事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

京都新聞「福島県には人がいなくなりなくなったまちがある」居住人口ゼロ自治体は解消

報道を何だと思ってるのか

京都新聞「福島県には人がいなくなりなくなったまちがある」

https://archive.md/SDUDf

京都新聞がX(旧Twitter)で「福島県には人がいなくなりなくなったまちがある」とタイトルに出して投稿。事実に反するという指摘が相次いでいます。

東日本大震災「福島県には人がいなくなり、なくなったまちがある」 京都で暮らす被災者が講演 2024年9月26日 11:57

共同通信配信版では全文が読めるようになっています。

避難指示地域で一時的に居住人口ゼロの自治体はあったが解消

避難指示地域で一時的に居住人口ゼロとなった自治体としては大熊町、双葉町、富岡町、浪江町がありましたが、現在は避難指示が解除され、人が住むようになっています。

そのため、「福島県では現在でも居住人口がゼロの行政区画としての町がある」というのは、事実に反します。

行政区画としての「まち」ではないとしても何故この部分を表題にしたのか?

「福島県には人がいなくなりなくなったまちがある」というのは、福島県郡山市で被災し、同年6月に京都市伏見区に避難して現在も暮らしている星千春氏の講演での発言であり、「人がいなければまちは存続できない。人命を守ることはまちの命を守ることにもつながる」という考えの下での発言であったと記事には書いてあります。

その意図は記事からは不明ながら、行政区画としての町ではなく「住んでいる人が居るところのまち」という意味で発言していたものと推測できます。また「いなくなったまちがある」は「過去にそのような状態になったまちがある」という趣旨かもしれない。

その意味ならば事実問題ではないため、事実誤認だとかそういう話ではない。

私は、それくらいの捉え方をするのが良いのではないかと思います。

しかし、仮にそうだとしても、京都新聞はなぜ、この部分をタイトルにしたのか?

この講演は【宮城県石巻市の大川小の遺族を追ったドキュメンタリー映画「『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち」の上映会に合わせて登壇した。】とあり、星氏も津波被害に触れて備えることを訴えたと記事に書かれています。

ならば、この講演で報じるべき内容の中核はその部分であり、単なる発言の一端でしかない「福島県には人がいなくなりなくなったまちがある」がタイトルに来るのは意味がわからないとしか言いようがありません。

SNSリンク先が有料、「タイトル煽り」による批判は引き受けるべき

さらに、京都新聞のXアカウントの投稿にある京都新聞のリンク先は、有料記事となっています。そのため、詳しい内容を読者が確認することができず、SNSに投稿された文言のみで判断せざるを得ません。

見出しと有料化で読者から判断できる要素を奪った事の結果として、「事実誤認だ」「デマの拡散だ」などの批判は引き受けないといけないでしょう。

タイトルには本文に無い過激な単語を散りばめたり、本来の趣旨とは異なって誰かの怒りを掻き立てるようなタイトルの構成にする手法で関心を集め、或いは印象を広めようとするのは常套手段です。

京都新聞は直近だと上川大臣の発言を「産まずして」と書いていたが批判を受けたのか「うまずして」に修正するなど、タイトルで煽る手法を用いているので、自業自得でしょう。

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