事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。リンク切れに備えて魚拓を活用しています。

小西ひろゆき議員「法的措置を取る」読み間違えを揶揄され⇒ツッコみ所満載

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小西ひろゆき議員が国会質疑での言い間違えをツイッター上で揶揄されたことについてユーザーに対して「法的措置を取る」と言っているのがツッコみ所満載でした。

関連

対象となったツイート

小西ひろゆき議員、災害対応が落ち着き次第法的措置を取ることを宣言 - Togetter

対象となったのはこのツイートです。

高橋和之を高橋カズヒロと言った国会質疑のソース

183回 参議院 予算委員会 8号 平成25年03月29日

○小西洋之君 内閣総理大臣、安倍総理、今述べられました芦部信喜さんという憲法学者、御存じですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は存じ上げておりません。
○小西洋之君 では、高橋和之さん、あるいは佐藤幸治さんという憲法学者は御存じですか。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 申し訳ありません、私は余り、憲法学の権威ではございませんので、学生であったこともございませんので、存じ上げておりません。
○小西洋之君 憲法学を勉強もされない方が憲法改正を唱えるというのは私には信じられないことなんですけれども。

議事録では「高橋和之」となっていますが、当時の動画を見れば「タカハシカズヒロ」と言っているのは事実です。

議事録は議院の事務方が草案を作成して発言者らがチェックした上でUPされるので、これで良いと関係者が判断したんでしょう。このこと自体は何ら問題ではありません。

ブロックをわざわざ解除して「先にブロックした発言も違法」

「ブロックしていた」と発言したことも違法と言っています。

議事録の通りの記載でなければ事実を改変している、などということにはならないので意味不明なツイートです。

訴訟提起ではなく「しかるべき措置」?

この流れで「訴訟提起ではない」と受け取る人は居ないでしょう。

この件、他に考えられる相手への要求としては「ツイートの削除要求」が有りえますが、小西議員は「災害対応後」と言っているので今行えばいいものを後回しにすることは考えられませんし、弁護士に相談して時点で法的措置を検討しているのですから、その上での「しかるべき措置」は訴訟提起以外に無いでしょう。

顧問弁護士の名前も名宛人も無い「通告」

 いろいろおかしいこのツイート(笑)

まず顧問弁護士の名前が無い

何らかの請求の前段階として弁護士の記名入りで要求内容を明示した文書を相手方に送付しておくことが一般的ですが、このツイートは「顧問弁護士」とだけで、この段階で名前が無いのは違和感があります。

そして、最も重要なのが「名宛人に対して向けられていない」ということ。

これは小西議員の単なるツイートなので、相手方の@が書かれておらず、相手がこのツイートを認識するとは限りません。

これでは単なる独り言に過ぎず、通告になりません。

「措置を取る」じゃなくて「措置を執る」ですよ

魚拓:https://web.archive.org/web/20190921005139/https:/twitter.com/konishihiroyuki/status/1174851287973646336

「(法的)措置を取る」と書いていますが、「措置を執る」ですね、クイズ王さん。

訴訟予告は脅迫罪になるのか?

告訴の意思表示は脅迫か。大審院大正 3 年 12 月 1 日判決の検討 日下 和人

「真実権利を行使する意思がなく、相手を畏怖させる目的であるときは脅迫に当たる」とする判例として大審院大正3年12月1日刑録20・2303が挙げられますが*1、単に権利行使する意思が無い=訴訟する気が無いというだけで脅迫罪になるかはかなり疑問です。

脅迫罪が成立するのは権利行使意思の欠缺+畏怖目的の場合なのか、この判例では行使意思の欠缺の事実があることがただちに畏怖目的と認定できたケースだったのか(上記論文はその立場)、議論の余地がありそうです。

以上

*1:刑法各論 第六版 西田典之