事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

時事通信「総裁選で小泉進次郎『首相特権で国民投票』発言、国会軽視で野党反発の可能性」⇒何でもありが前提なのに対立煽り

解像度の低い話に終始させて対立煽り

時事通信「小泉進次郎『首相特権で国民投票まで』発言、国会軽視で野党反発の可能性」

「一気に国民投票までやりたい」。自民党総裁選に立候補した小泉進次郎元環境相(43)は16日夜のインターネット討論会で「首相特権で一つ政策を実現するとしたら」と問われ、憲法改正の国民投票にこう言及した。仮定の質問とはいえ、国会での憲法審議を軽視する発言だとして野党などが反発する可能性もある

時事通信が自民党総裁選に関連して開催された9月16日のインターネット討論会について、首相特権がある前提でどういう政策を実現したいかの問いに対して小泉進次郎氏が「国民投票まで行いたい』と発言したことを取り上げ、「国会軽視で野党反発の可能性」などと書きました。

悪質な煽動記事です。

ニコニコの候補者ネット討論会「今は無いが新たな総理権限が与えられる仮定」

ニコニコ主催の討論会における総理特権に関する進次郎の発言は1:47:30くらいから

小泉氏は回答の前に「今は無いけれども新たな総理権限を与えるという特権でいいんですよね?」という確認をした上で話をしているのが分かります。

つまり、現行法制度下では総理大臣や内閣・行政府側に与えられていない権限も込みで回答が許されているものです。

したがって、「現行法制度下では憲法上国民投票には国会の発議が必要だし、国会法では内閣からの憲法改正原案の提出権限は無いため、小泉氏の発言は現行法制度を知らず国会を軽視している!」などといった批判は的外れということです。

同様のレベルの発言は他の候補者も行っています。

何のための報道なんでしょうか?

なお、小泉氏は自衛隊が明記されていない現行憲法、一度も憲法改正が為されていない現状に問題を感じているとしていました。

「ニコニコ」という媒体名を隠蔽し、対立を煽る目的で記事を拡散する通信社とは

そもそも時事通信は「16日夜のインターネット討論会」としか書いていませんが、なぜ「ニコニコ」という媒体名を隠蔽しているんでしょうか?

読者の情報の信憑性の確認ハードルを無駄に上げています。

このような対立煽りを続け、先の議論を進めることを阻害しているのは、国益に反しています。こういった報道のガワを被った世論誘導はこれまでも何度もありました。

内閣から憲法改正原案を提出できる国会法改正、それに伴う改憲準備室の設置など

小泉氏は上掲の仮定的質問に対して「憲法改正の国民投票もパッケージにした小泉改革関連法案」と回答していましたが、関連法案に国会法を改正して内閣から憲法改正原案を提出できるようにすることも考えているのであれば面白いなと思いましたが、そこまでの言及はありませんでした。

既に、江崎道朗氏などが『憲法改正は関連法規への影響が広範に渡るため、議員立法では不十分になる懸念があり、内閣に改正準備室も設けるべきだ』といった旨の主張をしています。

その上で、自衛隊の位置づけは行政権なのか?それとも三権とは別の軍隊とするのか?災害対策や感染症対策などの職務は切り離して別組織を作るのか?諜報部隊は別途組織するのか?など、自民党総裁選を通じて、憲法改正、自衛隊明記にまつわる様々な懸案について、より解像度の高い議論が深まることを望みます。

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