抗議ってどういうこと…
- 石川優実 あいださくらの「自分の意思だった」に対し「抗議します」
- 発端となったあいださくらのAV出演に関するツイート
- 自分の意思で仕事していた訳ではないのならば何故すぐに辞めなかったのだろうか
- 成人年齢の18歳引き下げの民法改正と「AV出演強要問題」の欺瞞まとめ
石川優実 あいださくらの「自分の意思だった」に対し「抗議します」
さくちゃんと一緒に着エロの現場にいたものとして、このツイートには抗議します。
— 石川優実11/22「もう空気なんて読まない」🇯🇵🌈🥺👞👠 (@ishikawa_yumi) 2022年3月26日
私は自分の意思ではないし、今着エロ時代を振り返って私のように思っている人もいる。
私は男だったらグラビアも着エロもやっていない。
それを完全に「自分の意思」と言っていいのか。
→ https://t.co/2WTmG2HRjl
#kutooのハッシュタグでパンプス・ハイヒール強要反対運動を展開した石川優実 氏が「AV出演強要問題」として訴えている中で、AV女優のあいださくら氏のツイートに対して「このツイートには抗議します。」とツイート。
発端となったあいださくらのAV出演に関するツイート
石川優実 氏が引用したあいださくら氏のツイートは以下ですが
当時一緒に着エロで働いていた親友のツイート。本当にその通り。大抵の女の子達は自分の意思で着エロやAVの現場にいた。 https://t.co/oaDN1nChDI
— Sakura Aida あいださくら (@sakuraaida0418) 2022年3月26日
あいだ氏が引用している他ユーザのツイートは、このツイートへのリプライでした。
こういうことツイートする人も居るけど内情もギャラの事も何もわかってない。AVデビューを馬鹿だと一言で片付けるのもどうかと思うし両親に金稼ぎするように言われたこともない。 https://t.co/ASyHB3e2Mv
— Sakura Aida あいださくら (@sakuraaida0418) 2022年3月24日
ここで引用されているツイートは削除されていますので、魚拓から分かる文面だけ引用します。
高校生のAV出演で得するの制作会社やスカウトだけ
頭弱い女の子が搾取される
言っとくけどAV出たら必ず身バレするギャラは15年前の半分以下今AV出る子は馬鹿
18歳のAV女優といえばあいださくら
だけど調べたら悲惨な生活してたわ…この子は親が小さい頃からロリ系グラビアに出させて金儲けしてた
https://web.archive.org/web/20220323211408/https://twitter.com/denakanako/status/1506740951804391425
つまり、あいだ氏本人が直接名指しされたために、事実関係を明らかにするためのツイートでした。その流れで「大抵の女の子たちは自分の意思で…」という発言をしていたということ。
自分の意思で仕事していた訳ではないのならば何故すぐに辞めなかったのだろうか
まさか先輩だった石川さんにこのように書かれるとは。フェミニストの活動に尊敬はするのですが、自分の意思で仕事していた訳ではないのならば何故すぐに辞めなかったのだろうかと疑問に思います。 https://t.co/VggxqgtXDX
— Sakura Aida あいださくら (@sakuraaida0418) 2022年3月26日
あいだ氏からは石川氏に対して「自分の意思で仕事していた訳ではないのならば何故すぐに辞めなかったのだろうか」と反論。
それに対しても石川氏がAV女優として強制的にデビューさせられた人物の証言を載せた記事を引用したりして、「仕事をやめていない、続けているということは自分の意思とは限らない」などと書いています。
「その人が仕事をやめていない、続けている」ことは「その人が自分の意思で仕事をしている」と必ずしもイコールではないです。
— 石川優実11/22「もう空気なんて読まない」🇯🇵🌈🥺👞👠 (@ishikawa_yumi) 2022年3月26日
そんな単純な話ではないです。
【仕事をしてお金を稼がなければならないから続けている】
これって世の中の多くの人間に当てはまるわけで、そういうものすら「自分の意思ではない」というなら、それは通常・正常のものであるということです。
法的な意思の存在と、素朴な意味での個人の「本当に心から進んでやりたい事」という意味での意思とは、まったく意味が異なるのですが、石川氏の論はそれらを混同していることになるし、後者は国語的な意味での「自分の意思」の標準からも乖離した意味内容です。
石川氏が引用している事例は強要や詐欺の例なのでまた違った問題なのですが、その場合も「その意思が不法・不当に誘導されている」ことが問題なのであって、意思の有無の問題ではない。
それに、あいだ氏は自身の事例と「大抵の女の子」のこととして論じていますが、仮に大抵の女の子が「自分の意思ではない」というなら、今から集団訴訟でも何でも起こせるが、そうではないでしょう。
石川氏は、個別事案と一般的な状況を逆転させて論じているということです。
「18歳では判断能力が無いから…」と論じている者も居ますが、それって「女性は男性よりも判断能力が低い」という意味ですよね。この話で男性側の出演は問題視されていないので。
成人年齢の18歳引き下げの民法改正と「AV出演強要問題」の欺瞞まとめ
そもそもこの話題は、塩村あやか議員や伊藤和子弁護士などによる成人年齢の18歳引き下げの民法改正に関して叫ばれている「AV出演強要問題」という問題設定が背景にあります。
確かに、個別の事例として「AV出演強要」と評すべき悲惨な環境が生じることがある。そういうことまでは否定していない。
しかし、それは成人年齢とは無関係の話であって、全年代において起こり得る話。
AV業界のルールとしては既に18歳未満の出演、18歳であっても高校生の間は出演しないという了解があった。最近では18,19歳の出演も控えているようです。
AV業界の「成人年齢」に関する考え方と、過去の実数については、AV人権倫理機構が公開したPDFをお読みください。これが事実です。https://t.co/ywlI3MytRD
— 荒井禎雄(専業主夫を志望するフリーライター) (@oharan) 2022年3月23日
また、「AV出演したら残る」問題についても、既に、AV人権倫理機構には配信停止制度があり、2022年2月末までに配信停止になったAVは2万を超えています。
民法改正によって変わったのは18,19歳による「未成年取消権」が行使できなくなっただけで、出演強要や出演後の映像の取り扱いが成人年齢の引き下げによって何らかの不利益が生じる事態になる、ということは考えられない。
民法改正による成人年齢引き下げの施行の時期に合わせて「話題を取る」ために叫ばれているだけです。
まとめると
- 民法という法制度上の問題ではない
- AV業界のルールの問題ではない
- 個別の問題として「AV出演強要」はこれまでもあったし、これからも注意すべきというのは変わらない
以上:はてなブックマーク・ブログ・note等でご紹介頂けると嬉しいです。