事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

川内博史議員「特捜部副部長は安倍に黙秘権告知して事情聴取、けしからん」⇒刑訴法違反です

川内博史議員、黙秘権の告知を否定

黙秘権告知を全否定する国会議員。

川内博史議員「特捜部副部長は安倍に黙秘権告知して事情聴取けしからん」

魚拓

川内博史議員は、「特捜部副部長は安倍晋三に黙秘権告知して事情聴取している、けしからん」と言っているわけです。

適正手続とは…

憲法の精神と刑事訴訟法に反した立憲民主党川内博史議員

日本国憲法

第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
② 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
③ 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

憲法38条1項の「不利益供述拒否権」については以下判例があります。

最高裁判所大法廷 昭和47年11月22日判決 昭和44(あ)734昭和44(あ)734

憲法三八条一項の法意が、何人も自己の刑事上の責任を問われるおそれのある事項について供述を強要されないことを保障したものであると解すべきことは、当裁判所大法廷の判例(昭和二七年(あ)第八三八号同三二年二月二〇日判決・刑集一一巻二号八〇二頁)とするところであるが、右規定による保障は、純然たる刑事手続においてばかりではなく、それ以外の手続においても、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続には、ひとしく及ぶものと解するのを相当とする 

不利益供述拒否権は自己負罪拒否特権とも呼ばれます。

純然たる刑事手続以外にも及ぶ領域はあると言っています。

最高裁判所第三小法廷 昭和25年11月21日判決 昭和25(れ)1082

憲法第三八条は、裁判所が被告人を訊問するに当り予め被告人にいわゆる黙秘の権利あることを告知理解させなければならない手続上の義務を規定したものではなく、従つてかような手続をとらないで訊問したからとて、その手続は違憲とは言い得ず、刑訴応急措置法第一〇条に違反するものでないことについては、当裁判所の判例とするところである(昭和二二年(れ)第一〇一号昭和二三年七月一四日大法廷判決) 

黙秘権については刑事訴訟法198条2項で定められています。

刑事訴訟法

第百九十八条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。
② 前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない

この辺りの細かい話に興味がある人はたとえば以下がまとまってると思うのでどうぞ。

憲法38条1項が保障するのは黙秘権かそれとも自己負罪拒否権か
京都学園大学 法学部教授 三 並 敏 克

黙秘権(不利益供述拒否権・自己負罪拒否特権)の告知をするなと言う川内議員

川内博史議員は、特捜部副部長に刑訴法違反の違法行為をしろと言うのでしょうか?場合によっては憲法の規定にも反してる、少なくとも憲法の精神に反した主張ではないでしょうか?「立憲」民主党と言うときに憲法って、どこの憲法なんですかね?

「自白が得られなければ嫌疑不十分で不起訴は当然」とも書いてますけど、本人の自白のみが唯一の証拠なら罪に問わないということも憲法38条3項に書かれてますし、いったいなんなんでしょうか?

以上