事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

Xのブロック仕様変更は改悪?エコーチェンバ―対策?フォロワーが見え、画像保存コミュニティノート通報が可能に:百田尚樹を例に

偽・誤情報対策・不正な利益対策に全振りしたんだよ

Xのブロック仕様変更は改悪?

Xのブロック機能の仕様が変更され、「改悪」という評価も聞こえてきます。

上掲記事では、国会議員でよくブロックをすることで有名な河野太郎議員の投稿を例に、どういう見え方になるのか、何ができるのかを整理しました。

公式の機能説明については【Xのブロック機能】で書かれていますが、ここで明示されていない事柄について、主にどう変更されたかについて詳細に言及していきます。

投稿・画像・フォロワーが見え、画像保存も可能:百田尚樹を例に

まず、「自分をブロックしているアカウントのフォロー・フォロワー」が見えるようになりました。実際の見え方としては以下のようになります。私は百田尚樹氏にブロックされているのですが、現在ではこの画面が見れるようになっています。

この見え方はブロックされていないアカウントで見えるものと同じです。

知り合いのフォロワー」欄では、自分がフォローしている人(相互フォロー、片思いのいずれも)が、自分をブロックしている人をフォローしているかが分かります。

フォロワー」欄は、別に自分がフォローをしていない全く知らない人が、そのアカウントをフォローしている様子が分かります。

フォロー中」というのはそのアカウントがフォローをしている相手先が分かるようになっています。

「私をブロックした奴をフォローしているフォロワーが居る!キィィィィ!!」となる人が居るのかもしれませんが、後述するように、Xは、そういうお気持ちは無視すると決めたのでしょう。

また、ブロックによる陰口の言いたい放題が出来ないから【困るのは陰口を言いたい人】であり、見られるのが嫌なら鍵垢にしなさい、ということなんでしょう。

他、投稿が見えるようになったことで画像保存も可能になったことから絵師界隈では色々な勘違いが拡散されていますが、最初からインターネット上に曝け出していたわけで元々サブアカウントやログアウト状態から閲覧可能でしたから、今回の仕様変更で何かが根本的に変わったわけではありません。

AI学習アカウントを警戒している絵師の界隈がありますが、これまでも特定のアカウントをブロックしていようが新規にアカウントが作られたり知らないアカウントはブロックできていなかったわけで、本質的に何かが変わったわけではありません。

認識したアカウントをブロックしたことで何か対策になっていたと思い込んでいた人にとっては改悪という心理になるのでしょうが、最初からそんな効果は無かったということです。

むしろ、【元ネタの出所・著作権者をブロックしてこっそりパクってた人が簡単にバレてしまうようになった】という恩恵の方が、悪い事をしていない人たちにとっては大きいと思います。

コミュニティノートや通報が可能に:先行ブロックで検証防止を無効にするエコーチェンバ―対策

百田尚樹デマ

例えばこれは国政政党となった日本保守党の党首である百田尚樹氏の3年以上前の投稿ですが、誰かがコミュニティノートを付けていればブロックされていても評価をすることが可能です。

さらに、ブロックされていてもその投稿にコミュニティノートを書くことができることを確認済みです。当然、通報も可能です。

これにより、デマを拡散するアカウントやパクツイアカウントが、検証をするアカウントを先行ブロックすることで嘘がバレないようにしてエコーチェンバ―を形成して信者を培養する、収益を得るということが難しくなったと言えるでしょう。

実際、コミュニティノートが付与されたことにより、シェアが最大60%減少・削除が最大80%減少したという分析が公式になされており、これからはノート表示までの時間短縮によってさらに効果が増すことが期待されています。

まとめ:偽・誤情報対策、不正な利益対策に全振り、デマアカウントの行動チェックや交友関係の追跡を容易に

こうした仕様変更の意図は明らかでしょう。

つまり、偽情報・誤情報対策・不正な利益対策に全振りした仕様変更ということです。

デマアカウントの行動のチェックや交友関係の追跡を容易にすることで、SNS空間の情報の健全性を確保する狙いとみられます。

コミュニティノート機能が付いた頃から感じていたことですが「ユーザーもSNS空間の治安維持・改善に協力してください」という事なんだろうと思います。住んでる近くでのゴミ拾いはしてね、ということ。

これはプラットフォーム事業者に面倒なことは全部任せて無料でタダ乗りしようとする者にとっては居心地の悪い環境かもしれません。

偽・誤情報に関する政府の検討会*1では、プラットフォーム事業者に対してこれまでに偽・誤情報対策の協力を依頼して実行されてきたこと、今後もさらに対応を求めることが協議されていましたから、今回の仕様変更は、この流れに適ったものとも言えるでしょう。

既に、日本メディアを装った中国系運営のニュースメディアサイトが乱立しているという報道もあるように、SNSが非合理的な単なるお気持ちを重視している余裕など、無くなって来たということでしょう。

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