事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

兵庫県百条委員会アンケートで50歳代の回答者が異常に多い?OBからの回答がある?

どうなってるんだ…?

百条委員会アンケートで50代の回答者が異常に多い?

発端はバレットさんの投稿

兵庫県議会百条委員会(文書問題特別委員会)が実施した県職員アンケートの回答者のうち、50歳代の回答者が実際の職員数の構成比と比べてとても多いという指摘。

構成比ではなく実数から考察してみます。

なお、具体的な中身も項目から乖離した内容で、単純に数だけをみた報道やファクトチェックがズレたものとなっています。

全体5万5000人・50代1万1000人、県職員アンケート全体1万人・50代2500人

バレット氏が使用したのは【人事行政の運営等の状況 令和5年12月 兵庫県】データ。

これをみると、県職員全体が約5万5000人で、50歳代は約1万1000人と言えます。

全体の5分の1が50歳代】ということが言えるわけです。

他方で、県職員アンケートは対象者全体が「兵庫県職員(会計年度任用職員、非常勤職員含む)約9700人」となっています。どうして「約」なんだろうか?というのは措くとして、母数は約1万人となります。

9700人というのは一般行政部門の職員数そのままとは乖離しており、教育・警察を含めると途端にオーバーしてしまうので、一般行政部門の約6000人に会計年度任用職員+非常勤職員が上乗せされたんでしょうか?

この辺りを説明するものが何もなく、アンケートが扱われた8月23日の百条委員会は秘密会で動画も非公開のため、よくわからないので、このまま進めていきます。

兵庫県議会/文書問題調査特別委員会

で、回答者の内訳をみると、6725人の回答者(件数じゃなくて「者」となってるが…)のうち、50歳代の者は約2500人全体の約37%3分の1が50歳代であり、他の年代の回答者より2倍近く回答率が高いということで「なんか変だな?」となるのは当然です。

それに、約1万人のアンケート対象者の母数から考えると、【全体の5分の1が50歳代】ということからは、50歳代は約2000人が上限となるはず。それが2500人なのだから、全員が回答していたというあり得ない想定をしても、まったく足りない。

「人事行政の運営等の状況」からみる職員の年齢構成のボリュームゾーンは30代と40代であり、50代を2500人とすると30代と40代は3000人ずつが対象者として存在しなければならず(回答者に限らない)、20代以下と60代で1200人というのは数字が明らかに合わないことに。

これを正当化し得るのは「警察や教育は若い職員が多く、一般行政職員は50歳代以降が非常に多い」「会計年度任用職員+非常勤職員」には50歳代が圧倒的に多い、という場合が考えられますが、そんなことはあり得るんだろうか?

そのため、「知事に関する事柄について回答できる者には50歳代が多いから回答者が多くなっただけではないか」、という予測も、合理性を欠くことに。

したがって、50歳代の重複回答者がかなりの数、存在しているのではないか?ということに。その場合、それがなぜ50歳代に集中したのか?という問題が。

兵庫県職員アンケートはGoogleフォームを使用、繰り返し似た回答の投稿が可能だが…

兵庫県職員アンケートはGoogleフォームを使用しているため、繰り返し似た回答の投稿が可能ですが、ならば年齢もバラバラにできたはずで、なぜ50歳代が圧倒的に多くなったのか?は謎です。

red氏のこの論稿では形式面からアンケート調査の問題点が指摘されています

  • 「調査の参考」にするために実施された過ぎないとあり、無限定な回答が投稿されたことに繋がった
  • URLさえあれば誰でも回答可能
    ※現実に、県職員ではなくOBからの回答を促す県議会議員のSNS投稿がある
  • 「パワハラ」の定義を示さなかったため明らかに非該当のものも投稿された
  • 中間報告のまとめには、たとえば「A:目撃・経験等により実際に知っている」の中に再伝聞や知事の言動ではない内容があるなど、職員が勝手に回答したものをそのまま掲載、事務局が整理したものではない

OBや無関係の人からの回答?丸尾まき兵庫県議によるOBからのアンケート回答依頼

OBからの回答を促していたのは丸尾まき兵庫県議

丸尾まき

ttps://x.com/siogensui/status/1856170588102111362

https://archive.md/xFprW

「百条委員会実施予定の県職員アンケートにご協力下さい」とOBにも呼び掛けている。

この方法で回答されていたなら、論理的にはOBですらない、まったく無関係の者からの回答もあり得るということに。

ただし、丸尾議員は「アンケート用紙を丸尾からメール等で送付させていただきます」とも投稿しており、この手法は『県職員対象アンケート調査実施要領』*1とは異なる様子なので、【独自に別個のアンケ―トを実施していただけ】という可能性も。

こうした手法・背景がある中で行われたアンケートのうち、無記名の回答にどこまで意味を見出すべきでしょうか?かなり慎重に取り扱わないと、それこそ「怪文書」に誘導させられるでしょう。

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