事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

NHK広島のツイートが「在日コリアン差別を煽っている」と言われるも「体験を伝えてる」と説明

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NHK広島放送局が運営しているTwitterアカウントのツイートが「在日コリアン差別を煽っている」と言われているそうです。

「在日コリアン差別あおっている」NHKの原爆被害ツイートに批判

「在日コリアン差別あおっている」NHKの原爆被害ツイートに批判 - 産経ニュース

問題となったのは、当時中学1年生の少年が、広島から埼玉県へ移動中だった8月20日につぶやいたという想定の投稿。「朝鮮人だ! 大阪駅で戦勝国となった朝鮮人の群衆が、列車に乗り込んでくる!」「誰も抵抗出来ない。悔しい…!」などの内容に対し「注釈もなく報道機関がこうした投稿をすれば、差別を正当化する」などの批判が起きている。

「在日コリアン差別あおっている」として問題となっているNHKのツイートは、「もし75年前にSNSがあったら」との設定で、原爆投下の前後に書かれた被爆者らの日記などを基にした投稿のうち、「シュン」という架空の名称のアカウントによるものです。

NHK広島放送局運営「シュン」の朝鮮人関係ツイート

「在日コリアン差別を煽っている」と言われているのは、この一連のツイートを指します。当然、そんなことにはならないので以下ツイートしています。

NHK広島放送局の被爆75年ブログでも「差別煽動ではない」と説明

NHK

8月20日のシュンのツイートについて | 被爆75年ブログ|NHKブログ

8月20日に発信したツイートについて、お問い合わせなどいただきましたが、「1945ひろしまタイムライン」は、被爆75年を機に、戦争・原爆の悲惨さや戦後の厳しい現実を、若い世代の方々にSNSを通じて知ってもらうために始めたNHK広島放送局の企画です。

3つのツイッターアカウントで、1945年の広島を生きた3人の日々を毎日発信しています。①中学1年生の「シュン」、②26歳主婦の「やすこ」、③32歳新聞記者の「一郎」。当時、広島で暮らしていた実在するお三方の日記や手記、本人や関係者への取材にもとづき、発信しています。「シュン」「一郎」は2020年3月から、「やすこ」は5月から発信を始めています。

8月20日のシュンが発信した、「大阪駅で戦勝国となった朝鮮人の群衆が、列車に乗り込んでくる」と関連のツイートは、シュンのモデルとなった男性が、広島の自宅から両親の故郷である埼玉県に移動する途中に体験したことを伝えています。

当時中学1年生だった男性にとって、道中の壮絶な経験が敗戦を実感する大きな契機になったことに加えて、若い世代の方々にも当時の混乱した状況を実感をもって受け止めてもらいたいと、手記とご本人がインタビューで使用していた実際の表現にならって掲載しました。

また、6月16日に発信した「既に大人たちが大きな穴を掘り進めている。 話す言葉によるとどうやら朝鮮人のようだ」と関連のツイートも、男性が学徒動員でトンネル掘りに従事したときの経験を紹介しました。こちらも手記とご本人がインタビューで使用していた実際の表現にならって掲載しました。

NHK広島放送局は3つのアカウントで、実在した方の日記や関係者の証言等に基づいたツイートをしているということで、「大阪駅で戦勝国となった朝鮮人の群衆が、列車に乗り込んでくる」とした関連のツイートも体験した内容を伝えるものであるとしています。つまり、差別煽動にはあたらない、と言っていることになります。

この手記の内容は後日UPされる運用となっているので、そこに注目が集まっています。

「はだしのゲン」でも朝鮮人が列車に乗り込み威張り散らす描写が

はだしのゲンの朝鮮人が列車に乗り込む場面

あの「はだしのゲン」でも、朝鮮人が列車に乗り込み威張り散らす描写があります。

ただ、「シュン」のツイートの描写の方がより過激なところを見ると、出典は別というか、総じてそういう体験をした者が多かったということなのでしょう。

戦後、「阪神教育事件」などが発生しましたが、日本の法制度を無視する態度が大々的に取られていたというのは伺えます。

神戸新聞(1948年4月27日付

朝日新聞号外(1948年4月25日付)

「コンテクスト」を加えるとすれば、朝鮮半島は国際法上日本国であったが、敗戦によって朝鮮半島は戦勝国でも敗戦国でもない「第三国」と呼ばれる扱いになり、サンフランシスコ講和条約の主体にはなっていない、ということくらいでしょうか?

以上