事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

【2021年7月】NHK世論調査でワクチン「もう接種した46%」の謎と答え

NHKアンケート

謎の数字の答え

NHK世論調査でワクチン「もう接種した46%」

菅内閣 「支持」33% 内閣発足以降最も低く 「不支持」は46% | 選挙 | NHKニュース

NHKは、今月9日から3日間、全国の18歳以上を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。
調査の対象となったのは、2090人で、59%にあたる1224人から回答を得ました。

新型コロナウイルスのワクチンを接種したいか聞きました。
「接種したい」が32%、「接種したくない」が5%、「迷っている」が13%、「もう接種した」が46%でした。

NHKの世論調査でワクチンに関する質問に対し「もう接種した」が46%という結果。 

これはいったいどういうことでしょうか?

日本のワクチン接種率(1回目)は約25%

ワクチン接種率

新型コロナワクチンの接種状況(一般接種(高齢者含む)) | 政府CIOポータル

7月9日から11日までの間のワクチン接種率(1回)ですが、9日時点で約24.6%。

入力遅延の反映分も考慮すれば、約25%と言ってもよいと思います。

13日時点では26.03%でした。

では、「もう接種した46%」は、いったいどこからきたのか?

RDDで高齢者の回答者が多かった

NHKアンケート

https://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/pdf/aggregate/2021/y202107.pdf魚拓

NHKの意識調査の詳細データのページがありました。

ワクチン接種に関しては【問9】で問うています。

回答者のデータを見てみると、年齢層として高齢者に偏りがあるのが分かります。

70歳以上が34.6%、60~69歳が18.3%と、合わせて52.9%にも上ります。

高齢者(65歳以上)の人口が日本は28.8%であることを考えると、これは明らかに回答者に偏りが出ています。

こうなる理由としては以下のものが考えられます

  1. 固定電話を持っている率は、若者で少なく、高齢者で多い
  2. 若者は知らない番号からかかってきたら出ない率が高い
  3. 労働者が多い若年層・中年層は、忙しくて回答しない傾向にある

RDDの手法による世論調査の結果においては、回答者の年齢の偏りが出るということは常識化しています。

そのため、高齢者が多い地域で、支持者の層が高齢者で多いという場合には、投票行動を呼びかけることで、合法的に自陣営の得票率を伸ばすことができるため、実践していることがあります。

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