アベプラの当該放送の内容は一切信用ならないということが確定
※追記:2月25日のアベプラの放送にて、再調査の結果、事実確認ができなかったと謝罪がありました。
ABEMA「回答を控える」弁護士ドットコムニュースのAED番組取材に
サイバーエージェントとテレビ朝日が50%ずつ出資しているAbemaNEWSの番組「アベプラ」で2025年1月20日に放送された【「女性にAEDを使わないで」男性が恐れる“社会的制裁”とは?分断の向かう先は?】にて、『女性へのAEDで親から刑事告発され受理されたが女性が説得して和解』という内容が仁科健吾アナウンサーによる読み上げにより事例として紹介されました。
この回の番組は女性へのAEDに忌避感を示して約1000万インプレッションのバズを得た投稿を取り上げてそれを軸に番組構成し、そのバズ投稿へのリプライ欄で「女性にAEDをしたら親が刑事告訴してきた」というネットユーザーの発信内容をそのまま伝えたことについて番組出演者からも疑義が呈されるなどして批判されて来ました。
そこに弁護士ドットコムがABEMA側に取材した結果を記事化。
「AEDで救命したら被害届出された」 裏取りしなかった? ABEMA報道番組の抱える問題点、OBプロデューサーが指摘 - 弁護士ドットコム2025年02月18日 10時20分
2月18日のこの記事ではABEMAが裏どり取材を怠った可能性に触れ、本来どうするべきだったかが鎮目博道氏によって指摘されていましたが、この時点ではABEMAからの回答がありませんでした。
8時間後にUPされた記事では以下の回答があったと書かれました。
「女性をAEDで助けたら被害届」ABEMAの報道番組が波紋「BPOあったら瞬殺される」「訂正すべきでは」 - 弁護士ドットコム2025年02月18日 18時01分
弁護士ドットコムニュースではABEMAに対し、次の点を質問した。
・男性の投稿について、何か事実を立証できるようなものを取材の過程で確認しているか。
・女性にAEDを使用し、強制わいせつで被害届けを出され、和解したという報道内容について、現在も事実であると考えているか。
・この番組内容については、放送当初より、女性に対する救命の機会を失わせるものであるという批判がある。AEDは特に人命に関するものですので、こうした批判についてどのように受け止めているか教えください。
これに対して、ABEMAは2月18日、次のように回答した。
「大変申し訳ございませんが、番組制作の過程については、回答を差し控えさせていただきます」
報道内容について事実と考えているか?とも問うているのに、「番組制作の過程については…」と言っているのは、意味が通りませんね。
もはやデマ確定では:警察庁も報告無いと回答、各者が実態調査も確認できず
「女性にAEDしたら親が刑事告訴してきた」という情報の出所は番組では明らかにされていませんが、明らかにその主張をしているXユーザーは特定されており、番組放送して間もなく鍵アカウントになっています。
また、アベプラのプロデューサーである郭晃彰氏のXアカウントが削除されました。
衆議院議員の米山隆一議員が警察庁・警視庁・大阪府警本部にそのような事案の存在があるかを確認しましたが、報告は無いという回答を得たと発信し、アエラドットも同様の回答を得ています。アエラドットの記事ではAEDの使用を促すための重要な情報を掲載していました。
こうした展開の中でABEMAの認識を明らかにしたのが弁護士ドットコムと言えます。
もはやデマだったことが確定したと言ってよいのではないでしょうか?
「女性へのAEDで痴漢と言われた!」というデマは過去にもありましたが、その際もTwitter(現X)の投稿をネットメディアが取り上げたことで大拡散されたという経緯があります。
ネット上のデマに関するメディアの責任について、弁護士ドットコムは触れています。
「女性をAEDで助けたら被害届」ABEMAの報道番組が波紋「BPOあったら瞬殺される」「訂正すべきでは」 - 弁護士ドットコム2025年02月18日 18時01分
一般的に、地上波のテレビ番組について、視聴者はNHKや民法連などが設立した第三者機関である「放送倫理・番組向上機構」(BPO)に意見を送ることができる。
BPOの公式サイトでは「視聴者などから問題があると指摘された番組・放送を検証して、放送界全体、あるいは特定の局に意見や見解を伝え、一般にも公表し、放送界の自律と放送の質の向上を促します」と説明されている。
しかし、ネットの報道番組はBPOの対象外であり、第三者機関も現在、存在していないと考えられる。
このため、今回の問題について「BPOがあったら瞬殺される」「ネットの報道番組はBPOがないからやりたい放題」「ネットの報道番組にも検証が必要」といった声がSNSであがっている。
弁護士ドットコムニュースでは、ABEMAに対して、番組を検証できる組織が内部、あるいは外部に存在するか、あらためて取材を申し込んでいる。
振り返ってみれば、マスメディアもネット上で発信をしてきましたが、それをしつつ「ネットはデマばかり!(テレビみろ新聞読め)」と言っているのは、『電波ニ毛作』と呼んだ方が良いのかもしれない。
ネット上のデマ空間があるのは、マスメディアにとっても好都合だったのかもしれません。しかし、もはやそれは許されない。
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