事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

モラ―(ムラー)特別検察官の報告書全文:トランプ大統領のロシア疑惑に関するMuller Report

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トランプ大統領の大統領選に際するロシア疑惑について、モラ―(ムラー)特別検察官の報告書が公開されました。

報告書全文の所在と簡単なガイダンスを付け加えます。

モラ―(ムラー)特別検察官の報告書全文

Read the Mueller Report: Searchable Document and Index - The New York Times
魚拓はこちら

ニューヨークタイムズのページに455ページの全文が公開されています。

インデックスもついていて、ジャンプすることもできます。

ただ、約10%は黒塗りになっています。

報告書についての大枠は以下でまとめられています。

See Which Sections of the Mueller Report Were Redacted - The New York Times

Mueller Reveals Trump’s Efforts to Thwart Russian Inquiry in Highly Anticipated Report - The New York Times

トランプ大統領のロシア疑惑に関する解説

“ロシア疑惑” 特別検察官の報告書には何が | NHKニュース魚拓はこちら

報告書は3部構成です。

  1. ロシア疑惑(共謀)の有無
  2. 司法妨害の有無
  3. 大統領の書面回答

このうち、本丸はロシア疑惑についてです。

細かい事実が認定されていますが、最終的には共謀は認められないと結論付けました。

司法妨害の有無についても同様です。

ただ、これについてもトランプ大統領は「フェイクだ」と主張しています。

モラ―レポート(Muller Report)はフェイクニュースだ

特定の人々によって為された私についての声明がトンチキなモラ―報告書にあり、報告書は民主党の怒り狂ったトランプヘイター18名によって書かれている。当該文書は、それ自体が捏造されており、完全に虚偽である。

私は証言することに同意しなかったので、私についての「報告書」に書かれた声明に答える必要はなかった。そのうちのいくつかは全部デタラメか、他の誰かさんを見栄え良くするため(或いは私を印象悪くするため)だけに書かれている。これは決して起こらなかったはずの違法なデマである。

具体的な部分がわかりませんが、モラ―レポートでは「共謀」は認定されなかったものの、トランプ陣営の者がロシア側と接触したということ等を認定しています。そういった部分について言っているのでしょうか?

また、2つ目のツイートは「大統領の書面回答」についてのものでしょう。

「大統領だから告訴されない」というデマ

「アメリカ大統領は任期中に告訴されないという紀律があるから告訴されないだけだ」

このようなことを言っている者がいますが、デマです。

報告書ではロシア疑惑(共謀)も、司法妨害の事実も認定されていません。

ですから、大統領だから告訴できないと言うための前提が欠如しています。

TVやネットメディアでは「むしろトランプの疑惑が認定された」と言っている者もいますが、疑惑は疑惑でしかないのであり、現時点での資料によっては法的な責任を問うことのできる実体的事実は見つからなかったということが報告されています。

まとめ:不起訴であり、無罪である

トランプ大統領のロシア疑惑についてはメディアが正確に報じていません。

そういうこともあってか、ニューヨークタイムズは全文を公開しているのでしょう。

別件で「選挙時にトランプが女優に口止め料を支払ったことが認定されれば訴追される」というデマもありますが、以下で示したようにたとえ口止め料支払の事実が認定されても違法の評価を受けるようなものではありません。

トランプ大統領の元顧問弁護士マイケルコーエンに有罪判決:司法取引報道のフェイク 

以上