事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

外務省「強制連行・性奴隷・慰安婦数十万人は史実に反する」と明記:英語とドイツ語も

Japan Comfort Women

外務省が慰安婦問題に関して「強制連行・性奴隷」を否定するページを作りました。

昨年の4月にできたページですが、最近他国の言語のものを作成した関係で日付が上書きされているようです。

外務省「慰安婦問題についての我が国の取組」

外務省慰安婦問題、英語版、ドイツ語版

令和2年11月30日付で【慰安婦問題についての我が国の取組】というページが外務省にあります。文書の言語は英語・ドイツ語・韓国語もあります。

日本語版文書:https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000472256.pdf

(概ね英・中・韓語が用意されていることが多いのですが、ベルリン市のミッテ区の問題を受けてのことなのかドイツ語があります。もっと早くやって欲しかったという想いがあります。)

平成31年4月26日 慰安婦問題(「外交青書2019」囲み記事) | 外務省(2019年5月魚拓)実は昨年4月時点で存在していたURLですが、タイトルが変わっています。掲載されている文書は現在と同じ記述ですが、日本語版しかありません。

Japan's Efforts on the Issue of Comfort Women

Japan's Efforts on the Issue of Comfort Women | Ministry of Foreign Affairs of Japan

外務省HPの英語版サブディレクトリ内でのページも作成されています。

英語版文書:https://www.mofa.go.jp/files/000473133.pdf

現在、Googleでは"Japan Comfort Women"の検索クエリで8位に表示されています(Googleアカウントからログアウトした状態)。

ただ、他の検索エンジン(たとえばDuck Duck Go)では、まったく表示が見つからない程度に下位にランクされているようです。

日本語ページも、平成26年の【慰安婦問題に対する日本政府のこれまでの施策|外務省】の方が見つかりやすい状況です(※リンクは貼らない)。

こうした状況から、英語検索でも上記ページが見つかりやすいように「被リンク」を増やす必要があると思いました。

SNSシェアでは「被リンク」として検索上位表示に貢献することはほぼ無いと考えられていますが、今表示されているこの記事程度の「価値」のあるページであれば、少なくともマイナスの評価にはならないハズです。

外務省「強制連行・性奴隷・「慰安婦数十万人」は史実に基づくとは言い難い」

外務省の慰安婦問題、Japan's Comfort Women

今回の文書で特徴的なのは以下のような記述があることです。

(5)このような日本政府の真摯な取組にもかかわらず、「強制連行」や「性奴隷」といった表現のほか、慰安婦の数を「20万人」又は「数十万人」と表現するなど、史実に基づくとは言いがたい主張も見られる。
これらの点に関する日本政府の立場は次のとおりである。
●「強制連行」
 これまでに日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった。(このような立場は、例えば、1997年12月16日に閣議決定した答弁書にて明らかにしている。)

●「性奴隷」
 「性奴隷」という表現は、事実に反するので使用すべきでない。この点は、2015年12月の日韓合意の際に韓国側とも確認しており、同合意においても一切使われていない。

●慰安婦の数に関する「20万人」といった表現
 「20万人」という数字は、具体的裏付けがない数字である。慰安婦の総数については、1993年8月4日の政府調査結果の報告書で述べられているとおり、発見された資料には慰安婦の総数を示すものはなく、また、これを推認させるに足りる資料もないので、慰安婦総数を確定することは困難である。

「1997年12月16日に閣議決定した答弁書」というのは、

衆議院議員高市早苗君提出「慰安婦」問題の教科書掲載に関する再質問に対する答弁書 答弁第一三号 内閣衆質一四一第一三号 平成九年十二月十六日

こちらを指します。

英語版の記述も載せます。

(5) Despite such sincere efforts by the Government of Japan, there are claims that can hardly be said to be based on historical facts, such as the allegations of “forceful taking away” of comfort women and “sex slaves” as well as the figures such as “200,000 persons” or “several hundred thousands” for the total number of comfort women.
 The Government of Japan’s position regarding these claims is as follows;
●“Forceful taking away”
  “Forceful taking away” of comfort women by the Japanese military and government authorities could not be confirmed in any of the documents that the Government of Japan was able to identify. (This position is stated, for example, in a written answer approved by the Cabinet on December 16, 1997 to a question by a member of the House of Representatives.)

●“Sex slaves”
  The expression of “sex slaves” contradicts the facts so that it should not be used. This point was confirmed with the ROK on the occasion of the Japan-ROK Agreement in December 2015 and the expression “sex slaves” is not used in the agreement.

●Figures such as “200,000 persons” for the total number of comfort women
  The figure “200,000 persons” lacks concrete evidence. As stated in the report of the Government study’s result of August 4, 1993, it is virtually impossible to determine the total number of comfort women as no documents have been found which either indicate the total number or give sufficient ground to establish an estimate

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