事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

BPO、ボストンマラソンの圧力鍋爆弾の作り方に視聴者意見が相次ぐも委員会で無視していた:他方、機動戦士ガンダム水星の魔女は議論

基準どうなってるの?

パイプ爆弾の殺傷能力を高めるには…テレビ朝日が放送

和歌山市雑賀崎漁港における岸田総理演説予定会場での爆発事件に関して、使用されたのはいわゆるパイプ爆弾であり、その作り方の概要・材質・形状・殺傷能力を高めるには何を入れるか…といった専門家の発言をテレビ朝日が放送した事案がありました。

このシーン、YouTubeのANNチャンネルに上がっていた動画では、殺傷能力を高める方法の部分がカットされていました。現在ではアーカイブごと削除済み。

「マスコミが模倣犯を育てている」心理学者である私が軽はずみなコメントをしない理由 詳細報道が犯人の承認欲求を満たす (2ページ目) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

事件の詳細な手口を報道するのは弊害が大きい

 

たとえば、11月8日には九州新幹線の車内で、69歳の男が座席を燃やすという事件が起きた。容疑者は、「京王線の事件をまねた」と供述している。

京王線事件の容疑者自身も、今年8月6日に起きた小田急線車内での刺傷事件を模倣したと述べている。

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だとすると、ここで強調しなければならないことは、重大事件が起きたときに、その手口を詳細に報道することはやめるべきだという点である。

著名人などが自殺した際に、後追い自殺や模倣自殺を防ぐために、自殺の方法を詳細に報道することは控えるべきだという世界保健機関(WHO)の「自殺報道ガイドライン」がある。

自殺報道等に関してメディアがWHOや厚労省のガイドラインを度々無視してきたということはあまりにも有名。

過去にはもっと酷い放送がありました。

圧力鍋爆弾の作り方・完成品・価格を放送していたテレビ局

テレビで「圧力鍋爆弾の作り方」紹介 「詳しすぎる」「モラルあるのか」と批判: J-CAST ニュース

 中でも最も熱が入っていたのはテレビ朝日系の「モーニングバード!」で、自ら圧力鍋爆弾の作り方を、カメラの前で実践した。ジャーナリストの男性が、

「まずはふたを開けますよね。で、火薬を中にセットしますね。そして、釘やベアリング(に使われる金属球)が、飛んで殺傷力を持たせるという目的で入れられます……」
と順を追って説明しつつ、実際に鍋に「材料」を投入する様子が映像で放映された。核心的な工程には触れていないものの、かなり踏み込んだ解説だ。

   さらに、その後スタジオには「できあがったものがこちらになります」とばかりに「完成品」が持ち込まれ、カメラに大写しにされた。そこにはぎっちり釘が詰められ、ケーブルこそ繋がれていなかったようだが、キッチンタイマーによる時限装置もしっかりと作られている

「こういったものがセットでは現地では100ドル程度、日本では1万円で手に入る。いわば誰でもどこでも手に入るもの」(所太郎レポーター)
   さらにコメンテーターからは「インターネットなんかでも作り方が簡単に見られる」とダメ押しが。ほとんど「作ってみろ」と言わんばかりだ。

2013年4月に発生したボストンマラソンでの爆弾テロ事件に関して。

本事件で使用されたのは圧力鍋爆弾であることや、その作り方をテレビで放送するテレビ局が相次いでいました。その中で最も悪質とみられたテレビ朝日系の「モーニングバード!」について、J-CASTニュースが報じてる記事が見つかります。

現在、ネット上でこの際の放送を批判した記事はこれくらいしか見当たりません。

なお、弁護士ドットコムでは以下の解説記事が見つかります。あまり真に受けない方がいいと思いますが。

テレビで「圧力鍋爆弾」の作り方を紹介 「犯罪幇助」にならないのか - 弁護士ドットコム

BPO、ボストンマラソン圧力鍋爆弾の作り方解説に視聴者意見が相次ぐ

2013年4月に視聴者から寄せられた意見 | BPO | 放送倫理・番組向上機構 |

ボストン・マラソン同時爆発事件のニュースで爆弾の作り方を解説する番組が多いことに驚く。中には参考となるサイトのURLが分かる状態で放送した上に、丁寧に解説までつける始末だった。以前、硫化水素自殺の件で作り方などを放送し、それを真似して硫化水素による自殺が激増したことを忘れたのだろうか。空き巣の手口を放送し、空き巣が増えたことを忘れたのだろうか。模倣されるかも知れないと、報道各社で論議していないのだろうか。

2013年4月、BPOでは、ボストンマラソンに対して使用された圧力鍋爆弾につきその作り方を解説していた番組に関して視聴者意見が相次いでいたことが報告されています。

