ニューズウィークが暴走しています。
- ニューズウィークがタイトルをこっそり変更
- 「ひた隠しにしてきた医療記録が障害か」⇒医療記録は公開されないのが当たり前
- 「トランプは薬で正常ではない、戦争を始めかねない」というツイートをなぜか紹介
- 法律と社会学の教授による薬の話をなぜ紹介するのか?
- トランプのツイートは暴走しているが…
ニューズウィークがタイトルをこっそり変更
冒頭画像の記事は当初はこのようなタイトルでした。
トランプはどこまで重症化するのか──ひた隠しにしてきた医療記録が障害か
Only State-of-the-Art Medicine—and Luck—Can Save Trump Now
2020年10月5日(月)18時00分
ローリー・ギャレット(米外交問題評議会グローバルヘルス担当シニアフェロー)
それが、以下に変わりました。
新型コロナ感染、トランプはボリス・ジョンソン(重症)化するのか
Only State-of-the-Art Medicine—and Luck—Can Save Trump Now
2020年10月5日(月)18時00分
ローリー・ギャレット(米外交問題評議会グローバルヘルス担当シニアフェロー)
大幅なタイトル変更であるにもかからわず配信時間に変化がなく、修正した旨の説明もありません。なお、記事本文には何ら変更はありませんでした。
「ひた隠しにしてきた医療記録が障害か」⇒医療記録は公開されないのが当たり前
当初のタイトル「ひた隠しにしてきた医療記録が障害か」
これがどれだけ異常なのかは見た瞬間に分かるでしょう。
個人の健康に関する診療記録を公開するべき要請などどこにもありません。たとえそれが大統領という公職者の極致であっても。
仮にそのような要請があるとするならば、主張している診断結果に疑義が生じるような場合であって、開示要求があったような場合ですが、そのような疑義が生じるべき証拠は示されていません。
しかも、この記事ではトランプ大統領が要求を受け「医療記録を隠していた」事実の指摘がまったくありません。
どうしてこのタイトルが付けられたのか不可解です(執筆者が付けたのか、編集部が付けたのか、合意に基づいていたのかは不明)。
「トランプは薬で正常ではない、戦争を始めかねない」というツイートをなぜか紹介
トランプは大統領に戻れる状態ではない
Stanford Prof Questions Trump's Ability to Lead While on Dexamethasone
2020年10月5日(月)12時06分
スコット・マクドナルド (魚拓)
英語の元記事があります。
いずれの記事にも以下の内容があります。
新型コロナウイルスに感染し、ドナルド・トランプ米大統領に投与されたのと同じステロイド薬「デキサメタゾン」を投与されたことがあるスタンフォード大学の教授が、トランプの精神は薬のせいでまともではなくなっており、とても執務に戻れる状態ではないと警告している。
「私がデキサメタゾンを処方されていた時には猫の面倒さえ見られなかった。トランプも大統領の職務に復帰するなど許されるべきではない。下手をすれば戦争を始めかねない。トランプは正常ではない」と、スタンフォードで法律と社会学を教えるミシェル・ダウバーは日曜の午後のツイートに書いた。
「私は脳の手術の後にデキサメタゾンを与えられた。これは精神を侵す薬だ。早く止めたかったが、この薬はいっぺんにやめられず、徐々に減らさなければならないので時間がかかる。トランプもそうだろう」
以下がそのツイート。ツイートの順に並べています。ニューズウィークは順番を入れ替えて紹介しています。
I was treated with Dexamethasone following brain surgery. It is (as my team told me) a drug that seriously messes with your mind. It is a bad drug. I could not wait to get off it. Unfortunately you have to wean off which takes time. Trump is incapacitated.
— Michele Dauber (@mldauber) 2020年10月4日
I couldn't be President of my cat when I was on Dexamethasone. He should not be exercising the powers of the Office of President on that drug. We are lucky if he doesn't start a war. He's incapacitated.
— Michele Dauber (@mldauber) 2020年10月4日
法律と社会学の教授による薬の話をなぜ紹介するのか?
引用されているミシェル・ダウバー氏は、「法律と社会学」の教員ですが、なぜ、デキサメタゾンという薬の影響について語る資格があるのでしょうか?
ニューズウィークは、なぜ薬の専門家ではなく、こういう人物のツイートを引用したのでしょうか?
本当にそのような副作用はあり得るのでしょうか?
あり得るとしても、トランプはそのような状態なのでしょうか?
そうであると推認される事実について、検証しているのでしょうか?
どうも、記事にすると「面白い」内容だから、都合よく取り上げただけにしか映りません。
トランプのツイートは暴走しているが…
調子が良くなってきたのか、薬でハイになっているのかわかりませんが、朝からトランプ氏のツイートラッシュ pic.twitter.com/RbibIibXGS
— Masashi MURANO (@show_murano) 2020年10月5日
周りの側近か誰か早く止めた方がいいと思います。完全にキマッてます。 pic.twitter.com/mZRbcy3Cmd
— 福田充 Mitsuru Fukuda (@fukuda326) 2020年10月5日
トランプの退院後のツイートでは短文を連続するスタイルで投稿ラッシュが続いていました。これは、スマホを取り上げられていたからではないか、という指摘もありますが、真相は分かりません。
5日の午後9時8分のツイートからは通常通りになりました。
こういう事情はあるものの、「執務に戻れないほど薬によって無気力状態になっている」のような事実は、未だに見ることがありません。
ニューズウィークに「報道機関の矜持」など最初から求めていませんが、知らなかった人は「そういうメディア」なんだということくらいは知っておくべきですよねと。
以上