香港に関する国家安全法制がチャイナ全人代で決定されたことにつき、各国から懸念、憂慮の声明が相次いでいる中、日本も含めたG7の外相らによる声明が6月18日に出されました。
香港に関するG7外相声明発表
(声明仮訳)
我々,米国,カナダ,フランス,ドイツ,イタリア,日本,英国の外務大臣及びEU上級代表は,香港に関する国家安全法を制定するとの中国の決定に関し,重大な懸念を強調する。中国による決定は,香港基本法,及び,法的拘束力を有して国連に登録されている英中共同声明の諸原則の下での中国の国際的コミットメントと合致しないものである。提案されている国家安全法は,「一国二制度」の原則や香港の高度の自治を深刻に損なうおそれがある。この決定は香港を長年にわたり繁栄させ,成功させたシステムを危うくすることとなる。
開かれた討議,利害関係者との協議,そして香港において保護される権利や自由の尊重が不可欠である。
また,我々は,この行動が法の支配や独立した司法システムの存在により保護される全ての人民の基本的権利や自由を抑制し,脅かすことになると著しい懸念を有する。
我々は中国政府がこの決定を再考するよう強く求める。
香港に関するG7外相声明が発表され、「香港基本法,及び,法的拘束力を有して国連に登録されている英中共同声明の諸原則の下での中国の国際的コミットメントと合致しない」と具体的に指摘しています。
日本、5アイズ、EUの中国への声明
秋葉剛男外務事務次官から孔鉉佑駐日中国大使への申入れ|外務省
Joint Statement on Hong Kong - United States Department of State
Declaración del Alto Representante en nombre de la Unión Europea sobre Hong Kong - Consilium
5月28日、29日に日本、5アイズ、EUから中国への声明が出されていました。
日本だけは中日大使への直接の申し入れという形で1国家単独での申し入れでした。内容は「深く憂慮」という文言がありますが、何のルールに反しているのかという点が曖昧でした。
日本と同様の文量と表現だったのはEUですが、「国際的な約束(1984年中英共同宣言)および香港基本法に準拠していません」と明言していました。
5アイズ諸国(イギリス・アメリカ・カナダ・オーストラリア(ニュージーランドは除外))の声明はイギリス連邦諸国であるために利害関係国であることからか最も具体的で長文の声明でした。
「日本は抗議しておらず欧米から失望」ではないことが確定
フェイクだったと勝ち誇ってる皆さん、で、安倍政権はいつになったら中国政府に対してせめて言葉だけでも非難するのかな?
— Hidetoshi Ishii(石井英俊) (@ishii_hidetoshi) 2020年6月7日
しつこく書いてるけど、未だに憂慮と懸念だから。
あなたたち何と戦ってるの?って話。
左翼を笑えれば満足の人、サヨウナラ。中国共産党と戦う人、一緒に頑張りましょう。
先述の通り、日本国は5月28日には大使への抗議という形で「深い憂慮」を伝えていたわけですが、先週あたり、共同通信が捏造記事を書いたことで騒動になりました。
それはそれとして、「日本が中国に対する声明を出していた」という認識は日本人ですらありませんでした。ましてや英語圏では何ら報道もありませんでした。
そのため、東アジア情勢に責任を持つべき日本国が近く、より明確な声明を出すか、他の国と連携して国際的な声明を出すかに注目が集まっていました。
7月以降のG7やG20が開催されてから声明が出るものと思われていましたが、それに先駆けてG7外相らでコンセンサスの取れた声明が出されたということで、「日本国が欧米から失望」という実態は無いと言えるようになったでしょう。
以上