「ボストンで爆発テロがあったが、爆弾の造り方を詳細に紹介する報道の姿勢に、疑問の声が多く上がった。」とまとめています。

しかし…

圧力鍋爆弾の作り方解説放送に関しては委員会討論で無視していたBPO

第144回 放送と青少年に関する委員会 | BPO | 放送倫理・番組向上機構 |

第145回 放送と青少年に関する委員会 | BPO | 放送倫理・番組向上機構 |

第145回青少年委員会は、5月28日に7人の全委員が出席して開催されました。北海道の暴風雪で父親を亡くした少女へのインタビューについて、NHKと在京キー局に取材時の留意事項などを確認し、討論しました。また、4月16日から5月15日までに寄せられた視聴者意見の中から、バラエティー番組で一ヶ月に渡って水を使った嫌がらせを続けた"ドッキリ企画"について、いじめのシーンが過激なドラマについて、ホラー映画のコマーシャルについて、それぞれ討論が行われました。5月に寄せられた中高生モニター報告について話し合われました。その他、調査研究、名古屋での意見交換会、北海道での意見交換会、ラジオに関する勉強会について話し合われました。

決定一覧 | BPO | 放送倫理・番組向上機構 |

放送倫理検証委員会 議事概要 | BPO | 放送倫理・番組向上機構 |

放送人権委員会 議事概要 | BPO | 放送倫理・番組向上機構 |

委員会決定 | BPO | 放送倫理・番組向上機構 |

圧力鍋爆弾の作り方を解説した放送に関しては、従前の通り「疑問の声が多く上がった」にもかかわらず、委員会で無視されていました。

審議対象にするかどうか、ということすら話し合われていません。視聴者意見の中から特定の話題について討論をした、と書かれているので、圧力鍋爆弾については討論はしていません。

が、このような扱いは恣意的であるとしか思えません。

なぜかアニメ表現には異様に厳しいBPO:機動戦士ガンダム水星の魔女が議論※審議入りは誤報

第253回 放送と青少年に関する委員会 | BPO | 放送倫理・番組向上機構 |

2023年1月24日、第253回青少年委員会を千代田放送会館会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
委員会ではまず、2022年12月後半から1月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について報告がありました。なかには、連続アニメ番組の終盤のシーンについて、「主人公の乗った戦闘ロボットの巨大な手で敵の人間を押しつぶす描写があり、不適切と考える」「小学生の子どもと見ていたが、あまりにショッキングなシーンに言葉を失った」などがありました。

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委員会ではこれらの視聴者意見やモニターリポートについて議論しました

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連続アニメ番組の終盤のシーンについて、視聴者から「主人公の乗った戦闘ロボットの巨大な手で敵の人間を押しつぶす描写があり、その際に鮮血が広がり、つぶされた人間から分離した腕がヒロインに当たった。常軌を逸した不適切な描写と考える」「小学生の子どもと見ていたが、あまりにショッキングなシーンに自分も子どもも唖然とするばかりで言葉を失った」「放送時や予告時に残虐な映像に関する告知がなかった。この時間(日曜午後5時から)の放送としては、非常に不適切な映像表現だと考える」などの意見が寄せられました。
担当委員は、「分離した腕が宙を舞うところでは鮮血の色を暗い色に変えているが、日曜の5時に家族で見るシーンではないだろう」との見方を示し、別の委員は「このシリーズは、わりあいほのぼのとした展開だったが、急に残虐なシーンが出てきたので、視聴者がびっくりしたところが大きいのではないか」と指摘しました。「小さい子どもは怖いかもしれない。ただ、つぶされた人間自体は描かず、飛び散る血を暗い色にしているなど、一定程度配慮された表現になっている」との意見も出されました。

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その他に、大きな議論はなくこの1ヵ月の視聴者意見の中で「討論」に進むものはありませんでした。

2023年1月には機動戦士ガンダム「水星の魔女」の1シーンが議論対象に。具体的にどういう見解が担当委員から示されたのかという点まで書かれています。

※「審議入り」はデマ

なぜかアニメ表現には異様に厳しいBPO

現実の人命にかかわる爆弾の製法等を詳しく紹介した番組は無視で、単にショッキングなシーンは触れるという扱いの差は謎です。

「ヒロインに銃を向けているテロリストに対して、主人公の乗った戦闘ロボットの巨大な手で押しつぶす描写があり、その際に鮮血が広がり、つぶされた人間から分離した腕がヒロインに当たり、主人公が血まみれの手を笑顔でヒロインに差し出すシーン」

放送時間帯が午後5時だったために問題視する者も多かったようです。「わりあいほのぼのとした展開だった」というのは甚だ疑問ですが。

テロリストが瞬殺されるのが嫌だったんでしょうか?

「腹腹時計」から続く一般人を狙う・巻き添えにする左派過激派の願望か

東アジア反日武装戦線の「腹腹時計」に見られるように、多数人を殺傷可能な武器の制作方法を事細かに書いた書籍が出版されるなど、テロリストにやさしい世界。

一般人を狙う・巻き添えにする左派過激派の願望が、どうもテレビ界隈の中で引き継がれているのでは?

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