言語道断の発言
- 青山繁晴議員が自民党総裁選出馬希望会見
- 青山議員「利益誘導回避のため岸田総理へG7サミット長崎開催要請」
- 岸田政権の発足前に外務省から「公募」で開催地を募集開始していた
- 長崎県・長崎市は関係閣僚会議の誘致を要望・G7長崎保健大臣会合に
- まとめ:「青山繁晴は虚言癖・デマ」の立証は不要、治癒不可能な瑕疵のある主張
青山繁晴議員が自民党総裁選出馬希望会見
青山参議院議員 自民総裁選に立候補したいという意向示す 2024年8月23日 18時36分NHK NEWS WEB
自民党の青山繁晴・参議院議員は記者会見し、岸田総理大臣の後任を選ぶ来月の自民党の総裁選挙に立候補したいという意向を示しました。
青山繁晴議員が自民党総裁選への出馬の希望を述べる記者会見を開きました。
普通、推薦人20人が揃った段階で「出馬会見」をするものですが、「立候補したい意向を示す」だけの会見というのは珍妙な出来事です。推薦人は隣に座っていた和田政宗議員のみになったと発言がありました。
(※訂正:当初稿では「現在確定している推薦人は隣に座っていた和田政宗議員のみと言っていました。」と書いていましたが記者による現時点での推薦人の人数についての質問に「答えられない」と返答していました。「一人になった」というのは現段階では一時期の人数として伝えるのが性格でした。)
フル動画は以下にあります。
https://www.youtube.com/watch?v=l8RODZTUn70
青山議員の従前の発言から、本気で総理になる気はないというのが私の見立てですが、この記者会見では看過できない発言がありました。
青山議員「利益誘導回避のため岸田総理へG7サミット長崎開催要請」
なぜ参議院から出るのか?という、今回の動きの根幹に関わる話が前掲動画の23分過ぎから為されましたが、そこで青山議員が「候補地が最終的に確定する前に岸田総理と議論した。広島で行うのは小選挙区に基づく利益誘導である。長崎で開くべきと言った」と話しました。
本当にこんなことを言っていたなら『G7サミットの開催地の手続を進めていたのにそれを反故にして恣意的に決定しろ』と言っていたことになります。
我田引水・言語道断の内容です。これこそ利益誘導の疑いがかかる行為。
岸田政権の発足前に外務省から「公募」で開催地を募集開始していた
名古屋VS福岡VS広島 来年のG7サミット誘致合戦が号砲 2022年1月14日
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2024年8月23日
青山繁晴議員は岸田総理にG7の長崎開催を提案したと言っているが、【公募】で候補地がこの3つになったんですよね。
で、この記事の1か月後に何があったかはご存じの通りhttps://t.co/oL6gxY9jr2
主要7カ国首脳会議(G7サミット)の開催地には、福岡市・広島市・名古屋市が誘致をしていました。*1これは外務省が10月1日から始めた【公募】の手続によって進められたものです*2。
岸田政権の発足は令和3年=2021年10月4日です。
候補地の選定は、最終的には諸般の事情を鑑みて総合的に判断するということになっていました。その後、令和4年=2022年2月に何があったか?言うまでもありません。
同年5月23日に広島開催が決定されました。*3
長崎県・長崎市は関係閣僚会議の誘致を要望・G7長崎保健大臣会合に
また、G7サミットにはそれに付随する関係閣僚会合があり、本体の開催地に限られず日本全国で行われました。その中に【G7長崎保健大臣会合】がありました。
令和3年=2021年12月の段階で、閣僚会合の誘致を長崎県・長崎市が目指しており、その希望通りになったということです。*4*5*6
つまり、青山繁晴議員の説明によれば「関係閣僚会議の開催地に手を挙げていた自治体について、首脳会議の開催地に手を挙げていないにもかかわらず、候補地が公募の手続によって福岡・広島・名古屋に絞られている段階で、首脳会議の開催地にするよう総理に申し出た」ということになります。
それを「総理大臣の利益誘導とみられる危険のある動きについて箴言した」などと堂々と言う。この事の異常性、不当性ははかり知れません。
まとめ:「青山繁晴は虚言癖・デマ」の立証は不要、治癒不可能な瑕疵のある主張
「青山繁晴は虚言癖・デマ」という点をSNS等で発信している者も居ますが、そういうことの立証をするまでもなく、治癒不可能な瑕疵のある提言内容・支離滅裂さを提示していけば評価は足りると思います。
岸田総理に対する「利益誘導」などの言動は、やっていることとしては安倍総理に加計学園問題などと吹っ掛けたマスメディアと変わりません。現に同様の疑惑が生じるように朝日新聞が記事で印象操作しています。
ロシアによるウクライナ侵攻があった2022年2月の後に、大都市ではなく郊外での開催の傾向があったG7首脳会合の開催地として、公募の結果手を挙げた福岡・名古屋・広島の内から広島を選んだことにまで利益誘導などと言われたら、何も政はできません。
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*1:朝日新聞は「当の首相も12月の参院予算委員会で「世界の政治指導者に原爆の実相に触れてもらうことは大変重要だ」と語り、広島開催への意欲をにじませた。」と書いているが、第207回国会 参議院 予算委員会 第3号 令和3年12月20日では先だって2016年のオバマ大統領の広島訪問に関して「核兵器のない世界を目指す際に、世界の政治指導者に被爆の実相に触れてもらうということは大変重要なことだと思います」と答弁しており、その後に立憲民主党で広島県選挙区選出の森本真治参議院議員からの質疑でG7広島サミットの開催の要請が為された際に同趣旨の発言をしたに過ぎない。森本議員の質問に対する回答としては「各自治体に対し誘致の希望を募っているところ」としか答弁していない。
*2:https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/565589.pdf
*3:2023年G7サミットの誘致について【広島開催決定!】 | 広島県
*4:G7関係閣僚会議 出島メッセ誘致へ 田上市長、詳細は「検討中」 2023年開催 2021/10/29 [11:10] 長崎新聞