事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。リンク切れに備えて魚拓を活用しています。

玉川徹「PCR全員検査と未だに言ってると思われてるのは心外」⇒半月前も発言してるので当たり前

玉川徹がPCR検査について耳を疑うような発言をしています。

玉川徹「PCR全員検査と未だに言ってると思われてるのは心外」

玉川徹氏の発言を正確に書きだすと「(国民全員に検査をしろ)と未だに言ってると思われてるのは心外」というものです。

「そんな事は言っていない」とかではなく、「意見を変更した」というニュアンスの発言になっています。

ただ、「未だにそう思われているのは心外」というのは、無責任でしょう。

これまで何度も発言してきたじゃないですか。

半月前にはまだ「全員検査」と言っていたのですから。

玉川徹「何で未だに『全員検査は意味が無い』なのか」

玉川徹氏は東北大の押谷教授の見解を否定する形で「何で未だに『全員検査は意味が無い』なのか」と言っていました。

これは7月30日の放送です。

では、押谷教授の言う「全員検査は意味が無い」とはどういう意味でしょうか?

この場合の「全員検査」が、「有症状で検査が必要だと医師が認める者」みたいな意味であれば、異なる評価になり得るため、調べました。

東北大の押谷教授のPCR全員検査に対する考え

【独占】押谷仁教授が語る、PCR検査の有用性とリスクとの向き合い方 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト魚拓

――それでも、メディアの中にPCR検査絶対論は根強い。中には、片っ端からPCR検査をして陽性者はどんどん隔離せよという声もある。

おそらく、このウイルスの伝播パターンを理解していない人が全員をPCRせよ、と言っているのだろう

これは西浦さんの最初のデータで示されたことだが、110人のうち80人くらい、80%近くの人は誰にも感染させていないことが分かっている。十数%は1人にしか感染させていない。ごく一部の数%の人だけ、例外的に非常に多くの人に感染させる。だからこのウイルスは広がっている。つまり、大多数の誰にも感染させない人をいくら見つけても感染制御にはあまり意味がない。

これは7月6日にインタビューしたものをまとめた記事です。

押谷教授のPCR全員検査に対する考えをまとめれば「感染制御という目的にとって必要な人に検査するべき」です。

それは、新型コロナウイルスの感染者は大多数が誰にも感染させないため、感染させない感染者を見つけても感染制御にはあまり意味が無い、他方で発症前の無症状者が感染させてしまうところ、それを捕捉しようとすると論理必然的に国民全員PCRとなるが、それをやっても無意味であり、感染制御できない、という見解です。

【独占】押谷仁教授が語る、PCR検査の有用性とリスクとの向き合い方 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト魚拓

症状がある人だけを検査していてもその前に感染させてしまう人がいるので、結局は無症状者を含め「国民全員PCR」のようなことをやらなければならなくなるが、たとえそれをやったとしても、正しく陽性と判断される確率は70%だ。しかもこの感度70%というのは発症直後の話で、PCR陽性率が最も高くなるときの割合だ。感染から3日以内の潜伏期間だと、感染していてもPCRが陽性になる確率はほぼゼロだとのデータもある。全体の陽性率を見ると、おそらく感度はもっと下がる。

そうすると、国民全員PCRを毎日やらないといけなくなる。だが例えば国民全員PCRを毎日、2週間続けたとしても、今日陰性だった人が明日陽性になるかもしれず、その人は既に誰かにうつしているかもしれない。だから結局、国民全員PCRをやっても感染を制御できない。

今われわれが考えているのは、いかにして感染している確率の高い人を選択的に検査していくかということ。軽症者も含めて感染している確率の高い人を見つけるということは非常に難しいが、例えばクラスターを形成した場にいた人たちは感染している確率の高い人ということになる。

今その辺で歩いている人たちを、ちょっとPCRしませんかと、献血に協力してくださいというような形でやったとしても、これは感染している確率の非常に低い人たちに検査をするということになる。

よって、感染している可能性が高い者にPCR検査をすることを考えています。

分科会でのPCR検査の対象の議論

玉川徹PCR全員検査

 

新型インフルエンザ等対策有識者会議|内閣官房ホームページ

また、押谷教授も構成員である新型コロナウイルス感染症対策分科会の7月16日の資料があります:検査体制の基本的な考え・戦略(PDF/915KB)

そこでは有症状の者であっても「医師が新型コロナウイルス感染症を疑うなど必要と認めた場合に検査ができる体制が確保されていなければならない」とあります。

他方で、無症状者であっても事前確率を考慮しつつ濃厚接触者等には検査をするという方針であることを再確認しています。

この資料はPCR,抗原、抗体検査も含めて記述してあります。

つまり、押谷教授や専門家の分科会が「意味が無い」と言っているのは、「国民全員検査」であって、感染制御に必要な対象であれば、有症状だろうが無症状だろうが検査しましょう、と言っているのです。

玉川徹は新型コロナのPCR検査の実態を知らない

感染制御という目的にとって」必要だということを強調して書きましたが、これは個人が検査してほしい・辛いと思っている、という必要性ではないということを明確にするためです。

玉川徹は新型コロナのPCR検査の実態を知らないで論じているため、BPOに提訴されても仕方がないと思います。

なお、8月20日の番組でも、「政府は無症状者への検査に後ろ向き」と発言していましたが、それは上述の通り、必要な者には検査するべきだと専門家は提言しているわけですし、既に現在、COCOAでの接触者はPCR検査の対象になるなど、無症状者へのPCR検査は拡大されていますから、かなり的外れな指摘です。

以上