国語的には問題なしか
三浦瑠麗ワイドナショーで大喪の礼を「たいものれい」
三浦瑠麗 7月31日 ワイドナショー
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2022年8月1日
大喪の礼と国葬 pic.twitter.com/8CxNM9OO6q
三浦瑠麗 氏が7月31日のワイドナショーで大喪の礼(たいそうのれい)を「たいものれい」と読んだことが非難されています。
「大喪の礼」とは皇室典範25条に定められています。
第二十五条 天皇が崩じたときは、大喪の礼を行う。
国会でも「大喪の礼」に関連する質疑・答弁については「たいそうのれい」と呼んでいます。ただし…
国語的には「たいものれい」で問題なし:法律用語では「たいそうのれい」
すでに多くの指摘があるように「大喪」の説明で「たいも」とも書いてある辞典はけっこうあるし、戦前の新聞にもこう書いてあったりする(『日米新聞』昭和二年一月二十日) pic.twitter.com/R0UTYgapHR
— 中原 鼎(皇室・王室ライター) (@NAKAHARA_Kanae) 2022年8月1日
正式な読みでないが同音異義語の区別のためにするいわゆる「説明読み」というやつで、その中でも「たいも」は比較的みられるものなので、あれに対して知性やら教養やらが足りていないなどと反応している人たちは鏡を見たほうがいいんじゃないすかね
— 中原 鼎(皇室・王室ライター) (@NAKAHARA_Kanae) 2022年8月1日
中原鼎 氏によって、戦前の新聞において大喪の礼について「たいものれい」と読み仮名を振っている例があるなどが示されています。国語辞典でも「大喪」は「たいも」とも書かれています。
「説明読み」というのは、検察なんかが「物」と「者」を区別するために敢えて本来の読みとは異なる「ぶつ」や「しゃ」と発音するような場合なんかがあります。
一般の場面だと「市立」を「いちりつ」、「私立」を「わたくしりつ」と呼ぶような場合なんかが思いつきます。
なお、一般用語と法律用語の読みの違いとしては以下の例が思いつきます。
「同人」⇒どうじん/法:どうにん
「親子」⇒おやこ/法:しんし
「遺言」⇒ゆいごん/法:いごん
「兄弟姉妹」⇒きょうだいしまい/法:けいていしまい
「加重」⇒かじゅう/法:かちょう
「図画」⇒ずが/法:とが
有名人が誤字や読みの違いをすると話題になることが多いでが、この手の話は、ほとんど何も考えなくとも指摘できる場合が大半なので、ここぞとばかりにはしゃいで他人叩きに勤しむための格好の事案になりやすい。そこに知性は無いわけです。
しかし、日本語は歴史が深いし、音読みと訓読みがあるから読みの正解が一つとは限らないし安易に正解を一つと決めつけない態度が無難でしょう。また、仮に一定のジャーゴンから外れた理解であったとしても許容するのが寛容の精神だろうと思います。
※他人叩き目的ではない誤字の指摘、読みの違いの指摘などは大変ありがたいですし、そういったものは否定してません。
もっとも、やはり法律用語では「たいそうのれい」なので、オフィシャルな場面での正式な用語法として扱う場合には、それに合わせた方が良いということになりそうです。
以上:はてなブックマーク・ブログ・note等でご紹介頂けると嬉しいです。