた。しかし、町川氏は「共産を含めた野党共闘は絶対にない」などと譲らなかった。

立憲民主党の小川淳也が、日本維新の会の公認候補である町川順子氏の実家にまで訪れて出馬断念を迫っていました。

な、なにを言ってるかわからねーと思うが…

2:日本維新の会に野党候補統一、町川順子氏の出馬断念を迫る

日本維新の会の代議士会に、小川氏が野党候補を統一し、町川順子氏の出馬断念をするよう迫るという事態が発生していたという、維新の音喜多駿議員による報告。

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3:小川淳也『町川さん出たら僕落ちる、落ちたら町川さんのせい』

町川氏は15日、「小川氏から電話で『町川さん出たら僕落ちるんですよ』『僕が落ちたら町川さんのせいですからね』と言われた」ことを明かした。

小川氏の一連の行動に関し、立民の福山哲郎幹事長は12日の会見で「維新の皆さんが気の悪い思いをされたのだとしたら、おわび申し上げなければいけない」と既に謝罪した。

一方、15日に取材に応じた小川氏は一連の行動が事実であることを認めた上で「私の政治信条では、与野党1対1の対決構図が国民のためだ。悪意を持って切り取られて公表され、非常に一方的だったと感じる。正当な政治活動で、おわびするつもりはない」と述べ、小川氏自身は謝罪する考えがないことを示した。

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福山幹事長謝罪後に「おわびするつもりない」?公認取り消しはよ

幹事長が謝罪(これも厳密には微妙でしょうけど)してるのに、小川氏本人がおわびしないとしてるとか…

これは党の公認取り消しをした方がいいのでは?

ここまでなりふり構ってないとなると、以下の事案も一つ噛んでたんじゃないか?という疑念さえ浮かんできてしまいます。

高校授業で小川議員映画 知事も不適切認識 主権者教育 「公正な判断重要」 | 香川のニュース | 四国新聞社

なお、実際に見ましたけど、こんなものが政治教育として使えるわけがありません。

単なる小川淳也の活動履歴(上述のような〇〇Guyな言動は無かったように思う)の紹介ドキュメンタリーであり、その活動を通して何か野党議員の環境なり境遇がうかがい知れるような構成になっていませんでした金返せ。

こんな形で仮に町川議員が下りたとしても、小川議員に票が入るのでしょうか?

立憲民主党なるモノに対する不信感しか発生しないと思うのですが…

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