7月24日ジュネーブで開かれた世界貿易機関(WTO)の一般理事会において、韓国を支持する動きがなかったと報じられています。
あまりぬか喜びしても意味が無いので、このニュースの価値について言及します。
韓国「WTOの支持取り付け失敗」
South Korea fails to drum up support at WTO in row with Japan - Reuters
韓国「WTOの支持取り付け失敗」 ロイター通信報道 - 産経ニュース
産経がロイターの記事を引用する形で報じていますが、原文では"brought no visible dividend""no other countries weighed in, the official said."と書かれており、「韓国側に肩入れする国は無かった」というような意味ですね。
- 日本は最初から国内問題としてWTOの問題ではないと考えていた
- WTOで訴えたいのは韓国
この前提からすれば、現時点で韓国の失敗であると言えるでしょう。
国際的な紛争解決機構であれば、「両国間でやれ」は、訴えた国の敗けですからね。
日本が最終的な勝利をしたのではない:WTOの一般理事会
韓国向けの輸出管理の運用の見直しについて、多くの報道で、WTO一般理事会で議論されると言及されています。この会議は定例の会議であり、164加盟国中どの加盟国でも案件を議題に登録できます。一般理事会で議論されたとしても、必ずしも他の加盟国がその案件を重視しているというわけではありません。
— 経済産業省 (@meti_NIPPON) July 24, 2019
他の国がこの時点でいずれかの国に肩入れしなかったのは至極当然で、WTOの一般理事会では自由に議題設定できるために話されたに過ぎません。
一般理事会は紛争解決をする組織ではないので、ここで韓国が支持を取り付けられなかったとしても、それはWTOパネルや上級委員会での判断を意味するわけではありません。
現時点では韓国の敗け
韓国のニュースheadline
— 崔碩栄 (@Che_SYoung) July 24, 2019
《韓日WTO対決、事実上引き分け》
いいね!が多かったコメントtop4を紹介する
-引き分け?なぜ記者が嘘つくのか
-引き分け?負けたということね
-味方がいなかったというのは負けたね
-負けじゃん
新聞に騙されないひとが多くてホッとした😳 pic.twitter.com/3IPZ84aFAM
韓国メディアは「精神的勝利」 をしようとしていますが、涙ぐましいですね。
一般の韓国人らのコメントを見ると、ちゃんと見抜かれています。
ホワイト国除外の正当性判断:今後は韓国のロビイング次第か
川瀬教授『ピーターソンインスティチュートという通商村で影響力のあるシンクタンクでこの問題が議論された。その中で韓国のソウル大学のアンドギュン教授が背景から徴用工問題を説き起こすと、ホスト側が「何か日本のやってる事ってトランプっぽいよね」という受けをしていた。日本は後手に回るな』 pic.twitter.com/kpHAVUpt1p
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) July 25, 2019
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川瀬教授の指摘は、たとえばGATT11条の「輸出制限」は実際に制限していなくとも該当するとした判例があるので、韓国側が立証する障壁は低いであろう、逆に日本側が例外事由をきちんと立証する必要がある、というものです。
ただ、基準に基づいて行っている「許可制」が違反になることが直ちに言えるかと言うと、やはり疑問であると思います。
経済産業省 輸出制限2011年版 経済産業省 輸出制限2018年版
上記で紹介されている主要ケースを見ても、「事実上の制限」「間接的な制限」であっても輸出制限になるという判示が紹介されていますが、許可制がどう扱われるのかは未知数でしょう。
当たり前の論理で言えば、これが国際ルール違反になるとは考えられず、WTOの存在意義が無くなるレベルの話でしょう。
実際上はロビイングの結果次第だということが川瀬教授の紹介した話から、何となく見えてきます。
以上