根拠や背景がある発言
- 秋田県佐竹知事「ドローンで爆発物を落とし、クマに食べてもらってリモコンで腹の中で爆発」
- 佐竹知事「ウェポンの専門家が入ってない。だから私が入ってもいい。マニアックだから色んな工夫する」
- 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律における捕獲・殺傷の区域・機関・方法の制限
秋田県佐竹知事「ドローンで爆発物を落とし、クマに食べてもらってリモコンで腹の中で爆発」
12月17日秋田県議会予算特別委員会
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2024年12月18日
佐竹知事
>もう少し工夫して様々なクマ🐻用のウェポン、武器、こういうものを開発する。私は小さいドローンにある程度のものをぶら下げて落とす。小さい爆発物を食べてもらってリモコンで腹の中で爆発、こんなのもあるんですよ pic.twitter.com/fAqjbX0P17
秋田県の佐竹敬久知事が12月17日の秋田県議会予算特別委員会の総括審査で、「もし私が電話を受けたら完全に相手を威嚇します。『お前の所にいま送るから住所を送れ』と言う」などと自由民主党の高橋豪議員の質疑に対する答弁で発言していましたが、他にも「ドローンで爆発物を落とし、クマに食べてもらってリモコンで腹の中で爆発」といった特徴的な答弁がありました。
これも高橋豪議員の質疑に対する答弁で、市街地・建物内での発砲での駆除は跳弾やガス管に当たる場合など非常に難しいことに触れた上での発言です。
県議会が公開している元動画では47分過ぎから。
以下は発言の書き起こしですが、聞き取り困難の箇所は「※※」に置き換えています。
佐竹知事 ~省略~
あとは管理計画、頭数の管理、これは絶滅はできませんけど私よく今回も思ったのは、人口が減ってます。人口が減ってますんで、クマの管理も、面積とかそういうその他、ある程度密度を測って何頭が生息数の何頭がふさわしいかという、そういう計算がしますが、やはり人口が減ってますんでね、クマも減るという、減らすという。これは駆除というか、ですから※※において今回は頭数制限なしでまずはやってくれと。あとはですね、市街地或いは建物内での銃器の発砲、非常に難しいんですよ。例えば何にもない体育館みたいなとこはいいけども、スーパーなんかね、棚ありますんで、相当ね、どこにクマ居るのか分かりませんから、非常に使いにくい。また単純に言えば、発砲が跳弾とかね、これがガス管に当たったとかね、非常に実際はものすごく銃器が発砲、難しいんですよ。あとは猟銃だけでクマを駆除するとか、もう少し工夫して様々なクマ用のウェポン、武器、こういうものを開発するという。私は小さいドローンにある程度のものをぶら下げて上から落とす。これが爆発物かどうかは別にして、小さい爆発物、これを食べてもらってリモコンで腹の中で破裂、(笑い声)こんなのもあるんですよ。
佐竹知事「ウェポンの専門家が入ってない。だから私が入ってもいい。マニアックだから色んな工夫する」
答弁の続きです。
佐竹知事 で、もう少し、ウクライナではないけども、こういうクマ用のウェポン、こんなこともやった方がいいんじゃないか。※※銃器だけでは相当難しいんですよ。アメリカは単純に言えば猟銃よりもマグナム、あれ持ってますね。日本ではできませんから、相当これが銃器の発砲が非常に制限される※※一歩前進だけども意外と難しい議論が相当あるようです。これをどんな風にやるかっちゅうかは猟友会との関係、あとは警察関係、あとはそういう殺傷用の武器、これをどうするか、三点セットで考えていく必要がある※※でも兵器の方、ウェポンの方は意外と誰もやらないんですよ。私はマニアックですからね※※いろんな工夫しますね。できるかどうか、これやると相当ドローン使ってそれを上手く使う※※できるようですが、これが許可されるかどうか。ここらへん非常に難しいのかなという。ただ、そういう専門家が入ってないんですよ。兵器のね。だから私が入ってもいいんですけどね。そこら辺の問題で非常に市街地を、ただ、全体として人口が減ってますから、クマの頭数も減らす。まずこれ基本です。これをやってもらうという。ですから今のところ先ほど言った通り、※※そう簡単には行かないという。まずは批判はあるけどもまずはクマの数を少なくする。これがまず基本で、これをどういう風に猟友会にお願いするか。猟友会に対して支援しながらやってもらうという方法をまず第一だなとそういう風に思っています。
東北大学工学部精密工学科出身であるからなのか、機械が絡む特定の物には詳しいという自負心が見て取れます。発言の背景には、クマの捕獲等の場合であっても銃器の発砲が非常に制限されるという日本の法制度による規制があるようです。
鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律における捕獲・殺傷の区域・機関・方法の制限
【平成十四年法律第八十八号 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律】という法律があり、鳥獣の捕獲・殺傷については区域・機関・方法などの制限があります。
原則的には、鳥獣の捕獲等(捕獲・殺傷)又は採取等(採取又は損傷)は、禁止されています(同法8条)。
例外的に、「学術研究の目的、鳥獣の保護又は管理の目的その他環境省令で定める目的」での捕獲等・採取等(9条)、第11条第1項の規定により狩猟鳥獣の捕獲等をするとき、第13条第1項の規定(農業又は林業の事業活動に伴い捕獲等又は採取等をすることがやむを得ない鳥獣)により同項に規定する鳥獣又は鳥類の卵の捕獲等又は採取等をするときには、それらが認められています。
ツキノワグマは秋田県においては【第二種特定鳥獣】に指定して指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画が策定されています。
秋田県第二種特定鳥獣管理計画(第5次ツキノワグマ)秋田県 令和4年3月
「ドローンによる追い払い」はありますが、「疑似餌を飲み込ませて腹の中で爆発」ということは、第六次計画の素案でも書かれてはいませんでした。佐竹知事の発言は、これが法的に可能なのかどうかは明言はされていませんでした。
秋田県第二種特定鳥獣管理計画(素案)(第6次ツキノワグマ)秋田県 令和7年3月
昨年のクマによる人身被害は秋田県に限っても62件70名に上り、判明しているだけでも重傷者は10名以上、「軽傷」でも顔を引っかかれたりする事例が。今年も暫定値で10件11名の被害。
クマに襲われたことが疑われている60代男性の捜索中だった秋田県警の警察官2人も負傷したという事件がありました。これを受けて、より防禦性能の高い防護装備が支給されているなど対策が講じられています。
が、人が直接対面しない方法で有効なものがあるのであれば、二次被害の可能性が減るのであり、それが実施される方途は検討されるべきでしょう。
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