まあ当然ですよね。
波物語への経産省補助金3000万円交付取消し方針
NHK 愛知 野外音楽フェス 経産省が補助金取り消し 感染対策不十分 2021年9月7日 20時50分
愛知県常滑市で開かれた野外の音楽フェスティバルで、新型コロナウイルスへの感染防止対策が不十分なまま酒の提供も行われていた問題。
ー省略ー
経済産業省は事前の誓約を守っていなかったとして補助金の交付を取り消す方針を決め、7日付けで通知を主催者に送ったということです。
HIPHOPイベントのNAMIMONOGATARI=波物語への経産省補助金3000万円の交付が取消し方針ということで主催者(office keefの富永基煥こと鄭基煥 氏)に通知を送付したと報じられています(NHKの本URLは当初版より追記されている)。
クラスター発生のフェスでの酒類提供と停止のルール
この記事でも書きましたが、酒類提供の規制に関する状況はこの表の通りでした。
波物語が開催された常滑市の愛知県国際展示場は新型インフル等特措法施行令6条の「展示場」に当たり、酒類提供の停止に関しては「働きかけ」という言葉が用いられ、「法的根拠の無いお願い」の性質でした。
この表は内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(8月25日変更)に基づく事務連絡(8月25日変更)とまったく同じ内容のものが愛知県でも掲載されていました。
他方で、他の施設における酒類提供の停止は特措法45条2項や24条9項の「要請」の場合もあり、特に前者では3項で「命令」が可能で、それに反すれば罰則の規定もありました。
なぜ場所によって性質が異なる扱いなのか分かりませんが、当初、運営会社代表が「県は酒類提供は過度でなければ許される」と考えていたのは、イベントのガイドラインの記載を見て勘違いした可能性があります。
もっとも、補助金交付は政府との約束(誓約書を書いている)があり、それに酒類提供等が違反しているということのようですので、この点の勘違いがあったとしても、まったく同情の余地はありません。
酒類提供の停止にかかる特定都道府県知事の裁量
なお、内閣官房の事務連絡には以下書かれています。
④ 本目安の扱い
本目安については、各都道府県において、感染状況に応じて、国として示した目安より厳しい基準を設定しうることに留意し、各地域の感染状況等に応じて、各都道府県が適切に判断すること。
特定都道府県知事は、基本的対処方針三(3)3) に基づき、前記①から③までに示した取扱いとは別途の取扱いを行うことができることに留意すること。この場合、要請を行う判断の考え方、必要性等について、対象となる事業者等に丁寧な説明に努めること。休業等の要請に応じている施設と応じていない施設との公平性を保つことができるよう、命令等の適切な運用を図ること。前記①から③までに示した取組よりも緩やかな取扱いを行うことは、慎重に検討するとともに、仮にそのような取扱いをしようとする場合には、あらかじめ国と十分に連携すること。
基本的対処方針には「あらかじめ政府と協議し」と書かれていますが、その趣旨は「ぬるい対応をするんだったら事前に相談してね」であり、緊急事態宣言が出ている都道府県の知事が裁量でより厳しい措置を採ることは(憲法・その他法令に違反しない限りにおいて)可能だったということです。
今回、それをやるべきだったのではないか?という問題もあると言えるでしょう。
愛知県大村知事は自分に波物語の責任が無いと思ってる?:特措法の要請・命令
イベント業界全体の信頼性の問題になってしまった
この業界を本当の意味で守るためには「感染防止と経済活動の両立」という困難な課題を避けては通れません。
— 打首獄門同好会 (@uchikubigokumon) 2021年9月7日
ただその困難に挑む事には一定のリスクも懸念される以上、業界外からの「信頼」も得ないと行動できません。
その信頼を地道に築いてきたのがこの一年半。
そして信頼が崩れた結果が今です。
ロックバンド「打首獄門同好会」のギターヴォーカル・大澤敦史が運用しているアカウントで、「業界の信頼が崩れた」と嘆いています。
私もイベントの過度な抑制には反対ですが、デルタ株の感染力の高さもあり、開催時の観客らにはワクチン接種を必須にするなどの対策は必要だろうと感じています。
イベント開催に関しては波物語の問題を受けて内閣官房が「当該問題のある催物主催者等の情報を各都道府県と関係省庁間で共有すること。」とも書いてある通知を発しており、要するにブラックリスト作るぞって言ってます。
内閣官房が波物語にブチ切れ:イベント開催制限に関して都道府県に連絡も…
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