事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

渋谷健司「日本人はワクチンに対する信頼性が低い」⇒不安払拭しない謎+「治験を省略すれば」と矛盾発言:モーニングショー

羽鳥慎一モーニングショー、渋谷健司

2020年1月7日の羽鳥慎一モーニングショー。

「国連の方」から来た渋谷健司氏の発言、何やら雲行きが怪しいです。 

渋谷健司「日本人はワクチンに対する信頼性が低い」羽鳥慎一モーニングショー

羽鳥 日本だと世論調査でちょっと様子を見たいって人が多いんですけれども、イギリスってどういう感じなんですか?受けたい受けたいっていう人のが多い感じなんですか?

渋谷 日本の場合ですね、子宮頸がんワクチンなどはじめ、日本人の中でワクチンに対する信頼性ってのは世界でも低いんですよね。ですから、なかなかワクチンを確保しても実際打つかどうかってのはかなり問題があると思いますね

羽鳥 イギリスの人は結構…

渋谷 政府を挙げてとにかく積極的に打ちましょう、それから安全性とか副反応に対する対応とか、比較的しっかりしているので、ワクチンに対する信頼性は非常に高いです。

渋谷健司氏は「日本人の中でワクチンに対する信頼性が低い」という文言を使ってます。そういう状況にしたのはマスメディア特に朝日新聞のせいです。 

こういう話題を振った羽鳥氏(番組の方針だろう)もどういう意図なんでしょうね。

各国のワクチン接種希望に関する世論調査は⇒Most people would get COVID-19 vaccine if offered by government or employer: poll | Reuters

ワクチンに対する信頼性が低いのはマスメディア特に朝日新聞のせい

HPVワクチンに関するマスメディアの論調がHPVワクチン接種を妨げた、その発端は朝日新聞の記事だ、という論文があります。

また、日本で騒がれたことが海外におけるHPVワクチン接種政策にも悪影響を与えた可能性が示唆されると指摘する論文もあります。

ブルームバーグ英語版の記事ではMMRワクチンの事案も影響しているとありますが、現代を生きる者の記憶にあるのはHPVワクチン報道の方でしょう。

メディアの報道によって作られた「ワクチンは危険」という観念なのですから、それを払拭するのがメディアの仕事であり、渋谷氏の仕事のはずが、それを放置しておいて何を言っているのでしょうか?

なぜ、他人事なんでしょうか?

日本の治験は緊急事態下だから省略しても良い?

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モーニングショーでは日本が治験を開始したのが10月からだったことを「遅かった」という論調ですが、この点は「メーカー判断」と厚労省が主張していたことが批判対象になり得ると思います。

ただ、イギリスも治験を10月に行っています。

その間にデータをファイザー社から受けて承認が早かったとしていますが。

イスラエルに関しては以下記事で当局のリリースを紹介してます。

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羽鳥 この通りだとは思います。が、いまこの状況で、渋谷先生、その、日本のこの手続・経過、どうお感じになりますか?

渋谷 これはコロナに限らず日本の場合元々ワクチンギャップと言われていて、海外で使えてるワクチンが日本で使われないケースがあったんです。それは日本独自の承認プロセス、特に日本人で治験をしないとダメだと。もちろんワクチンの有効性安全性は非常に担保しなければいけないがこの緊急事態でわずか160人に治験をして遅れるというのはどうなのかなと。それはもちろん科学的に妥当であればやるべきなんですけれども、今回、4万4000人のきちっとした試験をして各国明確にいろいろ承認した中でじゃあ敢えて160人をやる意味が本当に科学的にあるのかと

羽鳥 これが正式というかプロセスなんでしょうが160人飛ばしてもいいんじゃないかという先生のお考え

渋谷 まああの、科学的にOKで※※※(発言不明瞭)敢えてやるのはどうなのかと。これは今まで通りのやり方なんですよ。ただ今緊急事態ですし…

ちょっと前の渋谷氏の発言を振り返りましょう。

渋谷氏は「日本人の中でワクチンに対する信頼性ってのは世界でも低いんですよね。ですから、なかなかワクチンを確保しても実際打つかどうかってのはかなり問題があると思いますね」と発言していました。

なのに、「治験をすっ飛ばしてやる」ことの可能性について言及。

日本人のワクチンに対する不安を解消するのに、治験をクリアしたという結果が影響を与えるという側面はあるでしょうに。それに寄与することは肯定しないのでしょうか?

しかも自分が断定するのではなくて選択肢を提示しているだけだというニュアンスで、逃げ道を作ってるのが文字起こしをすると感じるのは気のせいでしょうか?

で、有効性安全性を担保しなければならないということの説明で「日本人に当てはまるかどうかを確かめている」今の日本の治験の方針について「(海外で)4万4000人で試験をして複数の国で承認しているから云々…」という論は、主張自体失当でしょう。それは理由にならない。何を言いたいのかさっぱり分かりません。

160人という人数を批判するなら分かります。それでは少ない、「やったフリ」であり、科学的な意味が無いのではないか、と。

そういう批判が妥当するのかは知りませんが。

以上