山尾しおり議員の質疑に対する答弁が衝撃的。
山尾志桜里「中国の日本大使館の中国職員がビザ申請やパスポート情報にアクセス可能」
昨日4月2日の外務委。中国の日本大使館で働く282名の中国人職員のうち約110名がビザ業務に関与し、ビザ申請情報やパスポート情報にアクセスできることが判明。外務省は、こうした現地採用の職員と秘密保持契約を結んでいるかどうかすら答弁を拒んでいますhttps://t.co/IwHFWjp2OH
— 山尾志桜里 (@ShioriYamao) 2021年4月3日
山尾志桜里議員による4月2日の外務委員会での質疑と答弁をまとめると
- 中国の日本大使館の中国職員がビザ申請やパスポート情報にアクセス可能
- 秘密保持契約の締結について答弁が不明確
- チャイナの国家情報法施行(2017年)により全国民に情報活動の協力義務が課せされていることについて問うと回答不能に
特に3番は日本政府の認識として整理がついていない時点でヤバイだろうと。
「ビザ申請やパスポート情報へのアクセスが可能」がどのレベルの話なのかは分かりませんし、他国の現地大使館でも同様の実態があるのかはこの答弁では不明です。
ただ、チャイナの場合には国防動員法や国家情報法があり、政体が中国共産党政府の一党独裁だということから、まったく別次元の扱いが必要だろうと思うのです。
山尾氏は「(ウイグル族ら)人権弾圧のリスクを背負う人にはセンシティブな情報で、中国政府は欲しい情報だ。秘密保持義務を結んでも、国家情報法上の義務が上回る判断をして当たり前との前提に立つ必要がある」と指摘しているが、まさにそうだなと。
関連して、昨年の入国規制緩和によって中国人の入国者数がやたらと伸びていたという実態があることが頭をよぎりました。
入国規制緩和前後の中国人の入国者数
入国規制緩和前後の中国人の入国者数について観光庁統計からまとめたことがありますが、今回は法務省統計から ※2月は速報値
月報値 全体 中国人 再入国者
2020年8月 15,882 4,087 3,796
2020年9月 18,861 4,368 3,818
2020年10月 35,578 6,940 4,488
2020年11月 66,603 21,144 4,915
2020年12月 69,742 21,416 4,638
2021年1月 55,712 12,076 3,135
2021年2月 13,824 3,125 2,910
参考として台湾の観光統計月報來台旅客居住地統計から
全体 華僑全体 中国大陸からの華僑
2020.8:18,536 4,554 1,392
2020.9: 23,520 7,494 4,590
2020.10:18,982 3,073 1,810
2020.11:21,177 2,670 1,199
2020.12:22,012 2,311 1,187
2021.01:14,794 2,615 1,421
2021.02:12,674 1,341 564
なお、台湾の人口は日本の約5分の1です。
中国人のビザ発給・入国者について
日本では10月1日に入国規制が緩和され、ビジネストラック・レジデンストラックの枠組みが設けられたために入国者数が増えましたが、その後、1月には緊急事態宣言によって緩和措置が停止されました(それまでにビザ発給された分は入国させていた)。
こうしてみると、再入国者の人数はほとんど変わらないのが分かります。
台湾との比較では 入国規制緩和時の日本>台湾>緩和しない日本 傾向が見られます。
ただ、中国人の入国者の割合としては日本の方が多い。
これは中華人民共和国の側が台湾への個人旅行を禁止していることが影響していると言えますが、入国規制緩和をした際の日本への中国人の入国者数が著しく伸びているというのは一つ特徴的だなと思います(他のアジアの国ではインドネシアが似たような数値の変化をしている)。
山尾志桜里議員が指摘したような在中国日本大使館における情報管理の実態がビザ発給・パスポート申請に影響しているとは思いたくないですが、気になる情報としてまとめておきます。
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