事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

「ブルージャパンはペーパーカンパニー?」疑惑まとめと立憲民主党

ブルージャパンの登記簿

訴訟リスクを負う勇者が多いが…

ブルージャパンと立憲民主党の関係

  1. 立憲民主党からChoose Life Japanに対し、1500万円が広告代理店経由で「資金提供」された事実が発覚
  2. 立憲民主党からブルージャパン(株)に対し、設立後から現在までの4年間で9億円が広告宣伝企画等の名目で支出
  3. ブルージャパン代表取締役は早稲田リーガルコモンズの竹内彰志弁護士
  4. ブルージャパンの住所は千代田会館4階だが、これは早稲田リーガルコモンズと同じ(1つの階に複数の会社が存在する形態)
  5. ブルージャパンのHPは存在せず、従業員の人数も不明
  6. 千代田会館のHPにも過去にテナントが入っていた記載は有るが館内案内には表記が無い

ブルージャパンと立憲民主党の関係はこうなっています。

「ブルージャパンはペーパーカンパニー?」という疑惑

千代田会館:https://archive.is/7y0r0

こうした事情から「ブルージャパンはペーパーカンパニー?」という疑惑が起こっていますが、現段階でそれを言うことはかなりリスキーだろう。

「ペーパーカンパニー」と言えば、事業活動の実態がない会社として基本的に悪性評価される用語法。

しかし、本店登記の場所と実際の事業拠点が別の場合は有り得、法律上も許容されており、それ自体は問題ではありません。

このご時世ですから、仮に本店登記の住所が本社でも、リモートワークで実態は自宅等での作業が多い、というケースもあるわけで、実際の事業の拠点と同一でなければならない実質的な理由は希薄な場合が多いでしょう。

登記業務を行う事務所(=法律事務所、税理士事務所、BPO受託会社)に本店住所を設定することもよくあることのようです。

納税地に関しては法人の納税地を事業活動の本拠地とする趣旨という建付けだが、実際には事業の本拠地ではない場所(特に東京と大阪)に本店登記されているということは実態として多い。

法人税法

(内国法人の納税地)
第十六条 内国法人の法人税の納税地は、その本店又は主たる事務所の所在地とする。

その際の注意点は⇒Q&A - 日本税制研究所

なお、外国法人の場合は以下となっています。

法人税法施行令

(特殊な場合の外国法人の納税地)
第十六条 法第十七条第三号(外国法人の納税地)に規定する政令で定める場所は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる場所とする。
一 法第十七条第一号又は第二号の規定により納税地を定められていた外国法人がこれらの規定のいずれにも該当しないこととなつた場合 その該当しないこととなつた時の直前において納税地であつた場所
二 前号に掲げる場合を除き、外国法人が国に対し法人税に関する法律の規定に基づく申告、請求その他の行為をする場合 その外国法人が選択した場所(これらの行為が二以上ある場合には、最初にその行為をした際選択した場所)
三 前二号に掲げる場合以外の場合 麹町税務署の管轄区域内の場所

「毎日新聞出版・毎日新聞企画サービスも同じ住所だから…」の不毛さ

「毎日新聞出版・毎日新聞企画サービスも同じ住所だから…」と、想像を掻き立てている人もいるが、それだけでは何かを予測することすら不可能と言っておきます。

ブルージャパンが入っていることが確認できる2021年01月17日千代田会館ビルを見ると、過去のテナントには株式会社麻生・東京支社、麻生セメント株式会社、麻生ラファージュセメント株式会社、麻生フォームクリート株式会社もあります。自民党の麻生太郎議員の親族のグループ企業です。

「同じ住所だから繋がりがあるんだろう…」という話はネット上では度々話題になり、2ch(5ch)やまとめサイト、アルファツイッタラーがインプレッション稼ぎに利用していますが、実際に意味のある言説に発展するケースは極めて稀です。

最近では2012年くらいから数年間、「西早稲田2-3-18」というワードで「反日左翼の伏魔殿」みたいな扱いを受けていた所がありますが、いくつかのテナントが左派が運営する企業や団体の事務所だったというだけで、全てのテナントがそうであるとは到底言えないことや、ネット上で挙げられていた団体がその住所には居ない例が多々あったことなどが判明してからは沈静化しました。

【拡散・正誤表】「西早稲田2-3-18」の団体一覧を再検証 | 小坪しんやのHP〜行橋市議会議員

法人登記簿上の法人代表者の住所をネット上に拡散する行為は要注意

現・立憲共産党の森ゆうこ議員が、法人代表者の個人住所をネットに漏洩したことが問題視され、国会議員の免責特権が及ばないSNSでの行為について訴訟になっています。

経緯は以下がわかりやすいだろう。

法人登記は公開されてるのに、具体的に何がどうダメなのか?

これについては以下で書いている。

最近個人情報に関する実務の扱いが変わり、インターネット上の登記簿閲覧サービスでは代表者の住所が見れなくなったという事情を踏まえるべきだろう。

まとめ:小西洋之議員のDappi訴訟の代理人でもある竹内弁護士

そのほか、「資本金100万円の会社の事業目的とは思えない」については、資本金1円でいろいろやってる企業もあるよ、とだけ言っておきます。

これについては資本金100万円でもそれだけの仕事が貰える関係の所なんだな、与信がなくても問題無い仕事をしているんだな、ということは言えると思います。

「ペーパーカンパニー」と断言してる「記者」がSNSでは居ますが、彼が過去にどういう発信をしてきたかをみれば、信用するのは憚られるはずなんですけどね。

本当にブルージャパン自体で具体的に何らの作業をしていなくとも、下請け・再委託をしいてる可能性なども理論上は有り得るわけです。

立憲民主党界隈が自滅した事件としてネットでは熱狂が渦巻いているが、こういう場合、過激な期待を抱かせるような疑問を呈示する情報が振りまかれやすい。

それは単なるノイズとなるばかりか、訴訟にも発展しかねない危険な行為。

特に今回の話題の中心人物である竹内弁護士はDappi訴訟の代理人でもありますから、要注意のはずなのですが…

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