事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

TBS報道特集に異変?『職員アンケートでゆかたまつりに知事出禁など事実誤認も・大手メディアは「パワハラ見聞き4割」と報道』と放送も…

この辺りがTBS報道特集の精いっぱいの誠意なんでしょうか

TBS報道特集で兵庫県知事選の誹謗中傷を放送

2月8日、TBS「報道特集」で「兵庫県知事選の誹謗中傷」について放送されました。

この中には従来のマスメディア報道では見られなかった内容もあったので紹介し、その事項について整理します。

職員アンケートでゆかたまつりに知事出禁など事実誤認も含まれると指摘

兵庫県知事選をめぐる誹謗中傷 立花孝志氏の発信“情報源”一枚の文書を検証【報道特集】 | TBS NEWS DIG (3ページ)

「人づてに聞いた」とする回答のなかには、姫路ゆかたまつりに関連して「知事が『出禁』になった」「老舗呉服店を閉めて場所を確保させた」など、番組の取材では事実ではないものも含まれていた。

姫路ゆかたまつりに関する「斎藤知事のパワハラ疑惑」については多数の事項がありますが、前回の報道特集では「知事が出禁になった」という話が事実と異なるという点については触れられず、ゆかたまつり奉賛会の芳賀一也氏が取材を受けたものの「切り取りだ」と怒りを示してインタビューを受けた動画を公開するといった展開に発展していました。

また、ゆかたまつりに関する竹内元議員のブログ紹介が片手落ちでした。

『大手メディアは「パワハラ見聞き4割」と報道』と放送も実際の内容を伝えず

兵庫県知事選をめぐる誹謗中傷 立花孝志氏の発信“情報源”一枚の文書を検証【報道特集】 | TBS NEWS DIG (3ページ)

中間報告では、「実際にパワハラを知っている」と答えた人は1.3%で、「実際に知っている人から聞いた」「人づてに聞いた」と答えた人は、あわせて37%だったのだが、大手メディアは「パワハラ見聞き4割」との見出しをつけ報道した。

兵庫県議会の文書問題調査特別委員会、いわゆる百条委員会が行った県職員アンケートについて。報道特集が、大手メディアの印象操作について触れている体裁です。

ただ…この説明ではまだ不十分です。

当該アンケートには、もっと深刻な問題があるからです。

報告書の「【Q7】知事のパワーハラスメントについて」という項目の【記名】の者による回答のうち、「A:目撃、経験等により実際に知っている」についての自由記述欄をすべて確認した結果、そのほとんどが以下の性質のものでした。

  • パワハラとは真逆の事実が書かれているもの
  • 知事ではない者の発言
  • 業務上の通常の範囲の指示に過ぎないこと、それをきっかけとした思い込み、
  • 情報源不明の伝聞及び再伝聞情報
  • 具体的な知事の言動無し
  • 自己の人事への不満を言い募るだけのもの

こういった記述が大半を占めます。

自己の名前を明かしたものであるにもかかわらずです。

「無記名」の回答もすべて確認しましたが、言わずもがなです。

特に、『情報源不明の伝聞及び再伝聞情報』が、「目撃、経験等により実際に知っている」という項目に書かれていることは、まったく報道されていません。*1

それは今回の報道特集でも同様だったということです。

実は、この報告書の建付けによって、ネット上の言説を分析する研究者ですら、事実と異なる内容の論稿を媒体に寄稿するなど異常な状況になっていました。

今回の報道特集では丸尾牧議員がアンケート結果に関する報道について「(回答内容の)事実確認はできてませんと繰り返し繰り返し言わないといけなかったなと思ってます。」と、インタビューに答えている様子も映し出されました。

この辺りがTBS報道特集の精いっぱいの誠意なんでしょうか。

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*1:このような回答になった理由としては、知事に近い幹部職員が部局を超えて事例共有をしていたため、自己の経験として捉えた者が多数居たためと考えられます。

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