事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

ふてぶてしいにもほどがある不適切報道マスコミの新語流行語大賞2024「ふてほど」選出:XとGoogleの検索数をみると…?

マスメディアが流行らせたい大賞

新語流行語大賞2024に「ふてほど」が選出

12月2日、「現代用語の基礎知識」の発行などをしている株式会社自由国民社が株式会社ユーキャンと提携して実施している【ユーキャン新語・流行語大賞】の大賞が決まり、どよめいています。

「ふてほど」というのは、令和6年1月26日から3月29日までTBS系「金曜ドラマ」枠で放送されたテレビドラマ「不適切にもほどがある」の略語を言うそうです。

なお、ノミネートされた言葉は以下など。

2024年「新語・流行語大賞」30の候補 発表 大谷選手の「50ー50」や「コンビニ富士山」も【一覧で詳しく】 | NHK | ニュース深掘り

ドラマ視聴者「聞いた事ない」続出:平均視聴率も…

ドラマをリアルタイムで視聴していた方も「ふてほどは聞いた事がない」とする人が続出していました。

「不適切にもほどがある!」は安定してドラマ平均視聴率のTOP10入りをしていたと言えますが、同時期に放送されていた「連続テレビ小説・ブギウギ」、「光る君へ」を上回ることはなく、「相棒」を上回ることも1回のみでした。

1月期のドラマ枠で5位、年間ドラマ枠で16位、平均世帯視聴率が7.4%というのは十分立派な成績だとは思いますが、社会現象や広く認知されていたかというと…*1*2*3

X投稿・Google検索では「地面師たち」の「もうええでしょう」が圧勝

新語・流行語大賞ではNetflixのドラマ「地面師たち」中のセリフ「もうええでしょう」もノミネートされていました。これについてX投稿・Google検索の数を調べると*4、「ふてほど」「不適切にもほどがある」よりも「地面師たち」「もうええでしょう」の方が圧倒的にボリュームが多いということが分かっています。

ふてほど

ふてほど

上側の画像がYahoo!リアルタイム検索、下側の画像がGoogle Trendsの結果です。

11月5日に検索ボリュームが増えている理由は、新語・流行語大賞のノミネート用語30が報道されたからです。それによる「効果」は「ふてほど」より「もうええでしょう」の方が大きいという事が分かります。なお、GoogleTrendsの上掲のグラフは当該用語内での%なので、用語間の検索数を直接比較したものではありません。

Xでもドラマの最終回の時期をピークに多く言及されていたことが分かりますが、それ以降は出演俳優の死去やドラマの受賞によって記事が出た際に言及量が増えるくらいで、恒常的に「ふてほど」が他の社会現象の評価文言として用いられている様子はありませんでした

さらに、Google Trendsで「不適切にもほどがある」と「地面師たち」の検索数を比較しても、後者の方が言及されていることが分かります。

「地面師たち」が放送開始されたのは2024年7月25日で7エピソードで構成されていますが、配信開始から3ヵ月が経過しても話題性が継続し続けているのが分かります。

この傾向は「ふてほど」と「もうええでしょう」の比較でも見られます。

ドラマのタイトルではなく、新語・流行語大賞の対象となる用語の言及・拡散度合いでは、「ふてほど」の方が最大数や放送してから現在までのボリューム数が多いのが分かります。ただ、「地面師たち」の放送開始後は一貫して「もうええでしょう」の方がボリュームが大きいのが分かります。

「不適切にもほどがある」と「ふてほど」では、前者の方がボリュームは大きかったです。なぜそちらがノミネートされなかったのかは謎です。何らかの名詞やタイトルがノミネートから排除されているということは無いのに。*5

なお、上掲グラフでは11月30日までのものとし、大賞発表後の影響を排除しています。

「デコピン」の方が「50-50」や「ふてほど」よりも言及されていたのでは…?

ところで、ノミネートされた用語にはMLBのロサンゼルス・ドジャース所属の大谷翔平選手が50本塁打・50盗塁を達成したことを指す「50-50(フィフティ・フィフティ)」も入っていましたが、「デコピン」の方が検索数は遥かに上でした。

「デコピン」というのは大谷翔平選手の飼い犬の名前で、英語圏だと"Decoy"(デコイ)と呼ばれていますが、ドジャースの試合の始球式に参加したりSNSで度々話題になったりしていました。

「50-50」は達成する前後から言及されていたのに対して「デコピン」は昨年に登場してから安定的に検索され、大谷翔平選手が注目される毎に注目されていたので、こうなるのは必然でしょう。

ふてぶてしいにもほどがある不適切報道マスコミの新語流行語大賞

XとGoogleでの言及・検索数ですべてを語ることはできませんが、これだけを見ると「ふてほど」が選ばれたのは謎でしかありません。

他にもっと言及・検索された用語がある中でこの用語選出は、「ふてぶてしいにもほどがある」とSNSでは言われています。また、『「不適切報道」の略?』とも言われています。

確かに今年は1月1日の能登半島地震に際して読売新聞が穴水高校の自販機に関してWEB記事をサイレント削除して地元紙でこっそり謝罪していたり、共同通信が上川陽子大臣の発言を捏造したり靖国神社参拝に関して誤報していたことが発覚したり、パリ市が不法入国者が公共施設を占拠してたのを追い出して、五輪のために日本に提供したことを「ジャパンに追い出された」と見出しにして報じたり、選挙に際して特定政党の人物にのみ「裏金議員」のレッテルを貼って報道していたりと、即時に現場やSNSが否定する明確な不適切報道が多かった印象です。

そこから目を逸らすミスディレクションのために「SNSでアテンションエコノミー・エコーチェンバ―」「SNSによって選挙が左右された」という話をし出したのが秋頃からのマスメディアの論調でした。

マスメディアの「ふてほど」から目が離せない時期は今後も継続しそうです。

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*4:X投稿はYahoo!リアルタイム検索、Google検索はGoogleTrendesで検索

*5:たとえば映画「侍タイムスリッパー」は、タイトルがそのままノミネートしていた。