事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します

川崎市の差別根絶条例案(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例は日本人差別条例

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川崎市の差別根絶条例案「(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の素案が公表されました。

これは純日本人の差別条例です。

川崎市の「差別根絶条例案」(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例

川崎市、差別根絶条例、定義

川崎市:「(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」(素案)について

ポイントは以下です。

  1. 条例が規制する差別的言動(ヘイトスピーチ)は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動であり、ヘイト規制法2条の定義と同じ
  2. インターネット上の表現行為も対象
  3. 罰則がある⇒50万円

このうち、新規性のがるものは「3番目」の罰則があることです。

それ以外は基本的に大阪市や東京都の条例の焼き直しです。

それらの問題点は以下で指摘しており、川崎の条例にもそのまま当てはまります。

東京都ヘイト規制条例の問題点:東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案 

大阪市ヘイトスピーチ規制条例は憲法94条違反か?地方自治法と地域における事務

ヘイト規制法上のいわゆるヘイトスピーチの定義

本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律

(定義)
第二条

この法律において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するものに対して差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。

本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(ヘイトスピーチ規制法・禁止法)では、「本邦外出身者」という指定が入っています。

すなわち、日本で生まれ育った日本人は、この条例では被害者にならないように規定されています。川崎市の条例の定義はこれを使っています。

本邦外出身者に限定する謎

「本邦外出身者」という文言から、代々日本に住んできた日本人は、この条例で保護される「被害者」にはならなくなります。

また、それ以外でも被害者となるかが非常に疑わしい人たちが出てきてしまいます。

具体例を出せば、韓国人から元在日韓国人(日本国籍取得済み)に対して「チョッパリは川崎の韓国人街から出ていけ」などの言動は、この条例では補足できないことになります。こんなことで良いのでしょうか?

川崎市:「(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」(素案)について

全ての市民が不当な差別を受けることなく、個人として尊重され、生き生きと暮らすことができる人権尊重のまちづくりを推進していくため、この条例を制定する。

条例の文言上はすべての人が対象となるように見せておきながら、保護されない集団が居るという姑息な手段を使ってまで、どうして条例を策定するのでしょうか?

大阪市の条例の場合はQ&Aでは、独自にヘイトの定義をし、日本人へのヘイトスピーチも規制対象であると明言していますが、この運用はしないのでしょうか?

川崎市の条例案には、ヘイト禁止法の附帯決議のようなものが無い

実は、ヘイト禁止法には附帯決議があります。

附帯決議とは法的拘束力はないが、立法府の合意事項であり、事実上の拘束力があるという扱いが慣例になっているものです。

本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案:参議院

参議院 ○附帯決議(平成二八年五月二〇日)
国及び地方公共団体は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
本法の趣旨、日本国憲法及びあらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約の精神に照らし、第二条が規定する「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」以外のものであれば、いかなる差別的言動であっても許されるとの理解は誤りであるとの基本的認識の下、適切に対処すること。
二 本邦外出身者に対する不当な差別的言動が地域社会に深刻な亀裂を生じさせている地方公共団体においては、その内容や頻度の地域差に適切に応じ、国とともに、その解消に向けた取組に関する施策を着実に実施すること。
三 インターネットを通じて行われる本邦外出身者等に対する不当な差別的言動を助長し、又は誘発する行為の解消に向けた取組に関する施策を実施すること。
四 本邦外出身者に対する不当な差別的言動のほか、不当な差別的取扱いの実態の把握に努め、それらの解消に必要な施策を講ずるよう検討を行うこと。

ヘイト禁止法の附帯決議には、不当な差別的言動に当たらなければなんでもいいというのは誤りである、ということが、一応は書いてあります。

他方で、川崎市の条例案には、そのような事が書いてありません。

50万円の罰則規定を設けるのですから、不当な差別的言動の被害者から純日本人等を排除するのであれば、こういった限定をかけないといけません。

パブリックコメントは7月から

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国会で可決されたヘイト規制法は、時の政治の妥協の産物に過ぎません。

その結果が不当な差別的言動の定義から純日本人等が排除されたことと附帯決議です。

川崎市の条例は、ヘイト規制法の文言がそういった事情で制定されたということを無視してないでしょうか?

パブリックコメントが7月8日から始まるようなので、投稿すべきでしょう。

ネット上から誰でも行えます。

まとめ:施行されたら日本人も通報すればいい

仮に施行されてしまったなら、日本人であっても不当な差別的言動の被害を受けた例があったら通報すればいいと思います。

条例案には「全ての市民が不当な差別を受けることなく」とあるのですから当然です。

インターネット上の表現行為も対象にすると言ってるので、全国の人間が監視・通報することが可能です。

以上