『安倍総理が「死亡者のカウントに漏れはない」と言ったのに実際は漏れがあるじゃないか!問題だ!』と言う人が居ますが、典型的な藁人形(ストローマン)論法でした。
国立遺伝学研究所川上浩一教授の藁人形論法
死亡者のカウントに漏れはない、とした3/28安倍首相の会見。引責辞任してもらいたい。
— Koichi Kawakami (@koichi_kawakami) 2020年4月20日
”3月28日安倍内閣総理大臣記者会見”https://t.co/i40ELxVSmf
変死の11人がコロナ感染 3~4月に5都県、警察庁まとめ | 2020/4/20 - 共同通信 https://t.co/mJUdYiMfty
国立遺伝学研究所川上浩一教授のツイート
『3/28安倍首相会見で「死亡者のカウントに漏れはない」と発言したが、実際は漏れがあった』という内容。
しかし、これは藁人形論法=ストローマン論法の典型例です。
安倍総理会見では「死亡者のカウントに漏れはない」とは言っていない
川上浩一教授のツイートには丁寧に「ソース」として記者会見のトランスクリプトページのリンクが付いていました。
この話に関連しそうな箇所は以下です。
令和2年3月28日 安倍内閣総理大臣記者会見 | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
では、果たして日本はそれを隠しているのかという議論があります。これは、私は違うと思います。例えば死者の数は、PCR検査の数が少ないけれども、死者の数が多いということではありません。では、死者の数、肺炎で亡くなっている方は、実はコロナではないかということをおっしゃる方はいるのですが、コロナウイルスの場合は専門家の先生たちが、これはみんな、私も確認したのです。私も、これはそういう批判があるんだけれども、どうなんだろうかと。このPCR検査、これが少なくてという話で、伺ったのですが、これは、肺炎で亡くなった方については、基本的に肺炎になって、最後はCTを必ず撮ります。それで、CTにおいて、これは間質性肺炎の症状が出た方は必ずコロナを疑います。必ず。そういう方については、これは必ず大体、PCRをやっておられます。ですから、そこで間質性肺炎でない肺炎で、例えば細菌性等々の肺炎で亡くなられた方等について言えば、これはコロナではない。ですから、コロナではなくて肺炎で亡くなったという方はコロナではないのだという説明を私は受けて、私は納得したところでございます。
ここから明らかなように、安倍総理は「死亡者のカウントに漏れはない」などとは一言も言っていません。
「新型コロナの死者数を隠蔽していない」と言っているに過ぎません。
「カウント漏れ」は起こるもの
ニューヨーク市では新型コロナウイルスによる死者がいきなり3700人以上も増えたということがありました。これは病院以外の自宅などでの死者は検査もされていないために新型コロナが死因であるということが判明していなかったのが、後の調査の結果、そうであることが分かったというものです。
これは日本でも起こり得るのものです。
これを「カウント漏れ」と言うのか、「判明したものから順次公表している」と言うのかということはともかく、実態把握に時間がかかるために時間差で数字が追加されるということはあり得ることです。
これをいちいち問題視する意味がわかりません。
横行する藁人形論法
「朝日新聞が布マスクを3300円でぼったくり販売している」、しばらく前からまとめサイトで流行ってるネタですね…。公的な場での政策への批判に対してまとめサイトネタで朝日新聞を叩いて応答する人間が首相だよ…。絶望する…。
— 高 史明(TAKA, Fumiaki) (@Fumiaki_Taka) 2020年4月17日
ストローマン(英: straw man)とは、議論において対抗する者の意見を正しく引用しなかったり、歪められた内容に基づいて反論するという誤った論法、あるいはその歪められた架空の意見そのものを指します:参考
安倍総理発言に対する藁人形論法については、最近は「朝日新聞販売のマスクをぼったくりと言った・攻撃した・揶揄した」というものもあります。
大手新聞社などもそういう論説に乗っかって記事を書いており、いちいち一般人が情報源を確認しなければなりません。
高 史明教授も川上浩一教授もなぜこういう基本的な事実を歪めてしまうのでしょうか?
以上