事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

皇位継承議論での国民民主党玉木雄一郎の危うさ:旧皇族男系男子の養子で虚偽の立法事実論に引きずられた思考

虚偽の立法事実論の禍毒がここに…

皇位継承議論での国民民主党玉木雄一郎の危うさ

皇位継承問題に関する国会の全体会議である【天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議】は各会派の意見聴取を受けた後に簡易的な中間報告が出された段階です。

そこにおける発言で、国民民主党の代表である玉木雄一郎議員の認識に危うさを感じてしまう一幕が見られました。

令和6年6月19日に行われた国民民主党会派に対する個別の意見聴取での玉木議員の以下の発言です。

〇玉木雄一郎君 ここはなかなか難しいですね。

 立法措置を講じるときに、よく我々が立法事実ということを言いますけど、空振りになるんじゃないのかということは絶対言われると思うんですよね。その法案審議の中で。だから、そこは、表でできる話と、あと、できれば全会派一致でやるときには、そういったことを、内々納得をしながら、知りながら、表であえて聞かずに着地させていくという工夫も必要だとは思いますけどね。余り平場で、じゃ、それ、要るのか、意思を示した、どうなんだという話を表でするような話では私もないと思います。

〇額賀衆議院議長 そういう知恵を絞りましょう。

〇玉木雄一郎君 はい。

知恵を絞っている場合ではない。

旧皇族男系男子の養子で虚偽の立法事実論に引きずられた思考

旧皇族男系男子の養子に関して、「立法事実としての対象者の調査と意思の確認が必要である」という主張を立憲民主党がしていますが、これは立法事実の理解が誤っている上に、立法事実論の射程ではないということを書いています。

玉木議員がこの議論でやるべきことは、「具体的な対象の存在を予め調査する必要は無い」という当たり前を話すことあり、それで足ります。

前掲の玉木氏の発言は、「裏でなら話をしてもいい」という意味ですから、それは誤った観念に引きずられた土俵にわざわざ飛び込むようなものです。

吉良州司・北神圭朗・福島伸享・緒方林太郎ら有志の会が提出した意見書にあるように、「立法府の議論は皇室の選択肢を増やすために行うもの」という認識が必要でしょう。

立法事実論の射程と立法事実に関する深刻な誤解

立法事実論の射程については以下でも【立法システムの再構築 立法学のフロンティア2/西原博史(著者)】や【論究ジュリスト 29号(2019年/春号)】などの文献を引いて具体的に書いています。

立法事実に関する深刻な誤解は以下でまとめています。

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