令和2年8月28日に行われた茂木外務大臣の記者会見でジャパンタイムズの記者に「日本語分かっていただけましたか?」と発言した事がなぜか叩かれていますので事実関係を整理します。
- 茂木外務大臣「日本語分かっていただけましたか」発言の文脈と全体の質疑動画
- ジャパンタイムズの大住マグダレナ記者の「科学的根拠」質問が稚拙
- 法務省傘下の出入国管理庁の所管の話
- 差別ではないし、科学的根拠は必要ない
茂木外務大臣「日本語分かっていただけましたか」発言の文脈と全体の質疑動画
茂木外務大臣会見記録|外務省 (令和2年8月28日(金曜日)11時37分 於:本省会見室)
【ジャパンタイムズ 大住記者】2点お伺いします。入国規制が、外国人を対象にした入国規制が緩和される方向であるというふうに伺っているんですけれども、その方向性の中には、在留外国人は日本人と同じような、それに似たような条件で入国が認めるようになるかというその方向について、それは1点で、2点目はそもそも論として、この在留外国人を含めた規制は、特に在留外国人を対象にした入国規制は、どういった、その背景になった科学的な根拠を具体的に教えてください。
【茂木外務大臣】まずこういう在留資格を持つ方々、今、日本にいらっしゃる、もしくは在留資格を持っていったん海外に出られている方、そういった方々の入国もしくはその再入国を認める方向で、今、最終調整をしているところであります。
そしてこれは、日本に限らずあらゆる国が、今、新型コロナウイルスの中で、水際措置、これをとっている状況であります。それぞれの国によりましてやり方は違ってくるわけでありますけれども、まさにそれは各国の感染症対策であったりとか主権に関わる問題でありまして、各国がとっている措置、日本としても適正な措置をとっていると考えております。【ジャパンタイムズ 大住記者】すみません、科学的な根拠について。
【茂木外務大臣】What do you mean by scientific?
【ジャパンタイムズ 大住記者】日本語でいいです。そんなに馬鹿にしなくても大丈夫です。
【茂木外務大臣】馬鹿にしてないです。いや、馬鹿にしてないです。全く馬鹿にしてないです。
【ジャパンタイムズ 大住記者】日本語で話しているなら、日本語でお答えください。科学的な根拠の、同じ地域から日本国へ、日本国籍の方が外国籍の方と一緒に戻られて、全く別の条件が設けられ、その中には例えば事前検査だったり、同じ地域に住んでいるところから、全く別の条件で入って、入国が完全に認められないケースもあったんですね。それに関しては、その背景に至ったその違い、区別を設ける、その別の条件を設ける背景になった、背景にある科学的な根拠をお聞きしています。
【茂木外務大臣】出入国管理の問題ですから、出入国管理庁にお尋ねください。お分かりいただけましたか。日本語、分かっていただけましたか。
茂木外務大臣が「日本語分かっていただけましたか」と発言した文脈と全体の質疑動画を見ると、印象は変わりますね。
ジャパンタイムズの大住マグダレナ記者の「科学的根拠」質問が稚拙
大住マグダレナは、日本文化と言語学で修士号を取得している日本学者です。2005年に交換留学生としてポーランドから来日しました。現在、ジャパンタイムズ社のレポーターとして、主に日本社会問題、東京都や地方行政をカバーしています。🇯🇵👩🏻🇵🇱@jt_mag_os @japantimes #CelebratingWomeninJapan pic.twitter.com/0IE5VzALsI
— CelebratingWomeninJapan (@womenofjapan) 2018年8月30日
「日本文化と言語学で修士号を取得している日本学者」ですって…
ジャパンタイムズの大住マグダレナ記者がした質問を整理すると、「在留外国人は日本人と異なる条件で入国審査が行われているが、その科学的根拠はあるのか?」というものです。
文字に起こすとわかると思いますが、「質問の仕方」が稚拙だというのが分かります。
上司とかに会見録みたいな質問したら下手したら怒られますよ。
これはネイティブじゃないからとかそういう話ではないです。
まぁ、それを言ってしまうとダイレクトに能力評価になってしまうので、茂木さんは日本語能力の問題にしたんでしょう。
法務省傘下の出入国管理庁の所管の話
茂木大臣も指摘していますが「入国審査」は法務省傘下の出入国管理庁の所管の話。
検疫に関する話なら厚生労働省が所管です。
この関連で言うなら、外務省は「ビザの発給」に関しての所管です。
大住記者は所管外について質問をしているので、そりゃあ「科学的ってどういう意味だ?」と英語で言いたくなりますよ。日本語能力の限界によって「場違い」な質問がされていると考えるのも無理はないです。
差別ではないし、科学的根拠は必要ない
所管外の事項について稚拙なまとまりのない質問をしてくる記者に対する応対として、これのどこが差別なんでしょうか?
日本人とそうではない者の入国審査に扱いの差が出てくるのは当然です。
日本人には入国の自由があり、外国人にはそれが無いからです。
「科学」の中に法学が含まれるとして、説明するとすればそういうことになります。
以上