事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

BuzzFeedJapanのツイートが虫の息になってきた件:バズる頻度と規模が落ちていた

ハフポストに続いてバズフィードについてみると少し違う様相が…

バズフィードのツイートが虫の息になってきた件

https://archive.ph/ph9Ob

たとえば11月1日午前6:55に最初にシェアされた(記事のUP時は2022-10-31T21:01:02.000Z)この記事、数回シェアされていますが、そのうちの11月2日午前10時にシェアされたツイートは「0RT,0いいね」という惨状。

9万のフォロワーが居るアカウントのものとは思えない。

もっとも、URL付きツイートはTLに表れにくいと言われ、そういうツイートばかりのアカウントはデバフがかかってる可能性がある点は注意。

URLでTwitter検索窓にぶちこんで「話題のツイート」欄を見ると、記事を書いた記者本人がシェアしているものが。

https://archive.ph/2Kj8h

しかし、これですら「3RT,6いいね」。

まぁ、たくさんUPしていればこういう記事も出てきます。それ自体は不思議なことではありません。

が、ここで言いたいのは、【バズフィードジャパンニュースのシェアするBuzzFeedの記事は、Twitterキュレーションチームに退職勧告が出た11月4日以前であってもこういう状態だった】、ということ。

BuzzFeed Japan News (@BFJNews)の全てのツイートを目視で見ても減ってる傾向なんじゃないかと思いますが、既にそれ以前から拡散の規模が徐々に落ちて行ってたと思われ、TwitterJPのキュレーションチームへの退職勧告による違いがハフポストほどにはわかりづらいことになっています。

もっとも、その前後の大まかな関係は【from:BFJNews until:2022-11-12 min_retweets:100】などで調べればわかりますが、4日以降は100RT以上のものはゼロであることから、更にリツイート等されにくくなった、という傾向が伺えます。

バズフィードジャパンニュースは2022年にバズる頻度と規模が落ちた

次に、今度は【from:BFJNews until:2022-11-12 min_retweets:1000】つまり1000以上のリツイートを得たツイートを調べると、2022年は2021年の3分の1以下の17件、17~20年よりも少なくなっているのが分かります。

参考として、133万人のフォロワー数を誇る朝日新聞(@asahi)アカウントでこの数字規模のツイートは、2022年は10件でした。他方、朝日新聞デジタル(@asahicom)は約10万フォロワーですが41件で、こっちがバズフィードと同様の動きをしていたことが分かります。

しかもバズフィードジャパンニュースは「アーカイブ記事・過去記事」を頻繁に再シェアすることが2021年10月8日以降始まり、今年に入ってから非常に多くなっています。

なので、なんというか、今回のTwitterキュレーションチームの件がなくとも、いろいろと時間の問題だったのかもしれません。

ただ、文字媒体全体のアクセス低下(ユーザーはYouTubeなど動画の世界に移行している)や、Twitter上の動きの総量(TikTokなど他のアプリへの滞在が増えたなど)との比例でそうなっていたのかは調べられていません。

また、オーガニック(検索エンジンからの記事への流入)の比重を多くしようと選択した結果、SNS、Twitter上の動きはある程度どうでもいいと判断しているのかもしれません。そこは継続的に見てないのでなんともいえませんが…

ニュースのモーメントとトレンドによるブーストを得ていた証拠

さて、決定的な証拠とまでは言えませんが…

https://archive.ph/a3QKJ  https://archive.ph/1naz8

10月26日の午後5時58分のツイートと同日午後10時15分の同じ記事のシェア

最初のツイートはRTが1585なのに、後者はたったの5
(27日にもう一つシェアしておりそちらは21RT)

これはTwitter側によるブーストの結果と、その恩恵を受けていなかったものの違いでしょう。

ここで、メディアの記事のモーメントがTwitterのニュース欄に表示されていたことは周知の事実です。それ自体は問題ありませんし、ポリシー・ガイドラインで公開されていました。が…

  1. メディアからの申請の手続もあったこと(というより、それを受けてやるのがデフォルトだった模様)はポリシー・ガイドラインには書かれていなかったこと
  2. そこに載るメディアがほぼ一部のみで、恣意的な選別が為されていた疑惑
  3. 他のトレンド欄やおすすめ欄にも侵蝕し「ニューストレンド」として表示されていたため、それらの記事が純粋なアルゴリズムで表示していたかのような印象をユーザーに与えていた

こういった問題があります。元々は無かった機能でした。

参考:「トレンド操作」トレンド入り 大量解雇でTwitterはどう変わる? ITmedia NEWS編集部で考えてみた(1/3 ページ) - ITmedia NEWS

セリザワ ニュース欄についてはちょっと事情が違うかもしれません。ニュースは2015年に日本発で実装されたんですが、当時はYahoo!ニュースとの差別化を図るためか、ニュースの選択は「ユーザーのアクション(ツイート、リツート、お気に入り)によってニュースの一覧が作成されることにある」としていました。つまり人の意思が介在しないことをある意味で売りにしていたんですよね。

ヨシカワ あれ、話が違う……。

キーチ ただ、当時のニュース欄と今のニュース欄は明らかに別の機能なんですよね。当時はアルゴリズムによる選出で、ITmedia NEWSもよくピックアップされていました。ただそれはいったんなくなって、後に今の形で復活したんですよね。メディアがTwitterに送ったモーメント(ツイートのまとめ)の中から記事をキュレーションする形になりました。

さて、バズフィードの"【ファクトチェック】「自衛隊員400人がワクチン接種後に死亡」は誤り"の記事がニュース欄に表示されモーメント化されていたかは調べる術がありません。

しかし、他のバズった記事に関しても、初出のツイートだけが著しく大量にリツイートされ、それ以降何度もシェアされたとしてもほとんどリツイートされない、といったパターンが基本です。例1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F

後続のツイートの方が同程度以上拡散されるという例は2022年のファクトチェック記事を調べた限りでは3つしか 見つけられませんでした1 2 3 

これらのすべてが「ニュース欄ブースト」ではないかもしれませんし、初出のツイートはセンセーショナルであるために多く拡散されるものなのかもしれませんが、毎日新聞・毎日新聞ニュース・毎日新聞デジタル報道センターアカウントのファクトチェック記事シェアのツイートと比べるとその傾向が顕著でした。(他のメディアは同じ記事を複数回シェアするということが少ないため比較できない。)

そのため、バズフィードが「Twitterによるブースト」の恩恵を受けていたというのは間違いないでしょう。

なお、その記事がどれくらいシェアされたのかという話は、自身で記事をシェアするのではなく、第三者のアカウントが記事をシェアし、それが大拡散されるということもありますが、ここでの話はその影響は無視できます。

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