事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

レーダー照射:8ヶ国翻訳される韓国政府の反論動画にBGMが付いていた意味

 韓国政府公式が大仰なBGM付きでレーダー照射の「反論動画」をUPしました。

「こんな幼稚で馬鹿なことをしている輩は取るに足らない」と思ったでしょうか?

そんなことは百も承知で韓国政府は作成してますよ。政府レベルでは通用しない事は。

一般人の認識に攻撃をしかけているんですよ。

一般人の認識

上記2つの記事で取り上げたのは、メディアの報道の仕方で私たちはいくらでも誤解し得るということです。

両方とも、記事のタイトルしか見ていなかったり、特定のメディアが事実関係を省略してい報じた記事を見た読者が、書いていないことを想像してしまったがために誤解していることを指摘しています。

「メディアが騙している」というよりも、読者の側がどうしても印象で理解してしまうという逃れ難い現実があるということを認識すべきです。

それは「悪い事」ではなく、私たち人類の頭がそういう「作り」になっているということです。

その前提に立つからこそ「注意して読む」「複数メディアで確認する」という行為をする必要性に気付くことが出来ます。

NHKや共同通信のサムネ画像

「普通の人間は印象に流されやすい」

そういう認識に立てば、NHKや共同通信の合成写真がいかに不適切か。

結局NHKは画像を修正しましたが、この「印象操作」の事実は既にいろんな人が指摘するようになりました。

「レーダー照射」韓国がそれでも非を認めない理由はこれではないか(髙橋 洋一) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)魚拓はこちら

印象操作宣伝への対抗 

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戦争と宣伝 粟屋義純 著 時代社 205ページ:http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1462818

戦争と宣伝 - 国立国会図書館デジタルコレクションで言及されているように「日本は何時でも堅苦しい礼服を着用して表門から愛嬌なしに入ってゆくやり方」であることが批判されています。

それは「日本は宣伝というが如き不信、不見識なことは一切しない」のような観念が政官民に広がっているからであると指摘されていますが、そのような「ただ神風だけを頼りにして国土の安泰を祈る」姿勢はどうかと思います。

ゲッベルスの宣伝

絶対の宣伝 ナチスプロパガンダ2 13頁

「肝腎なのはーー飽くまで大衆の真只中に居るということだ。断じて国民から遊離してはならぬ。」
※注:「勝利の日記」和訳からの抜粋

ー省略ー

政治宣伝の宿命は、「大衆操作」にほかならぬが、その場合、「大衆の真只中」にいるということは、大衆の内側から操作するということであろう。

ナチスでヒトラーの政治宣伝政策を牽引していたゲッベルスは大衆をターゲットにしています。

本書の別のところでは、宣伝が成功したのは文章の力ではなく演説の力によるものであった旨を書いていることから、如何に大衆の情動を煽るかを考えつくしていたことが伺えます。

実際、ツイッター上で「韓国世論の紹介」という体で一般人が防衛省の主張に疑問を呈するように誘導するアカウントが複数見られました。これが個人的なものか韓国政府の支援を受けているかは知りませんが、世界中の一般人を騙すという方針があるというのは韓国が動画を8ヶ国に翻訳することから自明でしょう。

レーダー否定、8言語で 韓国動画、文氏は10日会見 - 産経ニュース

「感覚」に対しては文字媒体より動画・音声媒体

「知性」に働きかけるためには文字媒体は有用です。

しかし、「感覚」に働きかけるためには「映像」「音声」媒体の方が強力です。 

私のブログも誰かのYoutube動画のコメント欄にURLが貼られて、そこからのアクセスが一時的に急上昇してはコメントが流れて終息していく、ということを何度も経験しています。

日本人ですらそうなんですから、世界中の「感覚的な者達」を相手にする場合、韓国の合成サムネ+BGM付き捏造動画は、それなりに有効だという予測が付きます。

 「頭の良い」人たちへ

ここで指摘したことは「頭のいい人」たちは一笑に付しているきらいがあります。

「印象操作とかいいがかりレベルでしょ」「こんなもの分かるでしょう」

それはその人が知的レベルが高く、情報リテラシーがあるからです。

周囲に優秀な人間ばかり居る環境で生活している人ほど「印象操作」であるとは思わない傾向にあるのだろうと思います。 

思慮深い賢者の声は直情的な大衆によってかき消されてきたのが歴史的事実です。 

歴史はまた繰り返そうとしているのでしょうか。 

以上