事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

岸田総理、オミクロン株濃厚接触者の別室受験等の機会確保を文科省に指示

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また撤回。後戻りできることは良いことなのですが…

 

岸田総理、オミクロン株濃厚接触者の別室受験等の機会確保を文科省に指示

濃厚接触者の受験機会確保 オミクロン株市中感染で指示―岸田首相:時事ドットコム
2021年12月26日16時49分

 岸田文雄首相は26日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の市中感染が国内で広がりつつあることを受け、オミクロン株感染者の濃厚接触者となった受験生について、別室受験を含む受験機会確保の方策を検討するよう文部科学省に指示した。首相周辺が明らかにした。

岸田総理、オミクロン株濃厚接触者の別室受験等の機会確保を文科省に指示したという報道。

24日には文科省の新たな指針ではオミクロン株の濃厚接触者は無症状であっても別日程の受験などの対応を求める内容であったことが報じられ、非難を浴びていました。

受験日程の振替・追試等の対応が可能としていた大学は99%

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24日の報道を読んだ者の中には「受験不可」という報道の見出しの文字通り機会を認めないと理解している者が少なからず発生していました。

また、大学側が対応するか不明であることを問題視する者もいました。

しかし、受験日程の振替・追試等の対応が可能としていた大学は99%でした。

もっとも、追試は難易度が高くなるのが通例であるため不公平感が出ることや、そもそもオミクロン株をデルタ株までのものと別対応をする必要性があるのかという指摘がありました。

77%が追加の受験料を徴収せずに受験日の振替えの対応をすることとしているが、23%は追試験であり、追加の受験料が発生するため、それ自体が受験機会の制限として作用する。

オミクロン株の濃厚接触者まで受験不可・追試等の別日程対応をするとどうなるか?

令和4年度大学入学者選抜に係る新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施のガイドライン 令和3年6月4日決定

  • 新型コロナウイルスの感染者は症状の有無にかかわらず別日程受験
  • 症状がある濃厚接触者も同様。濃厚接触者と判断されていないが何らかの症状がある者も同様。ただし特段の事情があれば別室受験可能。
  • 濃厚接触者で無症状の者は別室受験。

これが従来の指針でしたが、オミクロン株だけ無症状の濃厚接触者まで受験不可・追試等の別日程対応をするとどうなるか?

最初に引用した時事通信の報道にあるように感染拡大状況になれば、追試等の対応をするべき人数が膨大になる。

この場合、保健所等の連絡が追い付かず、自らがオミクロンの濃厚接触者であると知らずに受験するケースも大量に出てくるでしょう。自らが感染者であると判明した場合とはこれが決定的に異なってくる。

すると、同じ空間に居た者のはずなのに、片方は正規の日程で受験し、もう片方は別日程で受験するという不公平な事態が相当数発生することが予想される。

受験日程が数日ならその間に自らが濃厚接触者であると知った場合は?つまり、試験が途中の状態での扱いにも大学側が対応しなければならない。評価が適切に行われなくなる危険がある。

といったように、生じる混乱があまりに大きいと思われる。

国交省の日本到着国際線の新規予約停止の要請の撤回と類似の判断変更

さて、今回の岸田総理の文科省への指示は、国交省の日本到着国際線の新規予約停止の要請の撤回と類似の判断変更です。この場合も激烈な非難が湧きおこりました。

結局オフィシャルには国交省が単独で判断して「暴走」した結果ということとされていますが…

さて、今回はどういう説明になるのでしょうか?

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