事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。リンク切れに備えて魚拓を活用しています。

産経新聞「クルド人職務質問デモに極左暴力集団が参加」と追加取材結果を報道

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7月に入ってから、産経新聞が5月22日のクルド人職務質問と同月に行われたデモに関して追加取材した記事がUPされましたので、関連する情報も含めて紹介します。

産経新聞「クルド人職務質問デモに極左暴力集団が参加」

職質への抗議が「人種差別反対」に…クルド人デモにちらついた不穏な影(1/3ページ) - 産経ニュース

警視庁渋谷署員から威圧的な職務質問を受けたなどと主張するクルド人男性らが5月に実施した抗議デモに、警察当局が「極左暴力集団」と認定する集団の関係者などが参加していたことが、公安関係者らへの取材で分かった。デモは当初から米国で黒人男性が警察官に暴行され死亡した事件に端を発した「外国人差別撤廃運動」の影響を強く受けていたという見方があるが、クルド人の支援団体側は「われわれは別のグループの主張に便乗された」と困惑。警察当局は、さまざまな政治勢力が混乱に乗じて介入を図った可能性もあるとみて、慎重に情勢を分析している。

産経新聞が7月1日の記事で「クルド人職務質問デモに極左暴力集団が参加していた」 「『あわよくば、自分たちの運動に取り込もう』という勢力が介入していた」と指摘する公安関係者への取材結果を報じています。

この記事は【日本クルド友好協会】に取材し、当該デモに否定的な評価を聞き出しており、また、【クルド人文化協会】から6月に当該デモとは無関係である旨の声明が出されていたことを報じています。

警視庁「公務執行妨害も適用できる事案だった」

職質への抗議が「人種差別反対」に…クルド人デモにちらついた不穏な影(2/3ページ) - 産経ニュース

一方、5月22日の職務質問の経緯について、警視庁幹部はこう説明する。

パトカーの後方を走行していたクルド人男性の車がパトカーを追い抜き、ウインカーを出さず車線変更。さらにスピードを上げた。署員が車を停車させ、運転免許証の提示を求めると男性は拒否し、車を急発進させた。渋滞で停止した車にパトカーが追いつくと、男性はすでに車から降り、中央分離帯の茂みに両手を後ろにした状態で立っていた。

 署員が所持品を確認しようとしたところ、男性が抵抗したため足をかけて膝をつかせ、腕で押さえつけた。所持品に問題はなく、車内から危険物や違法な物品も発見されなかった。男性には口頭で注意をし、そのまま帰宅させたという。

警視庁幹部は「公務執行妨害も適用できる事案だった」 としています。

動画はクルド人男性が乗車していた車から仲間が撮影したものと、沿道から撮影したと思われるものの2パターンが拡散されていましたが、いずれもパトカーが追い付いた後のシーンのみを捉えていました。

この動画をベースに、毎日新聞と神奈川新聞のみが記事を書き、警察の対応を非難するような報道をしていましたが、細かい表現を修正するなど、対応の不味さを自身らも自覚していました。

前後の事情を把握せずに何か評価を下すことの危険性を知るためのいい機会でしょう。

極左暴力集団?しばき隊のメンバーも参加?

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公安調査庁 内外情勢の回顧と展望 平成26年

極左暴力集団」というと、いわゆる中核派、革マル派などが典型例であり、公安調査庁の「内外情勢の回顧と展望」では「過激派」という項目で報告されています。

他方、右翼団体の項目ですが、「対抗勢力」として、いわゆる「レイシストしばき隊」(同名での活動は解散したとしているが、実態としては存在しているのが明らか)のカウンター行動の報告が今年度まで続いています。

今回のクルド人デモにおいても、しばき隊の主要メンバーである低身長の男性と思われる人物が写りこんでいるのが分かります。

日本クルド友好協会理事長も危惧

日本クルド友好協会の理事長が渋谷デモに関してブログを書いてました。

過激な民族差別抗議活動デモが新たな偏見を生む。- 木下顕伸の日本・中東・世界情勢の解説 https://ameblo.jp/jpn5689/entry-12603985612.html

6、日本にも抗議活動が波及し、民族差別抗議活動団体により、クルド人青年が警官から職務質問を受け暴行を受けたとして抗議デモを行った。

7、日本の警察官がクルド人青年を取り押さえる動画が、ネット上で話題になり、それに便乗した民族差別抗議団体がこれを取り上げたものである。

8、職務質問は、本来日本人であろうがなかろうが誰でも受ける。
素直に免許証の提示、車内を見せていればこのような騒ぎになっていないだろう。

中略

10、外国人特権等はない。郷に入っては郷に従え。仮に日本人が海外で同様な行為を行えば当然逮捕される。

11、日本クルド文化協会(クルド人が主宰するコミュニティ団体)は、このデモに一切関係ないと声明をネット上で公開した。

12、この声明ではクルド人青年の行為を批判。
また、デモは、日本人が主宰しクルド人は関与していないとの内容である。

13、何故、このような声明を発表しなければならないのか?
これまでクルド人による抗議デモは、トルコ政府やIS、シリア問題に対して行われた。
クルド人がこのような騒ぎを起こせば政治的賛同を日本人から得られない。
かえって、身勝手だとクルド人批判が増える事に繋がるからである。

14、マスコミも外国人から見た日本の報道を行うが日本人から見た外国人の報道を行わない。報道に平等性はない。

中略

21、最後に、トルコ経済が悪化するなかトルコ人がクルド人難民と称して難民申請を行い、入国しようとするケースがある。
この事は、世間には知られていない。コロナショックにより日本も経済回復の見通しがたたない。
今後、外国人犯罪が増えない事を祈るばかりである。

最後の所が重要なのですが、関連する疑問を飯山陽氏が指摘していました。

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トルコ人がクルド人難民と僭称して難民申請を行い、入国しようとするケース

どうやら、クルド人を名乗る者の中には、こういった人間が紛れ込んでいるようです。

活動を乗っ取る勢力の存在に焦点を当てた産経記事

クルド人デモにおける極左暴力集団や、BLMデモにおけるANTIFAなど、産経の記事では社会運動を乗っ取ろうとする勢力の存在に焦点を当てています。

およそ社会運動を行う団体には、こういう干渉をする動きは常に存在しています。

おそらく、こういう動きを察知したから、有田芳生議員は警察による事実関係の説明をそのままツイートし、以降この件には第三者的な立ち位置からの情報発信に専念しているのだと思います。

本来の活動主体が発信したメッセージとは異なる内容が拡散される懸念を、活動団体目線から報じ、且つ、一般の日本国民にその可能性を想起させて判断を留保することを促す良記事だと思います。

以上