事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

米国FDAが福島原発処理水海洋放出を科学評価「安全への影響はない」

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「安全への影響はない」

米国FDAが福島原発処理水海洋放出を科学評価

FDA Response to the Fukushima Daiichi Nuclear Power Facility Incident | FDA

米国FDAが福島原発のALPS処理水の海洋放出について、科学的評価しました。

久米隼人 氏の上記ツイートのリプライ欄に要点が書かれています。

ここでもいくつか紹介します。

「トリチウムのみが残る」の意味

セシウムやストロンチウムなどの有害な放射性核種を除去するために高度液体処理システム(ALPS)で処理され、軽度の放射性で害の少ない同位体であるトリチウムのみが残ります。

冒頭、「トリチウムのみが残る」とありますが、これは【告示濃度以上のものはトリチウムのみ】という意味だということはもうおわかりですね?

福島第⼀原⼦⼒発電所 多核種除去設備等処理⽔の⼆次処理性能確認試験結果(終報)2020年12⽉24⽇

今回放出決定されたのは原発由来の産業排水ですが、約2年後の放出時にはWHOの【飲料水基準】を下回るトリチウム濃度になります。

また、WHOの水質ガイドラインをみれば、その他の放射性物質も飲料水に微量ながら含まれることがあり、その場合でも基準以下なら問題ないというのは常識です。
(「燃料棒に触れている」と主張する者がいるが、核燃料再処理施設での排水と考えれば同じこと)

WHO飲料水水質ガイドライン第4版(日本語版)

トリチウムは健康リスクが非常に低く海洋放出は食品に影響を与えない

トリチウムは、消費された場合、人間と動物の健康リスクが非常に低く、海洋放出での希釈効果により、さらに最小限に抑えられます。加えて、FDAは、福島の事故による放射性核種が安全でないレベルまたは公衆衛生上の懸念をもたらすレベルで米国の食品供給に存在するという証拠を見いだせず、処理水の海洋放出は日本および米国国内から輸入された食品の安全性に影響を及ぼさないと考えています。

たとえば、2012年に全米科学アカデミー(PNAS)の会議で発表された研究では、2011年8月にカリフォルニア沖のレクリエーショナルフィッシャーマンが捕獲した太平洋クロマグロの福島関連汚染のレベルが非常に低いことが報告されました。FDAがこの研究を精査した結果、汚染のレベルは、健康上の懸念があるかどうかを判断するためにFDAにさらなる調査をするよう促すレベルよりも約300分の1程度低いと判断しました。

  1. トリチウムは健康リスクが非常に低く海洋放出は食品に影響を与えない
  2. カリフォルニア沖の放射性物質の状況は調査すべきとされる水準の300分の1

さらに、日本の食品を購入しないようになどと消費者に助言することはしていないとも明言しています。

トリチウムは水道水にも含まれています。

医療健康商品を謳ったWEBサイトへの注意喚起も

FDAのページは最後に医療健康商品を謳ったWebサイトへの注意喚起も行っており、放射線被ばくの有害な影響を防止または治療できることを示唆する主張への注意、医師による証言とされる記述があるからといっても留意する事、住所・電話番号等の連絡先情報が記載されていないWebサイトは避けるよう注意喚起しています。

これに真っ向から反する行動をしているのが立憲民主党の原口一博議員です。

先日も風評被害助長+怪しい商品を宣伝するLinkedinのページを拡散するツイートをし、削除した理由を書いたnoteページでも何度も商品名を出し虚偽内容を含む記述を引用するなどしていました。

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