ダンプカーのブレーキから出火しコンビニで消火器を借りようとしたが、貸してくれずにダンプカーが全焼して駐車場の修理費100万円超えを請求された - Togetter
ちょっと関連法令が気になったので。
ダンプカーが出火したのにコンビニが消火器を貸さず
元ツイートの魚拓:http://archive.is/V9Sk9
要するに、コンビニの駐車場でダンプカーが出火したのでコンビニ店員に消火器を課して欲しいと言ったが拒否されたにもかかわらず、延焼によってコンビニ敷地に被害が出たことから100万円を請求された、という内容です。
コンビニ店員の対応は正しかったのでしょうか?
消防法の規定
第六章 消火の活動
第二十四条 火災を発見した者は、遅滞なくこれを消防署又は市町村長の指定した場所に通報しなければならない。
○2 すべての人は、前項の通報が最も迅速に到達するように協力しなければならない。第二十五条 火災が発生したときは、当該消防対象物の関係者その他総務省令で定める者は、消防隊が火災の現場に到着するまで消火若しくは延焼の防止又は人命の救助を行わなければならない。
○2 前項の場合においては、火災の現場附近に在る者は、前項に掲げる者の行う消火若しくは延焼の防止又は人命の救助に協力しなければならない。
○3 火災の現場においては、消防吏員又は消防団員は、当該消防対象物の関係者その他総務省令で定める者に対して、当該消防対象物の構造、救助を要する者の存否その他消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のため必要な事項につき情報の提供を求めることができる。
「関係者」とは消防法に定義があります。
第二条
ー省略ー
○3 消防対象物とは、山林又は舟車、船きよ若しくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物又は物件をいう。
○4 関係者とは、防火対象物又は消防対象物の所有者、管理者又は占有者をいう。
ここでの関係者はコンビニではなくダンプカーの所有者や運転手になります。
「総務省令で定める者」とは誰でしょうか?
(応急消火義務者)
第四十六条 法第二十五条第一項の命令で定める者は、傷病、障害その他の事由によつて消火若しくは延焼の防止又は人命の救助を行うことができない者を除き、次に掲げる者で、火災の現場にいるものとする。
一 火災を発生させた者
二 火災の発生に直接関係がある者
三 火災が発生した消防対象物の居住者又は勤務者
総務省令で定める者は、少なくとも火災の発生に直接関係がある者としてダンプカーの運転手がこれにあたると思います。
コンビニ店員は「火災の現場附近に在る者」として、消防・延焼の防止に協力する義務があるということですね。
ツイート主の説明によれば、この義務を怠ったということになります。
消防・延焼の防止義務違反の罰則は
ただし、二十五条に関する罰則規定は、消火活動等を妨害した者や、情報提供を拒んだり虚偽情報を提供した者しか規定されていません。
今回の事例がどういうものだったのか、詳しくは分かりませんが、消火器を貸さなかったことが消火活動を妨害したとされるのかということは無いのではないでしょうか?
刑法上の失火の共犯にもなり得ません。
最初のツイート主は一部ツイートを削除
ツイートは消させていただきます。
— は (@13crown_9999) April 16, 2019
私のせいで不快に思った方ほんとに申し訳ございませんでした。 pic.twitter.com/U15uiqKMNe
ここでもツイ主の意を汲んで具体的なコンビニ名はふせました。
被害弁償についてはコンビニ店員の消防法上の義務違反を指摘すれば、ある程度は減額できるのではないでしょうか?
火災の消火には危険が及ばない限り協力しましょう。
以上