外務省の外交青書2019でついに「軍や官憲による強制連行は見当たらない」「性奴隷は事実に反する」という記述が加わりました。
その意味内容を整理していきます。
- 外務省の外交青書2019
- 「軍や官憲による強制連行は見当たらない」と河野談話との関係
- 「官憲等」には当時の朝鮮半島出身者が含まれる
- 「性奴隷」は事実に反する・日韓合意でも使用されていない
- 発狂する韓国メディア
外務省の外交青書2019
第2章 地球儀を俯瞰する外交 の【第1節 アジア・大洋州】29ページです。
ここでは「軍や官憲による強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」と明確に指摘しています。
「軍や官憲による強制連行は見当たらない」と河野談話との関係
河野談話では「官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった」と発言されていますが、これはかなり根拠が危ういものであることが分かっています。
【歴史戦 第1部 河野談話の罪(3)後半】外交官さえ「談話がすべて」 弱すぎる海外発信、「誤解」野放し (3/3ページ) - 産経ニュース
平成9年3月、自民党の保守系有志議員「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(教科書議連)が行った会合でのこと。「強制性」の証拠の有無を問われた当時の内閣外政審議室審議官、東良信は、韓国政府が行ったという元慰安婦の証言以外には「バタビアの事件が1つあった」だけだと説明した。
外交青書の【参考資料 慰安婦問題】において、衆議院議員高市早苗君提出「慰安婦」問題の教科書掲載に関する再質問に対する答弁書が掲載されており、この立場と変わるところはないとしています。
いわゆる従軍慰安婦問題に関する政府調査においては、発見された公文書等には、軍や官憲による慰安婦の強制連行を直接的に示すような記述は見られなかった。他方、調査に当たっては、各種の証言集における記述、大韓民国における元慰安婦に対する証言聴取の結果等も参考としており、これらを総合的に判断した結果、政府調査結果の内容となったものである。政府調査結果は、政府として全力を挙げて誠実に調査した結果を全体的に取りまとめたものであり、政府としては、これまでのところ、政府調査結果の内容を変更すべき事由はないものと考えている。
結局、河野談話を否定するものではないと言えますが、公文書は存在しないということを明記したことによって、少なくとも日本の官憲等が「組織的に」強制連行を行ったものではないという理解が得られるハズです。
なお、外務省としては以下の認識です。
【第1節 アジア・大洋州】27ページ
「軍や官憲による強制連行」、「数十万人の慰安婦」、「性奴隷」といった主張については、史実とは認識していないこと)について説明する取組を続けていく。
「官憲等」には当時の朝鮮半島出身者が含まれる
日韓併合時には韓民族の者も日本人として公務員になっていましたから、ここで言う「官憲等」には当時日本人だった韓民族の警察官なども含まれることになります。
いずれにしても女性の意に反する連れ去りが女性の親やあっせん業者(女衒)によってなされていたことは明らかであり、その女性は当時、日本人であったことから、日本政府が被害救済を考えることは当然だと言えるでしょう。
【当時は朝鮮半島の人は日本人として平等に扱われた】
この前提も海外に発信していくべきでしょう。いわゆる大和民族であっても、朝鮮半島に住んでいる者は大日本帝国憲法とは異なる朝鮮半島の憲法下に置かれていましたから。
「性奴隷」は事実に反する・日韓合意でも使用されていない
外交青書2019では、「性奴隷」は事実に反すると明確に指摘しています。
●「性奴隷」
「性奴隷」という表現は、事実に反するので使用すべきでない。この点は、2015年12月の日韓合意の際に韓国側とも確認しており、同合意においても一切使われていない。
女性の意に反して連れてこられたとしても、その後、軍の管理下に置かれた際の扱いはきちんとしていたということですね。
「強制連行=性奴隷」、などと短絡的にイメージする者も多いので、これは良い仕事をしていると思います。
発狂する韓国メディア
日정부 "위안부는 성노예 아냐..韓정부도 확인" 주장 논란 | 다음 뉴스
聯合ニュースは、性奴隷に関する説明を今年の外交青書に突然追加された理由と「2015年12月、日韓の合意時に韓国側も確認した」と主張した根拠が何なのかを日本の外務省に問い合わせたが、外務省は11日現在、まだ返信しなかった。
いや、「根拠は日韓合意」なんだが、何を言ってるんだろう?
(文書が作成されなかった)日韓合意において、そのような文言は使われていなかったと言っているのです。合意時の合同記者会見の映像は残っていますから、容易に検証可能なハズです。
いわゆる「きいてる」ってやつですね。
これまでこうした発信をしてこなかったことが悔やまれますが、ようやく正常化に向けて動き出したということではないでしょうか。
以上