意識の段差があるようです。
- 伊是名夏子「地下二階だと車椅子で行けないから移転して欲しいと要求した」
- 電動車椅子を階段で運ぶのは危険を伴うと認識していた
- 店舗の移動を要求すると言うのはアグレッシブ
- 大戸屋のような店はどうするのだろうか?
- 「意識の段差」
伊是名夏子「地下二階だと車椅子で行けないから移転して欲しいと要求した」
東京新聞「意識の『段差』なくなれば…」 : コラムニスト伊是名夏子ブログ
元URL:http://blog.livedoor.jp/natirou/archives/52155388.html(魚拓)
社民党全国連合常任幹事の伊是名夏子 氏が「地下二階だと車椅子で行けないから移転して欲しいと要求した」ということの初出は東京新聞2016年10月25日の記事ですが、この件について同年11月19日に伊是名氏が自身のブログにて同じ文章をUPしています。
タイトルは『「意識の『段差』なくなれば…』
先日、東京・表参道にある大きな商業施設を訪れました。日本有数のショッピングスポットですが、私の行きたい店舗は地下二階にあり、階段でしか行けません。警備の方が、私の車椅子を持って下さると言ってくださいましたが、電動車椅子は重さ80kg、私を含め100kgを越えてしまいます。そんな重いものを、狭い階段で運んでもらうことは、危険を伴います。、泣く泣く入店を諦めました。
誰もが楽しめるはずの大型施設、そしてわずか10年前にできたお店ですら、車椅子ユーザーが行けないなんて。きっとベビーカーをはじめ、階段を使うのが難しい人も、入店を諦めているのでしょう。後日、メールを送り、車椅子でも入れる場所に店舗の移動をお願いしましたが、難しいとの回答をもらいました。残念でたまりません。
電動車椅子を階段で運ぶのは危険を伴うと認識していた
伊是名氏は電動車椅子を階段で運ぶのは危険を伴うと認識していたことが分かります。
その中で2021年4月の事案では小田原駅において、来宮駅での電動車椅子の運搬を要求していたのですから、複数人数が必要で、その人足を集めるための調整に時間がかかるということは予想できたはずです。
店舗の移動を要求すると言うのはアグレッシブ
そして、電動車椅子の自分が入れるようにという目的で店舗に対して店舗の移動を要求するというのは、とてもとてもアグレッシブな姿勢だと思います。
都心は狭いのでそもそもの構造上の問題や、店舗はスペースを賃貸しているものを利用しているだけで改装できない場合があったり、他に良い立地の所は既に埋まっているために仕方なく地下階に店舗を構えているところはごまんとあるでしょう。
土地に限りがある都心は建物が垂直方向に活用するものが多く、そうした街並みは様々な要因によって醸成されてきたものでしょう。
仙台市の郊外に住んでいるとなかなかそういう店舗には遭遇しないので、やはり都心は特殊だと思います。
大戸屋のような店はどうするのだろうか?
1階に店舗を構えることを避けていることで有名なのが外食チェーンの「大戸屋」。
「女性が外を通る人から一人で定食を食べているところを見られるのが嫌」
というニーズを汲み取り最初から2階や地下階に出店することを決めている企業です。
(ペデストリアン付近の店舗だと2階といっても外に人通りがありますが、それでも外部からは見えないようにしている店に入ったことがあります。)
仮に、伊是名氏が大戸屋のデリバリーを気に入って店舗でも食べたいと言い出したらどうでしょうか?
そういう店舗に対して「どの店舗でもバリアフリー対応しろ!」と言うんでしょうか?
「意識の段差」
店舗の出店場所は、企業の戦略や土地の制約、競合との関係等によって決まります。
そこには店舗経営者がバリアフリーに関して意識が高いかどうかとは別次元の要素があり、高額出資者や商品のヘビーユーザーですらない人間が店舗の位置を決めようと働きかけるというのは、なかなか思いつくものではありません。
「意識の段差」を見た気がしました。
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