事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

谷田川惣、参院選各党候補の皇位継承論まとめ:旧皇族皇籍復帰賛成と女性天皇に反対の党は…

谷田川惣、参院選各党の皇位継承論まとめ

旧皇族皇籍復帰賛成と女性天皇反対の党は…

谷田川惣 参院選各党候補の皇位継承論まとめ

谷田川惣 氏が参院選各党候補のアンケートにおける皇位継承論の立場をまとめていました。読売新聞のアンケートからまとめています。

政党推薦の無所属の内訳についてもどこから推薦を受けどのように回答しているのかも分けて論じています。

自民 参議院選挙2022 : 読売新聞オンライン

読売新聞アンケート:男系男子・女性天皇・女系天皇

Q10 皇室典範では、皇位を継承できるのは皇統に属する男系男子のみと規定されています。現在、皇位継承できる皇族は3人です。歴代の天皇の多くは男性ですが、女性の天皇もいました。皇位継承権について、あなたの考えに最も近いものを選んでください。

1.父方が天皇の血を引く男系男子のみ皇位を継承できる現在の制度を維持する
2.男系の女性天皇は認めるが、母方が天皇の血を引く女系天皇は認めない
3.女系天皇も認める

読売新聞のアンケートでは、皇位継承権についての考え方を問うており、「男系男子維持・女性天皇容認・女系天皇容認」の3つの選択肢から選ぶ形式にしています。

前提知識は以下で整理。

参院選2022皇位継承論、候補者アンケート結果

谷田川氏の動画から政党別の回答数をグラフ化するとこのようになります。

無回答の候補も居るため、数字が立候補者数とは一致しない場合があり、れいわ新選組は無回答が多かったです。政党要件を満たしているのはれいわ新選組までで、NHK党から右側の政党は諸派と呼ばれるものになります。

これを見ると、男系男子の継承を維持すると回答したのが圧倒的に多いのが日本維新の会と新党くにもり、過半数なのが自民党と参政党、半数に届かないが相当数居るのがNHK党だというのがわかります。

女性天皇賛成の率で言えば、自民党・公明党・国民民主党・NHK党・幸福実現党・あたりが党内において多いと言えます。

女系天皇に賛成の立場の者が圧倒的に多いのが立憲民主党・日本共産党・社民党と言え、国民民主党・れいわ新選組も多く賛成の回答が為されていると言えます。

各党の従前の動きがそのまま反映されたように映ります。

NHKの参議院選挙2022候補者アンケート「女性皇族が結婚後残る案」「旧皇族の男系男子の養子縁組」

候補者アンケート 参議院選挙2022立候補者へ質問と回答 NHK(各党)

Q23 女性皇族が結婚後残る案賛否
安定的な皇位継承のあり方などを議論してきた政府の有識者会議が、皇族の数を確保する方策として示した2つの案についてうかがいます。まず、「女性皇族が結婚後も皇室に残る」案に賛成ですか。反対ですか。

Q24 旧皇族男系男子を養子に案賛否
次に、「旧皇族の男系男子を養子に迎える」案に賛成ですか。反対ですか。

NHKの場合「女性天皇に賛成か」という聞き方や皇位継承論についての立場はどうか?という聞き方ではなく、「女性皇族が結婚後残る案」への賛否を問うものがあります。

また、男系男子の継承を直接問うのではなく、「旧皇族の男系男子を養子に迎える案」への賛否を問うものがありました。

グラフは政党要件を充たすところがメインで表示されているようです。

「女性皇族が結婚後残る案」

「女性皇族が結婚後残る案」というものの中身は不明です。論理的には配偶者や子に皇族の身分を与える制度、配偶者には子には皇族の身分を与えない制度があり得ます。

「女性宮家の創設」という表現で女性皇族が婚姻後に残る制度を作ろうとする動きかつてはがありましたが、その案を推進していた学者が参加する研究会が女性宮家を明確に否定する案を出すなど展開が変わりました。

議論の経緯は以下で。

NHKアンケートでは「女性皇族が結婚後残る案」について党内での賛成割合が多いのは順番に共産党・国民民主党・立憲民主党・公明党・社民党・NHK・自民党と言ったところです。

自民党でも32%が賛成というのがわかります。

逆に日本維新の会が「どちらかといえば賛成」も含めて4%という数字が目立ちます。

「旧皇族の男系男子の養子縁組」

「旧皇族の男系男子の養子縁組」というのは、皇室典範を改正し、かつて皇族の身分だった者とその子孫の男系男子のうち、特定の者が皇族の身分になる(歴史的な用語では「皇籍復帰」)手段の一つとして、皇族の養子となることを指します。

ある宮家全体が皇籍復帰することは考えられていません。

また、養子縁組以外の手段による皇籍復帰方法(法律で効果を創設する)も検討はされましたが、養子縁組の手段が今は検討されています。

その対象は旧皇族の家の者の意思を尊重することを大前提として、青年男子単独で養子になるのか、夫婦で養子となるのか、幼年者を養子にするのか、というような可能性があります。

こちらは党内での賛成割合が多いのは日本維新の会が89%で断トツ、次に無所属等、NHK党が56%、自民党が33%と続きますが、全体的に「無回答」が非常に多いのが見て取れます。

保守派は女性天皇容認論についてどうみるべきか

最大与党の自民党において男系男子維持の選択肢がある中で女性天皇容認の選択肢を選ぶ候補が多く、しかも旧皇族の養子縁組についても消極的な立場が多い、しかも有力な野党は日本維新の会以外は軒並み女性天皇のみならず女系天皇すら賛成している点からは、保守派が女性天皇について警戒感を持つのは当然でしょう。

女性天皇は歴史上の例はあるがどれも危機的状況下であったことを踏まえ、現実の政治家におけるうねりがどうなるか、について懸念を持つこと自体は正当でしょう。

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